ダンジョンに赤いゲノセクトがいるのは間違っているだろうか?   作:競馬好き

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怪物祭

パン!パン!パン!

 

 

今日は怪物祭(モンスターフィリア)と呼ばれるお祭りの開催日である。怪物祭とは、ガネーシャ・ファミリアが開催するモンスターの調教などを見せるお祭りである。出店があちこちに開かれ、いつもよりも一層賑やかになっている。

ゲノセクトは、一人、祭りを楽しんでいた。出店を回り、食べ物を沢山購入して闘技場に向かう。

 

 

 

 

パシッ!パシッ!

 

鞭の音が鳴り、モンスターの調教が行われている。この祭りの真の目的は、あるモンスターたちの居場所を作ってあげるためのものであるのだが、ゲノセクトの出現により、意味がなくなりつつある。なんてたって、そのパフォーマンスをゲノセクトが見ているのだから。

 

「おう!お前がゲノセクトって呼ばれてるモンスターか!!」

 

観客の男に声をかけられるゲノセクト。

 

「いやぁ、モンスターは怖いもんだと思ってたけど、お前みたいなやつもいるんだな!!他にもいるのか?」

 

さぁ?と腕を降るゲノセクト。現状、他のゲノセクトを見たことはない。ダンジョン生活時代に、ゲノセクトと同じように知性を持つモンスターを見かけたことはなく、不明である。

 

「そっか!てか、モンスターであるお前がこれ見て面白いのか?」

 

ゲノセクトはモンスターではあるが、精神は人間。見てておもしろいのは確かである。

首を縦にふると、そうかそうかと男と話していると、男は知り合いを見つけたのか、別れを告げ去って行った。

 

 

 

 

 

「フフフ、あの時は何も言わないでおいたけど、やっぱり、あの子も欲しい。あの子の魂も見たことがない色をしていて素敵。あの子のは、純粋だけれど混ざりあったあの魂。ほしいわ。どっちもほしい」

 

モンスターが入った檻がたくさんある闘技場の裏。そこに、その場に不釣り合いなものがいた。銀髪に、欲情を意識した衣装を身にまとう、究極の美を体現したそのスタイル。フレイヤが、何故かそこにいた。

 

「あの子の方は、強すぎる。というより、自由すぎるのよね。人間や私達よりも自由。そこがいいの。あの子はまだまだ。だから、試練を与える」

 

フレイヤは、魅了を発動し、モンスターを自分の手駒にしてしまうと、一匹の大猿を見つける。

 

「この子にしましょう」

 

大猿を降りから開放すると、耳元で囁く。すると、大猿は一直線にどこかに向かっていった。

 

「あら?」

 

フレイヤは、ふと、奇妙なものを見つける。

 

「なにかしら?この石」

 

フレイヤが手に取った石は、とてつもないパワーを放っていた。

 

「これなら・・・」

 

フレイヤはまた周囲を見回すと、一体のモンスターに目をつける。

 

「オッタル」

 

フレイヤは、オッタルを呼び寄せると、炎を纏った大猿に傷をつけるように指示する。指示通り、オッタルは猿に切り傷をつけると、フレイヤは持っていた石をその傷の中に入れた。すると、猿が突如脈動。目が赤く光り輝くと、辺りを破壊しながらどこかへ行った。

 

「フレイヤ様。あの状態のモンスターは、俺でも止めることが不可能です」

 

「ええ、だけど、彼なら止められるわ。彼は、あなたよりも強い」

 

「・・・」

 

オッタルは天井を見る。その先にいるのは、彼である。

 

 

 

 

 

ドガァアアアアン!!

 

凄まじい音とともに、一体の大猿が闘技場の外壁の内から現れる。それに続いて炎を纏う猿が現れる。しかも、異常なほどのエネルギーを纏っていた。

 

(なんだあれは?)

 

ゲノセクトはそれを見ると、その視線は一点に注がれる。猿の腹にある傷にだ。その傷の奥にあるものに呼ばれているような感覚がある。

 

(はっ!ボーッとしていないで、やつを止めなければ)

 

ゲノセクトは高速飛行形態になると、炎の猿を追いかける。神速も使用し、猿の前に降り立つ。

 

 

ゴァアアアアア!!!

 

巨大な咆哮を放つ炎猿。その声は苦しんでいるようにも聞こえた。

 

(深層レベルの強さか。しかし、このモンスターはここまでの強さを持ってはいないはず。なぜ?)

 

とりあえず、こいつを倒さねばならない。ゲノセクトは、シザークロスを発動し、炎猿を斬りつける。しかし、その体に刃が通らなかった。

ゲノセクトはそれを見て驚き硬直してしまう。そこへ、炎猿の炎を纏ったパンチが襲いかかる。まもるを使用しようとするが、何故か発動しなかった。ゲノセクトは体を曲げ、すんでのところで直撃を避けるが、炎がゲノセクトの体を襲う。炎が4倍弱点であるゲノセクトにとっては、それだけでもかなりのダメージである。今回は、とても相手が悪い。

 

(なぜまもるが使用できなかった?忘れた覚えはない。なぜだ?)

 

原因不明ではあるが、まもるを使用できないこの状況で、この猿と戦うのはとても不利だ。

 

(とにかく、中心街から引き離すぞ)

 

飛行モードに変形したゲノセクトは、猿の誘導を開始する。現在は幸いにもお祭りである。そのため、都市の外周方面には人がほとんどいない。そこに連れていければ、彼の全力を出せる。ゲノセクトはカセットをアクアに変えると、ラスターカノンで牽制しながら誘導していく。

 

(見た目から察するに、相手はポケモンで言う炎タイプ。私が持つ技は鋼、虫などが主体。どれも効果は今ひとつ。それに対し、相手の技は私に対してどれも効果抜群。なぜ使えないのかわからんが、まもるを使用できない以上、神速を多用して避け続けるしか無い。スキを狙って、アクアカセットのテクノバスターで倒すしかない)

 

スラム街の広場にやってきたゲノセクトは、高速飛行形態に変形し、神速で猿からの攻撃を避け続ける。時折攻撃の余波で炎がゲノセクトを苦しめる。遠くの方から衝撃音が聞こえてくる。逃げ出したもう一体のほうだろう。誰かが戦ってくれているようだ。ゲノセクトは、神速で猿へ向かっていく。猿も炎を纏った突進攻撃を放ってくる。さながらニトロチャージである。

神速とニトロチャージがぶつかり合い、ゲノセクトはダメージを負いながらも、猿を押し返す。大きなスキを作ることに成功し、テクノバスターのチャージを開始する。その時、猿に異変が起きた。

 

(なんだ?)

 

猿の体が突如紫色の繭に包まれたかと思うと、虹色の螺旋構造のエフェクトを頭上に浮かばせながら繭の中から現れる。

 

(まさかこれは!?)

 

そう、この現象は、とある世界の、カロス地方に古くから確認されている、進化を超えた進化。

 

(メガシンカ!!)

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