進め歩兵よ!大砲片手に!   作:チチメカ

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気分が乗れば数時間以内に連続投稿しちゃう。


第三発目・大砲の悪魔

 

 

俺が生まれたのはまぁまぁ昔の事だ。

少なくともチェンソーよりかはずっと前。

俺は最強だった。

あの四騎士と互角の時もあったんだぜ?

一度俺が音を発せば、誰もが耳を塞いだ。

誰もが蹲って、神に祈るんだ。当たりませんように。神様、助けてくださいってな。

大砲は恐怖の象徴だった。

銃なんかよりもよっぽど兵士達にも恐れられた。

だが、時代は変わった。

大砲は廃れ、何故か今では銃が脅威になってやがる。

きっと、俺が一度も最盛期の時期に外に出なかったのも原因だろうが、それだけじゃねぇ。

あいつだ。

あのチェンソーの悪魔のせいだ。

 

俺の最盛期は二度に渡った。

一つ目は第一次世界大戦

これは言わずもがな。

塹壕で祈る兵士なんかがいっぱいいたらしい。

俺も見たかったがな。

この時の俺は凄がったが、次ももっとすごかった。

それが問題だ。

 

二つ目は第二次世界大戦

これだ。

これが問題だった。

…いいや、これ自体に問題があったわけじゃない。

この時の俺は最強だった。

ナチスドイツとやらが戦車とか言う物を使って暴れ出した時、戦車の悪魔も生まれたがそれを食った事でまた強くなった。

四騎士の内の戦争の悪魔と暴れまくったよ。

銃だって強かったが余裕で倒せるほどだったはずだ。

 

しかし、

事件は起こった。

突然俺の力が誰かに奪われた。

綺麗さっぱりだ。元から俺はそんな力を持ってないように。

 

"誰も覚えてなかった"

覚えてないのだ。誰も。第二次世界大戦を。

最初はまだ大丈夫だった。前の大戦の保険があったんだろう。しかし、どんどんと力を失っていた。最初に切り札が出せなくなった。次に体の大きさが変わった。そのあとは使える砲が無くなった。またその後は弾が…

 

最後には大砲の名前だけが残った。

 

かろうじて、一部のマニアだけが俺の名前と、その強さだけを理解していたおかげか消滅はしなかったが…

 

"恐怖"

 

それが悪魔の強さだ。

恐怖されれば強くなる。

だから、俺はチェンソーの悪魔を羨ましがったし、今でも腹が立つほど羨ましい。

そう。俺はもう終わりだったんだ。とうの昔に、終わりだったはずだった。

だが…

 

『見つけたぞ!』

 

あいつが来た。

俺が知る人間とは思えなく強く。俺が知る人間とは思えなく勇ましい。

あいつは、俺にここ(地獄)を出るのを手伝えと言いやがった。

正直言って無理だと思った。

あんなに強くても、流石に無理だ。地獄の悪魔は悪魔の中でも強い分類に入るし、代償だって用意できないだろう。

 

『これは契約じゃ!』

 

そう。

結局俺は契約をした。

脅された事も…まぁそれがきっかけである事は違いなかったが、俺はその後、後悔をしたことはなかった。

 

この砲代と共に悪魔を狩り続ける日々。

クソみたいで、バカみたいで、初めての経験だった。最高に楽しくて、最高に馬鹿らしい。

ある日俺は砲代に聞いた。

 

『おいバカ。』

 

『バカとはなんじゃ。わしゃ天さ『うるせぇ。』

 

―砲代は顰めっ面をする。

 

『…俺たちって、どう言う関係なんだ?』

 

『はぁ?なんじゃぁ〜?そんな女子(おなご)みたいな事いいよって。』

 

『うるせぇ!…ちょっと気になっただけだよ。』

 

『カッァ!そうかい。でもまぁ―』

 

すると突然肩を急に組まされる

 

『"親友"じゃろぉ!』

 

…そうだよな。俺たちは親友だ。

親友だって言ってくれた。

だからさ。

おい。

俺の親友ならさ…

砲代なら…

 

 

 

 

 

 

 

「まだ立てるだろ?」

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

「なんじゃここ。」

 

―気がつけば、そこは無数の砲弾が薄暗い外灯に照らされ、部屋の中に陳列する空間だった。

 

「おい砲代。」

 

―声の聞こえた方に振り向くと、そこには鉄の扉が一つ

 

「なんじゃドン太郎…おい、あの悪魔はどうし―「黙って聞け。」

 

―部屋に静けさが留まる。

埃が舞う。街灯が薄暗く砲代の背中を照らし、扉に暗い影を落とす。

 

「俺はよ、お前が好きだったぜ。親友として、初めて俺と向き合ってくれたお前がよ。」

 

「…なんじゃ、藪から棒に。」

 

「だから、契約してくれよ。俺の心臓を…お前のかけちまった体を俺が埋めてやる。だからさ。」

 

 

電灯が不自然に消えかかる。

 

 

「 俺 の 夢 を お 前 が 叶 え て く れ 」

 

 

「おい!」

 

ーーーーー

 

       「ドン太郎!…ア?」

 

―気づけばそこはあの草原だった。

血だらけの草むら、削られた地面。

そして、少し遠くに見える銃の悪魔と―

 

「…このこめかみから出てる、紐は―」

 

ほうか

ほうか…ドン太郎…

 

「お前サンの夢か…最強の悪魔じゃったなぁ?」

 

―ロープを掴む

たった20cm程の、白いロープ。

きっと、こうすればいい。

砲代にはなんとなくそう感じた。

 

「ワシがやりゃいいんじゃなぁ!ドン太郎ォ!」

 

―掛け声と共に…引っ張る!

 

「バーン!!」

 

 

 

ドカーン‼︎

 

 

―その砲撃は、銃の悪魔の肩にある銃に当たり爆発を起こす。

 

「?!」

 

―咄嗟に振り返れば、そこに立っていたのは。

 

 

「こっちを向いたのぉ…くそ(つつ)野郎…!」

 

顔を大きな大砲に、両腕に火砲、背面にもまた大砲をつけた悪魔…そして…

 

「仇討ちじゃぁ!天誅‼︎」

 

親友の仇に燃える鬼の姿があった。




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原作突入まで見守りたい人

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