そして、皆さんベート殺せコール多すぎてビビりましたよ。
どんだけ皆さんベートを褪せ人さんにぶち転がして欲しいんだよ・・・・。
オマケに感想評価がスゴイきてビックリしてます。
初めての体験ですね。
感想の返信は多すぎて控えさせてもらいますが、きちんと目を通させてもらってますので!!
追記、1部加筆修正させて頂きました
貴方がそう思った瞬間の行動は早かった。
カウンターにめり込んだ頭を引っこ抜き、自由になれば貴方は固くこぶしを握り締めて至福のひとときを邪魔した罪人に叩き込んだ。
音速を超える右ストレートを捉えることのできなかった混種は顔面のど真ん中で拳を受止めてしまう。
ミシミシと鎧越しに貴方の拳が肉にめり込み骨を砕き、鮮血が宙を舞い凄まじい勢いで混種の体が殴り飛ばされていく。
真っ直ぐに混種の体は酒場の出入口の戸を巻き込み、見えなくなれば何かを巻き込む音の後に外からは民衆のどよめきが聞こえてくる。
貴方はミアに迷惑料と弁償代の意を込め、ルーンに還元していたヴァリスの詰まった麻袋と大小いくつかの魔石と怪物の素材をカウンター端に置き、追撃のために歩みを進めようとすれば。
「喧嘩はいいが、アタシの店先で殺しをしたら出禁にするよ?
それと、終わったらあの坊主を必ずここに連れてきな。話はそれからだよ」
と、ミアに言われた。
貴方はこの酒場の料理を甚く気に入ったのだ。出禁になってしまえば食べることが出来なくなってしまう。
その約束を違えないことを貴方は敬愛するラニの名に誓った。
貴方は料理人には敬意を払う褪せ人だ。ここは彼女の顔を立て、あの犬っころは殺す1歩手前程度に留めてやることにした。
なんて慈悲深いのだろう。食事を邪魔することは万死に値する行為だというのに、それをここまで譲歩した事実を知れば犬っころは感涙にむせび泣くに違いあるまい。
左手に聖印を装備し貴方は歩きながら補助祈祷を使用する。
宙に掲げた聖印が光れば黄金樹の紋章陣が現れ、祈祷"黄金樹に誓って"が発動し続けて今度は別の補助祈祷を使用した。
聖印に真紅の炎が灯り、"火よ、力よ! "が発動。ソレを貴方は胸元へと叩きつけるように当てれば身体からは同色のオーラが立ち上る。
本来ならこの次に戦技"王騎士の決意"などのバフを使用するところだが、貴方はフェアプレーを好む褪せ人だ。
さっきの混種は見たところ武器を持っていなかったのでこちらも素手で相手をすることにしたようだ。尚、バフは盛りまくることについてはレギュ違反では無い。いいね?
そんな準備万端な貴方が戸が壊れた扉をくぐれば。
「死ねぇ!!」
そんな声とともに貴方の首を刈り取るように横なぎの蹴りが放たれる。
貴方はその攻撃を避けることはせず、貴方の首筋に当然のように蹴りが叩き込まれた。だが、高い強靭により貴方の足は大樹の根のようにしっかりと地面を踏み締めており、僅かに体が揺らぐのみだった。
確実に息の根を止めるつもりで放った全力の蹴りに効いている様子がなかったからか、貴方の目には混種の顔が面白いくらいに固まっているのが見えるではないか。
当然、貴方はそんな隙を見逃すほど優しくはない。
貴方の腕が混種の足を掴み、カンストまで強化された筋力を惜しみなく活用し勢いよく石畳へと叩きつける。
「ガッ……ハァッ!!?」
放射状にひび割れ、混種は強引に肺の中の空気を追い出し、口からは血液が吐き出される。
だが、貴方の手は弛めることは無い。そのまま持ち上げ、混種をもう一度叩きつける。
鎧に血が付着し、坩堝の鎧に彩りが加えられ、何度も何度も何度も。繰り返す。
持ち上げ、叩きつける。持ち上げ、叩きつける。持ち上げ、叩きつける。持ち上げ、叩きつける。持ち上げ、叩きつける。持ち上げ、叩きつける。持ち上げ、叩きつける。持ち上げ、叩きつける。持ち上げ、叩きつける。持ち上げ、叩きつける。持ち上げ、叩きつける。持ち上げ、叩きつける。持ち上げ、叩きつける。持ち上げ、叩きつける。持ち上げ、叩きつける。持ち上げ、叩きつける。持ち上げ、叩きつける。持ち上げ、叩きつける。持ち上げ、叩きつける。持ち上げ、叩きつける。
持ち上げ────
「止めてッ!!」
───風が走る。
貴方は掴んでいた混種を叩きつける手を止める。
「ガッ……アッ、が……」
手足はあらぬ方向に曲がり、顔には血化粧で赤く染まり焦点の合わない目。
口からは呻き声とも苦痛に喘ぐ声とも判別のつかない音だけが漏れ、ソレが辛うじて息があることを示していた。
本来ならとどめを刺すところだが、ミアに言われた手前で約束を違えるほど貴方は不義理な褪せ人ではない。
貴方はソレを無造作に投げ飛ばした。
「ッ!」
最早意識のない血みどろのソレを受け止め、貴方を睨みつけたのは金髪のまだ幼さの残る顔立ちの少女だった。その後ろにはフィンと名乗った少年、緑髪の混種、ずんぐりとした豊かなひげを蓄えた男の一柱と三人がおり、皆一様に剣呑な色を瞳にたたえている様子だ。
おいたをした犬に躾を終えた貴方はそれらを一瞥すれば、最早興味を失せたのか視線を外し踵を返して天高くそびえたつ摩天楼に向けて歩みだす。
「待って、くださ───ッ!?」
少女が引き留めようと声を出した瞬間に赤い閃光が目の前で走る。
貴方は戦技を発動させエオヒドの宝剣を操り、少女の眉間の手前。指一本ほどの距離で停止させた。
───それ以上、何かをすれば殺す。その後ろにいるのも。貴様も貴様の仲間も全て。
淡々と粛々に貴方は警告する。ただの脅しではない。貴方は少女が指一本でも動かすのを確認すれば即座に眉間にエオヒドの宝剣を突き刺すつもりだ。
それを本能で悟ったのか、少女は何もしなかった。いやできなかったともいえるだろう。
数秒、数分。時間にすればそれだけの時間。だが、少女本人からすれば無限にも等しい時間だった。
貴方は少しの間待てば何もしないことを確認し、突き付けていたエオヒドの宝剣を引き寄せる。
戻ってきたソレを鞘に戻し今度こそ貴方はその場から歩き出した。それを止めることを出来る者はいなかった。民衆すらも貴方を避けるように道の端へと寄り、貴方に対して畏怖の視線を向けていた。
貴方はせっかくの楽しい時間を邪魔され、挙句にはコレである。控えめに言って内心腸が煮えくり返っており手当り次第にめちゃくちゃにしてやりたい気分だ。
だが、貴方は理知的で紳士的で思慮深い褪せ人だ。このムカつきの矛先は原因でもあるベルにビンタ1発で済ますことにした。
ついでにミアに渡した麻袋には持っていたヴァリス全てが詰まっているので、迷宮であぶく銭を稼ぐのも悪くないだろう。
どうせベルも迷宮にいそうだし。と溢れ出る
「ハッ……アッ……!!」
金髪の少女、"アイズ・ヴァレンシュタイン"は荒い息を吐き出す。
思い出されるのは赤みがかった金色の鎧を返り血で彩った冒険者の目と放たれる重圧だ。
まるで、自分たちのことを虫か石に対して向けるような只管に無関心で伽藍堂な色のない透明な目。
気を抜けば伏せてしまいそうになる重くへばりつくような圧。
器を昇華させ、一目おかれる存在となったアイズですらアレには勝てないと理解してしまった。立ち向かおうだなんてとてもではないが無理だ。
その後、彼女は何度か深呼吸を行い早鐘を打つ心臓をなだめ呼吸を安定させていけば漸く冷静になることが出来た。
「アイズ、ベートの容態を診せてくれ」
「うん、リヴェリア。お願い」
背後から育ての親でもあるエルフの"リヴェリア・リヨス・アールヴ"が彼女の傍にしゃがみ、地面に安置させていたベートを預ける。
「……お前から見て、彼の者はどう思った」
「…………殺される、って思った」
「そうか」
不意にリヴェリアから問われ、アイズは思ったことをハッキリと伝える。
それにリヴェリアは短く頷く。
今までも幾つもの死地をくぐってきて尚、そう思った事実。
ベートが為す術なく蹂躙され、それを自分たちは見ているだけしかできなかった。
それはベートが先に喧嘩を吹っ掛けたのもあるが、それ以上にあの冒険者の放つ圧に酒場にいた全員が呑まれていたのだ。
「実際に奴と話してみてどうだったフィン?」
「…………そうだね、はっきりいって同じ人類なのか? と思ったよ。
話している最中もだが、今も親指が疼いて仕方ないよ」
リヴェリアが後ろにいたフィンに問いかければ、険しい目付きで今は完全に見えなくなったあの冒険者の方向を見つめながら答える。
「酔っていたとはいえ、あのベートの蹴りを頭と首に受けておきながらピンピンしておる時点で只者ではなかろうよ。
ワシですらコヤツの攻撃は直に受けるのは遠慮したいのだからのう」
その隣にはずんぐりとした男、"ガレス・ランドロック"が顎髭を撫でながら続いた。
「それで、ロキは何時まで隠れてるんだい?」
「……あのおっかないアンちゃんもうおらへん?」
「一応、彼の気配は感じられないね。出てきても大丈夫だと思うよ」
「フィンがいうなら、安心やわ……」
ふぃー、怖かった……、そんな声とともに物陰から出てくるのは鮮やかに赤髪の糸目が特徴の女神だった。彼女の名は"ロキ"。己たちの所属するファミリアの主神である。
「あのおっかないの見てると背中がゾワゾワしててあかんかったわ。マジで目が合ってたら殺されてたかもしれへんわ……」
「君から見て、彼はどうだい?」
「わからへん。なーんもな。ただ言えるのは普通の子供じゃないわ。
人の形をした災厄って言われた方がまだ信じられるわ」
ロキの言葉にフィンはどこか腑に落ちた気がした。
それを聞いていたアイズも理解出来た。似ていたのだ。あの冒険者の出す圧が。あの仇に。
自分の両親を奪ったあの黒き終末をもたらす竜に。
摩天楼へと行ってしまった背をアイズは睨みつけ、歯噛みした。
○
「うぁぁぁぁあっ!!」
雄叫びと共にナイフを振るう。
型もへったくれも無い闇雲な攻撃とも言えない攻撃。
「…………!?」
影が実体を伴ったかのような怪物ウォーシャドウにナイフを叩き込めば悲鳴をあげるソイツに膝蹴りを何度も叩き込む。
痛みに耐えかね、大きく仰け反るとその隙を利用して頭部に当たる部分にナイフを突き刺し大きく捻った。
それが致命傷となりウォーシャドウは倒れ、その死骸から魔石を抉り出さず、そのままにして迷宮の奥へ奥へ進んでいく。
今の彼の状態はひどい有様だった。防具のつけていない私服はあちこちが破れ、のぞく肌にはおびただしい数の傷跡が覗く。
手に持った護身用程度の短剣は血に濡れ、ふらふらとした足取りはまさに幽鬼ともいえよう。
「ははは……ボロボロだなぁ」
冒険者、ベルは己の姿をみてどこか他人事の様に呟く。
ロキ・ファミリアの狼人の冒険者が吐き捨てた瞬間に酒場を飛び出し、走って走って走って迷宮に来ていた。
手当たり次第に迷宮内の怪物を倒して倒して、自分のみじめさに泣きたくなって。自分の弱さに自棄になって。無限にわいてくる悔しさをバネにして我武者羅に刃をふるった。
気が付けば死にかけた五層ではなくそれより下の六層。出入口は一つしかない広場にやってきて初めてウォーシャドウと戦った。
本来なら喜ぶべきことだ。だがベルにはそれを喜ぶどころか、この程度の敵に辛勝した事実が余計に彼女との差を教えてるようでみじめになった。
荒い息を吐き出し、ひざを折ったベルは叫ぶ。
「くそ、畜生……わかってるんだそんなことくらい!!
でも、諦めるなんてできないだろ!? 弱くても、みじめでも!!」
だって奪われてしまったから。憧れてしまったから。焦がれてしまったから。
彼の悲痛な叫びに迷宮が反応したかは定かではない。けれど、そうとしかおもえないタイミングで四方の壁からビキリ……と音を立ててひび割れた。
迷宮は生きている。それは比喩ではない。この巨大な穴は様々な怪物を産み、育んでいる。
ベルは目の前で奴らが迷宮を胎として生れ落ちるさまを目撃した。
先ほど辛勝したウォーシャドウ。それがおよそ十五ほど。ダメージと疲労は蓄積し、護身用程度のナイフは屠ったウォーシャドウに折られ、まともな武器はない。
だが、
「諦めるかッッ!! 諦められないんだよ僕はッ!!」
ドロップしたウォーシャドウの爪の一本と刀身だけのナイフで即席の二刀流となる。手のひらに刃が食い込み刃を伝って血が零れ落ちた。
戦意をたぎらせる白い少年に怪物たちが威嚇の声を上げ、少年の
「僕は強くなりたいんだッ! あの人にふさわしい男になるんだッ!!」
そして、両者は激突する。
「…………ッ!!」
まず二体のウォーシャドウが鉤爪のついた両手を広げ、高速で迫ってくるのを地面に転がっていたナイフのグリップを足でけり上げ、奴らにむけて飛ばす。
一体が足を止め、そのグリップを弾くが最初からタイミングをずらすことが目的のソレにかかってきてくれたことにベルは胸の内で馬鹿めと吐き捨てた。
残りの一体が肉薄し、ベルの体を真っ二つにするために横に広げた腕を鋏のように閉じた。
「…………!?」
爪が触れる瞬間にベルは跳躍。空を切ったウォーシャドウは驚いた反応を示すがその顔面に爪先を叩き込み、体勢が崩れれば踏みつぶすように着地。
耐久性のないソイツの頭はつぶれ、体液をまきちらし動くことのない死骸を踏み台にして突撃。
先ほど足を止めたウォーシャドウに勢いを載せた刺突で魔石を砕く。即座にその体が灰となって弾けまき散らされる。
あっという間に仲間の二体を屠られ、さらには灰により不鮮明となった視界に残りのウォーシャドウに動揺がはしった。
そこからはベルはひたすらに戦った。みっともなく地面を転がり負傷しながらも数を減らしていく。でも、ここに来るまでろくに休憩を狭まなかったつけなのか足元の認識をおろそかにして六体目を屠ったところでドロップアイテムに足を取られてしまう。
「やばッ—————アグゥッ!!?」
体勢が崩れた瞬間に背後から思い切り爪で切りつけられる。背が灼熱を帯び、激痛が脳髄を走り武器を取りこぼしそうになるが根性で耐えて攻撃をしてきたやつの首筋に裏拳をかまして吹きとばす。
戦闘音を聞きつけほかの場所からやってきたウォーシャドウ含むほかの怪物たちはそれを好機と見たか、一斉にベルに飛び掛かる。
「(避ける!!? いや、無理だ! せめて最小限に……!)」
やけにゆっくりに見える景色にベルはかつてないほど危機を打破するために思考は巡らせ、どうにか横に飛ぼうとするが膝の力が突然抜ける。
「(死ッ……!?)」
咄嗟に目を瞑り、衝撃を待つ。だが待てども何も来なかった。
ベルは恐る恐る目を開けば眉間のすぐそばに止まったウォーシャドウの鉤爪が。
「え……?」
視線を下げればその胴体の中心から延びる赤金の刃。
そして地面には弓の矢で正確に魔石の部分を射抜かれた怪物たちが転がっていた。
何が起きた? ベルの頭の中にはそれだけが満たされる。
そして、停止していたウォーシャドウが胸を刺す刃を抜こうと藻掻けばその刀身に赤いオーラが滲みだし、ゆっくりと回転を始める。
即座に回転する速度が見えないほどになればウォーシャドウに大きな風穴が作られた。
ベルはウォーシャドウの体に隠れて見えていなかった刀身の全貌があらわとなり、更に驚愕することとなる。それは赤金の刀身の片手剣なのだが、誰も持たずに宙に浮いているのだ。
その剣はユラユラと揺れていれば、ひとりでに動き広場の出口の奥の闇へと消えていった。
余りにも現実離れした光景にベルが目を奪われていると。
ガシャガシャと鎧がこすれる音が広場の出入り口の奥から聞こえたきたではないか。
怪物たちはその音に威嚇し、一定の間隔でその音が迷宮を反響し大きくなってくることから近付いてくることが理解できた。
闇の中からシルエットが明らかになり、ベルはそれが誰なのかを察する。
二メートル近い全身を覆う赤みがかった金の鎧。
顔を斧飾りのある兜で隠し、腰からは2本の業物だとわかる剣を提げ有角の馬を従えた存在。
つい最近、迷宮で出会い、その後に別れたかと思えば主神が連れてきて新しいファミリアの一員になった男。
彼は自分に対して威嚇をする怪物たちを一瞥したのちに広場の中でボロボロの姿のベルを見つけ、ゆらりと片腕を上げたかと思えば……
——————HEY!!
いつかのように気軽な声で挨拶をするのであった。
〇
貴方は広場に居た残りの雑魚を蹴散らし、目的のベルのもとへと歩み寄る。
「ど、どうして…………」
何でここに貴方がここにいるのかわかっていない様子のベルに貴方はビンタした。
「へぶぅ……!!?」
きりもみ回転して吹っ飛ぶベル。
貴方はひとまず溜飲を下し、突然のことに目を白黒してるベルの首根っこを掴んで連れて行こうとすれば。
「ぼ、僕はまだやることがあるから帰りたくありません!!」
と、貴方の手を払って叫んだ。
はっきり言って、貴方はそれに付き合う義理はない。この場で張っ倒すか手足を切り落とすなどをしていっても構わない。
貴方はベルに向けて殺気を飛ばす。常人が受ければそれだけで意識を手放すか死を選ぶほどの重圧が周囲を満たす。
それを一身に受けたベルはガタガタと体を震わせ、大量の汗を零し歯をがちがちと鳴らしながらも両の足で地面を踏みしめて貴方の目をそらすことなく見つめた。
「や、約束、したんです……おじいちゃんにオラリオで夢をかなえるって…………
あの人に追いつきたいって……! だから! まだ僕は帰りたく、ないです!!
この少年の叫びに貴方は息を吞む。
かつて、貴方は今よりもはるかに弱くそこいらにいるような雑兵にすら簡単に殺され、いやになるくらい死ぬことを繰り返していた頃を思い出した。
その日は空には満月が輝く美しい夜空だった。
何度目かもわからない死を経験し、心が折れかけ褪せ人の使命なんて投げ出してしまおうかと貴方が思いながらエレの教会の祝福で復活したとき貴方が顔を上げれば
運命と出会った
崩れた壁のふちに座り、物憂げに空の月を見つめる少女……を模した人形がいた。
『今日は月が美しいな。……お前もそうは思わないか?』
目を奪われた貴方に気が付いたのか
美しいと貴方は思った。その顔にではない。その内が魂が美しいと貴方は思ったのだ。
それが、貴方の仕えた主君であり伴侶であり、世界を壊すと決めた魔女との出会いだった。
もし、ここで彼女と出会わなければ貴方は心折れ亡者となっていただろう。
それがなかったのは偏に彼女と再び会いたいと思ったからだ。彼女のあの微笑みが貴方の心の支えだった。貴方の導きだったのだ。
彼女にふさわしい存在になりたい、貴方は誓ったのだ。
貴方はこの少年のその願いを否定すことができなかった。
気が付いた。気が付いてしまったのだ。この少年はまるで過去の貴方みたいだと。
──────強くなりたいか?
気が付けば貴方は目の前の戦士に問いかけた。
「ハイ!!」
貴方からの問いかけに戦士は頷く。
最早貴方は彼を侮ったことはしていなかった。いや、侮れるわけがない。
この少年を否定すればそれは貴方の否定だ。
──────貴公、名は?
「ベル。ベル・クラネルです!!」
その日、ただ一人の願いのために道を阻む存在すべてを屠り、秩序を壊す暗月の王と今はまだ小さく吹けば飛んでしまうような弱い未来の英雄が師弟の契りを結んだ。
それがどうなるかは今はまだわからない。
なお、ベルが思いを寄せる相手のいるファミリアの団員を貴方がぼっこぼこにした挙句、そこの主要メンバーからめちゃくちゃ警戒されていることは考えないものとする!!!
感想評価、誤字脱字等感謝です!
ラニ様を出す?
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出す
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出さない
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イマジナリーラニ様なら居るだろバカ