ありふれない捕食者は世界最強   作:ギアス

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皆さん初めまして。
ギアスです。
今回から『ありふれない捕食者は世界最強』を投稿していきたいと思います。
あまり面白くないかもしれませんが、楽しんでいただけると幸いです。
では、プロローグからどうぞ。



プロローグ

ある日の月曜日。

まだ人の少ない教室で、1人の男子生徒が目を閉じながら自分の座席に座っていた。

彼の名前は天喰卓弥(あまじき たくや)

彼が在学している高校生の中で、()()()()()と同等の人気を誇る男だ。

野生味があるルックスを持ち、勉学もでき、運動神経抜群な生徒だが、部活動には所属しておらず、彼が、彼を自分の部に引き入れようとする女子生徒に追いかけ回されている光景を見るのも珍しくはない。

そんな彼に1人、ある女子生徒が近づく。

 

「おはよう、天喰くん!今日も早いね。」

 

そう聞こえると、卓弥は今まで閉じていた目を開き、声が聞こえた方へ視線を向ける。

そこには腰まで届く長くて艶やかな黒髪を持つ少女がいた。

彼女の名は白崎香織(しらさき かおり)

学校において『二大女神』と言われ男女問わず絶大な人気を誇る美少女……

……なのだが、実は彼女、卓弥をストーカーしていたという事実があるのだ。

卓弥は12歳の頃から孤児院で育っており、院長やその奥さんの手伝いをしつつ、孤児院の子供達の世話をしながら生活をしていた。

そんな生活が続き、14歳になったある日、お婆さんとその孫らしき男の子が不良達に絡まれていたのを目撃し、その不良をボコボコにし助けたことがあるのだが、その光景を目撃していたらしき香織が、なんと自力で卓弥が通っている中学校を調べ上げ、彼を尾行していたのだ。

その後いろいろあり、彼女は孤児院の臨時のお手伝いさんになり、時間に余裕があるときはいつも孤児院に手伝いに来ており、今では孤児院の子供達にも人気がある。

 

「あぁ、おはよう白崎、お主も早いのぅ、しっかり眠れとるんかいな?」

「うん!今日も元気いっぱいだよ。あ、そうだ!今日も孤児院のおてつだいにいってもいいかな?」

「そんなもん、勝手にすれば良いじゃろが。ダメと言ったところで勝手に来るくせして」

「あ、あはは…」

 

そんな、2人の仲良く会話する光景を見て、『くそっ!天喰のやろぉ!』と殺意の波動を滾らせる男子生徒や、『今日も仲良いな』と卓弥と香織を微笑ましげに見る生徒が急増する。

そんな中、3人の生徒が2人に近づく。

 

「天喰君。香織。おはよう。」

「香織、また彼の世話を焼いているのか?全く、本当に香織は優しいな」

「おう卓弥、おはよう!白崎もな」

 

最初に挨拶した女子生徒は八重樫雫(やえがし しずく)

香織の親友で、自分の実家でもある『八重樫道場』で剣道をしており、剣道の大会では負けなしという猛者である。

しかし卓弥は、香織の話により、彼女が可愛い物好きであることを知っているし、彼女の周りの環境に振り回されている苦労人であることも知っている。

次に卓弥に挨拶せずに、些か臭いセリフで香織に声を掛けたのが天之河光輝(あまのがわ こうき)

勇者っぽいキラキラネームをしており、容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能の完璧超人。

雫と同じく剣道をしており、全国クラスの猛者でもある。

そして、先ほど少し話に出た、卓弥に並んで高い人気を誇る男だ。

しかし、彼のご都合解釈とも言うべき思い込みや、口だけの行動(本人はそう思っていない)に卓弥は苦手意識を持っていた。

最後に挨拶した男子生徒は坂上龍太郎(さかがみ りゅうたろう)

光輝の親友であり、熱血漢とも言うべき性格で、考えるより体が動く脳筋タイプである。

卓弥は彼とジムで会ったことがあり、そこで一緒に鍛えたことを機に、それぞれのトレーニングの知識を交換したり、下の名前で呼び合う程度には仲良くなっている。

 

「あぁ。八重樫。龍太郎。おはよう」

「ちょっとまて天喰。何故2人には挨拶をして俺にはしないんだ」

「何故と言われても、挨拶もしない奴に何故挨拶を返さんといかんのじゃ?挨拶されたいならまずは自分から挨拶をしたらどうじゃ」

 

その言葉を聞き、光輝は卓弥を睨みつけるが、卓弥自身はまるで相手にしない。

険悪なムード(光輝が一方的に睨みつけているだけ)がしばらく続くと、雫がはあ、とため息を吐き、

 

「2人とも、もうやめなさい。ごめんなさいね天喰君。ほら、授業が始まるから香織もいきましょう」

「別に気にしてはいない、白崎も後でな」

「あ、うん。わかったよ」

「おいまて天喰、まだ話は…」

「光輝、もう行こうぜ。じゃあな卓弥。また後でな。」

 

雫が2人を引き剥がし、雫が香織を、龍太郎が光輝を連れて行く。

その後卓弥は、頬杖を突きながら教科書に目を向け、必要箇所はノートを取り、それ以外はどこか遠くをぼんやりと見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

時が過ぎて昼休み。

卓弥はどこから取り出したのかわからない3段のお重を広げ、知らない人が見ると二度見をしてしまいそうなぐらい早くお重の中身を平らげる。

実は彼はとてつもなく大食いで、近所の大食い大会の1位を総なめするぐらいにはたくさん食べた。

今回のお重も腹5分目ぐらいに抑えたぐらいの量で、卓弥自身が作ったものだ。

初めの頃、同級生は3段お重やそれを食べるスピードに目を見開きながら驚愕の眼差しを卓弥に向けていたが、今ではもう慣れたのか、それぞれが自由な時間を過ごしていた。

卓弥はお重を片付け、適当に時間を潰そうと本を取り出すが、食べ終わるタイミングを見計らったのか、香織が弁当を持って近づいて来る。

 

「天喰くん。今日は天喰くんの分もお弁当を作って来たんだけど、よかったら食べてくれるかな?」

 

その言葉を聞いて俄に殺気立つ一同。

『女神の手作り弁当だトォ!?天喰のやろぉぉ!!』と視線で卓弥を殺そうとする男子や『白崎さん、頑張って!』と、女子に靡かないことで有名な卓弥を射止めようとしてる香織を応援している生徒が増える中、空気を読まない男が介入する。

 

「香織、こっちで一緒に食べよう。天喰はもう食べ終わったみたいだし、せっかくの香織のおいしい手料理をお腹が膨れた状態で食べるなんて俺が許さないよ?」

 

さわやかに笑いながら気障なセリフを光輝が吐くが、

 

「え?なんで光輝君の許しがいるの?それに卓弥くんってさっきのお重2個分ぐらい食べないとお腹いっぱいにならないよ?」

「まあ、食べる食べんは別にして、白崎がどこで、誰と食事をとろうがそれはそいつの自由じゃ。お主が決める権利はないじゃろ」

 

素で聞き返し、卓弥が真っ向から返し、光輝の表情がひきつる。

雫がぶふっ、と噴き出している。

更にそれに乗じて卓弥への殺意が篭った視線の圧力が強まる。

……とそのとき、

 

「……グルルルゥゥゥ……!」

 

ふいに卓弥から獣の唸り声のようなものが漏れ出し、卓弥の気配がこれまでのとは全く違う物になる。

全身に敵意を滲ませ、それは教室の面子がこれまで放ってきた圧なんて比べ物にならないほどの重圧に変わり、その場の全員が一瞬で怯えたように体を震わせる。

だが卓弥の目にはそんな彼らの姿は映っておらず、何かを警戒するように周囲を見渡す。

その時、

 

光輝の足元に白銀に輝く円環と幾何学模様が現れたのだ。

 

その異常事態にすぐに生徒たちも気がついた。

全員が金縛りにあったように輝く紋様、魔法陣を注視する。

その魔法陣は輝きを増して教室全体を満たすほどの大きさになった。そこに来てようやく硬直が解けた生徒たちが悲鳴を上げる。

この時、まだ教室に残っていた4時間目の授業をしていた社会科担当の畑山愛子(はたやま あいこ)先生が「皆、教室から出て!」と叫ぶが、それは魔法陣が爆発したように輝いたのと同時だった。

数秒か、数分か、光によって真っ白に塗りつぶされた教室に色が戻った時には、そこにはすでに誰もいなかった。

蹴倒された椅子に食べかけのまま開かれた弁当、散乱する箸やペットボトル、教室の備品はそのままにそこにいたはずの人間だけが姿を消していた。

この事件は白昼の校内で起きた集団神隠しとして大いに世間をにぎわせることになるが、それは別の話。




どうでしたか?
この物語では『南雲ハジメ』は登場しません。
ハジメの軌跡を今回のオリ主である卓弥が辿る物語になっております。
出来るだけ卓弥だからこその展開にしていけるように頑張ります。
次回はトータス召喚後の事情説明になります。
どうかお楽しみに。
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