旧日本軍もビックリなパワハラ提督が着任しました。   作:湯タンポ

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もしかしたら次回で更新が止まるかも知れません。

理由?いや〜私なんか死にそうなので。

一、二ヶ月音沙汰が無かったらこいつ死んだなと思ってください。


ではどうぞ。


一般提督の思惑

 

 

 

日本海軍の連合艦隊司令長官たる俺、山本達秀は、1種間の有給を取った南雲さんに着任要請(強制)を受け、一時的に横須賀鎮守府に提督として着任した、したのだが……

 

 

「1週間の間、南雲秀一大将の代わりとして提督として着任した山本達秀だ。階級は大将、短い間だがよろしく頼む。」

 

『『『『…………』』』』

 

 

反応めっっっっっっっちゃ悪いやんけ!!!!

 

艦娘の皆俺の事怯えた目で見とるし!!

 

ま、まあエアロ。1週間で少しは仲良くなれると思うし……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

な ん て 思 っ て た 時 期 が 俺 に も あ り ま し た(最初の数時間だけ。)

 

 

 

 

最初にこの鎮守府やべぇと気付いたのは、執務室で大淀ちゃんと書類作業してた時だね。

 

 

「…ん?大淀、ここ計算間違ってないか」

 

そう言って俺は電卓を差し出す。すると彼女は顔を真っ青にして謝罪し始めた。

 

 

 

その時の会話がこちらである。

 

 

『も、申し訳御座いません!修正します、しますからなぐ、殴らないで下さい……!』(全力土下座しながら)

 

『いや殴らないが!?』

 

『ひっ…ご、ごめんなさい!な、何でもしますから、どうか"教育"だけは許してください…!』

 

『教育ってなんぞ??????』

 

……うん。

 

完全に何か勘違いされてますわコレ。

 

ちなみに先程聞いた話によると、"教育"とは南雲さんによる暴力と暴言の嵐が飛ぶこの鎮守府で最も思い罰だそうで、『ダメな失敗=教育』と教えられているらしい。

 

 

……この鎮守府真っ黒黒すけじゃねぇか、いやこの前の会議からしてだいぶ予想はついてたけども。

 

 

とりあえずこの鎮守府のやべぇ問題点をまとめよう。

 

①監視カメラが以上に多い(反逆防止?)

 

②少しでも逆らった艦娘は徹底的に"教育"を受けるらしい。

 

③艦娘達の目が死んでいること

 

④俺が近くに居ると、その付近にいる艦娘達が常に脅えていること。

 

⑤1番の問題点はここの艦娘達全員が首輪のようなものを付けている事。(中身は爆薬らしい。)

 

こんな感じだろうか。

 

これもう人権云々の話してる場合じゃなくね?

 

そして現在時刻ヒトマルサンマル。

 

そろそろお昼ご飯の時間なので食堂へ行こうとしたが、俺が行った場合の被害を鑑みて、鳳翔に執務室に持ってきてもらうことにした。

 

したのだが……

 

 

「お、お待たせ、しました、遅れて申し訳ございません……」

 

「いや、うん、それはいいんだが、大丈夫か?めっちゃ震えてるけど」

 

彼女まで怯え、震えながら料理を運んできた。

 

しかも料理を運んできた手には包帯が巻いてある。恐らく怪我をしているようだ。

 

これは流石におかしいと思い、理由を聞いてみた。

 

「……そ、その、以前南雲提督から受けた"教育"が、常に頭によぎってしまい、最近は包丁もあ、あまり握れなくなってきてしまって……」

 

「……」

 

どうしよう、想像以上に深刻すぎる問題が出てきたんだけど。

 

料理が趣味の鳳翔が包丁握れなくなるレベルとか相当だよそれ。

 

……と、その瞬間。

 

 

 

ガシャンッ!

 

 

机に置こうとしたお盆が、鳳翔の震える手から滑り落ちてしまった。

 

「ぁ……ご、ごめんなさい!今すぐ全て片付けますから、ど、どうかお許しください!お、お願いですから蹴らないで下さい!」

 

彼女は必死の形相を浮かべ、涙目になりながらも床に落ちたものを全て拾おうとしている。

 

しかし手が震え、思うように動かないのか、中々拾い上げることが出来ないでいた。

 

俺はその姿を見かねて、彼女に代わって全ての皿などを拾おうとした。

 

 

だが、俺が体を動かした瞬間……

 

「ひっ…ご、ごめんなさい!もう殴らないで 蹴らないで 抉らないで 斬らないで!あ、謝ります!謝りますから!

 

お盆ひっくり返してごめんなさい!

約立たずでごめんなさい!

無能でごめんなさい!

出来損ないでごめんなさい!

逆らってごめんなさい!

生まれてきてごめんなさい! だから、だから、だから、だから、」

 

彼女は頭を両手で守るように抱えならガタガタと体を震わせ、涙を流して謝罪の言葉を繰り返し始めた。

 

 

……

 

『お前は1週間あくまで提督としての業務に専念しろ、貴様の思想についてはとやかく言わんが、俺の"道具共"にいらん情を掛けるな。

 

あくまで道具として接し、やらかせば泣こうが喚こうが暴力で解決しろ。

 

それが嫌なら関わるな。』

 

……ここに来る前、南雲さんにそう釘を刺された。

 

つまり俺は、彼女のこの姿を見ても、何もするなということだ。

 

下手に俺が動けば、艦娘達の立場をより悪くしてしまう。

 

 

 

 

 

……だが……本当にこのまま何もしないでいいのか?

 

確かに俺が動くことで、より状況が悪化するかもしれない。

 

だけど、目の前にいる彼女は明らかに苦しんでいるじゃないか。

 

そこで何もしなかったら、きっと俺は後悔することになる。

 

……そんな気がした。

 

 

「……大丈夫だ、鳳翔。俺は君たちに暴力を振るうことなんて無い。

だから、落ち着いてくれ。」

 

「っ…………」

 

彼女を抱きしめ、耳元で優しく語りかける。

 

そして、震えが収まるまでずっと、背中をさすった。

 

暫くして、ようやく落ち着いた彼女が口を開いた。

 

「……と、取り乱してしまい、大変申し訳ありませんでした。

……あの、もう大丈夫なので、離していただけると……」

 

そう言って、まだ少し怯えが取れていない様子の鳳翔は俺から離れようとする。

 

「ああ、わかった……じゃあこの落ちてるやつ片付けてもらっても大丈夫かな。」

 

俺がそういうと、彼女は再び顔を青くしながら頭を下げてきた。

 

「も、もももももももももちろんです!! わ、私がやりますので、山本閣下はここでゆっくりしててください!!」

 

「お、おう。(閣下…?)

わかった、よろしく頼むわ。じゃあお言葉に甘えてゆっくりするとしよう。」

 

その後、彼女は俺の指示通りテキパキと散らばった食器類を集めてくれた。

 

そして集め終わった後、彼女は改めて深々とお辞儀をした。

 

「先程はお見苦しい所をお見せして、誠に申し訳御座いません。

今後はこのようなことがないよう、気をつけさせていただきます……」

 

「大丈夫、気にしてない。

…それより、少しやることが出来たから、部屋を出てくれるか?」

 

「……はい、承知致しました。」

 

そう言うと、彼女はまだ何か言いたげだったが、静かに執務室から出ていった。

 

 

 

 

 

 

俺は鳳翔が出ていったのを確認して、電話を掛けた。

 

 

「……俺だ、山本だ。」

 

『……腹は決まったか?山本』

 

「……ああ、艦娘に人権が居るとか、綺麗事はやめにする。

 

…俺は、あの子達が暴力とかに怯える事が無く、普段は泣いたり笑ったりできる場所が良いんだ。

 

軍隊として南雲さんは正しいのかもしれない、合理的なのかもしれない。

 

だが、それは"俺の正しさ"に反する。

 

だから、南雲さんのやり方には従えない。

 

 

…俺は艦娘軽視派と徹底抗戦する。」

 

 

『……ほう、ならばどうする?

相手は海軍の中枢を牛耳る歴戦の将官達だぞ。』

 

「……まずは、あの人達の目的を探る。

…それにはお前の力が必要だ、手伝ってくれるか、親友。」

 

『……毎回お前の尻拭いをするこちらの身にもなってもらいたい物だな』

 

「まじですまん。

こんな状況じゃお前くらいしか頼れないんだよ。」

 

『……まぁいいだろう。

だが俺が動く以上、必ず成功させろよ』

 

「わかってるさ……ありがとう、"永野"」

 

 

俺はそう言って友との電話を切った。

 

 

 

 

 

「……さて、それじゃあ横須賀鎮守府に居るこの一週間の間に、少しでも情報を探りつつ艦娘のメンタルケアするか。」

 

 

 

 

 

そして、以下がメンタルケアしようと奮闘した会話である。

 

 

 

 

〜赤城〜

 

 

「おい赤城待て待て、何故部屋に入って最初に脱ごうとするの?」

 

『お、男の人はこういうの好きなんですよね?…わ、私が何でもしますから、他の子には手を出さないでください…』

 

「何言ってんの?????」

 

『わ、私ではご不満ですか?で、でも、自分で言うのもなんですけど、私男好きする身体だと思うんです!

あ、あの!本当に何でもしますから!

‪×××や×××は勿論、××××や×××××も出来ますから!

な、なのでどうか私だけでご勘弁下さい……他の子には手を出さないでいただけますか……』

 

「うん、分かったからその話もうやめてくれ。君に手を出す気ないしあと服着て」

 

 

 

 

 

 

〜加賀〜

 

 

「うん、なんで開幕土下座なの?

え何、なんかやらかしたの?」

 

『……赤城さんがお気に召さないと言う事なので、その…暴力…を振るう方がお好きなのかと思いまして……そ、それでしたら私の方が耐性がありますので、私だけでご勘弁頂きたく……』

 

「またこのパターン???

違うから、そんな趣味無いから。」

 

『あ、あの、ほんとに何でもして大丈夫ですから。

サンドバッグと思ってもらって大丈夫です、殴る蹴るや煙草の火、焼きごてぐらいなら耐えれますし、あ、飽きたら"そういう事"も出来ますので!』

 

「それ最早罰じゃなくてただの拷問じゃね???そんな趣味ないってこれさっきも言ったくね?」

 

 

 

他にも何人かに聞いたが、結果的にこの鎮守府の闇が深すぎて情報聞き出すとかメンタルケアするとか、そんな事が出来る状態じゃなかった。

 

 

 

 

そんなこんなで1週間はすぐに過ぎ、俺は大本営に帰り南雲さんが帰ってくる日になった。

 

 

 

……まぁ取り敢えず、現状把握は出来たし、後は俺の交渉の腕次第だな。

 

 

と、迎えの車の中でそんな事を考えていると、運転手から声をかけられた。

 

 

 

 

 

「……南雲閣下は、相当手強いですよ」

 

 

「……あんた、何者だ?」

 

 

「…"壁に耳あり障子に目あり"………山本閣下、あまり派手な動きは控えた方が宜しいかと」

 

…あらまぁ、ウチの諜報部は中々"鼻が利く"んだな。

 

 

「………って事は君は"鳩"という事かな。それとも"鷹"の爪?」

 

「……さあ、どうでしょう?」

 

そう言うと彼は、それ以上は何も言わず、静かに車を運転し続けた。

 

 

 

(………恐らくは"鷹に紛れて獲物を見てる鳩"って所だろうな)

 

 

 

「…どこか寄りますか?」

 

「いや、このまま真っ直ぐ大本営へ頼む」

 

「承知致しました。」

 

 

 

俺は車の中で、これから南雲さんが起こすであろう戦いに思考を巡らせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……勝ってみせる、あの子達艦娘の…そして俺の未来の為に」

 

 

 

 

 

 

 

 






まぁこうなるよねって感じですね。

ところで途中で出てきた山本さんの親友って誰なんだ……?そしてどんな立ち位置なんだ……?(元帥閣下のことでは無いゾ)

そういえば菜々美ちゃんは2人"兄妹"らしいですね。

……おや?…おやおやおや?


ちなみに、赤城さん達が呼ばれて早々"そういう事"をしようとしたのは、南雲さんからの暴力による教育に加えて、以前のクソ提督から、あらすじに書いてある様な事を受けていたせいですね。

曇らせ成分って………皆足りてないよね?

  • ちょっと何言ってるか分からない(多い)
  • 塩分過多(ちょっと多い)
  • まぁ……普通ですね。
  • そうだよ(便乗)(ちょっと足りない)
  • そうだねお母さんもそう思うよ(足りん)
  • 曇らせ気持ちイィ!!(中毒者)
  • 3分間待ってやる(はよ更新しろハゲ)

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