旧日本軍もビックリなパワハラ提督が着任しました。   作:湯タンポ

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やあ☆

特に挨拶が思いつかない湯タンポです。


さて、今作は五話目にして、大きな方針転換を行いたいと思います。

勿論今まで通りのパワ☆ハラは続きますが、もっとおもしろそうなことを思い付いたので、飽きるまではパワ☆ハラ+新しい方針という形になりますになります。


この作品は皆さんからやり過ぎだろ!との声を沢山いただいておりますが、私はあえてやり過ぎを目指しています☆

さて、長ったらしいのは嫌いなので説明はここまでにして、本編へ行きましょう。


ちなみにウチの主人公の南雲さんは海軍過激派でお送りいたします。特に深い意味はありません。





開戦前夜

 

 

 

 

 

「……どうして……どうしてこうなった…」

 

 

日本海軍 元帥、永野海人は、目の前の惨状に思わずそう呟いた。

 

 

彼の執務室には、海軍大将の南雲秀一と、同じく大将の連合艦隊司令長官山本達秀を筆頭に、少佐以上の海軍将校達が勢揃していた。

 

 

 

彼らが何をしているかと言うと……

 

 

 

「彼女達"艦娘"にも人権を与えるべきです!」

 

 

「"道具"に人権など要らんだろう?

 

奴らは所詮生体兵器に過ぎん。」

 

 

「深海棲艦との戦いの為にも戦力の強化は必須! そしてそれを支える為にも彼女らに対する人道的な配慮が必要です!」

 

 

「そんな悠長な事を言っているから我らより戦果を上げることが出来んのだろう?」

 

 

「その通りだ! 貴様らはただでさえ戦果少ないというのに! もっと努力しろ!」

 

 

 

 

要は、艦娘人権派と艦娘軽視派の争いだった。

 

 

 

「……帰りたい……」

 

 

「……心中お察し致します……」

 

 

永野が先程呟いた言葉に反応する者は、彼の秘書艦である高雄だけだった。

 

 

他の者は皆この論争に夢中で聞こえていないようだ。

 

 

そもそも何故こんな事になったのかと言うと……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……永野元帥、いくら何でも呼び出しの頻度が高すぎでは?私も暇じゃないんですが」

 

 

そう、艦娘軽視派の南雲が再び呼び出しを受けた事が全ての始まりだった。

 

 

「仕方無かろう、どうしても擁護派の彼らが"君達"と議論したいと言うのだから。」

 

 

「またですか……」

 

 

艦娘擁護派と呼ばれる彼らは、海軍の中でも多数派に属する者達だった。

 

 

彼らは"彼女達にも人間としての権利を認めるべきだ"と主張しているのだ。

 

 

と言うかそれが一般論であり、南雲達艦娘軽視派の南雲の方が少数派なのである。

 

 

しかし、だからと言って艦娘擁護派が優勢なのかと言われれば、そういう訳でもない。

 

 

 

艦娘軽視派は、大将や中将等の優秀な将官クラスが多く、反対に艦娘擁護派は少佐から大佐クラス……つまりは駆け出し提督から中堅クラスが大半を占めるので、勢力としてはかなり拮抗している。

 

 

 

そして今日、その両者が話し合いをする為、艦娘軽視派の代表である南雲を呼び出したのだ。

 

 

 

「まあ良いでしょう。それで場所はどこなんですか?」

 

 

「ああ、面倒が起きても大丈夫なように、私の執務室でやる事にしたよ、無駄に広いからね。」

 

 

「了解しました。」

 

 

 

そうして、南雲達は大本営へとやってきたのだが……

 

 

 

 

 

 

「……永野元帥、一体何時から大本営は託児所になったんでしょうか、俺の目の前には"道具"を連れた中学生が居るようにしか見えませんが。」

 

 

 

南雲の眼前には、航空母艦 サラトガを連れた15歳くらいの少年がいた。

 

 

「…いや、日本海軍は本当に今手が足りていないんだ、だから彼も採用したのだ。

 

彼は士官学校を飛び級で卒業する程の逸材だ。」

 

 

「所詮はケツの青いガキです、とても使えるとは思えない。」

 

 

 

そう言って南雲は、その少年とサラトガを睨みつける。

 

 

「……どうした南雲君、何をそんなにイラついているんだ、らしくないな。」

 

 

「……いえ、特に……」

 

 

と、二人が話し合っていると、今まで黙っていた少年が話しかけて来た。

 

 

「あの~すみません、あなた方はどちら様でしょうか? 道を塞がないでいただきたいのですが。」

 

 

「……て、提督!?じ、上官です!それもAdmiral of the Navy(海軍元帥)とFull Adimral(海軍大将)です!(小声)」(サラトガ)

 

 

「えっ?そうなんですか?それは失礼しました!」

 

 

サラトガが小声で囁くと、その少年は慌てて敬礼をした。

 

 

ちなみに言っておくが、南雲は子供が嫌いである。

 

 

 

「…ガキが……舐めてると潰すぞ…」

 

 

南雲はそう言って鬼よりも恐ろしい形相で少年を睨む。

 

 

「こら南雲君、年下の子供相手に凄むんじゃ無い。……済まないね、私からも謝罪しよう。私は元帥の永野海人だ。

 

 

……軍は縦社会だ、着任したばかりで分からないかもしれないが、その辺も纏めてよろしく頼むよ、サラトガ君。」

 

 

そんな南雲を宥め、自己紹介と共に忠告を出す永野元帥。

 

 

「…は、はい、大変申し訳ございませんでした、以後同じことが起きぬよう気をつけます。」

 

 

「……ふん……」

 

 

サラトガが頭を下げると、南雲は面白くなさそうにそっぽを向いた。

 

 

「……それじゃあ南雲君、執務室に行こうか、彼らもそろそろ着くはずだからね。」

 

 

「……分かりました。」

 

 

永野元帥がそう言うと、二人は執務室へと向かって歩き出した。

 

 

 

 

そして南雲達と少年達がすれ違った瞬間、サラトガの肩が南雲にぶつかってしまった。

 

 

 

 

 

「あっ…ごめんなさ…」

 

 

 

 

「……永野元帥、先に行っておいてください、俺は此奴に"指導"します。」

 

 

謝ろうとするサラトガだったが、南雲はそれを遮り、 永野元帥に向かってそう言った。

 

 

「……分かった、あまり"やり過ぎ"無いように頼むよ。」

 

 

「分かっています。」

 

 

そうして、永野元帥は先に執務室へと向かった。

 

 

 

「…サラトガと言ったか、貴様の持ち主は随分と軍規を舐めている様だな。」

 

 

「い、いえ!決してそのような事は…!」

 

 

「誰が喋っていいと言った、貴様に発言権を与えた覚えは無い、何様のつもりだ?」

 

 

南雲はそう言って、サラトガの腹を蹴り上げた。

 

 

「うぐぅ!!」

 

 

蹴られた衝撃で倒れるサラトガ。

 

 

「な!サラさんに何をしてるんだ!止めろ!」

 

 

少年は咄嵯にサラトガを庇おうとするが、少年の身長は160センチちょい、大して南雲は237センチというヒグマの如き身長に加え、キツイ鍛錬を気が遠くなるほど繰り返しており、軍人として最高峰の肉体を持っている。(艦娘ともタメ張れるし何なら素手で深海棲艦とか殺せる。)

 

 

そんな南雲からすれば、少年など赤ん坊どころか、蟻同然である。

 

 

南雲は少年の首根っこを掴み、軽々と持ち上げた。

 

 

「な!放せ!放せよ!サラさんに酷い事するな!」

 

 

必死に抵抗するも、南雲の腕は全く動かない。

 

 

「少し黙れ。」

 

 

南雲はそう言うと、少年の腹に発勁を打ち込んだ。

 

 

「ごふッ!!?」

 

 

その一撃を受けた少年は大きく吹き飛び、そのまま失神した。

 

 

「これで騒がしいのは居なくなった。」

 

 

南雲は気絶した少年を通路の隅に投げ捨てると、サラトガの方を向き直り、サラトガの髪を掴み、そのまま引き摺りながら歩き始めた。

 

 

「貴様はこっちへ来い。」

 

 

「い、痛いです!……は、離してください……!」

 

 

「黙って着いてこい。」

 

 

 

南雲はそのまま人気の無い部屋まで行くと、そこでサラトガを投げ飛ばした。

 

 

「きゃあ!!……な、何をするんですか…!…私に何か恨みでもあるんですか……!?」

 

 

サラトガはお腹を抑え、痛みに顔を歪ませながらも、キッと南雲を睨みつける。

 

 

「ああ、はっきり言って貴様ら米帝の手先共には死ねとつくづく思う。」

 

 

「米帝…って……貴方、戦後からもう100年近く経っているのですよ!?」

 

 

「黙れ、帝国海軍は不滅である。」

 

 

そう言って南雲はサラトガに歩み寄ると、その胸ぐらを掴んだ。

 

 

「いや……やめて……!誰か……助けて……!」

 

 

恐怖で震えるサラトガに、南雲の膝蹴りが刺さる。

 

 

「おごっ!?!?」

 

 

その強烈な一撃に、サラトガは口から血を吐いた。

 

 

「げほっ!?……えほ……えほ……やめ……やめて…下さい……」

 

 

「黙れ。」

 

 

南雲はそう言って、首を絞め上げながら持ち上げる。

 

 

「ぐえ……くる……じぃ……」

 

 

「その苦しみの何億倍もの苦しみを何十万人、何百万人もが味わったんだ、当時のお前の持ち主達が作り出した原爆でな。

 

 

……軍人同士が殺し合うだけなら良い、それが戦争だからな。

 

 

だがお前達の当時の持ち主達は、あろう事か執拗に本土爆撃を行い、更には原爆を落とし、日本の無辜の民を焼き払った。」

 

 

南雲はそう言いながら、腕に力を込める。

 

 

「……ちが……それ…私じゃな」

 

 

「黙れと言っているだろうが!!!」

 

 

「ひゃあ!!」

 

 

南雲はそう叫ぶと、サラトガを床に叩きつけた。

 

 

「あがっ!ごエッ!やめっ、がはっ!」

 

 

何度も、何度も、反省を促すため。

 

 

 

 

 

 

 

……暫くして反応が薄くなって来ると、南雲は煙草に火を付けた。

 

 

「………」

 

 

そしてひと吸いすると、今度はサラトガの髪の毛を掴み、無理やり顔を上げさせた。

 

 

「おい、まだ生きてるか。」

 

 

「……う……うぅ……ごめ……んなさ…い…ごめん…なさ…い…」

 

 

サラトガの目からは涙が流れており、謝罪の言葉を口にしていた。

 

 

 

「……ふん、同じ目に会いたくなければ、俺の前に二度と現れるな、次は無い。」

 

 

その言葉を聞いた彼は、火が着いたままの煙草を、サラトガの背中でグリグリと押し付けながらそう言った。

 

 

 

「いっ!?!?!?!?!?…………ぐ……ぐふ……い……い……たい……よぉ……!」

 

 

サラトガは涙を流しながら悶絶し、やがて動かなくなった。

 

 

恐らく痛みに耐え切れず失神したのだ。

 

 

「…次は無い。」

 

 

南雲はそう言って、サラトガを放置してその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……で、放置して来たと?」

 

 

「申し訳ありません、あのアメリカ野郎と舐めたクソガキを見ているとつい手が出てしまいました。」

 

 

「はぁ……まったく君という奴は……」

 

 

執務室に戻ると、永野元帥は頭を悩ませた。

 

この男は加減というものを知らないのかと。

 

いやまぁ、殺して居ないだけ"かつて"よりはマシに加減しているのだろう。

 

 

それ程までにかつての南雲の海外艦(とくにアメリカ艦)への当たりは強かったのだ。

 

 

 

「…まぁそれ置いておくとして、そろそろ彼らも着くはずだ。 南雲君の"仲間"もね。」

 

 

「……ああ、艦娘軽視派の事ですか。」

 

 

と、ちょうどその時、ノックする音が聞こえた。

 

 

「来たようだね。」

 

「…入れ」

 

「失礼します。」

 

 

 

そう言って入って来たのは、南雲と同じく艦娘軽視派の面々だった。(大半が高級将校である。)

 

 

「来てくれたか。」

 

 

「勿論ですよ南雲大将、艦娘に人権を与えるべきなどと言う、人生経験の足らぬカス共に直接ガツンと言える機会は早々ありませんからな。」

 

 

そう言うのは南雲と同じ、艦娘軽視派筆頭の古賀中将だ。

 

 

「違いないな。」

 

 

「全くです。」

 

 

古賀の言葉に同調する2人の艦娘軽視派高級将校達。

 

 

 

彼らが談笑を始まると、彼らに着いてきた秘書艦達(大本営に来る際は秘書艦を同行させる義務があり、当然彼女たちは嫌がっていたがほぼ強制的に連れてこられた。あと南雲はたまに連れてこないことがある)が陰で互いの鎮守府の惨状を話し合った。

 

 

 

「……横須賀では、艦娘全員が今私が付けている首輪型のGPSを着用させられ、監視カメラによって、どこに居ても24時間の監視体制に敷かれて居ます。」(大淀)

 

「…佐世保も同じ様な状況ですね。」(鹿島)

 

「…舞鶴もです。」(蒼龍)

 

「…呉も似たような感じやな、もうみんな逆らう気力なんてあらへん。」(龍驤)

 

「……大きな鎮守府は軒並み南雲提督の力が及んでいるのでしょうね。」(大淀)

 

 

他にも、南雲提督の暴力が怖い、佐世保の提督は口撃で精神をへし折ってくるetc.....。

 

 

 

「おい貴様ら、誰が喋って良いと言った。」

 

 

等と大淀達が話していると、古賀達と談笑していた南雲が、彼女達の話を遮る様に怒鳴りつけた。

 

 

「も、申し訳ございません!」

 

「申し訳ございませんでした!」

 

 

 

慌てて頭を下げる5人だが、その目には皆一様に恐怖が浮かんでいる。

 

 

何故なら、彼女達は全員南雲の"教育"を一度受けたことがある。

 

 

だから、彼に逆らう事は絶対にしない。

 

もしそんな事をすれば、待っているのは地獄なのだから。

 

 

 

と、そのタイミングでノックが鳴った。

 

 

「失礼致します、連合艦隊司令長官 山本達秀です。傘下の将校を収集して参りました。」

 

 

「ああ、待っていたよ。」(永野)

 

 

「山本、五分遅刻だぞ。」(南雲)

 

 

「申し訳ございません。」

 

 

「まあいい、さっさと始めよう。」

 

 

「はい。」

 

 

そう言って、南雲は席に着いた。

 

そして山本長官(その他)もそれに倣う。

 

 

 

「さて、そろそろいい加減に決着を付けてくれたまえ、艦娘を保護すべきか、それとも兵器として扱うべきか。……言っとくけどこの議論もう二十三回目だよ?」(永野)

 

 

「……はぁ……分かっています。」(南雲)

 

 

「勿論です、艦娘に人権は必要だと証明して見せます。」(山本)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして話は冒頭へと戻る。

 

 

 

 

「私は、艦娘の人権を認めるべきだと思います!そもそも彼女達に人間と同等の権利を与えていない事が既におかしいのです!」

 

 

「意見が浅い!貴様らは道具共に人権など持たせればどんな問題が生じるか分かっていない!」

 

 

「意見が浅いのは貴方の方だ! まずは彼女達を人として扱い、その上で人権を与えるかどうかを決めるべきです!」

 

 

「黙れ小僧共!! 艦娘など所詮は消耗品だ!確実にいなくなる時が来る!そんな物にいちいち情を掛けてもキリが無いわ!ならば最初から使い捨て前提で運用する方が合理的だろうが!!」

 

 

「合理性の問題ではないと言っているんだ!! 確かに我々は軍人であり、命をかけて戦う立場にある、しかしそれは我々だけが背負っているものではない筈だ!!!」

 

 

艦娘擁護派と軽視派、何方も譲れぬ信念が有り、議論は更にヒートアップして行く。

 

 

「……誰か…胃薬を…」

 

 

そんな中、立場的に中立で居なければならない永野元帥は、胃痛に悩まされていた。

 

 

 

しかし、そんな彼を置いてきぼりにする程、議論は加熱する。

 

 

 

「そもそも何故貴方達は彼女たちを大事にしないのです!?貴方達程の指揮官であれば、艦娘と関係を築きながら戦果を挙げることなど容易なはずです!」

 

 

「黙れ!

 

……確かに貴様らの言う通り、俺達なら道具共と信頼関係を築くことは容易いし、戦果を挙げる事も出来る。

 

 

俺達も貴様らの様な歳の頃は実際にそうしていた!

 

 

だが!

 

 

どれだけ強い信頼を築こうが、どれだけ練度を上げようが、どれだけ良い作戦指揮を取ろうが、死ぬ時はあっさり死ぬ!

 

 

それは僅かな不信感や、僅かな油断、そしてほんの少しの予測出来ないことですら起きうる!

 

 

それが積み重なった時、待っているのは不信感によって命令を聞かなくなった道具だけだ!

 

 

実際に命令を聞かなくなり、無断出撃によって沈んだ奴など腐るほど見て来た!

 

 

だからこそ俺は艦娘を信用せんし、道具としてしか扱わんのだ!

 

 

いくらでも替えが効く存在を、何故わざわざ大切にする必要がある?

 

むしろ恐怖で支配し、死なない程度に酷使した方が、奴らも必死に戦い、戦果を上げるぞ。」

 

 

南雲の言葉に、山本達艦娘擁護派は言葉を失う。

 

 

彼の言っている事は正しいのかもしれない。

 

 

実際、彼が着任した事のある鎮守府では、南雲の立てた作戦指揮により、轟沈はおろか大破さえ滅多に無い。

 

 

それは今現在着任している横須賀鎮守府でも同じだ。

 

 

確かに彼のやっている事は実際かなり酷い、だが彼は現にその理論を唱えるようになってから1隻の轟沈も無く結果を出し続けている。

 

 

その事実が、南雲の理論を肯定してしまっている。

 

 

「……ですが、それでも……彼女達には心がある……」

 

 

「ああ、そうだな、道具共にも意思はあるな、だが、だからなんだと言うのだ?」

 

 

「は?」

 

 

「そもそも、だ、仮に道具共に人権を与えたとして、貴様らは何がしたい?」

 

 

「……それは…」

 

 

南雲の質問に、山本達は答えられない。

 

 

 

 

そんな艦娘擁護派を尻目に、軽視派の秘書艦達にこう話す。

 

 

「……大淀、鹿島、蒼龍、龍驤、今この場でのみ発言を許可してやる、質問に答えろ。」

 

 

「「「「は、はいっ!」」」」

 

 

急に指名され、慌てる彼女たちだったが、すぐに背筋を伸ばし返事をする。

 

 

 

「……俺の傘下の提督はお前達にはまともな飯を与え、風呂を与え、鎮守府と言う拠点も与え、睡眠時間も有り、友も居る、姉妹が居る者もいる、会話が出来、どんな思想を持つことも許され、逆らいさえしなければ暴力も飛んでくることは無く、対価としてすることはお前達が心から望む深海棲艦との戦いのみ。

 

 

 

 

……さて、少なくとも俺の傘下の鎮守府は充分人道的、人権的であり、かなり恵まれていると思うが、何か不満や改善点はあるか?無論組織レベルの話で、だ。」

 

 

「「…………」」

 

 

南雲にそう聞かれた大淀達は、何も言えないまま俯いてしまう。

 

 

 

そう、南雲配下の彼女達は皆、南雲の方針に一切文句は無い。(暴力を振るう方針は除く)

 

 

何故なら、彼女達の望みは全て叶えられているからだ。

 

 

食事は三食お腹いっぱい食べられる。

 

風呂は毎日入れる。

 

寝床は清潔なものが用意されている。

 

軽い娯楽施設もある。

 

服だって支給される。

 

艦娘同士の交流もあり、休日も貰える。(外に出れるとは言っていない。)

 

しかもそれら全てが鎮守府に配属された瞬間から与えられる。

 

 

 

"人権"を持っているはずの人間側にここまで待遇の良い環境なんて見たことも無い。

 

 

 

「……で、当事者の艦娘本人達からの証言も出したが、まだ反論は有るか?」

 

 

これまでの話を総括した南雲は、山本達艦娘擁護派にそう問いかける。

 

 

 

「……私達は未だ諦めません、必ず達成してみせます。」

 

 

 

「……そうか、もういい、これ以上は時間の無駄だ、俺達はこれでも忙しい身でな、帰らせて貰う。……大淀、早く来い。」

 

 

「…は、はい」

 

 

しかし、尚も食い下がる艦娘擁護派に対し、南雲はそう吐き捨てると、大淀を連れて部屋を出ていった。

 

 

 

「……私も帰らせて貰うよ、そろそろ胃が大破しそうだ。」(永野)

 

 

そして永野元帥も、胃を押さえながら執務室から出ていく。

 

 

こうして、今回の議論は終了した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかしその日の夜、艦娘軽視派の高級将校達の命令を受けた陸軍特別憲兵隊が、艦娘擁護派の鎮守府を同時多発的に襲撃し、擁護派の提督を数名逮捕するという事件が発生した。

 

 

不当な逮捕だとして、それぞれの鎮守府に所属していた艦娘達から抗議が相次いだが、それらは大本営へと届く前に全て軽視派の将校達によって握り潰され、結果的に艦娘擁護派は大きく力を削がれることになる。

 

 

そして、この事件をきっかけに、海軍内の艦娘軽視派と擁護派は完全に分裂、後に艦娘を巻き込んだ内部抗争へと突入する。

 

 

 

 

ちなみにこの報告を受けた永野元帥がストレス性胃潰瘍を発症して倒れ、緊急搬送されるという事件も起こった。

 

 

 







展 開 は い つ も 唐 突 に。


という訳で次回より海軍内部抗争編、はーじまーるよー。


そう言えばなのですけど(急)先日頂いた感想にて南雲さんは弱い人間だと書いてあったんですが、
ああなるほど、だから私は南雲さんが嫌いなんだなって納得しました。要は同族嫌悪ですね。(多分)


まぁそんな事はさて置いて、今以上の地獄を見てみたい方や、可哀想は可愛いと言う私の様なイカレ変態紳士の皆様方は、次回を楽しみにしておいて下さい!良いですね!?


この作品はストップが掛かったりするまで、回を進めていく事に悲惨な事に成りますので、やり過ぎだと思う方はどうぞ私の感想欄に突撃して下さい☆


特に何も変わりせんが、一つ一つ丁寧にラッピングして返答させていただきます。


ん、なになに?士官学校を飛び級で卒業するような奴が階級章を読めないなんてことないだろ…?……ま、まぁ優秀な奴が上官に敬意を持つとは限らないし、何ならちょび髭閣下の命令さえ無視するようなやつも居るから……(某魔王大佐のwikiを見ながら)


因みに言っておきますが、私は艦娘が大好きです、特に加賀さんとか大和とか鳳翔さんとか金剛とか可愛いですよね。大好きです。


…全然関係ない話ですが、私はちっちゃい時から好きな玩具は壊れる迄使っていました。

それでは。

曇らせ成分って………皆足りてないよね?

  • ちょっと何言ってるか分からない(多い)
  • 塩分過多(ちょっと多い)
  • まぁ……普通ですね。
  • そうだよ(便乗)(ちょっと足りない)
  • そうだねお母さんもそう思うよ(足りん)
  • 曇らせ気持ちイィ!!(中毒者)
  • 3分間待ってやる(はよ更新しろハゲ)
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