【旧】ウルトラマンになったのに   作:ショウ・ノボル

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Sashimi4lyfeさん、ご感想ありがとうございました。
投稿頻度や内容は相変わらずですが、この作品を読んでくださっている方に、またはこれから読んでくれるかもしれない人のために、精々頑張らせていただきます。


空飛ぶ巨人と空泳ぐ魚

 

ーー爆発音。そして、土煙。

一か八かの賭け(始めての光線技)をした後の、少年(ウルトラマン)の感想はそれだった。

 

そして怪獣の死体が光線によって完全に消失しているのを確認した時、その安心感ーーーーー光線がしっかり出せた事、その光線で怪獣を倒せた事、怪獣の死体が辺り一面に撒き散らされたりしなかった事ーーーーーにより、少年(ウルトラマン)はようやく自分にかかっている途轍もない疲労感を自覚した。

そして、そのまま倒れ込みそうになった…が、寸前の所で踏み止まった。

勿論、カラータイマーは先程から鳴りっぱなしだし、そもそもカラータイマーなど無くても十分に自覚できる程には疲れている。

しかし、だからといって身長数十m・体重数万tの巨体が倒れ込んだら大惨事だし、なにより自分に勇気をくれた()()()()がこれ以上傷つくのは、少年には到底許容できなかった。

 

 

どうにかして、この場を去らなければなるまい。少年はそう思った。

このままだといつ地面に倒れ込んでしまうか分からない。なのでいち早く人の住んでいない場所に移動して、そこで元の(人間の)姿に戻るのを待ちたいが、これだけダメージを受けた町をまた踏み荒らすというのはいただけない。

なので空を飛ぶことで町にこれ以上被害を出す事なく立ち去りたいのだが、光線の時と同じで方法が分からない。

だが、今回は光線の時とは違い、命を賭けた戦いを行なっているわけではない。それを終え、帰還するところなのだ。なので、割と冷静に記憶を蘇らす事ができる。光の巨人(ウルトラマン)の飛行方法を。

 

そして案外早く思い出す事ができた。

映画『シン・ウルトラマン』にて、外星人ザラブがウルトラマンの飛行能力について、彼の身体を構成するスペシウム133の反作用で重力を歪めることによって飛行をしていると説明していた…気がする。

 

つまり、光線と同じ感じでやればいけるという事だ。多分。

 

(それじゃあ、やるぞ!)

 

「シュゥゥワッ…チ!」

 

そうして少年(ウルトラマン)が空を飛んだ時、後方から声が届いた。少年が、これから一生忘れる事はないであろう()()()()の声が。

「ありがとう」という、何よりも嬉しい感謝の声が。

 

 

 

 

 

 

 

「ふへへへへへ…」

 

森林の奥深く。通常、人間が来ないような場所で1人薄気味悪い笑みを浮かべているのは、先程まで怪獣と対峙し、なんとか勝利をもぎ取った少年(ウルトラマン)だった。

 

現在は、時間切れにより元の(人間の)姿に戻っているのだが…そんな彼が、こんな薄気味悪い笑みを浮かべ気色悪い笑い声を出している理由は、先程の()()()()の「ありがとう」という感謝の言葉が原因だった。

 

少年とって()()()()は、完全に絶望していたところで自分を助けてくれて、光の巨人(ウルトラマン)になった後も、不甲斐ない戦いをする自分を奮い立たせてくれた、まさしくヒーローなのだ。

そんなヒーローに感謝の言葉を貰い、感無量となった少年は、現在の残念な姿に成り果ててしまったのだ。少年の中の何があっても忘れないリストは絶賛更新中である。

 

 

ーーある程度落ち着いてきたところで、少年は少しは冷静に思考するようになっていた。

まず、自分の謎について。そして、自分の力量不足について。最後に、これから現れるかもしれない怪獣…そして外星人について。

 

一つ目の自分の謎について。これに関して、少年はぶっちゃけ深く考えていなかった。

(俺の超身体能力(ハイスペック)さとか、ご飯食べなくても生きてられるのとか、なにより光の巨人(ウルトラマン)になれたのとか。()()()に、死ぬ(終わる)時に見つけた暖かくて明るい…あの光が原因なんだろうけど…全然分かんないし、別に害があるわけでもないし、知らないと困る事があるわけでもないし、放置でいいだろ)

 

二つ目の自分の力量不足について、これに関しては流石に能天気な少年も深刻だと捉えていた。

(あの怪獣と戦った時、殆どの事が上手くできなかった。一番は光線だけど、それ以外にも格闘戦についての知識だのがあれば油断して一撃もらうとか、そういうのは無かっただろうし。光線とか飛行とかは一応できるようになったけど、いまのままじゃ通用しないとかも普通にありえるし。なんか、遠方からホーミングできる光線とか、そうじゃなくても八つ裂き光輪みたいなのは出来るようにしておきたいよなぁ…色々と便利そうだし。他にも、タイプチェンジとかも出来たらいいよなぁ…

知識にあるウルトラマンがやっていた事はあらかた試しておいた方が良いだろうなー。ウルトラマンになったのが一回しかないから出来る事と出来ない事も把握できてないし。R/Bでやってたみたいに修行とかした方がいいかもな…て、いうかそう考えるとニュージェネヒーロー天才過ぎない?ギャグ調とはいえR/B兄弟とかなんとなくで光線出すし、空飛ぶし。ジードも遺伝子とかあるんだろうけど初戦でレッキングバースト撃ってたし。つーかやっぱりヒカルっておかしいよな…ギンガも凄いけどヒカルも凄すぎるだろ……俺なんか光線の撃ち分からなくて顔面に熱線喰らったのに…)

因みにこの少年(ウルトラマン)、先ほど盛大に着地を失敗したせいで山に大きなクレーター作ってしまい、今もその中心で考え事をしていたりする。

 

そして三つ目の今後に現れるかもしれない怪獣・外星人について。

(怪獣にしろ外星人にしろ、その全てが危険で倒さなければならない相手って訳じゃない。普通に友好的なのも居るし、やむを得ない事情がある奴等も一定数いる。…居るんだけど、そうじゃない奴等が大多数なんだよなー、少なくとも他の星に態々来る奴らとかは。

それ以外にも元々星にいる怪獣とかも、基本的に会話できる知能なんか無い奴ばっかだしな。この前に現れた怪獣とか正にソレ…て、いうかアイツの事なんて呼ぶか決めてないじゃん。今後他の怪獣が現れた時にちょっと不便かも…あと単純に締まらないし。とりあえず怪獣とのファーストコンタクトだったから、ファストンと呼ぼう。

兎に角、ファストンみたいな会話できるような知能が無くて、無秩序に人間の生活を害するタイプの怪獣は倒す方針でいこう。ちょっと可哀想だけど、絶対に人間を襲わせない様にしてもらうとか無理だしな。

…そう考えると最初の方に考えてた倒す必要のない、簡単に言えば悪くない怪獣・外星人への対応って難しいよな。万が一にも俺がソイツ等に騙されてて、他の人達に被害が及んだら…って考えたら怖いし、本当に悪い奴等じゃない事だってあるのに即爆殺とかして言い訳ないし…

まぁ、でも。怪獣が今後も出て来るとは限らないし、なんなら外星人がこの星にやって来るなんてかなり確率低いからそこまで心配しなくてもいいだろ、うん)

少年(ウルトラマン)はそうして今の自分では答えの出せない自問自答に蓋をした。

だが、自分がこうして突然に光の巨人(ウルトラマン)の力に目覚めた様に。あり得ないと考えた事が世の中にはあり得ると、少年は気がついていた。

そしてーーーー

 

 

 

 

 

「あれは、魚…?」

 

ーーーーほんの数日先で、少年(ウルトラマン)は少し前なら絶対にあり得ないと断言できた光景を見る事になる。

空を泳ぐ魚が突風と共に現れ、人々の生活を撒き散らすその姿を。

 




最初に現れた怪獣の名前はファストンとなりました。
タイトルに空泳ぐ魚と書いておきながら最後にちょっと出た…というか出ることが示唆されただけなのは、作者がどうやって出せばいいかわからずに次話にぶん投げたからです。
また、この「ウルトラマンになったのに」に登場する怪獣や外星人は基本的にオリジナルにする予定なので、気が向いたら怪獣・外星人の名前やアイデアを感想欄に書いてみてください。作者の語彙力の限界まで活かせるように努力します。
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