進め歩兵よ!大砲片手に!   作:チチメカ

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いやぁ、少しイベントと重なりましたが、なんとか投稿できましたね。


第二十六発目・タイヨウとアキ

 

オレの名前は早川アキ。

9歳だ。

 

オレには弟がいる。名前はタイヨウ。体が弱くてずっと父さんや母さんにずっと守られてる。

オレはお兄ちゃんだから、一人で遊ばないといけないらしい。でも、なんか…嫌だ。

オレもお兄ちゃんとして頑張ってるし、何よりタイヨウよりも先に生まれたのに。

 

お兄ちゃんとして、早川アキとして生きる。

 

それがオレの日常。

 

でも、今日は違った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いや、"今日から違った"

 

 

 

 

 

爆風と、涙で満ちたあの日を境に。

 

 

 

ーーーーー

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ーー

 

「タイヨウにアキかぁ!いい名前()じゃのぉ〜!!」

 

そう言うと砲代はまた、二人の頭を乱暴に撫で回す。"うわぁー"や"あぁー"などと腑抜けた声を出す二人を、ぐしゃぐしゃと、ひとしきり撫で終わると、ソファーに腰を下ろす。

 

「ねえねぇ、砲代さんはデビルハンターなんでしょ?!」

 

「おお!そうじゃぁ〜?」

 

タイヨウはソファーに座った砲代に近づいたと思えば、膝の上に腰を下ろし、振り返る様にして砲代に問いかける。

格別、砲代は気にしていない様子ではあるが、アキはせっかくの久しぶりに来た客をタイヨウに取られたため、マキマは砲代に容易に近づくタイヨウに対して、どちらも"むむむ"と眉間に皺を寄せるのであった。

 

「おい、タイヨウ!お客さんにそんな迷惑かけちゃ、ダメだろ?!」

 

「いいもん。」

 

タイヨウは一向に、自分の席を譲ろうとせず、二人の眉間にはもっと皺がよる。

見兼ねたマキマは、砲代に近付いて、砲代の右側を占領する。

 

「お父さん?」

 

「な、なんじゃ〜?マキマ?」

 

右腕に力を込める様に、抱きしめる。

そのマキマの目は、いつにもなく強く、どこか一種の強い感情を感じるものだった。

 

「……ちょいと、そこを退こうな。」

 

「あー。楽しかったのにィー。」

 

タイヨウの脇に手を入れ、ゆっくりと左側の空き位置にタイヨウを置く。

名残惜しそうに見るタイヨウの視点を掻い潜る様に、砲代はテーブルの上にあったリモコンを持ち、テレビをつける。テレビでは、アメリカの重要なビルがテロリストによって、テロにあったと緊急報道されていた。

 

「や、やばいっスね。」

 

「これ子供に見せるもんじゃないかもね…!!」

 

慌てて、砲代はチャンネルを変えるが、どこもかしこもテロの話題でいっぱいだ。

 

仕方なく、テレビの電源を切り、砲代は3人を見つめる。

 

「そうじゃ!お前サンら、外で遊んできたらどうじゃ?」

 

「ダメよ、砲代さん!うちのタイヨウは体が弱いんです。」

 

慌てて、丸山の姉が止めにかかる。

しかし、砲代は"少しの間だけだし、マキマもついているから"と、外に行かせることにした。

 

マキマは少し、初めての雪遊びに気分が上がっているのか、微笑を浮かべている。

 

「うん!行きたい!」

 

「……アキ、しっかりタイヨウのこと見てあげるのよ?」

 

「…うん。」

 

そう言うと、二人は着替えるために二階へと駆け上がっていく。マキマは壁に立て掛けていたハンガーから服を取り、準備を始める。

ふと、マキマが手袋を手に付けていると、砲代が肩を軽く叩く。

 

「マキマ、楽しいか?」

 

その時、マキマは理解した。

何故、急に北海道旅行などと言うものを企画したのかを、何故自分を連れてきたのかを。

 

それは、誰でもない自分が原因なのだと言うことを。彼とこの日常について悩み続ける、マキマはここ最近、表情を固く、重くしていたのだ。

砲代はそれを、勘か何かで察知して、マキマを連れてきたのであろう。気分転換にはちょうどいいと考えて。

 

「……楽しい、楽しいよ、お父さん。」

 

とびきりの笑顔で、答えたマキマに、砲代もまた笑顔をこぼすのであった。

 

 

 

 

ーーーーー

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ーーー

ーー

 

 

「お姉ちゃんの名前はなんて言うの?」

 

「私?私はマキマ。石原マキマって言うの。」

 

家の前の一本道を、3人の子供が歩いている。

歩いた後には、雪を踏んだ後が残り、足跡がくっきりと見える。

 

「二人はタイヨウ君とアキ君だね?」

 

「「うん。」」

 

「私のことは好きに呼んでいいよ。」

 

「じゃあ、マキマお姉ちゃん!」

 

「オレはマキマさんって呼びますね。」

 

自己紹介を終えると、マキマは何をしようかと考える。マキマにとって初めての雪遊びは、やりたい事が多すぎたのだ。

 

「雪合戦、かまくら作り、雪だるまに、お城作り……っぷ!」

 

瞬間、マキマの背中に衝撃が走る。

振り返ってみてみれば、タイヨウが雪玉を作って遊んでいたのだ。いち早く、タイヨウとアキは雪合戦をし始めている。

マキマは、少しの沈黙の後、地面に積もっている、雪を丸く形を整え、固め、二人に投げ始める。

 

「っぱ!」「いて!」

 

「アハハハハハ!!」

 

雪合戦だ。

3人は、雪玉を投げ合う。

頭に、肩に、胸に、背中に、足に、顔に、雪玉を当てては、笑い合う。

ひとしきり投げ終わった後、三人は雪に寝転がる。

 

「あー!手がつめたぁーいーー!!!」

 

「あれ、タイヨウ君、手袋持ってないの?」

 

真っ赤になったタイヨウの手を、マキマは握りしめる。"ちべた!"と声を上げると、すぐに手袋を履き直す。

 

「家に忘れてきちゃった!」

 

「おい、タイヨウ、しっかりしろよ。」

 

「ごめん、すぐとってくるねー!」

 

そう言うと、タイヨウは家へと走り始める。

ぼすぼすと、雪を踏み締める音を鳴らしながら玄関まで足を運ぶ。

ふと、アキが目をやると、玄関まで来たタイヨウと目が合う。

 

タイヨウは手を振り、アキも手を振りかえす。

それを見ると、タイヨウが玄関を開ける。

しかし、その瞬間。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お父さん!逃げてェ!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー目の前で、早川家は爆音と衝撃と共に、木っ端微塵に吹き飛んだのだった。




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タイヨウー!砲代ー!何やってんだお前ぇぇぇぇ!!

原作突入まで見守りたい人

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