ダンジョンに「くっ、殺せ!」を求めるのは間違っているだろうか。   作:最強オーク

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誤字訂正ありがとうございます。久し振りの投稿です!


くっころ6 女騎士の助けになりたい

 

 冒険者通りとも言われる、メインストリートを歩く二人の男女。

  

 一人はまだ幼さが残る少年であり、容姿の白髪紅目が兎のような小動物を思わせる。駆け出し当然の装備を身に付けている事から、彼はきっとLv.1の冒険者だ。

 

 もう一人は頼もしく凛々しい女性であると同時に、姉のような柔らかい笑みを浮かべている。瑞々しく美しい金髪に、ブラウス越しから分かる抜群の胸。ロングスカートがよく似合うスラリとした長い足。完璧なプロポーションに、老若男女誰もが見惚れていた。

 

 見惚れていたものだから、女神に並ぶ美女の正体は判明される。

 

 【光の騎士】クロナ・コロン。  

  

 先の遠征で偉業を達成し、()()()()()()()()()()()()L()v().()7()()()()()であり生きる英雄。現在は【凶狼】が起こした酒場の件で派閥の脱退を表明。その後は義弟と愛を育んでいる······という噂がオラリオ中を駆け巡っている。

 

 この噂を不味いと思った【ロキ・ファミリア】は、関係各所に事情説明したりと走り回っていた。また、人形に話し掛ける(病んだ)【剣姫】が目撃されたり、罰として都市中の清掃活動に勤しむ【凶狼】が目撃された。

 

 クロナの方でもある程度事情を説明したため、懇意にしている生産系派閥との関係が悪化する事は無かった。

 

 それでも悪意ある噂は流れているが、人の噂も七十五日。いずれ消え去るだろう。

 

 メインストリートを人々の目の前で歩くクロナ・コロンは、そんな噂を感じさせる事なく優雅に歩いていた。

 

 

 場面は変わって。

 

 今日も今日もとて視線が集まりますね。いつもの鎧姿だと畏敬?が勝りますが、今日は私服です。それも自分の体型が際立つ服装です。

 

 くっ殺騎士の私は、私服にも拘ります。狙って視線を集めてます。凄いでしょう(ドヤァ!)

 

 「あ、あの···義姉さん」

 

 「ん?どうかしましたか、ベル?」

 

 隣を歩くベルが恥ずかしそうに話し掛けて来ました。彼も私に見惚れたのでしょうか···はい、違いますね。人々の視線が気になってるようです。

 

 耳を少しだけすませば、羨ましいと悔しがる人、俺じゃない事に嘆く人、抱かれたいと願う人がいます。最後が普通に気持ち悪いです。ですが、そんな人に私は屈服させられたいです。

 

 いかんいかん。

 

 「私は数少ないLv.6ですからね。視線を集めてしまうのは当然なのです」

 

 適当に誤魔化します。誤魔化すついでにからかいましょうかね(クズ)

 

 「不安なら手を握りましょうか。懐かしいです。一緒に寝た時はそうでしたね」

   

 「!?」

 

 「「「「!!?」」」」

 

 そんなこんなありつつ、辿り着いた先はダンジョンの出入口があるバベル前。私は用事があるのでここでお別れです。

 

 一人にしたら暴走する教徒(ファン)が現れるので、とあるファミリアに協力を要請しました。集合場所にそのファミリアに所属する彼は居た。

 

 「忙しい中すみません、()()()()

  

 「団長の指示だから気にするな。それに俺達はあんたに助けられた。恩に報いるならなんでもするぜ!それと俺は()()()()だ」

 

 「よろしくお願いします!モダーカさん」

 

 「おう!それと俺はモダーカ···今、何て言った?」

 

 「え?よ、よろしくお願いします、()()()()さん···?」

 

 「おう、おう!俺はモダーカだ!」

 

 「ちょ、何で泣いてるんですか!?モダーカさん!」

 

 彼は【ガネーシャ・ファミリア】所属の冒険者で、実力も申し分ありません。ベルを任せられます。

 

 私が協力要請をしたのは都市の憲兵である【ガネーシャ・ファミリア】です。第一級冒険者の数はロキやフレイヤの派閥より多いです。我々のような探索系ならば、三大派閥になっていた事でしょう。控えめに言って、凄いです。

 

 まあ、彼は快く受けてくれましたが、協力要請と言うより脅迫に近いですね。あれは。

 

 『私の義弟がピンチなので助けてください』

 

 訳)このままじゃあ義弟が危ないのでHELP!!え?断るって?守るべき市民が危機に陥ってるのに、あなた方は動かないんですかぁ?

 

 『俺が!ガネーシャだぁぁぁぁ!!』

 

 『任せてくれ。お前には恩がある』

 

 こんな感じです。神ガネーシャも団長のシャクティもさぞ迷惑だったでしょう。謝ります。ごめんなさい。

 

 他にも頼んでおいたので、ベルは大丈夫でしょう。私?私は強いし、むしろウェルカムなので不要です。

 

 ベルと()()()()を見届けた私は、専属鍛冶師のもとへ足を運びます。装備の受け取り及び、修理費の見積もりを貰うためです。いったい、いくらなんだ···?(震え声)

 

 

 

 

 視点が変わって。

 

 私の名前はリナ。鍛冶師であるお爺ちゃんに鍛冶を学び、技術向上のためにオラリオに上京して、【ヘファイストス・ファミリア】に所属した。種族はエルフだ。

 

 あのエルフが?なんて疑問を抱くだろう。それはそうだ。鍛冶師になるエルフは珍しいらしく、お爺ちゃんも当初は反対していたし、女神様もファミリアの皆も驚いていたし。

 

 仲間からも客からもエルフなんかに、なんて見下されて嫌がらせを受けていた私は、心が折れそうになりながらも鍛冶に集中していた。それしか無いのだ私には。

 

 そんな中、団長から冒険者を紹介された。お主の武器を求める客がいると。

 

 私は半信半疑だった。私の武器を求めてくれる人がいるという嬉しさ半分、どうせこの人も同じだという諦め半分。

 

 でもどうだろうか?

 

 『私は貴方の作品の虜になりました』

 

 嬉しかった。

 

 『エルフなのに、ですか?あまり見くびらないでください。私は種族ではなく、誰に命を託せるかで決めます。差別はしませんよ』

 

 まっすぐ見据える目に、心を打たれた。嘘偽りのない発言に私は――――泣いた。

 

 それからは、彼女とパーティを組んでレベルを上げたり、前より美しさと機能性を両立させた武具を造って見返せたりと色々あった。

 

 中でも印象に残ったのは、

 

 『専属鍛冶師になりたいと?私はあの日からそのつもりでしたよ。ああでも、確かに契約とかしてませんね。では改めて言いましょう。

 

 ――――私だけの鍛冶師になってくれませんか?』

 

 はい。と私は返事をした。短くないか?素っ気なくないか?と思うかもしれないけど。

 

 二言しか捻り出せなかったの!同性でもアレは反則でしょ!?惚れるわ!!

 

 んんっ。キャラが変わっちゃった。ごめんなさい。

 

 現在は鍛冶に集中して、冒険は気晴らし程度に留めている。度々無茶をする彼女を守るため、武具作成に研鑽しているのだ。

 

 目の前には修繕中の武具と、新たな装備。

 

 壊れた武具を見たら、また無茶をしたんだと思うけど。無茶をしたのはきっと仲間を守るためだったのだろう。

 

 冒険者である前に、一人の騎士なのだ。

 

 ならば私はそんな騎士の助けになりたい。鍛冶師として素晴らしい武具を提供して助けたい。

 

 だから折れようが壊れようが絶対に直す。なんなら新しく作り直す。それも性能を引き上げて。

 

 ···費用は結構掛かるが、彼女なら大丈夫だろう。派閥を脱退して義弟に現を抜かしてるなんて噂を聞くけど···大丈夫よね?払えるよね?

 

 信じよう。たった一人の顧客を。

 

 コンコン、ガチャリ。

 

 「クロナです。リナ、修繕に掛かる費用はいくらですか?」

 

 「ん」  

 

 「げ」

 

 珍しく口調を崩すクロナに、自然と笑みが溢れた。

 

 

 

 

 

 

 リナ Lv.4 24

 

 幼少期に捨てられたリナは、人間のお爺ちゃんに拾われリナと名付けられた。

 鍛冶師であるお爺ちゃんに憧れ、技を学んで、オラリオに上京した。

 エルフなのに才能があった事が気に入らなかった同僚が、自身の客にあらぬ噂を流し嫌がらせをした。完全な妬みである(全員ではない。実行した者は後々主神にバレて厳しく罰せられた)  

 心が折れそうな時、クロナと運命の出会いを果たす。その数年後、専属の鍛冶師になってくれとプロポーズみたいなお願いをさせる。

 クロナとはビジネスパートナーであり親友である。薄々何かを抱えている(くっ殺)事に気付いているが、彼女が話すまで待つ事にしている。仮に打ち明けられたら、すんごい困惑する。困惑するが受け入れる。

 外見は肩まである黄緑色の髪に、髪の毛と同じ色の瞳。小柄で背丈は低い。

 性格は穏やかで口数が少ない。悪意に敏感で昔は折れやすかったが、今はクロナという支えがあるお陰で折れずに受け流せるようになった。 

 余談だが、数年前とある少女からストーカー被害を受けていた。クロナに相談したらめっきり無くなった。

 




次回はお祭りです。お祭りといえばアレですね。
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