旧日本軍もビックリなパワハラ提督が着任しました。 作:湯タンポ
どうも、異状性癖持ちの湯タンポです☆
さて、今回は前回言った通り番外編?みたいな物です。
その名も、もしあの時○○だったらシリーズです!
そのまますぎると言う褒め言葉は置いといて…今回は 、『もし加賀さんがもう少しだけ耐えられたら』、と言う内容です。
要はルート分岐ですね〜。
ではどうぞ(鼻ほじ)
私はそれから毎日、提督に暴力的な行為を受けていた。
殴る蹴るの暴行や暴言は当たり前、意識が完全に飛ぶまで、頭を床や壁に打ち付けられたり、背中に焼きごてを押されたこともあった。
傷を受けなかった場所は、胸と下腹部位で、それが暗に"お前に女としての価値など無い"と言われているようで逆に悔しかった。
そして、ドックに入渠すれば怪我は治るとは言え、痛みが無くなる訳では無いので、当然夜はまともに眠る事など出来ず、睡眠不足に陥り、更には恐怖によるストレスにより、私の精神は徐々に擦り切れて行った。
だけど、私が我慢しさえすればあの子達を助けられると思って、私は必死に歯を食いしばってこの日々に耐えていた。
そんなある日、私は久し振りに赤城さんと食堂に一緒に来ていた。
(……久しぶりに赤城さんとご飯を食べれるのはいいのだけれど……やっぱり、あまり味を感じれない。)
そんな事を考えていると、不意に隣から声をかけられた。
「加賀さん、最近顔色が悪いけど大丈夫ですか?何かあったら相談に乗りますよ。」
「ありがとうございます、赤城さん、でも特に何もありませんので心配しないで下さい。」
私はなるべく平静を装いながら返事をした。
「そうですか……なら良いのですが……それにしても、間宮さんのご飯は美味しいですねぇ〜。」
「ええ、本当に。」
『良いですね赤城さんは、何も考えず私の前で美味しそうにご飯を食べれて……私の気も知らずに。』
…待て、私は今何を考えた?
赤城さんは何も悪くないだろう。それどころか心配してくれる赤城さんの言葉を振り払ったのば私でしょう?
なのに、何故こんな感情を抱くのだろう。
「……さん………加賀さーん、どうしたんですかボーッとしちゃって。お腹いっぱいになっちゃいましたか?」
「あ、いえ、すみません。少し疲れているのかもしれませんね。」
「確かにここのところ出撃続きでしたものね……無理せずゆっくり休んでください。」
『休むって、呑気な物ね、私が提督に休みも無しにどんな扱いをされているか知りもしない癖に。』
……だから私は何を考えて……
(気付いていないフリはやめなさい、貴女《私》は本当はそう思っているはずよ)
…違う…!
そんな事思ってなんかない!そんな事あるわけがない!
「加賀さん?」
「あ、はい、なんでしょうか。」
「い、いや、なんだじゃなくて、部屋に戻りましょうって言ったんですよ。」
「え、えぇ、そうですね。戻りましょう。」
私は急いで食事を済ませると、足早に自室へと戻った。
―――
部屋に戻るとすぐに布団に入り、目を瞑った。
しかし、いくら時間が経っても一向に眠気が襲ってくる気配はない。
「くっ……なんで…!」
私は思わず枕を殴りつけた。
何度も、何度も、何度も。
「うぅっ……」
すると突然涙が出てきた。
「どうしてっ……いつも……私が……!」
涙は止まらず、嗚咽混じりの声が出てしまう。
「……もう、嫌……なんで、わたしばっかり…!」
『嫌なら全て赤城さんや五航戦の子に押し付ければ良いでしょう。』
「ちが……そう言うこと……言ってるんじゃ……なく……て……」
『そう言うこと言ってるのよ。結局の所、自分が辛い目にあうのが怖いからそうやって逃げてるだけでしょう?貴女《私》は。』
「だから…違くて、私はただ皆にあの地獄を味合わせたく無いだけで…!別に逃げたいだなんて思ったことは一度だって無いのに……!」
『でも自分が痛い思いをするのは嫌だって言ってるじゃない。
……辛いなら何時でも赤城さんに提督にされた事を言えばいいのよ?
……そうしたら皆仲良く南雲提督による"教育"を受けることになるけれど。』
違う、惑わされるな、これは自分の中の悪魔だ。
この悪魔の囁きに耳を傾けてはいけない。
「黙りなさい…!」
『あら、図星突かれて怒ったのかしら?』
「うるさいっ!!」
『落ち着きなさい、段々と余裕がなくなってきてるわよ?』
「落ち着いていますっ!!」
『嘘つきは泥棒の始まりと言う言葉を知らないの?』
「貴方に言われたくない!!」
『あら、私は嘘なんてこれっぽっちも言ってないわ、貴女《私》が心の奥底で思っている真実を伝えているのだけれど。』
「私は何も思っていない!!私は、私は、みんなの為に、みんなが提督の"教育"を受けなくていいように…!」
「……あ、あの、加賀さん?先程から誰と話しているのですか?」
不意に声がかけられた。
声の主は赤城さんだった。
「ぁ……赤城……さん?ど、何処から聞いてました……?」
「えっと……その……加賀さんの様子がおかしかったものですから……その……心配になって……その……えと……ごめんなさい……、割と最初の方から……です……。」
終わった。よりにもよって一番聞かれてはならない人に聞かれてしまった。これで全てが終わる。
…いや、良く考えれば核心的な事はほとんど言っていないし、まだギリギリごまかせるのでは無いだろうか?
「…あ、赤城さん、今のは……独り言ですので気にしないで下さい。」
「……そ、そうなんですか!?びっくりしましたよ〜!」
「ええ、驚かせてしまってすみません。」
「いえいえ、大丈夫ですよ。それより加賀さん、何か悩みがあるんでしたら相談に乗りますよ?」
「いえ、大丈夫ですので、お構い無く。」
「そうですか……なら良いのですけど……」
赤城さんはまだ何か言いたげだったが、これ以上会話を続けるのは不味いと思い、私は再び布団へと潜り込んだ。
私が限界を迎えたのは、その次の日だった。
ー
その日、私や赤城さん、翔鶴、瑞鶴には出撃命令が出されていた。
無論私達は敵主力艦隊を撃滅させ、帰投したのだが、問題はその後に起こった。
「なんか、最近加賀さん暗いけど……どうしたんだろうね?」
「さぁ……どうしたんでしょうね……」
「まぁ、その内話してくれると思いますよ。」
「……そうかな…?何か、今話しておかないと良くない事が起きる気がするんだけどなぁ……」
五航戦の生意気な方《瑞鶴》や、赤城さんたちが話す内容に気が着く事も無く、私は小さくため息をついた。
今日は生意気な方が大破してしまったのだ。
(……また、提督からこっぴどく"教育"されるのかしら……)
『それなのにこの子達は、貴女《私》が提督から受けている暴力なんて知りもせずに、ぬくぬくと美味しいご飯を食べて、さぞ悠々自適な暮らしをしているのでしょうね。』
っ……!そんな事、私は考えて無い…!
「……あの、加賀さん、ホントに大丈夫?何時も私に言ってくる皮肉も無いくらいに、元気無いよ?」
それは今の私に言ってはダメな言葉だった。
瑞鶴のそんな言葉を聞いた時、私は目の前が真っ赤になり、自分の中の悪魔に囁かれるままに言葉を吐いてしまった。
『「誰のせいだと思っているの?何も出来ない五航戦の子は黙ってなさい!」』
「……ぇ?」
私の口から発せられた言葉で、赤城さんや五航戦の二人が目を見開いて固まっていた。
「……あっ……ちがっ……ちがう……私は……こんなこと……思って……」
慌てて弁解しようとするが上手く口が回らない。
「…い、いくら何でも酷いよ…加賀さん……わ、私はホントに加賀さんが心配だっただけで……!」
『五航戦の子は随分と都合のいい口を持っているのね、普段は憎まれ口ばかりの癖に………でもこれで少しは清々したんじゃないかしら?貴女《私》』
「だから……違くて……!」
『違く無いでしょう?貴女は本当はずっと思っていた筈よ、こいつらが居なければ、私だけが提督に"教育"という名の暴力を受けることは無かったはずでしょう?』
「違う……違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う!!!!」
私は、悪魔の言葉を頭を振って否定する
『ほら、もう認めてしまいなさい、貴女《私》の本心を!』
「うるさいっ!!黙れっ!!黙りなさいっ!!そんな事思ってない!」
『貴女はただ皆が羨ましいだけなんでしょう!?
貴女《私》が提督からの"教育"を受けている間、皆は安全な所でのうのうとしているのが許せないんでしょう!?』
「違う……私は……みんなが……みんなが無事でいて欲しくて……だから…私が皆の代わりに…!」
「加賀さん……一体何を言ってるんですか……?明らかに今の加賀さんは可笑しいですよ…! どうしたんですか…?」
「あ、赤城さん、ち、違くて!その、そんな事本当は思って無くて!」
赤城さんに話しかけられた事で、更に焦ってしまう。
そして、その隙をついて悪魔は私に囁きかけてきた。
『「一体貴女達に何がわかるのかしら?いつも美味しそうな料理を食べれて、暖かい布団でぐっすりと寝られて、提督の"教育"を受けなくて済んでいる貴女達には、絶対にわからないの!!」』
……言ってしまった。一度言ってしまいさえすれば、後は堰を切ったように次々と私の醜い心の内が出てくるだけだった。
『「私は毎日殴られ蹴られ罵声を浴びせられる日々を過ごしているのよ!?」』
「どうしてそれを…相談してくれないんですか…加賀さん……」
「そ、そんな事……されてるの…?」
赤城さんや五航戦が何か言っているようだったが、半分パニックに陥っている今の私には何も聞こえなかった。
『「私が!どんな思いでこんな日々に耐えているかなんて!誰もわかってくれやしない! 私が!私が!私がどれだけ苦しんでるかなんて!誰にもわかりっこ無いのよ!!!!」』
気付いた時にはもう遅かった、私は取り返しのつかない事をしてしまったのだ。
「…ぁ…ちが……わた……しは…………ごめんなさい!」
私はその場から逃げ出した。後ろから赤城さんや五航戦の二人の声が聞こえるが、私は振り向かずに走った。
走って、走り続けて、気が付けば私は、自分でも知らない場所に辿り着いた。
そこは海が見える崖の上だった。
鎮守府の外では無いのだろうが、こんな場所は長年此処に居る私でも知らなかった。
私はその場に座り込み、膝を抱え込んだ。
『やっぱり本当はあんなふうに思ってたんじゃない。』
座り込む私に、悪魔が隣に現れてそう言った。
「……えぇ、そうみたいね。」
『認めるのね?』
「……そうね、私はあの子達が憎かった。あの子達の幸せを見てると無性に腹が立った。」
私は自嘲気味に笑いながら答えた
「…私が苦しくて泣きたい時も、あの子達は幸せそうに笑うから。
なんで……なんで私だけって…ずっと思ってた。」
『なら、楽になってしまえば良いのに。』
「……それは出来ないわ、だって私は……提督の事が嫌いだけど、好きだと思うもの。」
『…………………は、はあ?』
悪魔は私の言葉を聞いて素っ頓狂な声を上げた。
「……何よ、貴女が聞いてきたんじゃ無い。」
『いや、あの、もしかして頭が可笑しいのかしら?貴女、提督に暴力を振るわれているのよね?』
「ええ。」
『それが辛くて苦しいって泣いてたわよね?』
「えぇ、確かにそうね。」
『なのに好きっていうのはどういうことかしら?貴女の思考回路が全く理解できないわ。』
「あら?貴女《私》の癖に分からないのかしら?
……私は、この横須賀鎮守府に着任してから十年になるわ。いわゆる最古参の一人なの、今の赤城さんだって二人目よ。
だから、良い提督も悪い提督も見てきた。
…でも、どの提督も共通して、私に興味を示さなかった。
いえ、正確にはすぐに興味を失った。
良い提督は皆から好かれ、駆逐の子や軽巡、重巡の子達、大型は瑞鶴や翔鶴、大和と言った"分かりやすい"子達とばかり話すようになっていった。
悪い提督も、私のような反発勢は適当に丸め込んで、順々な子達ばかりを周りに置いていた。
……まぁ、私の性格や口調、そしてズカズカと意見具申する態度が面倒くさかったのでしょうけどね、"一航戦の頼りづらい方"…なんてあだ名までつけられて。
……でも、今の提督…南雲提督は違った。
確かに失態を犯したり、提督の方針に逆らったりすれば、暴力を振るわれるし、酷く怒られる。それはすごく嫌。
けれど、成果を挙げれば『そうか、良くやった』と褒めて下さるし、意見具申をしても、筋が通っていればきちんと検討してくださる。
…どちらも、今まで私には向けられなかったものだったから、凄く……嬉しかった。
ただ、それだけの事。」
『……なんか…拗らせてるわね、貴女《私》。類は友を呼ぶと言うやつかしら。』
悪魔が何か失礼な事を言っているような気がしたが、スルーした。
気が付くと、いつの間にか日が落ちていて、あたり一面が真っ暗になっていた。
崖の下の海は暗闇で何も見えず、少し不気味な雰囲気だった。
『……数歩進むだけで楽になれるわよ。
さっきの醜態も、提督からの教育も、全てを無にできるわ。』
「……そうね、それも…悪くないかもしれない。」
『なら早く行きましょうよ。ほら、立って!』
悪魔に急かされ、私は立ち上がった。
そして一歩踏み出した。
『お疲れ様』
…ありがとう。
ボチャッ
悲劇
……これがグッドエンドとかこの小説終わってんな(作者)
という訳で次回は本編……と行きたかったんですが、その前にこの作品のハッピーエンド()を見せてから本編に戻りたいと思います。
それではまたの。
『たった一つの死は悲劇だが、100万の死は統計に過ぎない。』――ヨシフ・スターリン
曇らせ成分って………皆足りてないよね?
-
ちょっと何言ってるか分からない(多い)
-
塩分過多(ちょっと多い)
-
まぁ……普通ですね。
-
そうだよ(便乗)(ちょっと足りない)
-
そうだねお母さんもそう思うよ(足りん)
-
曇らせ気持ちイィ!!(中毒者)
-
3分間待ってやる(はよ更新しろハゲ)