進め歩兵よ!大砲片手に!   作:チチメカ

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戦闘描写が一番苦手な二次書きさんが、
ランキング狙って、頑張りますヨォ!


第三十二発目・公安デビルハンターvs大砲の悪魔

 

「…来たか」

 

「おう。ワシはやると決めたら、とまらん男じゃ」

 

警視庁の眼前。

その広場には50人以上のデビルハンターと、たった1人の男が対峙して居た。抹茶色の軍服に、茶色の鞘を持つ軍刀。この装いを見た事のある2人以外には明らかに、いつもの砲代とは似ても似つかないその服装と、表情はここに結集したデビルハンター…もとい公安の面々にとてつもないプレッシャーを与える。

 

「……来たからには、もうあの話は無理だよ」

 

「ほざけクァンシ。わしはもう昨日その返事をしたはずじゃ」

 

「そう」

 

クァンシが刀を引く。それと同時に砲代も己の拉縄に手を掛ける。

右手には刀を握りしめ、左手だけを大砲し身構える。

 

「……これより大砲の悪魔の討伐作戦を開始する」

 

「 帝国陸軍第十四方面軍、100師団兵長…石原砲代……吶喊する!」

 

この瞬間。

戦いの火蓋が切られた。

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

「コォン!」

 

どこの誰が言ったかも知れぬ声が、キツネの尻尾を呼び出す。しかし、直線的に動く攻撃を横にいなし切り落とす。距離を詰めたデビルハンターに近づき、腹に空砲を撃ち放つ。

すると、それは少し飛んだかと思えば気絶してしまう。しかし、それだけでは済まない。

砲代の元にはどんどんとデビルハンター達がやってくる。しかも、50人だけではない。続々と応援が呼ばれるのだ。

 

戦局はハッキリ言って砲代の劣勢であった。

 

「諦めたらどうですか…砲代さん」

 

「……三島か」

 

「今からでも間に合います。大人しく降参を

 

「じゃかぁしいぞ、このタコ。このまま捕まって仕舞えば、どうなるかくらい分からんのか?」

 

「…それでも死ぬよりかは

 

「"死ぬよりも"、じゃ」

 

砲代は空砲を撃つ。しかし、三島はそれを躱し距離を置く。

砲代も右手の刀を鞘に戻し、その右手でもう一度拉縄を引く。

 

「これなら、躊躇せんじゃろ?」

 

「…最悪ですよ。本当に。」

 

全身を悪魔化する。凶悪な表情を見せる三島に表情もわからぬ悪魔がそう言い放つ。三島が距離を詰めんと、一歩を出す。それと同時に、砲代も距離を詰める。片腹に一発、頭に一発連続で拳を当てる。ふらつく砲代にトドメの一撃を鳩尾に入れようとした瞬間、三島は吹き飛ばされる。

 

なんだと、もう一度焦点を合わすとその眼前は暗い穴をとらえて居た。

 

ー違う!!

 

とてつもない空気と音に押し出されて、三島は気を失う。

 

「カァー!強くなったのぉ…三島ァ!」

 

ハハハと笑う砲代を横目に、すぐさま違うデビルハンターが襲ってくる。皆顔見知り、皆知ってる。共に酒で語り合った奴もいれば、水を奢った奴もいる。休憩時に談笑した奴もいれば、特訓をしてくれと頭を下げに来た奴もいる。

 

「カハッ?!」

 

「イッッ!?」

 

「ア"アッ?!」

 

「グッハッ?!」

 

「…なっとらんの」

 

悪魔化を一時的に解き、刀を抜こうとする…が、その瞬間、右足に激痛が走る。

どくどくと流れる血を確認し、すぐさま飛んできた方向に目をやる。

 

「前なら回避できてましたよね」

 

「井伊乃ォ…!」

 

「いい加減!諦めてください!!」

 

「無理な、話、じゃのぉ!」

 

刀を抜き、距離を詰める。井伊乃もすぐさま構えるが、瞬間、銃を刀で弾き飛ばしてしまう。

その直後に砲代は右足を使って、井伊乃を蹴り飛ばし気絶させる。

 

「おうおう!こんなもんか公安デビルハンター共ぉ!」

 

「いや、ここでしまいだな」

 

身構える正面のデビルハンターを押し除けて、軍勢から出てきたのは2人の男女であった。

 

「…クァンシと岸辺か」

 

「いい加減、諦めろ」

 

「そうそう、クァンシもこう言ってんだから

 

「黙れ岸辺」

 

「……相変わらずじゃな」

 

刀を構える。

 

「おい、その紐に手をつけなくていいのか?」

 

「戯け、そうすれば一瞬で手を切るじゃろ」

 

「おお、よくわかったな」

 

いつもはニヤついた岸辺も、ここでは無表情であった。きっと、躊躇でもしてしまうのだろう。この男はいつもそうだ。

 

「……甘ったれた馬鹿共に教えてやる」

 

刀を投げる。槍の様に飛ぶ刀をすぐさま、クァンシは叩き切る。刀が完全に折れた時、瞬間大きな爆発音が一体を揺らした。

 

…近代の戦場において大砲と言うのは…ましてや爆発音と言うのは自分の死がいつ起こるかわからないと言う事を、強く実感させる物であった。

破片、爆風、高熱…どれかに当たれば重傷は免れない。悪くて死ぬ。

 

この大砲の悪魔が地獄の悪魔達に酷く恐れられた理由…それは単純な暴力だけでは収まらない。死を本能的に近づける、その境界線を曖昧にし、戦場へと無理矢理意識を連れ戻す。

恐怖をその深層心理から引っ張り上げられるのだ。それは、まさに地獄の来襲。恐怖を根源に持つ悪魔達にとって、まさに悪魔的…である。

 

 

それが、大砲の悪魔の本質であった。

 

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁああ!?!?!」

 

「キャァァァァァァァアア?!?!」

 

気がつけば辺り一体で叫び声がこだまする。

先程まで、砲代を討ち取らんとして居たデビルハンター達は頭を抱え地面に這い蹲る。泣きながら神に助けを求める者がいれば、歯をガタガタと揺らし体を丸くするものもある。

 

「…これは…!」

 

「マジかよ…クソ」

 

岸辺は自分の手を見る、震えている。

明らかに。

よく見れば足もだ。

呼吸は速くなり、目もチカチカする。

 

「おい、クァンシ…」

 

「私もだ」

 

その目は平生の姿を保たんとしているが、良くれば手が少し震えている。岸辺のものよりかはよっぽどマシで有るが。

 

「岸辺、クァンシ!いいことを教えてやる」

 

大きく声をあげて、その砲口を2人に合わせる。

 

「バカになれ!敵と戦う時は、それが一番いい!」

 

「……ほんとお前は最悪だよ」

 

「…クァンシに同感だな」

 

刀を構える。

ここに最強達の戦いが始まろうとして居た。

 




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