進め歩兵よ!大砲片手に!   作:チチメカ

7 / 38
キャラの口調を再現する事が一番難しい事だと思う。


第六発目・初仕事

 

 

―蛍光灯の光が天井と部屋を照らしている。

無数にあるロッカーの一つが開き、男二人が部屋にいる。

 

「はい、これ制服ね。」

 

「ん?…ってこれがぁ?!」

 

「?何か問題あった?」

 

「あー、わしのぉ…背広を着たことが無いんじゃ。」

 

―慣れぬ手つきで着替え始める。

ズボンやシャツはどうにかなったが、ネクタイは結べない。

 

「あー、貸して。」

 

「お。」

 

―ネクタイの紐を背中の襟に通し、前に持ってくる。あとは、慣れた手つきで結んでいく。

 

「これで完成。」

 

「お、おぉ!ありがとう!岸…岸辺くん!」

 

「どういたしましてー。」

 

―そう言うと、扉を開き手招きをする。

奥には先程の女…クァンシも待っている様だ。

 

「早くして。」

 

「ほらほら行くよ。」

 

「うむ!それじゃぁ、初仕事行くかぁ!」

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

「なーーーーーーんも、おらんじゃないかぁ!!」

 

―日差しが照りつける日中。

三人は街中を巡回していた。特に問題がない日はパトロールをするのが公安であるが、この男はそんなものは無縁だった。

 

「いつもなら、ここで二、三体の悪魔がどこからか襲ってくる筈じゃ!!」

 

「…そんな事ここ(現世)では起きないよ。」

 

―すかさずクァンシが突っ込む。

二人は薄々気づいていた。この男の流れに乗せられてはまずいと。明らかに常識破りな男であると。

 

「暇じゃ〜!暇じゃ〜!」

 

「…うるさい「!…危ないのぉ!」

 

ー突然クァンシが足蹴りを砲代に行うが、寸前のところで飛んで回避する。

クァンシの眉間に少し皺が寄っている事に、ようやく砲代も気づいた。

 

「落ち着けよクァンシ、砲代は新人なんだぜ?」

 

「ッチ…」

 

「あーら、怒らしたかのぉ〜。そんなときはのぉ!」

 

―チラリと時計を見る。

ちょうど1時をまわり、昼飯時である事がわかる。

 

「飯でも食うか!わしが奢っちゃろぉ!」

 

「おお〜いいね。」

 

「…今何円持ってるの?」

 

「おうおう。今はのぉ〜たし

 

―なんじゃぁ?!」

 

―爆発音が街中を駆け巡る。

視界を目まぐるしく動かせば、そのビルの端で大きな尻尾が鞭打っている事がわかる。

クァンシは直ぐ様近くの公衆電話に入り、公安本部に連絡を入れ始める。

 

「おい、岸辺くん。何をしとるんじゃ!」

 

「ぇ?あれ(悪魔)を殺しn「馬鹿言うなぁ!」バゴーン

 

「イテェ!」

 

―岸辺の頭に拳骨を入れる。

 

なんてやつだ…

 

―岸辺は瞬間、中学時代の担任を思い出していた。

 

「上官からの命令が無いのに、突撃する馬鹿がおるかぁ!」

 

「はぁ…?」

 

「準備はしていいが、上官の突撃許可はおりとらんじゃろ!」

 

「いや、俺はしら「馬鹿モーン!」

 

しらをきる岸辺に、頭に拳骨を喰らわせる。

 

「イテェ!!」

 

「…おい何してる。本部から許可が降りた、行くぞ。」

 

―クァンシの視界には頭を抱えるバディ(岸辺)とそれに怒鳴り散らす砲代の姿があった。

正直思った。

 

面倒くさい…

 

と。

 

「よし!なら行くぞ岸辺くん!!」

 

「…なんでお前が仕切ってんだよ。」

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

「あいつは私とこいつ(岸辺)で、どうにかする。お前は市民の保護をしてて。」

 

「なんじゃ、ワシは後方支援か。」

 

「なんか不満でもある?」

 

―またクァンシが目つきを悪くする。

 

「いいや、上官の命令じゃ!しっかりやってくるぞ!」

 

―そう言うと砲代は走り出していく。

 

久しぶりじゃ…

こんな喧しい戦いは!!

 

ー人の波を一つのジャンプで器用に避けながら、逃げ遅れたものを探していく。

敵の方に視界を送れば、二人が戦い始めていることが分かる。見れば優勢の様だ。

 

「大丈夫そうじゃの。」

 

―悪魔が破壊してできたであろう、瓦礫を乗り越えていると。

 

「助けテェー!」

 

「んぉ!」

 

―瓦礫の中に手が見える。

咄嗟に刀をしまい、声をかける。

 

「誰じゃぁ!聞こえとるかぁ!」

 

「助けてぇ!助けて!」

 

「おうおう!待ってろ!」

 

―拳に力を込める。

見る限り、子供の元までにあるのは大きな瓦礫とまばらなのが数個。

ならば、この目の前にある大きな瓦礫をぶん殴ればいい。そう男は思った。

 

「んじゃぁ!おらぁ!」

 

「よし!あとはガキを助けるだけじゃー

 

瞬間、吹き飛ぶ瓦礫

 

…あ。」

 

―そう言って、見た視界の先には瓦礫によって大きく潰れた巨大な異形のトカゲと、こちらを睨みつけるクァンシと呆れる岸辺の姿だった。

 

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

「許してくだせぇー!」

 

―平謝りをする砲代。

前には腕を組んだクァンシと、どこか苦笑いを浮かべた岸辺だった。

あの後、敵…トカゲの悪魔は警察に引き取られ三人は公安の本部に戻っていた。

 

「…奢ってくれるんでしょ。それで、ちゃらにしてあげる。」

 

「お!俺もよろしくー。」

 

―そういう二人の言葉に砲代は安心する。

この男、内心で本当に焦っていた。五年前、上官を殴った時も非常に面倒くさい事態になったからだ。

殴った事に後悔はひとつたりともしていないが、五年間地獄に居た事もあり反省は少ししていた。

だからこそ、この男誓っていたのだ。

 

面倒事はあまり起こさん!!

 

…が、数時間後。

 

「もう食べれない…」

 

「俺もぉ〜」

 

―満足そうな岸辺と、本当に満足しているのか分からないクァンシを見た砲代は店員を呼びつける。

 

「食ったぁ!よし!会計じゃぁ!」

 

「はい!1万と200円です。」

 

「…ん?万?円?ワシ…そんな大金持っておらん…」

 

―この後、土下座して二人に出してもらった。

 




感想やお気に入り待ってます!
モチベが上がって砲代が祝砲を打ってくれますよ。

原作突入まで見守りたい人

  • いえす!
  • いやじゃ!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。