ダンジョンに赤いゲノセクトがいるのは間違っているだろうか?   作:競馬好き

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再会議

二週間が過ぎ、ゲノセクトと神々は、ゲノセクトの扱いを決める会議を行うため、ギルドに呼ばれていた。この二週間、彼の生活を見ていると、ほんとにまったくもって無害であることがわかる。だが、それでも彼はモンスターである。表向きの扱いを決めなければならないのだ。

 

「さて、前回決めたファミリアに加入の条件だが、どう思う?いるか?」

 

「これまでの生活を見てみても、いらないとは思うが、彼が入りたいというのであれば、自由にさせるべきであると思う」

 

神々は条件はいらないのではないか?本当に彼は危険なのか?と口々に言う。

 

「確かにこの二週間、彼は大人しかった。というより、オラリオを楽しんでいたわ」

 

ヘファイストスまでも、呆れ口調にそう言う。彼のせいでどれほどの人員が使われ、どれだけ気を張っていたのかを考えると、呆れるのも当然である。

 

「ウチのところはダンジョン攻略に大幅な遅れが出とったしな!」

 

探索系ファミリアであるロキ・ファミリアはとくに、彼が出かけるたびに監視の仕事があったため、大幅な遅れが出ていたのだ。それでいてこの結果である。

 

「いいんじゃないか、もう。彼の自由にさせて」

 

神々の間でも、大部分がその意見であった。

 

「どうなんだゲノセクト?」

 

ゲノセクトはその問いに、○の絵を見せる。

 

「それでいいということだな?なら、いいのかな?」

 

「ギルド的にはどうなんだ?」

 

同席していたエイナ・チュールは、神々のこの決定に困惑しながらも、彼の行動記録を見て、まるでオラリオ観光だなという思いが強かった。ギルドの長、ウラノスも、様子を見たいの一点張り。どう言えば良いのかわからないのだ。

 

「私だけでは何も・・・。ウラノス様も、彼の様子を見たいの一点張りでして・・・」

 

「そうか・・・なら、完全にこちらで決めていいということなのだな」

 

ウラノスが静観を決めているということは、問題がないということ。それに、ロキはこの意見に賛同し、フレイヤは静かに佇んでいる。彼女らも、彼を自由にすることには、問題がないという意見なのだろう。ということは、ほぼ決まったようなものだ。

 

「では、全員、彼を自由の身にすることに、問題はないのだな?」

 

「あぁ」

 

「ええで」

 

「構わないわ」

 

「なら、彼に対する監視などの制限を解除し、オラリオ内を自由に歩き回ることを許可しよう」

 

神々の二週間の厳正な審査の結果、ゲノセクトは自由の身となった。

 

(ファミリアにも、入らなくても良いということか)

 

「さて、ほんならゲノセクト、うちのファミリアの協力者・・・者なのか?まぁどっちでもええか、ダンジョン攻略手伝ってくれへんか?報酬は弾むで?」

 

ゲノセクトが自由の身になった途端、ロキがゲノセクトにそう提案してくる。

 

「ロキ!!ずりぃぞ!!うちもお願いしようとしてたのに!!」

 

「早いもの勝ちやアホンダラ!んで、どうや?」

 

ゲノセクトは少し考えると、首を横に振った。

 

「なんでや?」

 

ゲノセクトは、板に絵を書く。そこには、ゲノセクトが一人でダンジョンを探検している絵が書いてあった。

 

「しばらくは一人でやるっちゅうことか。なら、いつでも声かけてなぁ〜」

 

ロキにしては珍しく、すんなりと諦めた。珍妙なものを見る目でロキを見るゲノセクト。

 

「まぁ、今はそんなに困ってはないし、ええかなっておもてな〜。なんや、うち、そんなわがままに見えとったんか我。あ、あの部屋はまだつこうててええで、できるなら宿か家を買って引っ越してほしいけどな」

 

実際わがままであろうと思いつつ、ロキと別れたゲノセクト。

 

「クルルル・・・」

 

これからどうしようかと唸っていたが、とりあえずご飯でも食べに行こうと、とある店に向かった。

 

 

 

「一名様、ご来店にゃ!!」

 

ロキ・ファミリア御用達のレストラン、豊穣の女主人。何度かロキ・ファミリアの皆に連れられて来たことがある。料理がボリューミーで美味しいのだ。

 

「ゲノセクト、今回は一人かい?」

 

この店のドワーフの女主人、ミアの快活な声が響く。ゲノセクトはうなずくと、カウンター席に座る。

 

「ゲノセクトさん、お一人なんて珍しいですね?ロキ・ファミリアの皆さんはどうされたんですか?」

 

「クルルル」

 

自由になったとこの店の従業員の一人、シル・フローヴァに伝える。

 

「まぁ!よかったですね!それじゃ、今日はお祝いですね」

 

ゲノセクトはうなずくと、店で一番高い料理を頼んだ。幸い、ダンジョン生活のときに貯めに貯めておいた魔石の換金でいまだ有り余るほどの金がある。

 

「おまち!」

 

しばらくすると、料理が運ばれてきた。それを、フォークを器用に持って食べる。

ゲノセクトが、頬を膨らませてムグムグと食べていると、一人の青年がやってきた。

 

「ゲノセクトさん!!」

 

白髪に赤い目の駆け出し冒険者、ベル・クラネルだ。

 

「お久しぶりです!この店に来るんですね!!」

 

嬉しそうに話しかけてくるベル。

 

「クルル」

 

「僕もたまに来るんですよ、お金に余裕があったときにですけど」

 

普段はジャガ丸くんを主食にしているとどこかで耳にしたゲノセクトは、ミアを呼ぶと、いまゲノセクトが食べているものをくれと頼む。

 

「あいよ!」

 

「あの、ゲノセクトさんが食べてるのって、この店で一番高いやつですよね?僕、お金が・・・」

 

ゲノセクトはベルの肩を叩くと、自分の胸を叩いた。

 

「奢ってくれるんですか?ありがとうございます!!」

 

その後は、ベルとともに、ご飯を食べ、ロキ・ファミリアのホームに帰った。

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