ダンジョンに「くっ、殺せ!」を求めるのは間違っているだろうか。   作:最強オーク

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題名書き忘れてました。それとタグも追加です。


くっころ4 時に甘く、時に厳しく

 

 「――――()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()退()()()()()

 

 そう言って、クロナは宴会の席を外した。酒場に残されたのは、彼女の発言に衝撃を受けた面々の静寂だけだった。

 

 

 

 時は遡る。

 

 「今夜は宴やぁ!呑めぇ!!」

 

 『巨人殺し』などの偉業で知られる最大派閥の一角、【ロキ・ファミリア】の宴会が行われていた。内容は遠征を労うものだった。

 

 各々が楽しみ、騒ぎ、時には王族妖精の胸を賭けて飲み比べるなど、充実した宴会が行われていた。

 

 「アイズは何か食べたい物はありますか?」

 

 「これ。クロナは···?」

 

 「私もです。足りないみたいですし、この際注文しましょうか」

 

 クロナは目の前の料理を食べつつ注文する。見た目によらずよく食べるのだ。よく食べるのに、太らないしあのスタイル。女冒険者は羨む視線をよく送る。本人は気付いてないが。

 

 『そんなに食べて太らないの?』

 

 『ええ。太らない体質みたいです······何故か胸が大きくなりますが』

 

 『うがぁぁぁぁぁぁ!!』

 

 『ど、どうしました!?』

 

 テンプレである。

 

 そんなこんなで食事を楽しんでいると、隣のアイズが話し掛ける。

 

 「私も、次の遠征でランクアップ出来るかな···?」

 

 「()()()()()()()()()

 

 歯に衣着せぬ。姉以上の感情を抱いているクロナに、はっきり言われた事でアイズはショックを受けるが、

 

 「()()()()()()()L()v().()7()()()()()()()()()。そのような出来事、流石の私も御免被ります」

 

 次の遠征は、階層の更新を目的とした遠征になる。Lv.6成り立てがLv.7になるには、それを達成しつつ、敵として万全のアルフィアと戦う···嫌だ。全滅するし、アルフィア相手にくっ殺は通じない。

 

 全然美味しくない展開だ。

 

 「そっか···」

 

 そんな思惑も露知らず。アイズは近い内にランクアップする事を教えられ、頬が緩む。まあ、仲が近しい人以外は気付きにくいのだが。

 

 そんな時だった。

 

 「おいアイズ!そろそろあの話をしてやろうぜ!!」

 

 仲間の狼人であるベート・ローガが、声を大にして喋る。

 

 皆に教えたいあの話とは。

 

 「牛の返り血を浴びたトマト野郎が、助けられたアイズにビビって逃げ出したんだぜ!」

 

 「少し席を外します

 

 酒場に笑い声が響く。【ロキ・ファミリア】だけでなく、それ以外の客さえ情けないと笑う。

 

 副団長であるリヴェリアは、彼を叱責するが、ベートは止まらない。

 

 「すみません、水を貰っても?

 

 「あのガキに好きだの愛してるだの言われたら、お前は受け入れるのか?そんなはずねえよなぁ。雑魚にお前の隣に立つ資格はない。あるわけがねえし、何よりもお前が認めない」

 

 「これは迷惑料です。少ないですけど

 

 アイズはなにも言えない。クロナの隣にも立ててないのに、そんな余裕はどこにもない。

 

 「雑魚じゃあ、アイズ・ヴァレンシュタインには釣り合わねうおっ!?」

 

 誰かが椅子を蹴飛ばしながら立ち去るのと、冷水を浴びせられたのはほぼ同時だった。

 

 

 

 先程の笑い声が嘘のように消え去った。冷水を浴びせられたベートは、状況を掴めず放心状態。それは彼の仲間も、他の客も同じだった。

 

 「···いい加減にしろ。お前が、お前達が何をしているのか分かっているのか?」

 

 「クロナ···?」

 

 普段の丁寧な口調ではなく、威圧感を漂わせる口調に面々は驚きを隠せないでいる。だって、こんなクロナを見たことが無いのだから。

 

 正気になったベートは、ギロリとクロナを睨む。中堅の冒険者でさえも怯む目に、彼女は意に返さなずまっすぐ見据える。

 

 「酒に溺れる愚か者には丁度いいだろう?」

 

 「テメェがやったのか!クロナァ!!」

 

 「そうだと言っている!我々の不手際でミノタウロスを逃しただけではなく!あまつさえ死に掛けた冒険者を笑うなど言語道断、水を掛けられて当然だ!恥を知れ!!」

 

 それを聞いて、【ロキ・ファミリア】は己の仕出かした事に顔色を変える。それだけではなく、他の客も申し訳なさそうに顔を反らした。

 

 ······一人を除いて。

 

 「それの何が悪い!悪いのは弱っちい雑魚だ!俺達が笑っても何も問題ねぇ!!」

 

 「弱者が悪だと···?ならば、ミノタウロスごときを取り逃がした私達は何になる?答えはそれ以下だ!それ以下のゴミだ!!」

 

 「っ!!」

 

 クロナの正論にベートは言葉を詰まらせる。格下のミノタウロスに逃げられた。例え最大派閥ではなくても、こんな失態を犯さない。

 

 自分が笑った雑魚以下のゴミ。これがベートの心に重くのし掛かった。

 

 「だがしかし、私もミノタウロスを取り逃がした戦犯である事に変わり有りません。だから――――」

 

 深呼吸して落ち着いたクロナは、一泊置いて言葉の爆弾を投下する。

 

 「――――私は彼に報いるために、このファミリアを脱退します」

 

 クロナは立ち去った。酒場は彼女の放った衝撃発言により静寂が満ちていた。

 

 

 

 クロナ・コロン Lv.6(7) 

 

 力:A865→S901

 器用:C633→C652

 耐久:B728→B788

 敏捷:D580→C606

 魔力:C603→B703

 

 発展アビリティ

 騎士D→C

 堅守F→E

 魔防F

 耐異常G

 

 魔法

 【フル・バースト】

 ・特攻魔法

 ・精神力全消費で発動

 

 【ダメージ・コントラクト】

 ・指定した者の傷を請け負う

 ・自動発動

 ・永続発動

 

 スキル  

 【騎士道精神】

 ・全能力の高補正

 ・騎士の理想の姿を思い浮かべるほど効果上昇

 

 【騎士団結成】

 ・自分を敬う者の全能力に補正&発展アビリティを付与またはその一段階強化

 

 【不折の刃】

 ・耐久に超補正  

 ・武器に不壊属性を付与

 ・状態異常の無効化

 

 信じられるか?コイツ、成長補正のレアスキルを持っていないんだぜ···?

 

 

 おまけ。

 

 「つい飛び出しちゃいましたね···」

 

 クロナは走りながら頭を回す。別に後悔していない。後悔してないが···。

 

 「荷物どうしましょう?お金はダンジョンで稼げるから良いとして。装備は整備に出してるから直り次第受け取れる。問題はどこで寝泊まりするか、ですね」

 

 セキュリティの面で安全とは言い難いが、無難なのは宿で宿泊だろう。が、しかし。

 

 「ここは一つ、あの子のホームに泊めて貰いましょうか。知らない仲ではありませんからね」

 

 あの子とは、都市外で知り合った義弟の事。主神とは昨日謝罪に伺ったので顔見知りだ。

 

 稼いだお金を宿泊代として、他には彼への訓練で手打ちにして貰おう。

 

 クロナの足取りは軽かった。

 




オリ主は自分以外はマトモでいて欲しいと思ってる。これは前世が少なからず関係している。くっ殺が性癖になるほどだからね。仕方ないね。

 
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