みんな待たせたね!ロリマキマの時間だよ!
第十五発目・朝ごはんを食べた後
時刻は23時前、住宅地は寝静まり誰もが明日のために英気を養い夢の中に安楽を求める。
が、そんな時にこのアパートは例外的な状態となっていた…深夜…アパート…男女が二人…何も起きないはずもな「じゃかあしい!何も起きんワイ!!」
「どうしたの急に?」
「あぁ?!なんでもないわい!それよりもじゃ!」
慌ててマキマに指をさし、大きく足踏みをする。
「なぁーんで、お前サンがおるんじゃ?!」
「あぁ、その事だね」
「ほうじゃ!なん「私とあなたは家族でした。私を信じなさい、これは命令です。」
マキマは砲代の目を見る。
その目には矮小な人間のすがたが―
「は?
静まり返る。
砲代は眉間に皺を寄せマキマをじっと睨みかける。
「……やはり効かないね」
「何がじゃ?!あと前も同じようなこと言った記憶があるぞ」
「そう?じゃあコレ」
そう言ってちゃぶ台の上にあった封筒を渡される。そこには"公安警察・上級委員会"と石原砲代殿へと記されている。十中八九公安のお偉さんからの手紙であろう。
訝しみながらも封筒を破り中身を見る。
「ぇーと…?『マキマの教育を石原砲代殿に委任する』じゃとぉ?!」
「うん。実質的な養子みたい感じかな」
「…………かな?じゃなぁい!!」
「本当に面白いリアクションを取るんだね」
頭を抱え絶句している砲代を横目にマキマは微笑んでいる。不気味なほどに美しくそして…魅惑的…
「ワシにガキの子守しろと言うんかぁ!?」
には見えていなかった…
「…これも効かない…?」
「なんじゃ!効くだの効かないだの!飯はもう食べたぞ?」
「私の作ったご飯が食べれないというの?」
「あぁ、腹一杯じゃ」
「……」
その顔はどこか驚いているようにも見えるし、怒っているようにも見える。
「…………あぁ!そんな顔するな!食べるから!!」
そう言って、目の前のカレーを食べる。しかし…
「うぇぇ?!なんじゃこのまずさァァァァァァァァァァァァァァ!!」
「アハハハハハ!!」
ー時刻は23時、この日の夜の住宅街では男の絶叫と女の笑い声が響いていた。
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「朝じゃ、起きろマキマ」
目を覚ませば部屋には美味しそうな匂いがする。卵と…ウィンナーであろうか?そう考えながら布団を畳み、着替え始める。砲代は後ろを向いて料理に夢中だし、着替えている事も察しているだろう。
着替えが終わり、布団を仕舞うために押し入れを開けるとそこには古い銃が置いてある。
弾薬もないし、もうボロボロになっているけど綺麗に手入れされている。気がつけば砲代がちゃぶ台に料理を置いて朝ごはんの準備を始めている。
彼は特殊だ。
私の支配が効かないのだ。条件を満たしていないわけではない。彼は私より明らかな地位の差があるし、内閣直属の人間である私は明らかに彼より上に立っている。
しかし、彼には効かなかった。
あの時、彼は私だけではなく公安の上層部に対しても啖呵を切った。それは、驚くべきことだったし、何より興味深かった。
私はその時思ったんだ。
もしかしたら、彼は私の―
「マキマ、お前サンこれからどうするんじゃ?」
「どうするって何?」
―午前7時、東京のとあるアパートでは一人の大人と子供が朝ごはんを食べていた。
新聞を読みながら彼は朝ごはんを食べている。
行儀は少し悪いけど、口に入れる時はしっかり机に一旦置いてるし、特に口出しはしていない。
砲代は何か心配気に私を見る。
「学校じゃ」
「学校…?私行ってないよ?」
「……もう何も驚かんぞ…」
そう言った彼は食事を止め部屋にあった電話機に手を出す。すると何やら一言二言話した後、受話器を元に戻す。
すると、彼は急いで朝ごはんをかき込み味噌汁で流し込む。
「マキマ!出かける準備をせい!」
「…?どこに行くの?」
「……公安じゃ!」
砲代はマキマを元気づけるように笑った。
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ーそうしてワシとマキマは部屋を出て公安警察本部まで向かった。
その姿はスーツではなく軍服姿、まるで何処かの軍人が子供を連れて殴りこみでもしに来たのかと思えるようだった。
「ちょっと君!待ちなさい。許可もらって「じゃかぁしい!ワシは公安対魔特異1課の石原砲代じゃぁ!」
「おい、お前!うるさいぞ!」
「…道を開けなさい。これは命令です。」
その瞬間、警備隊が凍りつく。砲代はなんじゃ?と暴れるのをやめ警備達を見るが、そこにはいつぞやの死んだ表情をした警備員達がいた。
「な、なんじゃ〜キモ〜…」
「早く行こ」
そう言うと、ズンズンとフロントを抜け受付に入る。そこでまた一言二言話すとエレベーターに入りあの部屋を目指す。あと
エレベーターを降り、長い廊下を抜けた先にあった扉を開けた瞬間、砲代は頼もぉ!と声を荒げ中に入る。
中にはあの時の男達がいた。
「なんだね砲代君。急に呼び出したかと思えばマキマを連れてくるなんて。あの手紙に不服でもあったのか?」
「そうじゃないわい、ワシは一つ許可をもらいに来ただけじゃ。」
あの時と変わらぬ怒りで満ちた顔で、男達と顔を向ける。目の前にある椅子には座らず、大きく壁のように立ち足は肩幅に合わせて背筋を伸ばす。
確実にこれはお願いをする素振りには見えないものであるが…
男達は思い思いに机の上の資料のような物を見ている。少なくとも話を聞く体制でもないだろう。
「君は随分とマキマ君に肩入れするね。」
男の中の一人が喋る。
「何かね?もしかして情でも湧いたか?」
「当たり前じゃ。バカかお前は?」
―部屋が凍る。
その発言には後ろで不敵な笑みを浮かべていたマキマですらその表情を歪ませるほどだった。バカか?バカかと言ったのか?
「ワシは
「なるほどね…」
マキマが呟く、先程からやけに優しくされていたのはこう言うことかと、そう思う。
悪魔である私を子供と言い、ましてや自分を父親と言うこの男にマキマは不快感を感じるどころかどこか安心感を抱いていた。
砲代は続けて言う。
「そろそろ本題に入らせてくれ。ワシの願い事じゃ。」
「なんだね…現実的で無ければ脚下するが?」
「問題ない。現実的も現実的!ワシは願うのは一つ、こいつに義務教育をさせてやれ。」
「……悪いが―「 な ん じ ゃ ? 」
部屋に緊張が走る。
まるで電気が体を巡るように…目の前に爆弾があるように…男達は次々に砲代の方を見る。
先程から体勢は一つも変えていない。しかしそこには明らか、先ほどとは違った人間がいる。
修羅がいる。顔は明らかに歪んでおり、目は今にも人を殺しそうなほどにギラついている。
「 な ん じ ゃ ? 」
「…正当な理由を聞きたい。」
「単純じゃ、
「……教育ならもう済んでいるが?「何を言っとるんじゃこのタコ?」
どんどんとプレッシャーは強くなっていく。
顔を合わせていないマキマにすらその迫力が伝わってくる。
"髪が逆立っている"…
そう見えるような程の迫力だ。
「学校で学ぶんは勉強だけじゃない、人との関わり方や常識、自己のあり方を学ぶ場所じゃ!そこにおらんと言うのは…最悪人間を理解できぬ魔物になる…」
「?!」
「…何を驚いとる?大人ならわかるじゃろ!」
男達はその後反論などできなかった。
砲代の般若の様な怒り様…そして何より…
マキマのその目を見た瞬間、何も…何も言い返せなくなっていたのであった。
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「降りちゃったね。許可。」
「降りるじゃろ。そりゃ〜」
「分かってたの?」
マキマは砲代の方を見る。
その目はどこか子供が興味を持った時にする目に見えた。
砲代にはそう見えていた。
「そりゃのぉ〜ワシはこういうのには慣れとるしのぉ」
「ふぅん」
フロントを抜け外に出る。
まだ12時半ごろ…外には車や多くの人達が歩いている。
「そう言えば、"なっちゃったね"」
「何がじゃ?」
「砲代さんの子供に」
「…まぁ、そうじゃの。ワシのことは好きに呼べぇ…」
砲代は照れくさそうに歩き始める。
きっと昼ごはんを食べれる場所を探しにいくつもりだろう。マキマは柄にもなく子供らしく砲代の背中を追いかけた。
「"待ってお父さん"」
午後1時、東京のとある喫茶店では二人の親子が昼ごはんを食べていた。
平等な社会が欲しかった。
だけどその前に、私は家族が欲しかったのかもしれない。
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さて、ここから第三章!
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