「待たせたのぉ……野郎…!」
「ふはぅつ?!なんだとぉ!」
素っ頓狂な声を出して、驚く教祖を横目に砲代は右手に握った軍刀を強く握る。もう分かっている。何をすればいいのかなど、この男を成敗するための言葉を。
「ヤマトよ!」
その瞬間、地面に線が走る。
砲代を中心に放射状に…まるで太陽を描く様に。
「やぁやぁ、我こそは〜!」
「なんなんだお前ぇ!?」
先ほどの尊大な態度はどこへやら、小物の様に喚き散らす。どこから取り出した拳銃を構え、砲代の方に向ける。しかし、砲代の声はやまぬことはない。
「我は公安対魔特異一課の石原砲代!尋常に勝負いたせ!」
刀を構え、走り出す。後ろの信者達はまるで壁に阻まれる様に砲代には触れることもできず、ただうめき続けている。
教祖もなんだなんだと叫び続けながら発砲するが、砲代は顔色を一つも変えず銃弾を刀で弾き距離を近づける。
そして……
「御免!」
…教祖の両腕を切り落としたのだ。
痛みにもがき苦しむ教祖を横目に、砲代は頭を踏みつけては刀を目に近づける。
「悪魔と契約を切れ、さもなくば首を切り落とすぞ。」
「すみません!すみません!」
「じゃかぁしい!謝罪なんぞ求めとらん!」
「すみませぇん!!」
呆気なく倒された教祖はついに悪魔と契約を切る。しかし、教祖の背中から幽霊の様に現れた悪魔は不意打ちをするがごとく砲代の背中に襲いかかる。
「無駄じゃ。」
斬撃音と共にサイコロステーキの様に落ちる肉塊、この時完全に教祖の戦意は喪失したのだった……。
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砲代が二階に駆け上がり、クァンシが花御を避難させていた頃、三島は壁に偽装していた隣の部屋に突入し、形勢を立て直していた。
その頭の中には、砲代のもとに行かなくてはと言う強い使命感と共に、どこか戦果を上げなくてはと言う焦りもある。メリケンサックをもう一度握り締め、2階に行く階段がある廊下に戻ろうとした時。
「グルゥァァァァアァア!!!」
「?!」
地面を突き破り、一人の男が姿を現す。
アアア!と声をあげる男の姿は目を四つ持った化け物の姿であった。
「魔人か?!」
拳を振り翳し、腹部に瞬間的に三発の拳を当てる。しかし、魔人は弱る事なく廊下に向かって三島を蹴り飛ばす。壁はまるで土壁の様に脆く砕け散り、三島はその隣の部屋まで吹き飛ばされる。
「「三島君?!」」
「どーしたん三島!」
佐々木と丸山、井伊乃が心配したのも束の間、壁をぶち壊し廊下に半裸の魔人がやってくる。
佐々木は瞬間、手持ちの警棒を魔人に当てようとする。しかし、魔人は佐々木をも蹴り飛ばし隣の部屋に送る。
「砲代さぁん!」
慌てて三島は叫ぶ。
その心はぐちゃぐちゃだった。砲代の訓練はなんだったのか、自責の念に駆られる。
だが、その迷いはすぐに晴れた。
「おい!佐々木こっち手伝え!」
戦っているのだ。丸山が、俺と共に戦った丸山がだ。途端に恥ずかしくなった。何故俺は諦めているのだと、砲代さんに助けを求めているのだと。
"覚悟を決めろ三島ソウジ!!"
すぐに、瓦礫から体を戻し拳に力を入れる。メリケンサックの悪魔は身体能力を程よく強化してくれるのだ。
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廊下に向かう時三島は思い出していた。
自分の荒れ果てていた学生時代を、大井松高校の番長として地域を縄張りにし、毎日悪どもと喧嘩をしていたあの頃を。
見た目通りの風貌で、ヤクザ相手にも喧嘩を仕掛け勝っていたあの頃を。
そして…焼けた校舎、散らばる肉片、そしてボロボロの1人の男。
「なんで……!なんで俺なんかを!」
「それが公安さ……」
自分の慢心のせいで襲われた悪魔により、死にかけていた自分を命をかけて助けてくれた一人の公安デビルハンターの事を。
"彼の様になりたい!"
その一心で、番長の席を空け渡し勉学に明け暮れ、ついには公安デビルハンターへのなった。
相棒のメリケンサックと共にあの時のデビルハンターになるのだと。
助走をつける。
走れ、走れ、走れ!
「死ねぇ!このボケェ!」
魔人がついに丸山の頭に狙いを定めた時、三島は魔人の顔にその渾身の拳を振り翳した。
「俺が…三島ソウジじゃ!このタコォ!」
暴力と暴力の戦いが始まる……
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さてさて、暴力君と三島君の喧嘩はどうなるやら…
後半へ続くー
原作突入まで見守りたい人
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いえす!
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いやじゃ!