狩人世界の入道使い   作:N2

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6.狩人の試験

 三勝していたため、先に進むことはできたのだけれど賭けの負けにより指定された小部屋で50時間待機するように指示された。

 レオリオが謝罪してたけど、まあ仕方ない所だろう。あの状況では受けざるを得なかったし、ただで50時間取られたわけではなく試練官の狸寝入りを看破したと言う功績はあるのだから。

 もっとも、どの道60時間近く狸寝入りを続けられるかと言うとかなりきついと思うけど。

 まあ、せっかく時間もできたんだし点をしておこうか。師匠からも点はできる限り毎日しておけって言われてるし。

 

 

 

◆   ◇   ◆   ◇   ◆

 

 

 

「………………ふぅ」

 

 今日はこの辺にしておこうか。さて、パソコンで動画でも……。

 

「む、瞑想は終わりかイチリン。大した集中力だったな」

 

「ああ、クラピカ。これは瞑想って言うか心源流とかで取り入れられてる燃っていう精神修行法だよ」

 

「ネン?」

 

「うん、燃えるって書いて(ネン)。師匠からはできる限り毎日するように言われててさ。……興味あるならやってみる?」

 

「興味はあるな。やってみたい」

 

「なら、教えたげる。燃は点、舌、錬、発の四つの段階に分かれてて……」

 

 そうして、クラピカに燃を教えていると暇してた他の三人も集まってきて全員で燃をする事になっていた。

 その後はお互いにハンターを目指す理由なんかを語り合ったりして、先に進むドアが開くまで時間を潰していた。

 

 

 

◆   ◇   ◆   ◇   ◆

 

 

 

 そうして50時間後。扉が開く。穏やかな時間はここで終わりだ。

 その先も幾度となく多数決を迫られ、電流クイズや〇×迷路、地雷付きすごろく等々殺傷力を抑えればバラエティ番組に出てきそうな試練をこなしていった。

 

「急ごうぜ……残り時間が少ねー」

 

「そうだね、既に1時間切ってる。そろそろゴールが見えて欲しい所だけど」

 

 目の前のドアを開けるにもいちいち多数決が必要なのは面倒くさいね。

 そうして、開いた扉をくぐった先は……。

 

「お、どうやら出口が近いぜ」

 

【最後の別れ道 ここが、多数決の道、最後の分岐点です。心の準備は良いですか。〇→はい ×→いいえ】

 

「準備?OKに決まってるぜ」

 

 最後の質問の内容は、5人で行けるが最短でも45時間はかかる長く困難な道。3人しか行けないが3分でゴールに着く短く簡単な道。前者なら〇、後者なら×。

 

「……先に言っておくぜ。俺は×を押す。そして、ここに残される側になる気もねえ」

 

 そう、ここまで来て素直に諦める奴なんているはずもない。

 つまりは、戦ってでも脱落する2人を決めろ、という事だろう。

 

「俺は〇を押すよ。イチかバチかの可能性でもやっぱり5人で通過したい」

 

「おいおいゴン、イチかバチかもくそもさ、残り時間は1時間もないんだぜ。短い道を選ぶしかないよ」

 

「まあ、そうね。それとも長い道を選んでクリアできる可能性のある案でもあるの?勝算がないなら私も付き合う気はないよ」

 

「うん、長い道と短い道の扉だけど隣り合ってるでしょ。間の壁を壊せば長い道から入って短い道の方にいけないかなって」

 

「……あー、行けそうだね」

 

 まあ、流石にゴンも考えなしに希望的観測をのたまうとは思ってなかったけど。

 思ったより現実的な案がすぐに出てきてちょっとびっくりした。他の3人もむしろ呆気に取られてる。

 

「どうする?不可能じゃないと思うけど」

 

 と言うより反撃もしてこない壁なんて硬で殴れば良いし、私がやれば5分かからないだろう。壁の中に鋼鉄板でも仕込まれてなければ余裕だ。

 

「問題は50分以内に壁を壊せるか、だな」

 

「失敗したら全員失格」

 

「正にイチかバチかだな」

 

 他の三人もゴンの案を考慮しはじめた。

 

「ゴンの案を考慮してそれぞれが自分の意思で決める、で良いんじゃない?」

 

「……そうだな」

 

「ああ、どんな結果が出ても恨みっこなしだ」

 

「OK、じゃあ押そうぜ」

 

 そうして、5人同時にボタンを押す。結果は……〇が5票。

 開いたのは長く困難な道の方だった。満票はちょっと意外。キルア辺りは残る自信もあるだろうし×を押すかもと思ってた。

 

「よし、後は一蓮托生だ!急いで壁を壊そうぜ!」

 

「ああ、用意されてる武器の中に斧やハンマーもある。それを使えば……」

 

「いや、必要ないよ」

 

 そう言って一人通路の中へ入り、練そして右拳に硬。

 

「破ッ!!」

 

 ドゴォ!!

 

 うん、ただの石壁だったか。

 

「な……!!一撃で壁を!?」

 

 まあ、仮にも強化系だからこれくらいはね。

 4人の方を見ると一様に驚愕の顔をして……あれ、キルアがなんか露骨に怯えてるんだけど。

 練を感覚的に察知した?それでも、ここまで怯えるか?

 もしかして、念能力者と相対した経験があるのかな。それで何かトラウマ持ってるとか。

 まあ、だとしても私が何かできるわけじゃないか。キルア自身から相談されたならともかく。

 

「さて、道はできたわ。行こうか」

 

「あ、ああ……しかし、凄まじいな。こう言っては悪いが人間技とは思えない」

 

「そうでもないさ。少なくともあなたの標的である幻影旅団クラスになると同じことはできると思うよ」

 

「っ!?」

 

「流石に全員一撃で、とはいかないかも知れないけどね。先行くよ」

 

 まあ、おせっかいはこの程度にしておこう。さて、短くて簡単な道の方に……!?

 

「どわあああぁぁぁぁぁぁ……!!」

 

「イチリン!?」

 

 

 

◆   ◇   ◆   ◇   ◆

 

 

 

「ま、まさか滑り台になってるとは……」

 

 3分かかる長い滑り台を真っ逆さまに滑り降りる羽目になるとは思わなかった。

 

「あはは、こっちもびっくりしたよ。いきなり悲鳴が聞こえて遠ざかっていくんだもん」

 

「まあ、結果としては5人揃って攻略できた。良かったじゃねーか」

 

 くそう、人が青い顔してるのを笑いよってからに……。

 

「私時間が来るまでもう寝る」

 

「おいおい、ふて寝かよ」

 

「ま、良いんじゃねーの。残り50分くらい暇なのは確かだし」

 

 

 

◆   ◇   ◆   ◇   ◆

 

 

 

『タイムアップー!!』

 

 ん……時間か。

 

『第3次試験通過人数26名!!(内1名死亡)』

 

 制限時間終了のアナウンスと同時に外への扉が開き、合格者たちはぞろぞろと外に出ていく。

 外で待っていたのは奇抜な髪形の小柄な男。

 

「諸君、タワー脱出おめでとう。残る試験は4次試験と最終試験のみだ」

 

 明確なゴールを示されて受験生たちの士気が上がる。

 あと二つか……。

 

「では早速だが、これからクジを引いてもらう」

 

「クジ……?」

 

「これで一体何を決めるんだ?」

 

 受験生たちの疑問に対し、試験官の男は一拍置いて答える。

 

「このクジで決定するのは狩る者と狩られる者」

 

 ふむ、具体的には分からないけどハントが内容か。ハンターらしい試験と言えそうだね。

 

「この中には25枚のナンバーカード、すなわち君たちの受験番号が入っている。それではタワーを脱出した順にクジを引いてもらおう」

 

 その言葉に一人の受験生が前に出る。お、あれは塔の頂上で会った一流ロッククライマーの人。

 二番手にヒソカ。そして、三人目四人目と順々にクジを引いていく。

 

「全員、引き終わったね。今、諸君がそれぞれ何番のカードを引いたのかは、全てこの機械に記憶されている。したがって、もうそのカードは各自自由に処分してもらって結構。それぞれのカードに示された番号の受験者が、それぞれのターゲットだ」

 

 説明が進み内容を理解した受験生たちは自分のプレートを隠し始める。既に戦いは始まっていた。

 

「奪うのはターゲットのナンバープレート。自分のターゲットとなる受験生のナンバープレートは3点。自分自身のナンバープレートも3点。それ以外のナンバープレートは1点。最終試験に進むために必要な点数は6点」

 

 なるほど、ターゲットを狙ったら一枚でクリア。ターゲットが分からなかったり勝てないと判断した場合は3人から奪っても良い。

 プレートを奪えば良いだけだから格上相手でも作戦次第でやりようはある。なるほど、正に狩り(ハント)か。

 

「試験はゼビル島で行う。滞在期間中に6点分のナンバープレートを集める事」

 

 私のクジの番号は……301。

 一次試験で警戒した実力者の一人じゃないか。運がない。

 これなら、適当に三人仕留める方が楽だね。




ロッククライマーの人がヒソカより早くクリアできたのは試練官の部屋みたいな高い吹き抜けの部屋を壁から降りてショートカットしたからです。塔の中なら怪鳥には襲われないからね。
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