ダンジョンに赤いゲノセクトがいるのは間違っているだろうか?   作:競馬好き

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生活

「ここがうちらのホームやで、ここの一部屋借したるから好きに使いや」

 

魔石を換金した大量のヴァリスを持ったゲノセクトは、ロキ・ファミリアのホームに来ていた。どのファミリアに入るか決めるまでの二週間、部屋を借してくれるというのだ。ロキに感謝のオレンの実を渡すゲノセクト。

 

「これうまいんか?」

 

「すっごいおいしいよ!」

 

「へー、って、ティオナお前食ったんか!?モンスターからもろたやつ!!」

 

ティオナがモンスターからもらったものを食べたことに衝撃を受けるロキ。

 

「この子を連れてきたメンバーはみんな食べてるよ?」

 

「フィンも食ったんか!?」

 

「あぁ、ティオナが食べても不調をきたさなかったからな」

 

「マジかいな・・・」

 

オレンの実を食べた自分の子供達の度胸に驚きながら、オレンの実をかじるロキ。

 

「ほんまや、美味いなこれ」

 

「でしょう?」

 

「ほら、外で話してても仕方ないでしょ?入るわよ」

 

ティオネの言葉でホームに入る一行。

 

入った途端に、ロキ・ファミリアの団員たちに警戒と奇異の目を向けられるゲノセクト。机の上にヴァリスが入った袋を置いて長机の前に、フィンとともに立つ。

 

「報告してあるとおり、彼が噂のモンスターだ。名前はゲノセクト。危険はないが監視対象となっている。主に、レベル6からレベル4の冒険者で外出時の監視の当番とする。ホームに居るときは団員全員で監視しておくことになっている」

 

それを聞いた団員たちはその条件を了承した。その横で、ゲノセクトは深々と一礼し、長机の端っこに座った。その後は特に何事もなく、ゲノセクトが聞いても聞かなくても良い話だったので、オレンの実や何枚ヴァリスがあるのかを数えて暇をつぶしていた。すると、一人の亜人が声をかけてきた。

 

「おい」

 

見ると、そこには全体的に灰色の格好をした狼人のベート・ローガがいた。

 

「ちょっと外にこい」

 

言われたとおり、ベートについていく。そして、修練場に連れてこられたゲノセクト。

 

「俺はお前を認めちゃいねぇ。モンスターがこのホームに居るなんてむしゃくしゃしやがる。モンスターは俺達冒険者に殺されるためにいるんだ!それが、仲良く暮らしましょうだぁ?冗談じゃねえ!!」

 

ベートはファミリア及び、オラリオの決定に反対していた。急にモンスターと仲良く暮らしましょうと言われたのだ。無理もない。

 

「お前が俺に勝ったらここにいてもいいが、負けたら出ていく。その条件で決闘をお前に申し込む!!」

 

そう言うと、ベートは戦闘態勢に入る。

 

(ここは受けるしか無いか)

 

ゲノセクトも、仕方なくこの決闘を受けることにした。彼はうなずくと、足に炎をまとわせる。

 

「テメェ、バカにしてんのか!!」

 

足に炎をまとわせる技は、ベートの十八番であり、最強の技である。それと同じような技を繰り出そうとしているゲノセクトにいら立ちを感じるベート。

 

「行くぞ!!」

 

先に仕掛けたのは、ベートであった。ファミリア最速のスピードでゲノセクトに詰め寄り、自慢の蹴り技を繰り出すベート。だが、同じタイミングで放たれた赤いゲノセクトが持つ物理ほのお技。ブレイズキックがベートの蹴り技と激突、吹き飛ばされたのはベートであった。そこに、電光石火の追撃を行い、反撃のスキを与えない。最後に、アイアンヘッドを頭に炸裂させると、ベートはフラフラと倒れ、気絶した。

 

「べ、ベートさんがやられた・・・」

 

団長から強いと言われているモンスターではあるが、ファミリアの主戦力陣であれば余裕で倒すことのできるモンスターであろうとたかをくくっていた団員たち。だが、その慢心は、ベートの完全敗北というもので打ち破られた。

そんな団員たちをよそに、ゲノセクトは、オレンの実を持って倒れているベートに駆け寄ると、オレンの実を絞り、果汁を口の中に入れた。すると、ベートが飛び上がるように起き上がった。

 

「チッ!負けたのか・・・」

 

ベートは立ち上がると、部屋に入っていってしまった。ゲノセクトが後を追うとすると、ティオナとティオネがそれを止めた。

 

「やめたほうが良いよ」

 

「今はひとりにしてあげな」

 

(一人になりたいということか)

 

ゲノセクトはうなずくと、少量のヴァリスを持って出かける準備を始める。すると、アイズが現れ、声をかけてきた。

 

「出かけるの?」

 

ゲノセクトがうなずくと、アイズは剣を帯刀してきた。

 

「一緒に行く」

 

アイズ監視のもとオラリオ散策を始める。街に出ると、一般人は怖がり、遠巻きにゲノセクトを見ている。気まずそうに歩いていると、肉のいい匂いが漂ってきたため、その匂いの方向に向かうと、屋台で、おじさんが串焼きを焼いていた。ゲノセクトはそれを買おうと近づいていくと、おじさんがブルブルと震えだす。

 

「待ってて」

 

アイズがそう言うと、串焼きを一本買ってきてくれた。代金を渡し、一礼する。

 

「みんな怖がってるから。なにか買うときは、私に言って」

 

わかったとうなずき、散策を再開する。すると、見覚えのある人物を見つけた。童顔にそぐわない巨乳の女神。ヘスティアだ。

 

「ん?げ、ゲノセクト・・・とヴァレン某君・・・」

 

ヘスティアはゲノセクトが近づいてくるのを見て引きつった顔をする。

 

「なんのようだいゲノセクト。まさか僕のファミリアに入るだなんて言わないよね?」

 

違うと首を横に振り、横にあるコロッケのような揚げ物を指さした。

 

「ジャガ丸くんを買いに来たのかい?それはとても嬉しいが、君、人間が食べるものを食べられるのか・・・食べられるんだね」

 

ゲノセクトが串焼きをもちゃもちゃと食べるのを見たヘスティアはジャガ丸くんを包む。ゲノセクトがもう一つとジャガ丸くんを指差す

 

「もう一個ほしいのかい?」

 

ヘスティアがそう聞くと、ゲノセクトがうなずく。ヘスティアはもう一つジャガ丸くんを包むと、手渡してくる。ゲノセクトは代金を渡し、ヘスティアに挨拶した後、アイズのもとに戻りジャガ丸くんを一つ差し出す。

 

「くれるの?」

 

ゲノセクトがうなずくと、ジャガ丸くんを受け取るアイズ。

 

「ありがとう」

 

ジャガ丸くんを受け取ったアイズは、もしゃもしゃと食べ始める。その後は、様々なところを回った。雑貨屋やモンスター嫌いなヘファイストスの武器屋など。

帰り道のこと、アイズが声を話しかけてきた。

 

「私は、モンスターが嫌い。だけど、あなたは、他のモンスターと何かが違う。いつも、どんなモンスターを見ても、殺したいって思うんだけど、あなたにはそれを感じない。なんで?」

 

(なんでと聞かれても、私はわからん)

 

そんなことを聞かれても、という顔をするゲノセクトにクスクスと笑うと歩き出す。

 

「帰ろう」

 

ゲノセクトとアイズの奇妙でそして運命的な関係が始まった。

 

 




メ○○○カ・・・。
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