TS暗殺者、異世界で冒険する   作:布団から出られない

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クッソシリアスですがプロローグだけなのでご安心ください。
後書きに要約書くので読まなくてもいいです。


【追記】

倦倦様、誤字報告ありがとうございました。助かりました。


プロローグ

突然だが俺は死んだ。

死因はよく覚えていない。いや、思い出せないが正しい。

転生してから色々とショッキングなことがあったせいで、前世の性が男だったと言うことしか思い出せなかった。

 

俺が転生したのはいかにも田舎って感じの村だった。

女として転生したのには驚いたが、村の人たちは優しくて、子供たちも毎日元気に走り回ってる。

平和な村だった。

 

俺が6歳になった頃。

腹の出た胡散臭い貴族のおっさんが村にやってきた。

村長と何か話していたようだが、その頃の俺は子供らしく振る舞うために村の子供たちの遊びにまじってたものだから何の会話をしていたのか分からなかった。

もしあの時話を聞いていたら、と思うことはあった。が、前世の状態ならまだしも、こんな幼い女の子の体じゃできることなんてたかがしれてる。仕方がなかったんだ。

 

そして数ヶ月後。

やつらはやってきた。

黒尽くめの格好をした忍者みたいな集団だ。

やつらは村を焼き払い、大人の男達を殺し、女と子供だけを拘束した。

俺は何も出来なかった。ただ怯えて震えることしかできなかった。

馬車に乗せられ、どこに行くのかも分からないまま揺られる。

 

子供達が泣き喚く。

当然不安だろう。

俺も泣きたかったが、前世の大人の男としてのプライドが残っていたのか、涙は溢れずに済んだ。

お陰で助かった。目的地に到着した途端、泣き喚いた子供達の手足がもぎ取られたからだ。

一瞬だった。───魔法。この世界には魔法がある。やつらが使ったのはどうやら魔法らしい。

 

だが俺だけは五体満足だった。

肝が据わってる───そう言われた。

手足をもぎ取られた子供達は、どうやらそういう趣味の貴族に売られるらしい。

俺にできることは何もない。

仕方なかった。

 

男が言う───ついてこい───と。

俺は男に言われる通り男の後ろをついていった。

従えば殺されることはない───そう思ったからだ。

俺は助かる。しなずにすむ。だいじょうぶ。だいじょうぶ。大丈夫。

ふと、後ろの様子が気になる。先程手足をもがれた子供達はどうやら魔法の治癒で死に損なっているらしい。

見ない方がいい───そう思っていても人間好奇心には勝てないらしい。

 

振り返ると

 

虚ろな目をしてこちらを見つめる手足のない幼馴染の少女の姿があった。

 

そうして俺は暗殺者になった。

最初の暗殺は───吐いた。

人を殺すというのはそれだけ気持ち悪い感触だった。

暗殺対象には悪人しかいなかったが、それでも後味は悪かった。

 

そんなある日───1人の少女の暗殺依頼が出された。

現在の国の王様の娘らしい。

依頼を受けていつも通り誰にも気づかれないように少女の部屋に潜入した。

10歳ぐらいの少女だった。

関係ない───今まで何人も殺してきた───ためらうな───

少女に手をかけようとしたその時、俺の脳裏に幼馴染の姿がよぎった。

手足をもがれ虚ろな目で俺を見つめてくる彼女。

俺は───また───

自分が殺さなくても、他の暗殺者に依頼が行く。

 

───そんなことは分かってる!

 

だがどうしても俺の中で納得できないものがあった。

ナイフを持つ手が震える。

大丈夫───むりだ───大丈ぶ───いやだ───だい……ぶ…───ころしたくない‥

カチャンッ

いつの間にか俺はナイフを地面に落としていた。

ナイフを落とした音で少女が目を覚ます。

まずい……逃げないと……

しかし少女の射抜くような視線のせいか、俺の足は一歩も動かない。

どうすればいいのか分からず混乱している俺に、少女が言葉を投げかけた。

 

「どうして───ないているの?」

 

ここから先のことを俺はあまり覚えていない。

気づけば王国の騎士らしき人たちに拘束されていて、目の前の少女の顔がひどく驚いていたのは覚えてる。

 

 

 

そして俺は───暗殺者をやめた。

 

 

 

俺の雇い主は王国の騎士によって制圧されたらしい。

裏で糸を引いていた貴族も全員独房の中だ。

一瞬だった。

これまでずっと俺を縛りつづけてきたものが一瞬でなくなった。

俺はどうすればいいのか分からなくなる。

俺は保護対象という形で王国が身柄を預かることになった。

特に処罰されることはない。

けど、家族も失い、故郷もなく、世界のこともわからない。

夢も希望もなくて、どうやって生きていけばいいのかわからなかった。

そんな時、少女が俺に提案をしてきた。

冒険者になれば───と。

 

聞けばこの世界、魔族なるものがいるらしい。

冒険者は魔族を討伐したり、ギルドでの依頼を受けたりして生活していくそうだ。

あてもなかった俺は冒険者として生きていくことにした。

 

できれば二度と人を殺したくはない。

平和に生きたい。

 

そう思いながら俺はギルドに足を運ぶのだった。

 




主人公、TS転生

村焼き払われて捕らえられる

生きるために暗殺者に

暗殺依頼にあった王族の女の子を殺せない

知らんうちに雇い主とか全部逮捕されてた。主人公は自由の身に

暗殺者やめて冒険者になる

ちなみに暗殺の師匠的な存在もいますが、登場することはありません。
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