俺が生まれたのはまぁまぁ昔の事だ。
少なくともチェンソーよりかはずっと前。
俺は最強だった。
あの四騎士と互角の時もあったんだぜ?
一度俺が音を発せば、誰もが耳を塞いだ。
誰もが蹲って、神に祈るんだ。当たりませんように。神様、助けてくださいってな。
大砲は恐怖の象徴だった。
銃なんかよりもよっぽど兵士達にも恐れられた。
だが、時代は変わった。
大砲は廃れ、何故か今では銃が脅威になってやがる。
きっと、俺が一度も最盛期の時期に外に出なかったのも原因だろうが、それだけじゃねぇ。
あいつだ。
あのチェンソーの悪魔のせいだ。
俺の最盛期は二度に渡った。
一つ目は第一次世界大戦
これは言わずもがな。
塹壕で祈る兵士なんかがいっぱいいたらしい。
俺も見たかったがな。
この時の俺は凄がったが、次ももっとすごかった。
それが問題だ。
二つ目は第二次世界大戦
これだ。
これが問題だった。
…いいや、これ自体に問題があったわけじゃない。
この時の俺は最強だった。
ナチスドイツとやらが戦車とか言う物を使って暴れ出した時、戦車の悪魔も生まれたがそれを食った事でまた強くなった。
四騎士の内の戦争の悪魔と暴れまくったよ。
銃だって強かったが余裕で倒せるほどだったはずだ。
しかし、
事件は起こった。
突然俺の力が誰かに奪われた。
綺麗さっぱりだ。元から俺はそんな力を持ってないように。
"誰も覚えてなかった"
覚えてないのだ。誰も。第二次世界大戦を。
最初はまだ大丈夫だった。前の大戦の保険があったんだろう。しかし、どんどんと力を失っていた。最初に切り札が出せなくなった。次に体の大きさが変わった。そのあとは使える砲が無くなった。またその後は弾が…
最後には大砲の名前だけが残った。
かろうじて、一部のマニアだけが俺の名前と、その強さだけを理解していたおかげか消滅はしなかったが…
"恐怖"
それが悪魔の強さだ。
恐怖されれば強くなる。
だから、俺はチェンソーの悪魔を羨ましがったし、今でも腹が立つほど羨ましい。
そう。俺はもう終わりだったんだ。とうの昔に、終わりだったはずだった。
だが…
『見つけたぞ!』
あいつが来た。
俺が知る人間とは思えなく強く。俺が知る人間とは思えなく勇ましい。
あいつは、俺に
正直言って無理だと思った。
あんなに強くても、流石に無理だ。地獄の悪魔は悪魔の中でも強い分類に入るし、代償だって用意できないだろう。
『これは契約じゃ!』
そう。
結局俺は契約をした。
脅された事も…まぁそれがきっかけである事は違いなかったが、俺はその後、後悔をしたことはなかった。
この砲代と共に悪魔を狩り続ける日々。
クソみたいで、バカみたいで、初めての経験だった。最高に楽しくて、最高に馬鹿らしい。
ある日俺は砲代に聞いた。
『おいバカ。』
『バカとはなんじゃ。わしゃ天さ『うるせぇ。』
―砲代は顰めっ面をする。
『…俺たちって、どう言う関係なんだ?』
『はぁ?なんじゃぁ〜?そんな
『うるせぇ!…ちょっと気になっただけだよ。』
『カッァ!そうかい。でもまぁ―』
すると突然肩を急に組まされる
『"親友"じゃろぉ!』
…そうだよな。俺たちは親友だ。
親友だって言ってくれた。
だからさ。
おい。
俺の親友ならさ…
砲代なら…
「まだ立てるだろ?」
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
ー
「なんじゃここ。」
―気がつけば、そこは無数の砲弾が薄暗い外灯に照らされ、部屋の中に陳列する空間だった。
「おい砲代。」
―声の聞こえた方に振り向くと、そこには鉄の扉が一つ
「なんじゃドン太郎…おい、あの悪魔はどうし―「黙って聞け。」
―部屋に静けさが留まる。
埃が舞う。街灯が薄暗く砲代の背中を照らし、扉に暗い影を落とす。
「俺はよ、お前が好きだったぜ。親友として、初めて俺と向き合ってくれたお前がよ。」
「…なんじゃ、藪から棒に。」
「だから、契約してくれよ。俺の心臓を…お前のかけちまった体を俺が埋めてやる。だからさ。」
電灯が不自然に消えかかる。
「 俺 の 夢 を お 前 が 叶 え て く れ 」
「おい!」
ーーーーー
「ドン太郎!…ア?」
―気づけばそこはあの草原だった。
血だらけの草むら、削られた地面。
そして、少し遠くに見える銃の悪魔と―
「…このこめかみから出てる、紐は―」
ほうか
ほうか…ドン太郎…
「お前サンの夢か…最強の悪魔じゃったなぁ?」
―ロープを掴む
たった20cm程の、白いロープ。
きっと、こうすればいい。
砲代にはなんとなくそう感じた。
「ワシがやりゃいいんじゃなぁ!ドン太郎ォ!」
―掛け声と共に…引っ張る!
「バーン!!」
ドカーン‼︎
―その砲撃は、銃の悪魔の肩にある銃に当たり爆発を起こす。
「?!」
―咄嗟に振り返れば、そこに立っていたのは。
「こっちを向いたのぉ…くそ
顔を大きな大砲に、両腕に火砲、背面にもまた大砲をつけた悪魔…そして…
「仇討ちじゃぁ!天誅‼︎」
親友の仇に燃える鬼の姿があった。
感想とお気に入り待ってます!
もらうとモチベが上がります。
原作突入まで見守りたい人
-
いえす!
-
いやじゃ!