「大丈夫か? 立てるか?」
なんて、俺に血を分けてくれた礼音さんが手を差し伸べてくれた。
「ん? あ、あぁありがとうございます……」
「ともかく、君とパワーくんのおかげでこの橋を突破することが出来たんだ。本当にありがとう」
「あっはは〜それほどでも……あるっす」
「ふんっ、調子のいいヤツじゃな」
「それよりも! ここがゴールなわけじゃないよ皆! 今回は本島の調査が目的なんだから!」
「調査ねぇ……ぜってぇ人なんていねぇのにする必要なんてあんのか?」
「栗子、希望捨てちゃ、ダメ」
てか、悪魔いるってことはゾンビの悪魔が生み出したんじゃねぇのか? あいつの能力は死んでも永続するってマキマさん言ってたしよぉ。ま、ゾンビ全員ぶっ倒しゃいっか。
そんなこんなで、10分位休憩した後、俺たちは本島の調査を開始した。
「ふむ、予定調和すぎて言葉も出ないな」
「あら、嫌ですわ。わたくしが足繁く通いましたホシバコーヒーもぐちゃぐちゃですの」
「これでは……渚輪ニュータウンと変わりませんね……」
「いや、あっちより酷くないっすか? 道路も所々崩れてますし、排水溝とか詰まって水が逆流してるっすよ」
「人類がいなくなった地球、なんて動画見た事ありますけど、そっくりですわね」
「おいパワ子、トイレ流さなかったらこうなるんだぞ」
「うぅ……汚いのは嫌じゃ……」
「しかし、それならば何故、渚輪ニュータウンはこんなふうになっていないのだろう」
そんな礼音の疑問に、アドが答える。
「ふっふふー、もしここであたしが掃除してたんだぜ、っていったら皆驚くかい?」
「先ずはテメェの部屋でも掃除してから言えホラ吹き」
「はい……」
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ともかく、南下し始めた俺たちは早々に出鼻をくじかれ始めていた。
「ゾンビの数が多すぎんぞ……」
こんな数、とてもじゃないがあの悪魔一匹でできるような芸当じゃねぇ。それに女だけ感染しねぇってのも引っかかる。
「クソっ! キリがねぇぞ! おいアドさんよぉ! 今なら計算が甘かったって、引き返すことも出来んだぞ!?」
いくら不死身って言ったって、痛いもんは痛いんだ。
「いいや! ルートを変えてこのまま南下するよ!」
「おいおい無茶だぞ……?」
「西の工業地区に行こう! こっからちょっと行った先に駅があるから! そこから工業地区に行く!」
「クソ、人間とは行き当たりばったりな生き物じゃ!」
「てめぇも大概だろ! 仕方ねぇ、さっさとアドに着いていくぞ!」
パワ子の奴が血液パック使わなきゃチェンソーマンになれたのによぉ、クソが! 駅とやらに近づくにつれ、ゾンビの数は段違いに増えていった。
「でもなぁ、ゴールが目の前にあんなら、全力出し切ってもいいよなぁ!!」
スターターを引き、チェンソーマンに変身する。
「おらぁ!! 死ねやぁ!!」
途中、他のゾンビとは違う強そうなやつもいたけど、関係なく叩き切った。
「こんなの、敵じゃねぇぜぇ〜?!」
駅に群がるゾンビたちを一掃、俺たちは構内に入った。
「やはり、駅構内にゾンビはいませんでしたか」
「おったが、ワシが倒しておいたぞ」
パワ子がゾンビの頭を持ちながら言った。
「いやはや、気づかなかったら大惨事になっていたところだったな。お手柄だ、パワーくん」
「ふふん、もっと褒めるがいい人間ども!」
「あんま褒めっと何しでかすかわかんないっすよ〜」
「そんなわけないであろう! この嘘つきが! 嘘つきは地獄行きじゃぞ!」
「あぁ!? 嘘つきはお前じゃねぇかよ!」
「ふふ、まぁまぁ2人とも落ち着け、樽神名くん、ここから、どうやって西の工業地区にいくつもりなんだい?」
「そりゃあ! 線路通って!」
「線路? 電車とか通らないんすか?」
「いやもう人いないから大丈夫だよ!」
「そういえばそうっすねぇ!」
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「なぁんかこんな感じの映画、見たことあるっす」
「すたんどばいみー、みたいです」
「おや豹藤くん、随分と古風な映画を知っているな」
「あ! それですそれ!」
マキマさんと映画デートした時だっけかぁ。
「ほう、デンジくんも随分と……200年近く前の映画だと言うのに……」
「200年前!? つか今って、何年なんすか?」
「え? 今更か? 今は2118年だが」
2118年?! っつーことは……100年以上も先の時代に飛んじまったってことか。
「そうなんすかぁ」
「──にゃにゃーっと前方に駅を発見じゃー! 潮の香りがするぞ―!」
会話もそこそこに、デンジ達は富野産業工業地帯へと辿り着いた。