進め歩兵よ!大砲片手に!   作:チチメカ

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クァンシと岸辺の喋り方を少し変えました。
似てたらいいんだけどなぁ。


第八発目・子供と大人

 

 

「は?()じゃが?」

 

「…何?」

 

「…」

 

目の前の男達は全員、砲代の方を見ては眉間に皺を寄せ怪訝そうな顔でこちらを見つめる。

砲代は訳が分からなかった。

急に中学生程度の子供が出てきたと思いきや、こちらに対する第一声は「服従しろ、命令だ」などと言われているのだから。

 

「さっきから優しく聞いておったが―」

 

その後、砲代には一つの感情が湧いてきていた。

"怒り"だ。

 

この男達はワシをコケにしたいんか…!

 

慣れない敬語をやめ、いつもの口調で喋り始める。足を傲慢に組み、顔は尊大に、そして時慣れた故郷の方言で。

 

「なんじゃ、お前さんら。面会があると言うから階級昇格かなんかかと思いきや、尋問か?!」

 

「面会だと伝えた筈だ。」

 

「いや、じゃからこんな面会があるかって言う話じゃ!」

 

先程の"面倒事は起こさない"という考えはどこにいったのか、砲代は喋り続ける。

 

「それになんじゃ!ワシを"利用"じゃなんだの、いいおって。それに!」

 

先程の子どもを見る。

どこか落ち着いていて、こちらに薄い笑みを浮かべている。

 

「この女子(おなご)じゃ!こんな女子(おなご)をここに持ってきよって何をする気じゃったんじゃ!」

 

「おい!お前触るんじゃ―」

 

「じゃあかあしぃ!!」

 

先程まで仏頂面をしていた男達の一人が慌てて、止めようとするが砲代の声で一喝される。

すると、男はたじろぎ黙りこける。

砲代は一瞬その男を睨みつけるが、直ぐに視点を移し女子に目を向ける。

 

「…お前さんなんでここにおる。ここは難しい大人のところじゃ、女子(おなご)が来ていい場所じゃないぞ。」

 

頭を乱暴に撫でながら、姿勢を下ろし目を合わせる。すると、女子は少し驚いた顔でまたこちらを見合わせる。

 

「君、変な匂いがするね。」

 

「なんじゃ〜風呂は入ってきたぞ?」

 

マキマの後ろにいる男達は誰もが二人を見ているが、どうもしない。

 

 いや、"できない"。

 

「ううん。混ざってる匂い。」

 

「混ざっとるぅ〜?」

 

「うん。人でもないし、悪魔でもない。でも悪魔の匂いも一つだけじゃない。」

 

「…どう言うことかは分からんが、なんかあまり良くはなさそうじゃのぉ〜」

 

そう言うと撫でていた手を止め、立ち上がる。

女子は砲代に撫でられていた頭を触り、砲代を見上げる。

どこか、先程の目より優しくなった気もする。

 

「嬢ちゃん、名前は?」

 

「私の名前?私はマキマ。」

 

「ほぅ、ええ名前()じゃの。」

 

砲代が笑顔で答えると、またマキマも優しい笑顔で答える。それを見た後、砲代は顔を上げ前の男達を見つめる。

その顔は明らかマキマに向けた顔より堅くなっている。

怒りと真剣が混ざった顔だ。

 

「お前さんら大人じゃろ、大人なら子供をこんな所に連れてくるんじゃない。」

 

目付きをさらに強くする。

怒りを抑え、声を振るわせながら喋る。

 

「…ワシは公安に所属しとる兵士(もん)として、命令は聞きやす。じゃが、大義もなく…こう言う子供を利用して死地に行かせるなら―――」

 

固唾を飲む。

この男はやる。誰もがそう言う"凄み"をこの男から感じていた。

 

「 ワシはお前さん達を殴り飛ばさなきゃならん。 」

 

呆然とする男達を横目に、じゃぁこれでと言って砲代は部屋を出る。

男達は少し慌てた様子で話し合い始めるが…

 

 

 

マキマは砲代の背中をただその目で見つめていた。

 

「ホウダイ…砲代さん…だね。」

 

どこか不敵な笑みを浮かべて。

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

日差しは炎天下を物語る様に燦々と東京を照らしいている。

あの面会(圧迫面接)から二日後、砲代はクァンシと岸辺に呼び出され、仕事部屋までやって来ていた。

 

「お、来た。遅かったね。」

 

「なんじゃ〜、"大切なイベント"がなんだか…そもそもイベントってなんじゃぁ?」

 

「…うるさいな。」

 

「落ち着けよクァンシ。」

 

「すまんのぉ〜声がデカくて、でなんじゃお似合いさんどもに呼び出されるとか気まずくて仕方ないぞ。」

 

「え!まじ?!そう見「うるさい」ドシ

 

「イテェ…」

 

岸辺が浮ついた瞬間、クァンシが岸辺を殴り地面に屈させる。

ここではよく見る光景だ。

そして…

 

「さっさと本題に入らせろ。」

 

「「すいません(へん)」」

 

この二人が平謝りをするのも毎度の光景でもあった。

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

「で、話ってなんじゃ?」

 

気を取り直し、砲代が聞く。

岸辺とクァンシも立ちながら砲代に目を合わせる。

 

「それな、話なんだけど「黙れ岸辺。私が話す。」

 

「入ってこい"井伊乃"。」

 

ガチャ

ドアの開ける音と共に人が入ってくる。

ショーカットの赤い髪、丸い真っ黒な目、そして緊張しているのかぎこちない歩き方。

高校生の様な身長と雰囲気を流しているその女は井伊乃と呼ばれ部屋に入ってきた。

 

「おいクァンシ…何故ここに女子(おなご)がおる。」

 

少し威圧感のある顔でクァンシを見れば、すんとした顔で井伊乃を見ている。

 

「あのぉ〜…私21です。」

 

「…は?その雰い「砲代〜それ以上はやめた方がいいぞ〜。」

 

岸辺が砲代の声を遮り、呆れた様にため息をこぼす。井伊乃も苦笑いだ。

 

「いいか砲代。今日からお前は、そこにいる井伊乃がバディだ。」

 

「バディ〜???」

 

部屋の外からは燦々と光る太陽の光がまだまだ、入ってきていた。

日はまだ沈まないみたいだ。




やっとバディ出せた。
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原作突入まで見守りたい人

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