「協力捜査ァ〜?なんすかそレェ〜?!」
「うるさい丸山。
クァンシが睨みを効かせる。
丸山もすぐに引っ込み、背筋を伸ばしていまう。
事情はこうだ。
日本国内で一時期人気を博していた宗教が、カルト化し国家転覆を図っているらしい。
公安は以前からソレをマークしていたが、遂にそれらしい情報を手に入れる。しかし、カルト側もソレを察したのか警戒を強め、昨日公安の者がカルト教団の関係者に殺害されたと言うものらしい。
「で、ワシらは何をすればいいんじゃ?」
「それは…」
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ー
ー東京某所
開発が進む東京の街を公安の男達は歩いていく。
ここには老若男女様々な人間が交差し、ひしめき合う。そんな所に…
「なーーーーーーんじゃ!!!結局変わらんじゃねぇかいな!」
ひたすらキレ続ける男が一人…
「まぁまぁ、結局俺らにできることなんてこれぐらいっスよ。」
「そうですよね。俺もなんかカチコ…家宅捜査とかするのかと思いましたけど。」
新人二人を引き連れる砲代。
結構クァンシが上層部から言われた具体的な仕事内容とは"パトロールの強化"しかなかったのだ。
砲代はこの新人二人の研修ついでにパトロールを行っているのであるが…
「なんもないっすね。」
「ですね。」
「じゃのぉ〜」
何も起きないのだ。
20人に7人が悪魔によって殺されるこの世界は東京でも1日に何体かの悪魔が発生する。
しかし、この日は"当たり日"と言われる仕事が少ない日なのかも知れぬと砲代は思っていた。
「あぁ、そう言えば砲代さんは聞きました?」
「なんじゃ?」
三島が砲代に話を振る。
信号待ちの時間を縫って話を始めた。
「二課の方でまた殉職者が出たらしいですよ。」
「…それがどうした?」
「どうしたって…悲しくなんないんですか?」
三島がその悪い目つきをさらに凶悪にする。
しかし砲代はその目を見て逆に優しな目で、そして乱暴に三島の頭をわしゃわしゃと撫でる。
「いいか三島君?ワシは戦いで死ねるのは本望じゃ。」
「というと「じゃが、これはワシが昔兵士として生きてたから言える事じゃ。」
三島と丸山が目を見開き砲代を見る。
しかし、砲代は二人に目もくれず、どこか遠くを見ながら話を続ける。
「じゃが、お前サンらは違う。お前サンらは兵士じゃない。軍人じゃない。ただの憲兵もどき共じゃ。」
「「……」」
「仲間が死んで悲しむのは当たり前じゃ、それは腹が減ったから飯が食いたくなるのと同じじゃ…当たり前のことなんじゃ…まぁ、ワシも本当は悲しいがな。」
「そうですか…」
「顔に出さぬ、人に見せぬ、泣くなら人前じゃなく誰もいない墓の前でやれ。それが男じゃ。」
三人の沈黙は賑やかな街並みに飲み込まれる。
するとそこから少し歩いた頃、丸山の腹が鳴った。ぐぅ〜とまるで子供の様な腹の虫を聞いて砲代は噴き出す。
時刻は午後12時半、飯時だ。
三人は考える。何が食いたいのか…
すると何処からだろうか中華の匂いが砲代達を包み込む。三人の脳内はとある一つの料理に占領される。
「ラーメンが食いてえす…」
「ラーメンですね…」
「ラーメンじゃな…」
三人は歩き出した。
まだ見ぬ
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ーー
ー
男が、石橋晴明は緊張していた。
それはすごい程に。
男として生まれてきて、ここまで緊張したのは近所の幼馴染の美幸ちゃんに告白をした時くらいなものである。
結局振られたが。
理由はその横にいる美少女のせいである。
ピンクの髪、グルグルの不思議な目、そしてどこか世間知らずの様なその行動は石橋の心を見事にいとめていた。
これは石橋がこうなる数時間前…
「転校生ィ?」
「そうそう。なんか女らしいよ!」
「マジかヨォ?!最高じゃん!!」
「男子達またやってるよぉ〜さいてぇ〜」
市場地中学校の2年3組はそのドアが開いた瞬間、一瞬にして沈黙した。
先生と共に入ってくる、一人の女の子の為に…
ー瞬間
「「「「「ぅぉぉおおおぉぉぉぉぉおお!!!!!!」」」」」
盛り上がる男子達、耳を塞ぎ、うるさいと連呼する女子達、そして何が何だか分からず少し不安がるマキマ。
「はい静かにぃー、自己紹介するぞ。はい、どうぞ」
「はい。」
チョークで黒板に名前を書く。
ついでに年齢も、住所も、そして今日食べたご飯「マキマ君?黒板には名前だけでいいぞ?」
「え…?あーー」
そう言って名前以外を黒板で消す。
教室はなんだか和んだ雰囲気になっていた。
「石原マキマです。みんなと同じ14歳です。趣味は映画を見ることとご飯を作ること。よろしくお願いします。」
ー瞬間
「「「「「かぁわあいいいいいいいぃぃぃいい!!」」」」」
盛り上がる女子達、耳を塞ぎ、なんだなんだと連呼する男子達、そしてまたもや、何が何だか分からず少し不安がるマキマ。
「おい静かに!静かに!…よし、マキマ君の席は…石橋の横だな。いろいろ教えてやれよ〜」
「は、はいぃ!」
席に座り石橋によろしくと囁く、石橋はそれに何も言わず、こくりと頷くとマキマは無邪気に笑顔を送るのであった。
ー彼女の学校生活は始まったばかりである。
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ーー
ー
「砲代さん。」
「なんじゃ?」
「喰ったら死にますよ…それ。」
砲代のラーメンは常軌を逸していた。
圧倒的チャーシュー!圧倒的背脂!圧倒的麺量!圧倒的にボリューム!!!!!
少なくとも、パトロール中に食べる者ではなかった。しかし、そんなラーメンを砲代がガツガツのかきこんでいく。
これには先程からテレビを見ていた店主も、目を見開いてこれ見ている。
「いいんじゃ、ワシはまだ歳食っておらんし。」
「でも、砲代さんってもう三十路っスよねぇ?」
「……丸山くん、お前サンちょいと言うこと考えんか?」
「ウヒ…すいません…」
そんなゆるい感じで三人はラーメンを食べる。
薄暗い下町の本格中華、店主のおっさんと店の端っこで流れているニュースのテレビからは最近のカルト教団の話が出ている。
「なんじゃ、結構暴れとる様じゃの。」
「らしいっスね。」
「公安も全勢力使ってますからね。」
ズルズルと食べるラーメンを横目に、店主は店の常連と話しいている様だ。カルトが怖いだの、ここも危ないだの、知り合いが入会から姿を消しただの。怖い話だらけだ。
砲代は危惧していた。
それはカルトとの戦いではない。新人二人についてだ。二課の事もあり最近では新人の研修が必須事項となっている。
ー砲代はそこで思いついた。
「おい二人とも、もう少し多めに食っとけ。」
「なんでっスか?」
「それはまた。」
「……聞いて驚くな?ワシがお前サンら直々に稽古をしてやる。」
ーこれが後の砲代特別ブートキャンプと公安で伝説化されるとはまだ誰も知らないのであった。
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