「ねーどこまで行ったのー?」
「そうそう。教えてよー」
「えぇー。いいじゃん別にぃ…」
とある地方のごく普通の公立中学校。
女子陸上部の部室にて女子トークが行われていた。
時計は午後5:30を回ったところだ。
部活動自体は5:00で終わっているので、着替えを済まして、帰宅する者は既に下校済みだが、総勢40人の女子陸上部員のうち、その半分ほど、いくつかの仲良しグループの25人は部室にて会話をそれぞれ楽しんでいた。
その中で2年生の仲良しグループは最近付き合い始めた子に質問攻めをしていた。
「ちょっと待ってよ!さすがに恥ずいって!」
「あぁー、その反応は!」
「やだぁー」
おさげの至って普通の女の子、猪原香奈美はいつも一緒にいる翠子と愛凪によって質問攻めに遭っていた。
校内に設置されている自販機で買ったドリンクを片手に最近彼氏ができたと言う香奈美を問い詰めていたのだ。
思春期真っ只中の女子ということもあり、他人のそう言った事情も気になっているのだ。
「ひゃ!」
背後から胸部を鷲掴みされ思わず、悲鳴をあげる香奈美。
「ち、っちょっと!」
「へっへへー」
「くそーっ、香奈美のここはもう男に汚されてるんだな」
「こうやって、揉みくちゃにされてんだろー」
「そーちゃんはそんな触り方しないから!…あ…」
「あ?」
「なんでもない…」
「そーちゃんはって…」
「やっぱヤってんじゃんかよ!」
「もおー!」
「ひゅー!!」
「もう少しで夏休みだからそこまで我慢しろよー」
翠子と愛凪は香奈美をからかう。
香奈美は顔を真っ赤にしながら、2人を叩いて叩きまくる。
「わかった、わかったからって」
「もー絶対誰にも言わないでよ!」
「はいはい」
カチャリ。
部室のドアが開かれた。
この時間になれば、部室から出る者しかいない。
入ってくる者は珍しい。
残っていたグループは一斉にそちらの方を見る。
「おっ?まだこんなに残っていたんだ」
「キャプテンどうしたんですか?」
キャプテンと呼ばれた少女。
黒髪をポニーテールに結っている、小麦肌に焼けた愛らしい少女、この女子陸上部のキャプテンをしている須村恵里香だ。
「いや、この前の旅行土産を持ってきたんだ」
「お土産!」
ある程度散らばっていた各々のグループたちは一斉に恵里香の元へと駆け寄る。
「キャプテンどこ行ってたんですかー?」
「おい、恵里香何買って来たんだよー」
「わーこれ美味しそうー」
群がる生徒たちの様子を見るに彼女はだいぶ慕われている。
「そういえば、体調は大丈夫ですか?」
「うん、今日走ってみて問題なさそうだったから、大丈夫かな?ありがと」
彼女は先週末に旅行へ行った後に体調を崩してしまっていた。
2〜3日休んだのちに今日登校して来たのだ。
「旅行疲れってやつかー?」
「ま、そんなとこかな」
恵里香は苦笑いしながら返す。
「で、どこ行ってきたんだ?」
「東京だよ〜」
「東京!」
群がる少女たちは一気に目をキラキラさせる。
一地方に住む彼女たちは遠く離れた大都市に夢を見ている。
それからはあれこれ質問が始まった。
やがて、6時のチャイムが鳴る。
「おっと、もう6時だね」
6時といえど、夏場であることから陽はまだ出ている。
全校生徒は500人に満たないくらいだが、地方都市の外れた方にあるこの中学は通学範囲が広い。
中学近辺はまだ住宅街や少し大きな国道が走っていることもあり、ある程度の人通りもある。
しかし、自転車で30分以上掛けて通学していたり、山の集落から通学している生徒もいることもあり、このチャイムが下校を促す一つの目安となっている。
そして、午後7時には日没となってしまうため、完全下校は6:30とされている。
陸上部には鍛えるために自転車での通学を禁止する部ルールがあるが、ほとんどの生徒はそれを破って学校近くに隠してから登校しているのだ。
「ちょっと、完全下校まで時間があるからまだいいかな?」
そう言うと恵里香は室の外から台車に載せられた段ボールを3箱ほど搬入させる。
「実はユニフォームを新しくさせようと思ってね、今日届いたんだ」
そうして、恵里香は体操服を脱ぎ捨てる。
上下がセパレートになっているユニフォームを披露する。
ブラトップとレーシングブルマに分かれており、ブラトップは鮮やかな薄いブルーと黒のツートンカラーに中央に学校名が書かれている。
レーシングブルマは至って普通の黒一色だ。
今までは普通のランニングシャツとハーフパンツだったが、一気に露出度の高いユニフォームに思春期の部員たちは戸惑いの表情を見せる。
「大丈夫だよ。恥ずかしいかも知れないけれど、少しでも速く走るための工夫なんだよ。それに高校生になっても続けるんだったら今のうちに耐性をつけておかないと」
恵里香は段ボールを開けて、残っている部員たちにそれぞれ個別に包装されたユニフォームを渡していく。
「それじゃあみんな貰ったかな?」
辺りを見渡す恵里香。
部員たちは恵里香と手にする自分のユニフォームを交互に見たりする者や、中身を開けて観察する者。
「安心して。大丈夫だよ。これを着るのは競技場の中だけだし、競技中以外はシャツを着れば恥ずかしくないし、慣れれば問題ないよ。じゃあ、みんな一度着替えてくれるかな?」
「え、今着替えるんですか!?」
「うん。サイズが間違っていたらいけないからね。一応予備もあるから交換すれば問題ないよ」
キャプテンに促され、渋々着替え始める部員たち。
「みんな着替え終わったかな?サイズは合っているかな?」
「…」
「ん?猪原どうかしたのかい?」
「キャプテン…今までのメーカーと違うようですけど、見たことのないメーカーのです…」
「あぁ、最近参入し始めたメーカーらしいんだ。ここしばらく頭角を表した女子陸上のトップアスリートたちも最近使い始めたそうだよ」
「そうなんですか?」
「それはそうと、次で最後だな」
キャプテンの恵里香に話しかける、少女。
肩までかかる髪に恵里香よりも日に焼けた肌の少女、副キャプテンの久米島 羅南だ。
「俺もユニフォームが変わるなって聞いてなかったぜ」
「すまない。私が勝手に進めていたんだ」
「全く、いつも自分のペースだな」
「はは。私と羅南の仲だろう。許してくれ」
「へっ。まあいいさ、恵里香と走れるのは最後だからな」
「ふふ。それはどうかな?」
部員たちの頭の中ははてなマークでいっぱいだ。
「あぁん?どう言う意味だ?」
「今回は選抜制にしようと思うんだ」
「もう大会まで日がないぞ?それに今まで全員参加だっただろう?」
「私が選抜する」
「待てよ!3年は最後の大会だから3年は全員だろうな!?」
「それも私が選抜する」
「は?待てよ!なんでそんな勝手なことすんだ!」
「羅南先輩、ケンカは…」
「お前らもなんか言えよ!おかしいだろ!」
険悪なムードが更衣室に流れる。
「ふふ…」
「何がおかしい!」
「あはははあははは!」
「…!?恵里香……?」
「私がお前らを選抜してやるんだよぉ」
突如として、恵里香は今までの優しくておっとりとした笑い方ではなく、今までに見たこともない狂気に満ちた笑いを披露する。
それは他の部員だけでなく、付き合いの長い羅南も後退りするほどの衝撃だった。
「恵里香…?」
ピタッと笑いを止めた恵里香はニンマリと口角を上げた。
その瞬間、恵里香の周りには嫌なオーラが纏わりついたのだ。
カッと見開いた瞳は白っぽくくすんだ銀色に光る。
それは恵里香の軽く小麦肌に焼けた肌を伝って全身へと広げていく。
ゆっくりと異形の模様が浮かび上がると、なんとも言えない音と共に恵里香の身体は変貌を遂げる。
ゴツゴツとした鱗のような灰色の甲冑を身に纏った全身は2mを軽く超えていた。
恵里香の身長は165cmくらいだったがそれよりも50cmは大きいだろう。
まるで手品のように普通の少女だったモノが今は冷たく重厚感を見せる灰色の鎧を着たモノへと変わり果てたのだ。
「な、なんだよ…」
沈黙が流れる中、羅南の一言以外は誰も言葉を発せなかった。
十数名の少女と鎧の怪物は対峙する様に立っている。
頭には大きな角を一対備え、仮面のような顔には十字のスリットが無数に空いているが、それがなければまるでのっぺらぼうのような質感だ。
沈みかけた夕日に照らされた怪物の影はボワっと人の形に縮み込み、青白く恵里香の姿をした裸身が投影される。
『聞け。人間ども』
その表情は険しく、今までの恵里香の印象とは全く違う。
怪物の姿をした恵里香は語り始める。
東京旅行へ行った恵里香たち一家は、地元へと帰る日の夕食に立ち寄ったレストランで、怪物に襲われた。
襲われた恵里香たちは死んでしまったが、恵里香は同じような怪物にとなって蘇ったのだ。
両親はそのまま死んでしまったが、恵里香はなんとか逃げ出すように地元へとひっそり帰ってきた。
自らの変化に畏怖し、ガタガタと震えて布団に包まる日々が続いたのである。
そして、自らに起きたことをネットで検索すると、ある言葉がヒットした。
『オルフェノク』
最初に見たネットのサイトでは『都会で最近話題になり始めていると言う都市伝説』と書かれていた。
内容としては根も歯もない嘘と書かれていた。
そんなはずはない。
日付を見ると、去年の今頃のまとめニュースだった。
それから調べると、現在に近づくにつれて、週刊誌や他のまとめサイトなどが記事にし始めているようだった。
しかし、それも目撃者はごく少数だし、それもみんな面白がって情報提供をしている自称目撃者だと結論づけている。
そして、それぞれに攻撃的、差別的なコメントも見受けられた。
ネットを見るのもやめた。
恵里香は余計に悩みに悩んだ。
自らの変化に戸惑い、これからどうすればいいのか、両親のいなくなった自分はどうやって生活をすればいいのか。
次の日一本の電話がかかってきた。
聞いたことのある大企業からだった。
どうやら私を保護してくれるらしい。
しかし、なんでだろうと思いつつも話を聞いているうちに相手の方からオルフェノクと言う単語が出てきた。
思わず切ってしまった。
しばらく呆然と電話の前で立ち尽くしていたが、再び電話が鳴った。
しかし、それは先ほどの相手ではなかったのだ。
少しくぐもった低い女の声だった。
それが誰かは分からないが、どこかで聞いたことのある声だと言うことは理解したがまま何度考えても思い出せない。
気味が悪くすぐそれも切ってしまった。
それからと言うものの、時折そのくぐもった低い女の声が恵里香の頭をグルグルと再生されるのだ。
それも何を言っているのか聞き取れない。
そうこうしているうちに3日が過ぎた。
あの声も聞こえなくなってきた。
学校へ行かないと。
恵里香は平静を装い、普段通りのまま通学を再開した。
初めのうちは大丈夫だった。
しかし、人と触れ合い始めるとあの声がまた聞こえ始めたのだ。
『に……ぇぉそ……ぁか…を…ぁせ』
前よりハッキリと聞こえている気がする。
周りから心配されるものの、恵里香は大丈夫だと言い張った。
しばらくすれば慣れる。
そして、限界がきた。
部活動も終わり、下校していた時だった。
あの声がハッキリ聞こえた。
思わず、その場にうずくまった。
頭を振り、必死に抗おうとする。
『人間を襲え。仲間を増やせ。人間を襲え。仲間を増やせ!』
それは恵里香自身の声だった。
それが分かった瞬間にスッと恵里香は立ち上がり学校へと踵を返した。
そして、校門の陰に潜み出てくる生徒を何人か襲ったのだ。
今までどんよりとした心が晴れていくような気分に変わっていたこと気がついた。
その後に何事もなかったかのように恵里香は陸上部の部室へと戻ってきたのである。
『大丈夫だ。一瞬で済む』』
無数に空いた十字のスリットから2本の触手が勢いよく飛び出し、羅南の口内へと侵入すると、苦しそうな表情を見せる羅南をよそに怪物から放たれた触手は羅南の体内を浸食していく。
やがて、鮮やかな薄い青色のブラトップの左側に燃えるような青色の炎が上がるのが見てとれる。
ドサッと倒れる羅南。
羅南に挿入されていた触手は再び勢いよく怪物の十字型のスリットへと収納されていった。
それを見た部員たちは小さな悲鳴をあげて後退りする。
しかし、怪物はお構いなしに再び触手を部員の口から体内へと侵入させた。
羅南の時と同じように鮮やかな薄い青色のブラトップの上から、それ以上に燃えるような青い炎が塗り重ねられる。
怪物が触手を抜くとその部員はその場で倒れる。
先ほどとは違い、怪物の触手は近くに別の部員へと続けざまに突き立てられた。
羅南とは違い、その身体はセパレートのユニフォームだけを残して身体を全て灰色の細かい粒子と化して、消え去った。
それを3人ほど繰り返した頃だろう、何人かの部員は怪物を掻い潜り出入口まで辿り着いたのだが、何度やっても開かないのだ。
『無駄だよ。オルフェノクの力はこんなこともできるんだ』
絶望感が漂い始めたころ、地面に平伏していた羅南がムクリと起き上がったのだ。
『羅南、ようやくお目覚めかい?さあ、君もだろ?』
羅南は青ざめた表情で違う、違う、と呟いている。
やがて、羅南の身体全体が白っぽく銀色に発光し、ギョロッと顔から突き出た2本の長い目を備えた灰色の怪物へと変化した。
『ふふ。今のうちに残っているみんなに言っておこう。オルフェノクはこうやって仲間を増やすんだ。オルフェノクは人間が死なないと増えない。だからこうやって襲う時に特殊なエネルギーを君たちの身体に注入する。そのエネルギーに耐えられた者だけがオルフェノクになれる。そうでない者は灰となって死んでしまう。でもこれは救済であり愛なのだから、悪いことではない。言葉では分かりづらいかな?これから君たちの中にもオルフェノクになる娘もいるのだから、実際になった方がわかりやすいだろう』
羅南が変化した怪物へと近づく。
『さ、羅南も一緒に人間を襲うんだ』
ボワっと羅南の裸身が浮かび上がる。
『いやだ、違う…』
『一人襲えば、それも変わるだろう。ささあ羅南、人間を襲って仲間を増やせ』
青い青白い影の恵里香が耳元でそう囁いた瞬間、青白い影の羅南は目を見開き、走り出す。
ガン!
金属を叩きつける音が響く。
ガン!ガン!ドガン!
羅南だった2本の突き出た長い目を持つ異形の怪人は何かに抗うかのようにロッカーを破壊し始めた。
到底、女子中学生の力とは思えないほどの凄まじい力で金属できたロッカーの扉はひしゃげたのちに、蝶番を引きちぎられた。
ロッカー本体は大きく歪み、ロッカーの体をなしていなかった。
『ふふ。羅南どうだい?これがオルフェノクの力さ。身体の奥底から力が湧いて出てくるのが分かるだろう?』
『ちがっ…おれは…』
『でも、破壊だけがオルフェノクの力じゃないんだ。今の羅南なら分かるはずさ、仲間を増やさないといけない。そのために人間を襲う。することはそれだけなのだ』
『仲間を…増やす…』
『ふふ。オルフェノクになるためには一度死ななければいけない。どうすればいいと思う?』
『仲間を増やすために殺さないと…』
『オルフェノクになった羅南は本当は分かっているんだ。でもまだ人間だった頃の人を殺しちゃいけないという理性と倫理が邪魔をしている。でも、それは人間のルールだ。私たちはもう人間じゃないからね』
『人間じゃない…そうか…仲間を増やさないと…』
『ふふ。それじゃあ羅南、仲間を増やすためにはどうしたらいい?』
『仲間を…オルフェノクを増やすには………』
全身の力が抜けたように腕をダランとさせた怪物はゆっくりと突き出した目が部員たちの方へ向けられる。
数刻遅れて身体もゆっくりと部員たちの方へ向ける。
『こうするんだあああああああああああ』
異形の姿となった羅南は部員たちへと突っ込んでいった。
「きゃ」
「香奈美!」
怪物によって香奈美は両腕を押さえつけられ、壁に押し付けられている。
どうやっても逃れることはできない。
獣のような低い声で唸りながら、羅南が変化した怪物は自らの人差し指と中指を触手のように伸ばして、先ほど自らが恵里香にされたことと同じように口から体内へと触手を侵入させる。
香奈美の心臓は怪物の触手から注入されたエネルギーによって、激しく燃えるような青い炎と共に灰と化していった。
『コレがオルフェノクの力ぁ』
『そうだよ羅南。さ、彼女たちに逃げ場ないよ。狩り尽くそう』
『あぁ、そうだな!』
怪物たちの影に青白く映し出される裸身を通して、女子中学生同士の会話とも思えない会話が繰り広げられる。
しかし、その裸身はまだ女子中学生そのものだ。
香奈美が羅南によって襲われて、残っている部員はちょうど20人。
それが16人なった時、香奈美もムクリと起き上がった。
「香奈美!」
「ちょっと、翠子!」
慌てて駆け寄ろうとする翠子を愛凪が止める。
「ねぇ。どうして止めるの?」
「!…香奈美…」
翠子も愛凪も分かっていた。
オルフェノクによって殺された人間がどうなるのか、灰にならなかった人間は…
香奈美の身体は形容し難い音と共に灰色の怪物へと変化し始めた。
口元から生えた大きな2本の牙。
それが有無を言わさず、触手と化して愛凪の口から体内へと侵入させる。
バタリと愛凪が倒れる。
「ひっ…来ないで!」
『翠子も差別するの?』
ボワっと香奈美の裸身が現れる。
『翠子もオルフェノクになれば、わかるからさぁ…』
いい終える前に大きな牙は触手と化し、共に翠子の体内へと侵入し、低い唸り声と共にエネルギーを注入する。
香奈美自身も先に襲った愛凪や翠子がオルフェノクになれるかは分からなかったが、なぜか香奈美の頭は仲間を増やす事でいっぱいだった。
先ほどまでは狩られる側だった香奈美も狩る側へとなった途端に自らに課された使命が如く、2人を襲った。
香奈美が2人を襲っていた間に生きている部員は8人になっていた。
恵里香と羅南の他に恵里香が羅南の次に襲った部員と羅南が香奈美の次に襲った部員もオルフェノクと化していた。
残った8人が5体の怪物に駆逐されるまで1分と少ししか掛からなかった。
もう逃げ惑うことはせずにその場にへたり込んでいる部員がほとんどだったからだ。
最初1体しかいなかった怪物が5体へと増えてしまえば、走り回って逃げても無駄なのは明白だった。
全てが終わった時、恵里香と羅南、香奈美の他に羅南の次に襲われた真綾、香奈美の次に襲われた綃子、香奈美が襲った愛凪と翠子、その後に恵里香が襲った瑠璃子と亜衣、羅南が襲った京、香奈美が襲った有紀。
25人いた陸上部員のうち10人がオルフェノクへと覚醒していた。
暗闇に包まれた部室には11体の僅かに外灯に照らされた灰色のボディは銀色に輝いていた。
女子陸上部と書かれた部室のドアがガチャリと開く。
中からはゾロゾロと11人の少女が出てきた。
通学鞄を肩にかけ、鮮やかな薄い青色と黒色のブラトップと黒色のレーシングブルマ姿。
そのブラトップの左胸にはスマートブレインのロゴマークが刻まれていた。
翌日。
学校は休校となった。
女子陸上部の部室から発火し、15人が命を落としたのだと言う。
〜fin〜
アイデアがふと浮かんで、書き始めたらもう5時前だった。
矛盾があればごめんなさい_| ̄|○