鉄騎中隊の亡霊【完結】   作:呼び水の主

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メカニック少女アムロちゃん

 はーい皆さん、さっそくですがクイズです!艦橋を退出した俺が今何処で何をしているでしょうか?答えは格納庫で正座でーす☆足がいてぇヨォ!

 

「くぉらバルメアぁ!テメェきいてんのか!一回の出撃でデュラハンこんなにしちまいやがって!オメー誰がこれ修理するかわかっとんのかォォン!?」

 

 おぉ、またシモンズじいさんがブチ切れておられるぞ。彼は俺の愛機ガンキャノン・デュラハンの機付長である。実を言うと彼との付き合いは結構長い。それこそ鉄機中隊時代からの付き合いだ。だから割とフランクに接してくれるし、こちらの事情も色々と組んでくれる。まあ、怒るとすげぇ怖いんだが……。

 

 「ま、まぁまぁ。シモンズさん、幸い壊れたのは汎用部品ばかりですし、これならすぐにでも直してあげられますから……」

 

「嬢ちゃん……。そうはいうがよぉ」

 

「なあシモンズじいさんよ、その子誰よ?」

 

 つかさっきからシモンズじいさんの後ろで硬い笑顔でこっちを見守っているカワイイ女の子誰なの?こんな子ホワイトベースにいたっけ?PiPiPi...(分析完了)ヌッ!?しかもポヤポヤ系天パ女子!?その立派な胸部装甲で今夜は一晩を凌ぎたいでありまぁす!

 

「娘につく悪い虫修正父親パンチ!」

 

「ゴハァ!?」

 

 テム博士の蹴りが正座中の俺のケツをしばいた。いやキックじゃん!しかも割と容赦なくいったな!普通に痛いわ!……いや待ってくれテム博士。娘……?この子が……?本当に……?マジで?

 

「君、名前は……?」

 

「わ、私、アムロ・レイって言います。今日からホワイトベースの整備員としてお世話になります!よ、よよ、よろしくお願いします!」

 

 しゅ、主人公TSしとる〜〜!?!?

 

 

@デデデン デデデデン シャーゥ!@

 

 

 アムロくん、いやアムロちゃんは15歳で、サイド7のハイスクール生だったそうだ。普段から父親の仕事に興味津々で、機械いじりが大好きだったらしい。市販のペットロボットのハロも独自に改造してすごい高性能化して、学校のなんかすごい賞も貰ったらしい。全部聞いてもないのにテム博士が嬉々として教えてくれた。博士娘好きすぎだろ……。

 

 本人は何処となくポヤッとした掴みどころのない性格で、だけど人付き合いが苦手って訳でもないちょっと(モビルスーツ整備ができる程度の)メカ好きの普通の女の子だ。サイド7が焼けてホワイトベースに避難してきたが、父親の仕事を手伝えないかと自分から志願したらしい。ええ娘や……。

 

「けど博士。流石に身内とはいえ、機密に触れさせるのはまずいんじゃないですか?」

 

「それはそうだがね」

 

 俺のもっともな疑問に博士は眼鏡をかけ直しつつ苦い声で答えた。

 

「なにせ整備員が足りないのだ。ガンダム搬入のためにサイド7に下ろした人員はみんな、戦死してしまったからな……」

 

 あぁ〜……。俺は両手で顔を覆った。守れなかった人が多すぎる。シャアが来るってのはわかってた筈なのに、なんでこうもうまくいかねぇのかなぁ。

 

「あ、あの……。バルメア、さん?」

 

「ん、なにかな……」

 

 絶賛傷心中の俺に、アムロちゃんがおずおずと声をかけてきた。どうしたんだいお嬢さん。俺は今あんまり余裕がなくてヒビ割れたガラスのハートを必死でガムテープで修繕中で忙しいんだ……。ガムテープってすげぇよな……。色んな用途に使えて。俺なんかよりよっぽど有能だよ……。ガムテープ以下なんだ俺なんて……。

 

「私、感謝してます!バルメアさんの戦ってるところ、見てました……。学校も家も燃えちゃって、どうしようって時に。バルメアさんが来てくれて。ジオンのモビルスーツ相手に、頑張ってるところ、かっこよかった、です。あなたが来てくれなかったら、友達も、私も死んじゃってたと思うから……。だから」

 

 だからそんな顔しないでください。そう言って弱弱しく微笑む彼女の顔を見て、俺は少しだけ、ほんの少しだけ、これまでの行いが救われた気がした。彼女の温かい本心からの心に触れて、俺は……。

 

「父親コークスクリュァ!」

 

「ヌォー!?」

 

 博士の捻りこむような鉄拳が俺の腹部を貫く。む、娘が絡むとこの人めんどくせぇー!!

 

 

 

 

「で、どうする。時間がねぇぞ」

 

 シモンズじいさんが時計を見て唸った。サイド7の宇宙港を塞いでいるサラミスの除去作業完了まであと90分。とてもじゃないが、デュラハンの修理は無理だ。

 

「となるとノーマルのキャノンで出るしかないか」

 

「無事なパイロットは予備も含めてお前さんと、あとはジョブジョンの坊主とリュウのヤツだな。……ったく、ケツの青い若造しか残ってねぇとはな」

 

「生き残ってくれただけでもありがたい話さ」

 

「オメーも含めて若造だって言ってんだよ」

 

 まあ確かに。パイロット組の中で25の俺が最年長ってのはかなりキツい状況だ。なんせリュウは18、ジョンは17だ。まだ学生やってももおかしくない年齢……。まあ二人とも正規軍人だからそこは一人前として扱うつもりで行こう。

 

「動かせるキャノンの数は?」

 

「4機だ」

 

「すごいな。そんなに残ってたのか?」

 

「おうよ、アイツらガンキャノンには目もくれなかったみたいだな」

 

 まあジオンからすればガンキャノンはザクⅠとほぼ同世代の旧世代機体。モビルスーツもどきなんて呼ばれてるくらいだからな……。実際テム博士も自身初のモビルスーツであるガンキャノンには色々と改善点が多いとも語っていた。

 

「よし。それならやりようはありそうだ」

 

「だな。アイツら新型はガンダムだけだと思ってやがる。改良型キャノンの力を思い知らせてやるぜぇ」

 

 グッフッフッフ……。悪い大人たちの悪い笑顔が格納庫で木霊した。

 

「あ、あの!改良ってなんですか?」

 

 アムロちゃんがそろりと手を挙げて質問してきた。小動物みたいでかわいいなこの娘。よし、お兄さんが手取り足取り教えてあげよう。

 

「よく聞いてくれたなアムロ。父さんが!再設計したガンキャノンはな、主に装甲と操縦性を強化してあるんだ」

 

 テム博士が俺を見る目が怖い!ひどい!やましい事なんてこれっぽっちも考えてないのに!

 

「ザクの主武装はマシンガンにバズーカ、あとは接近戦用のヒートホークだ。今後私たち連邦軍でもモビルスーツが普及すれば、当然ザクとの戦闘が主な用途になってくる。なのでそれらの武装に対して圧倒的な防御力を用意すればそれだけ優位に戦闘を進める事ができるわけだな」

 

 ようは後出しジャンケンだよ。テム博士の説明に、アムロは納得しかねるという表情で質問した。

 

「でもお父さん。ジオンがそれに効く新兵器をザクに装備させたら意味がないんじゃあ……」

 

「いい質問だ。アムロ」

 

 テム博士が眼鏡のブリッジを中指でクイと押し上げながらレンズをキラリと光らせた。あっ、それ眼鏡キャラがなんかすごい事解説する時にやるやつ!

 

「だが考えてみろ。ジオンは今や地球の大部分に戦線を広げている。資源は現地調達するとしても、それをすぐにモビルスーツなどの兵器に加工できるわけではない。つまるところ、補給線が伸びれば伸びるほど兵器の補給はままなら無くなる。装備の更新などもってのほかだ。局地的にはキャノンの装甲を抜く兵器が出てくるかもしれないが、今の主戦力であるザクに一方的に優位に立てるキャノンの量産こそが、連邦が勝利する近道なのだ!」

 

 ほーーん。色々考えてるんですねぇ。というか博士、それ聞いてるとガンダムの存在意義は?

 

「ガンダムは次のステージに立つ為のテストベッドだよ。先程キャノンを量産と言ったが、兵器は必ず対策される。その為には常に先に進む為の仕事をせねばな」

 

 いや、やっぱ技術屋さんってすげぇわ。難しいことたくさん考えてるんだなぁ。なんか補給線がどうのこうのはテム博士の考えらしくないが、この人も例の一戦で思うところがあったのかもな。というか俺が一番気になってるのはジムの存在が完全に消えてるところですかねぇ……。キャノン量産かぁ……。そっかぁ……。

 

「まあデュラハンを見て貰えばわかる通り、ガンダムのビームサーベルはキャノンの装甲では防げないからな!流石は私の最高傑作だ!死ぬなよ少尉!絶対にガンダムを取り返してもらわねばならんからな!」

 

 テム博士はそう言い残して、娘を連れて整備中のキャノンの元へ歩き去っていった。気軽に言ってくれちゃって、まぁ。

 

「ハァ〜〜、いっちょ頑張りますかぁ……!」

 

 もう迷いはなくなっていた。心はどことなく晴れやかだ。とりあえずは、生き残ってルナツーだ。絶対にお前の好きにはさせないからな、シャア。

 




TSタグ増やしときますね
作者の独自解釈が多数なのでこの世界はこうなんだと思ってください

なに?ビームサーベル量産して配ればよくない?
たぶんザクの出力じゃサーベル使えないんじゃないかな?
外部電源ってなると量産はさらに難しくなるし。
あとキャノンの『秘密』はもう一つあるッ!
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