ダンジョンに「くっ、殺せ!」を求めるのは間違っているだろうか。 作:最強オーク
新年初めての投稿です。
これからもよろしくお願いします!
時は遡る。
目の前の女性は、私の前に現れこう告げた。
「私を買わないか?」
何度目でしょうか?
男性に告白されるならともかく、女性に告白されるのは。
「···女ですよ、私」
このセリフも何度目でしょうか?
···勘違いしているのかな?と思い、確認を兼ねて使うのですが。
まあ、今は胸部装甲が無ですから、勘違いのしようもありませんが···無いですよね?『それ胸じゃなくて筋肉ですよね?ご立派なモノをお持ちなんですね(笑)』なんて言われたら、ショックで暴れますよ、ホント。
ても初めて告白された時から、返答は変わらなかったけ。
「構わん」
ええ。
やっぱ何度告白されても慣れませんね。
「――――て、騙されると思ってるのですかぁぁぁぁっ!!」
私は
「っ!!」
「やはり、ですか···」
私の
第一級冒険者以外が、いや第一級冒険者だとしてもただではすまないでしょう。
なのに、目の前の女は
正確には両腕がへし折れ、スザーッ(※効果音)と後退するだけに留まっている。
一目見た時から、足運びや身体の動き、そして雰囲気。どれを取っても強者のソレだったので、かなり怪しかった。
「何者ですか?」
両腕がへし折られたのにも関わらず、ただこちらを見据えるだけで、苦痛すら見せない不気味な彼女に問うた。
第一級冒険者なら今頃オラリオでは有名人のはずだし、(私ほどではないが)かなりの美女。神々が放っておかない。
ではレベルの偽装?その線は半ば無意識的に捨てていた。そして、私が導き出した答えは――――
ひえー、怖っっっっわ!
“告白してきた女性が私の命を狙う美人局だった件”
思考放棄だ。
「······ちっ、おい」
「·········うぇ?」
間抜けな声が出た。
「――――あの宝玉はどこだ」
「宝玉······は!」
あの女が言う宝玉とは、冒険者依頼で獲得した不気味な宝玉の事だろう。それを奪還すべく、私の前に現れたのだ。
ではどうやって私だと特定したのだろうか?あの場には協力者と私、それと新種しかいなかった。
【泥犬】がチクった···ないな。だって彼女が持ってるし。
思い付くのは
······カメラで撮られた動画を、仲間達に観られ···。
「考えごとか?」
「! しまっ」
一瞬の刹那。私は女同様腕をクロスし防御の姿勢を見せるが、
「遅い」
「っ!!」
腹に拳が突き刺さった。
まあ、それだけなんですけどね。
目測ではあるが、アイズ達に匹敵するほどの力だ。力だけならガレスまでとは行かなくとも、Lv.6のフィンとリヴェリア、【女神の戦車】に届くかもしれない。
それでも。
「なに!?」
「クロナさんのお腹は
「ぐはぁっ!?」
初撃は防御された。しかし二撃目は?
攻撃から防御に入るまでのラグを、歴戦の冒険者たる【光の騎士】が見過ごすはずがない。
華麗な回し蹴りが顔面に決まり、誰もいない建物を突き破って森へとブッ飛んだ。
「乙女に対してデリカシーが無さすぎですっ!」
お前は乙女じゃない。
灰髪閉目の魔法使いなら、きっとこうツッコミを入れる。
「おいおい!なんの騒ぎだ!」
「なんかツッコミが聞こえたけど······た、建物がっ!?」
「あそこにいる女は【光の騎士】!?お、お前がやったのか!?」
ゾロゾロと現れましたね。冒険者が。
まあ、しょーがないですよね。あれだけ騒げば。
私とあの人だけで、誰もいなかったのが奇跡でした。もし誰かいた場合、人質にされていたでしょう。そうなれば厄介でした。
「ボールスはいますか?彼と話がしたい!」
取り敢えずボールスに警告をっと、そう言えば、壊した建物って修理費ださなきゃダメ?
······うん、寝よう!
~これまでのあらすじ~
目が覚めて汗を拭こうとしたらアイズが登場。抱き着かれて揉まれるが、妖精女王によって沈められた!
着替えを手早く済ませた後は、目撃されたリヴェリア達と気まずい空気になるが、
後から来たフィンの登場で破られた!勇気ある団長に敬礼!
そして現在。
「それが事の顛末かい?」
「はい。私の攻撃を受けて尚も健在だと思い、殺人鬼がいるとボールスに警告をしました。その後はここで仮眠を」
「なるほどね。君は傷が痛むから寝ていたのではなく」
「依頼の前から寝ていなくて···」
私はフィンとリヴェリアから尋問···もとい、質問をされていた。
話せることは全て話したが、宝玉のことは迷いに迷った末に、依頼主から許可を得てからと自分の中で結論付けた。
・ドロップアイテムを欲しがっていた。
・持っているのは褐色肌の犬人族。
・私は何も喋ってないですよ?でも【泥···なんちゃらさん】が喋ってしまったら仕方ないですよね。ええ、仕方ないですよね!
でも話さないわけにもいかないので、すこーしボカしました。なんかリヴェリアは額を押さえていましたね。
話しの内容は私と戦ったあの女に変わりました。
「んー、にわかに信じられないね」
「ああ。Lv.6上位のクロナの攻撃に耐えるほどの打たれ強さか」
ちなみに、剣を使わなかったのは出血多量で殺さないため。素手喧嘩にしたのは私なりの手心だ。
······今思えば、剣でも別に良かったのでは?足の腱を切れば無力化でき······
あ。
「そう言えば」
「どうかしたかい?」
「···魔法も使わず、怪我を治してました」
「「!!」」
自動再生と言うべきか。
私が砕いた腕で殴っていた。ああそうだ。女が健在だと思った理由は、あの再生力があったからだ。
危ない、危ない。流してましたわ。
「フィン、どうする?」
「ボールスに頼んで冒険者を集めよう。簡単な身体検査をしようか。成果は得られなさそうだけどね」
「分かった」
フィンは提案し、リヴェリアと一緒に外に出た。
残された私は手持ち無沙汰になったので、自分の膝の上でスヤスヤ眠るアイズの頭を、取り敢えず撫でておいた。
殺人鬼がいる→宝玉目当てなら殺す。だから殺人鬼と言った。
質問責めでボロは?→細心の注意を払いました。多分、何かしら見抜かれてる。
フィン達は脱退について問い詰めようとしたが、アイズは納得しましたよと答えたら、詳しい話しは後日にねとなりました。とりまラッキー!