狩人世界の入道使い   作:N2

7 / 19
7.プレート集め

『それでは第3次試験の通過時間の早い人から順に下船していただきます!2分後に次の人がスタートです!滞在期間はちょうど1週間!その間に6点分のプレートを集めて、またこの場所に戻ってきてください。それでは1番の方スタート!!』

 

 ルール上、先に行ける方が有利だけど、私達クリアは最後の方だったからなあ。まあ、しょうがないけど。

 

『20番スタート』

 

 おっと、私か。

 さて、森の中に入って最初に円。ちなみに私は円が割と得意で半径50mくらい行ける。

 うん、やっぱり私を見張ってる奴が……二人、いや三人?あ、でもうち二人は試験官だな。私と私を見張ってる奴を尾けてるんだな。まあ、ちょうどいいから1点目は私を見張ってる受験生にしようか。

 一瞬相手の死角に入り、その瞬間に絶。うん、こっちを見失ったみたいだね。さて、そのまま相手に気付かれないよう移動して……。

 

「ほいっ、と」

 

 不意打ちで気絶させてプレートゲット。おっと、女性だから地面に倒れて傷が残らないように優しく寝かせてあげよう。プレートは80番。ライフルを持ってたから壊しておくか。纏の状態でライフル弾喰らったら結構きついし。

 さて、あと2点だな。

 

 

 

 ◆   ◇   ◆   ◇   ◆

 

 

 

 円を広げながら移動し、疲れたら絶で潜みながら休憩。そんな感じで丸一日。

 誰かいないかなー。あ、ヒソカと301番(ギタラクル)以外で。

 と思ったら、円に感知あり。四人、受験生は二人か。

 ただ、片方は円に気付いたっぽい?ただ、それほどの使い手とは感じない。なら、103番(バーボン)かな。

 んー、それならむしろ逆に話が早くつくかも知れない。

 とりあえず、バーボンを見張ってた女の子を不意打ちで気絶させる。おっと、倒れないように支えてあげてっと。

 んで、次はバーボンか。彼に対しては堂々と姿を見せる。

 

「やあ、プレートがあと一枚必要なんだ。私にくれない?」

 

「……そう言われて素直に渡すとでも?」

 

 まあ、当然そうなるだろう。けれど、念を半端に使えるのが仇だ。私が練を使うと冷や汗を流し始める。

 

「仮にも使()()()なら実力差は分かると思うけど?」

 

「……くそっ!」

 

「とは言え、何もなしで渡せと言うのも確かに嫌だろうし対価を渡そうか。(これ)を教えてくれる相手を紹介してあげよう」

 

「なんだと?」

 

「あなた多分、自力で目覚めて独学でやってきたんでしょ?ちゃんとした指導を受けて練度を高めれば次回以降の試験においてかなりの優位(アドバンテージ)を得られる」

 

「……」

 

 迷ってるな。もう一押しか。

 

「今年の合格にかけて私と戦うか。今年は諦めて次回以降の優位を取るか。選びなさい」

 

「……分かった。プレートを渡そう」

 

 賢明だね。懐からメモ帳を取り出し、連絡先をさらさらと書き記す。

 

「はい、ここに連絡してイチリンに紹介されたって言えば念について指導してもらえるよ。場所はヨルビアン大陸だけど」

 

 ちなみに対価はちゃんとした物だ。私の縄張り内にある道場だけど念の知識や指導術も持ち合わせているからそこで修行すればそれなりのレベルになれるだろう。

 メモを渡し、プレートを受け取る。後はさっき気絶させた子のプレートを回収して3点か。

 思ったより早く集まったね。後は、期間中誰かに取られなければいいわけだ。

 

 

 

 ◆   ◇   ◆   ◇   ◆

 

 

 

 それから更に丸一日経過。暇だ。

 だからと言ってそう気を抜くわけにもいかないのが厄介な試験だよ。

 私がターゲットであろう80番さんはメインウェポンを壊しておいたから来るとしても他に準備を整えてから来るかな?

 それ以外で私を積極的に狙う人はいないだろうけど、油断するわけにもいかない。

 

 ザザザザザ

 

 ! 草をかき分けて走る音。こっちに存在を隠すつもりもない。これは……。

 

「ヒソカ!」

 

 よりによってって奴に見つかった!

 背中を見せたら殺られる!迎え撃つしかない!

 

大山鳴動の大入道(うんざん)』!!

 

 雲山を出した私に対し、ヒソカは笑みを深めまっすぐ向かってくる。

 お互いに能力の詳細は分からない。なら、雲山の拳で間合いを詰めさせずラッシュで牽制して逃げる隙を作るか。

 

 ドコッ

 

 と、横から飛んできた何かがヒソカの頭にクリーンヒット。

 ヒソカも一瞬だが、そちらに気が取られる。隙あり!垂雲の鉄槌!!

 ヒソカの真上から落とされる雲山の拳を飛びのいてかわしそのまま茂みの中へ。明らかにかわせるタイミングじゃなかったと思ったんだけど……飛びのき方も不自然だったしヒソカの能力か?

 それと、ヒソカの頭に飛んできたあれは……。

 

「イチリン!」

 

「やっぱりゴンか!」

 

 ゴンの釣り竿の先に付けられた浮きだ。近くにいたのか。

 

「俺も手伝……!?」

 

「ゴン!?」

 

 いきなり倒れてしまったゴンの身体をチェックする。首の後ろに小さな針。毒か!

 

「吹き矢の毒は筋弛緩系だそうだ♠通常なら回復に10日くらいかかるらしい♣」

 

 ヒソカも戻って来たな……手にした生首がゴンを狙ってたやつか。

 ここで私が逃げるとゴンがどうなるか分からない。やるしかないな……。一歩前に出て、構える。

 

「安心しなよ♦もう、やる気はないから♥」

 

「なんだって?」

 

 その言葉とともに何かを放り投げて来た……プレート?

 

「あげるよ♣彼が僕のターゲットだったから、それはもういらないんだ♥」

 

 ターゲットを狩れてプレートが必要なくなったから戦う必要がなくなった、と?筋は通ってるけど、ヒソカは戦闘狂で快楽殺人者だ。引く理由もまたない。

 

「くくく、君たちがもっと殺しがいのある使い手に育つのを楽しみにしてる♠」

 

 なるほど、将来の楽しみを見据えて今は見逃すって事か。舐めやがって……!!

 

「それじゃねー♦」

 

 けど、今は見逃されておくべきか。戦いになったら、私はともかく動けないゴンが死ぬ。

 

 

 

 ◆   ◇   ◆   ◇   ◆

 

 

 

「ゴン、大丈夫?」

 

「ごめん、イチリン……」

 

「謝る事なんてないよ。私を助けてくれたんだからさ」

 

 なんとか立ち上がるもまともに動けないゴンをおぶって移動する。……いや、冷静に考えれば立ち上がれるのがおかしいな?回復に10日くらいかかるのでは?無意識に身体の回復にオーラを使ってる可能性が高いな。

 

「お、この辺が良さそうか」

 

 入り組んでて隠れ場所が多い。ゴンの気配の消し方ならそうそう見つからないだろう。

 よさそうな木陰にゴンを降ろす。

 

「ゴン、体が動くようになるまではここで気配を消して隠れといて」

 

「イチリンは?」

 

「ゴンが合格するのにはあと2点必要だからね。集めてくる」

 

「そんな、受け取れないよ」

 

 まあ、そう言うとは思った。加えて、意思の強さも筋金入りだ。けど……。

 

「じゃあ、ゴンが自分の試験をふいにしてまで私をヒソカから助けてくれたのには理由なんてあるの?」

 

「え……?」

 

「私があなたを助けたいって思うのは、あなたが理屈抜きに私を助けようとしてくれたのと同じことだよ」

 

 私だって、流石に自分の試験や命の危険を度外視してまで助けてくれた相手に何も感じないわけじゃない。

 

「それとも、ゴンは友達が自分を助けてくれるのに理由がなくちゃ嫌?」

 

「……ううん」

 

「もしも、それでも負い目を感じるならいずれ返してくれればいいよ。今は私があなたを助けたいんだ」

 

「……うん、ごめん。いや、ありがとうイチリン」

 

「お互い様だよ。助けてくれてありがとうね、ゴン」

 

 さて、プレート2枚集めますか。




ゲレタさんは七千回もチャンスがあったなかで、なんでわざわざヒソカが近くにいるタイミングを狙ったんですかね……?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。