進め歩兵よ!大砲片手に!   作:チチメカ

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実は四話書き終わって直ぐ書きました。


公安新人編
第四発目・地獄の砲声/石原、ただいま帰還ス


 

 

頭、右腕、左腕…備え付けられたその大砲を全て銃の悪魔に向け、一斉に大砲を発射する。

効果は少しはあるように見える。

だが、

 

「決定打にはならん…」

 

―砲代は体の向きを変え、銃の悪魔の周囲を回り始める。銃の悪魔も負けじと、それを追いながら銃を乱射するが、当たる気配はない。

 

「うむ。ここは一旦―」

 

―すると90度方向を変えると突然、一直線に逃げ出す。

銃の悪魔もそれに続く。

銃の悪魔の速度ば尋常ではない。普通ならば、直ぐに追いついて走り去るだけで、敵を葬るのだ。

しかし、それができないのだ。

銃の悪魔は思い出していた。

思い出さざるえなかった。

あの鬼の形相をした大砲を。あの殺戮者を。

いったい何故忘れていたのかが分からない。あれは危険だ。そう認識した。

だからこそ、慎重に葬らなければならないのだ。自分が持つありったけで。

 

やはり、ワシの戦い方に引き込むのが一番じゃ。

"一撃必殺"それがワシの流儀。

ありったけじゃ。

ありったけを一発ぶちかます!

 

―両者とも、考えることは同じであった。

 

ワシの知る最大の火砲。

ドン太郎(心臓)が覚えとる、最強最強の大砲!

ここは―!

 

―加速の勢いを殺し、一瞬で反転する。

瞬間…腕の大砲を無くし背中へ移す。体は四つん這いに、衝撃を抑えるために。

 

銃の悪魔は走りながら思い出していた。あの悪魔の行動を。幸い、一度も殺されなかったが、その惨状は目撃していた。

連射される大砲。

両手に六門、頭には戦艦の主砲が一門、そして背中に最恐の列車砲が一門。

まさに殺戮者の名に相応しい物であった。

あれ(殺戮者)が帰ってくる。ここで始末しなければ、戻ってきてしまう!

 

 

 

しかし、遅かった。

 

 

 

「待ってたぜ。」

 

背中に巨大な大砲が一門。

 

「ワシが知っとる中の最強じゃ…とくと食らえぇ!!」

 

ドカーーーーーーーン

 

―爆音が響く、地獄中に響く。

 

―銃の悪魔はすぐさま防御したが、それも無駄であった。

しかし、幸いな事に狙いは少し右にずれていた。

 

「…!!」

 

―気づけば、自らの右手が綺麗さっぱり千切られていた。風穴を開けられ、血が吹き出している。

 

 

 

―銃の悪魔は恐怖した。

 

 

―いいや、

 

 

―この音を聞いたどの悪魔も思い出し、理解した。

 

 

―帰還の音色を。殺戮者(大砲の悪魔)の復活を。

 

―直ぐ様、銃の悪魔は進路を変える。

逃げなくては…!この場にいてはまずいのだ!次の装填が来れば確実にやられてしまう!

誰にも追いつけないスピードで、血を吹き出しながら逃げる。射程距離から逃げる為に、もう見つからない為に。

 

 

 

 

 

 

 

…その後、そこには大の字になった砲代のみが残った。

 

 

「…やったぞ。わしゃぁぁ!!やったぞぉぉぉぉぉぉ!」

 

やってやった!

わしの勝ちじゃ!

あの腰抜け(銃の悪魔)め、尻尾巻いて逃げよった!

 

「クックククク…!ガハハハハハ‼︎」

 

―雄叫びと、高笑いが響く。

今だけは笑いたい。私の心臓になった親友に届くほどの声で。

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

―それからまた一年程度が経った。

あれからやっていた事は変わりはしなかった。

適当に悪魔を見つけ、殺し、殺し、殺し続けた。

なんだか、銃の悪魔を撃退した後から急激に強くなっていた。

そうして、ようやっと見つけた。

 

「お前さんじゃな?地獄の悪魔は?」

 

―燃え盛る身、馬のような体に上裸の目の無い男。

 

「…ほら、言わんかい。契約じゃろ?"ワシが殺さない代わりに、あれを言え"と!」

 

「はっはイィ!」

 

なも知れぬ悪魔に伝える。

震えながら、そいつはしゃべる。

 

「地獄の悪魔よ。わたたしの全てを差し上げます!!ますので、この方を!現世へお戻しください!!」

 

―その瞬間

その悪魔は爆散する。

 

「うわ!ばっちぃのぉ!!…んお?」

 

―すると、その目の前には一つの扉が出現した。

いつかのあの扉の様には見えないが、確かに扉だ。

 

―意を決して、扉を開ける。

瞬間―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―日差しが眩しい。

青い空、耳障りな雑音、そして…目の前に映る溢れんばかりの人の群れ。

 

「…来た。戻ってきたぞぉぉぉぉおおぉぉぉ!!!!!!」

 

―自然と涙が溢れていた。

五年ほどの努力が遂に叶ったのだ。

 

ボロボロの軍服、伸び切った髭、長髪の男、そして背中に背負った三八式。

 

―市民は誰もが怪しがったが、銃など、ましてや大戦中のものなど誰も知らないので、よく分からぬ木の棒を持った怪しい男にしか映らなかった。

 

「ここは皇国なのか?いいやぁ、それにしてはあり得ない程知らぬ所じゃノォ…もしかして…アメリカに占領されたのか!!」

 

しかし、その考えも束の間、突然近くの窓ガラスが大きく割れる。

 

「「「「うわあぁぁぉぁぉ!!!」」」」

 

「なんじゃ!!」

 

―市民が慌てふためくなか、目の先には悪魔がいた。見たことのある悪魔だ。たしか…

 

 

「あ!あいつは前殺した鬼っぽい悪魔じゃなぁ!!」

 

「「公安を呼べぇ!「助けてくれぇ!「誰かぁ!!「逃げろぉ!!」」

 

―誰もが、パニックになりその場から離れる。

しかし、この男は違う。

一瞬で飛び上がり、近くにあった壁を蹴り一直線に敵に向かう。

紐を抜き、姿勢を決める。

 

「バーン!」

 

「こちら公安ニ課の高木!ただいま現場に到着しました!推定ですが、鬼の悪魔です!至急応援「くぃらぁぁぁぁぉぁぁ!!!!!」

 

爆発音、それがビルの間に広がり続ける。

 

―血が吹き出し、その血が高木にかかる。

 

「ワシの勝ちじゃぁ!!」

 

―そこには血に染まった大砲の悪魔が雄叫びを上げていた。




感想とお気に入り待ってます。
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原作突入まで見守りたい人

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