Fate/Standby Night Simple Blade Works 0
深夜
魔術師遠坂凛は自身の調子の良い時間帯、
即ち午前二時ぴったりになるよう召喚を行うのだった……
魔法陣の引かれた地下室にて
「素に銀と鉄。
礎に石と契約の大公。
祖には我が大師シュバインオーグ。
降り立つ風には壁を。
四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」
「閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。
繰り返すつどに五度。
ただ、満たされる刻を破却する」
「―――――Anfang(セット)」
「――――――告げる」
「――――告げる。
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。 聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」
「誓いを此処に。
我は常世総ての善と成る者、
我は常世総ての悪を敷く者。
汝三大の言霊を纏う七天、
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」
自身の全力、全魔力回路、全エーテルを用いて行われた召喚はどう考えても大成功のはずだったが、
「はい……?」
何も召喚されなかった。
消費した魔力も大きくやや気落ちしていると、
ドカンと天井をぶち抜くような音と共に
激しい揺れが凛を襲った。
「何なのよ、一体!!」
地下から駆け上がる。
そして歪んでしまったドアを蹴破り居間に辿り着くと
そこには
屋敷の木片、外から降り注ぐ光、散乱した家具の山に座る謎の男が居た。
「やれやれ、懐かしい魔力を感じて来てみればとてつもなく乱暴な召喚だな、遠坂凛」
偉そうに座る赤い外套の男は何故か名前を知っていた。
だが、
「何故わたしの名前を知っているのかと聞きたいけど、アンタ、なに」
そう言うと待ってましたとばかりに男は立ち上がり、
「ではご期待に応えて」
腕を組んで高らかに言い放った。
「私はこの土地、冬木の守護者にして
ご当地英霊、その名も大英霊エミヤである!!
そして、凛!
君のサーヴァントでもある!!」
「えええええええぇぇぇぇ!?!?!?」
開いた口が塞がらないとはまさにこのことだろう。
このサーヴァント、エミヤって言わなかった!?いやまさか、衛宮君と関係性が、
ていうか冬木のご当地で守護者〜!?
?????
凛の頭の中は疑問符で埋め尽くされていたが、
「い、幾つか質問させてもらうけど」
「別に構わないが、何かな」
「何かなって……まず貴方の真名はエミヤってどういう意味なのかしら」
「何も、その言葉通りだぞ、凛。
正確には私の真名はエミヤシロウ。
君も知っているはずだ、あの赤毛の」
「はあァァァ〜!?!?!?ほんとにあの衛宮君???」
言われてみれば髪色は真っ白だけどそのままだし、褐色の肌はともかく彼の眼は見覚えのある琥珀色だ。
「如何にもと言いたいが恐らく別の、平行世界かもしれない。この時期の私は既に冬木でご当地ヒーローをやっていたからな」
「で、でも仮にご当地ヒーローをやっていたとしても時期が合わないじゃない」
「凛、英霊は過去未来時間軸に囚われず座さえあれば召喚できるだろう。この時点で言えば私は未来から召喚された英霊だ」
「じゃあ、ご当地って言う割には知名度は無しってことじゃない!!」
「チッチッチ、甘いな凛、対策はある」
そういうエミヤはやや力むと手に青白く輝く棒をいくつか取り出した。
それからは高濃度のエーテル、神秘が感じられた。
「その棒が対策手段なの?」
「ああ、この棒は私が創り出したエミヤシリーズの中でもかなりの汎用性を誇る『無剣エミヤ』またの名を『エミヤン棒』!
これを中継地点として座から信仰を送信することができる!!あと食べれるぞ。」
「創り出した??え、食べれる??ていうか
座に接続してるの???」
「質問されていないがついで言ってしまおう。私は生前オリジナルの宝具、剣を創るために鍛冶をしたり、料理をしたり、雑貨屋をしてたこともある。これも全て正義の味方、いや、大英雄となるためだがね」
「鍛冶で剣を造ってた?
じゃあ貴方もしかしてセイバーなの!?」
ヤッター、凛ちゃん大勝利ッ!!
「……すまない、アーチャーなんだ」
やや長い沈黙の時が流れた……
「いえ、ともかくこれからよろしくね
エミヤ君、いえアーチャー!」
「別に言い直さなくても、いや、聖杯戦争だったな、では、
こちらも期待に応えるとしようマスター」
省略してる部分は多めです。
基本的にシリアスではなくギャグな作品です。