大英雄エミヤ   作:天井 静兼

3 / 5
VSランサー


Fate/Standby Night  Simple Blade Works 1

聖杯戦争は既に始まっている。

流石に昼間から交戦することはないが、

サーヴァント同伴のもと、平日の高校へ向かう凛だった。

 

しかし、いつの間にか自分の通う学校に準備段階くらいの結界が貼られていたのだった。

 

そして放課後、校内あると思われる結界を探すのであった。

 

「……まいったな。これ、わたしの手には負えない」

 

散々校内を探し回った挙句、七つ目の、

屋上に見つかった起点となりうる刻印は見たこともない文字で構成されていた。

 

「アーチャーこれ解る?」

すると念話で言葉が返ってきた。

[凛、その前に]

 

「なんだよ。消しちまうのか、もったいねえ」

 

唐突に何者かの声が響き渡る。

 

「まさかサーヴァントッ」

「て言う事は、お嬢ちゃんはオレの敵ってコトでいいのかな?」

[ここでは凛が危ない、一時回避だ、行くぞ凛]

「エミヤ君!?」

即座に霊体化を解除し実体化。そのまま凛抱えて学校のグラウンドへ出る。

「へっ、あの英霊なかなか良い脚してやがる」

 

そして凛を守るように仁王立ちするアーチャーと対峙をする青身の槍を持った男。

 

おそらく

 

「ランサーの、サーヴァント!!」

「如何にも。アンタのサーヴァントはセイバーって感じじゃねえな。何者だてめえ」

「ふっ、君もかランサー、どうやら私は期待に応えなければならないようだな」

 

「何だとッ?」

「まさか、アーチャー」

 

「私はこの冬木出身の大英雄、大英雄エミヤであるッ!!!

ついでにアーチャーのサーヴァントでもある!!」

 

堂々とドヤ顔しながら自身の真名を言い放った。

 

「このバカは〜」頭を抱える。

「……は?こいつ正気か」

だが聞いたこともない名前でもある。

当然、未来の冬木の英雄なのだから。

 

「エミヤ君どういうつもり!」

「いや別に、ここでランサーには倒れてもらうつもりだから、良いかなって」

困り顔で凛に言う。

 

はぁ~、と溜息をしたあと、キリッとしてから凛は言う。

 

「じゃあ、アーチャー。貴方の力、ここで見せて」

「!フッ、任せてくれたまえマスター」

 

「オレを倒すだと?いいぜ、まずはエモノを出せよアーチャー」

 

「生憎私は単なる弓を持っていなくてね、こんなものしかないが」

手元が光る、

 

そして現れたのは二刀の曲剣。

 

「はっ、弓兵が剣士の真似事とはな!!!」

急接近するランサー、その神速の槍使いを

曲剣で捌く、捌く捌く!!

そして、強めの一撃にランサーは吹き飛んだ。

 

やや距離を放すと、これを好機と捉え、

「真名開放ッ!『弓曲剣エミヤ』!!!

無剣エミヤ連続発射ァ!!!」

 

ピュピュピュピュピュピュピュピューン!!

青白い棒を、曲剣が連結してできた弓で撃ちまくる。

 

大体100本直列繋ぎしたら瞬間的出力が聖杯並の馬鹿魔力棒を撃ちまくったのだ。

 

「トドメだ、ブロークンファンタズム」

「ちょちょちょ、ちょっと!!エミヤ君

学校が、」

「あ」

核でも撃ち込まれたんじゃないかというくらいの爆発を起こす。

瓦礫と砂埃、あとだったものが散らかる。

 

学校は消し飛びました☆ミ

 

「……えっと、まぁなんだ。学校にあった結界をなくなったようだし、結界オーライじゃないか」

 

「クソっ死ぬかと思ったぜ」 

「む、ランサー生きていたのか」

 

「何が、む、だ!!馬鹿みたいな矢をバカスカ撃ちやがって」

 

「ならばランサー、あえて言おう近接戦闘しか出来ない君に勝ち目はない。あと知らなかったのか、撃ったのは矢ではなく棒ということは自明の理」

「なにッ」

 

「この国にこういう言葉がある。

犬も歩けば棒に当たる、だ。

解るかケルトの光の御子クー・フーリン」

 

「!!!よくぞ言った、知っていてそのような口が聞けるとはな。な、何?本気を出しても良い、だと!?令呪!どういうつもりだマスター、だが!!」

(内訳:だってサーヴァント出揃って無いのに

学校丸ごと消し飛ぶとか意味がわからないじゃん。

後処理どうしよう;;)

 

ランサーが後ろに下がる。

 

「この一撃、手向けとして受け取るがいい」

 

全力疾走からの跳躍、槍に赤黒い死の魔力が纏わりつく。

 

「突き穿つ死翔の槍 (ゲイ・ボルグ)!!!」

 

投槍が寸分違わずアーチャーの心臓目掛けて飛翔する。

 

「エミヤ君!!なんで挑発したの!!」

「凛ッ!!これを付けろ!」

ミサンガが4つ程投げ渡される。

「私も付けている御守だ、

さらに真名開放『弓(究)曲(極)剣エミヤ』!!!」

弓と化した剣が回転し円を描く。

剣の盾だ。

 

槍と拮抗し、

 

だが、

 

「くっ、私としたことが」

 

剣が砕けた。

 

「馬鹿が!!!マスター諸共消し飛べ!!」

「エミヤ君!!!」

 

(因果逆転の呪いの槍、しかし!!)

 

 

スッ(エミヤが槍を避ける音)

 

 

スッ(凛が槍を避ける音)

 

 

「は?」

 

パシっ(複雑な軌道を描いて戻ってきた槍を受け取る音)

 

「どういうことだ???因果逆転の我が必殺の槍を避けるだと!!!」

 

「簡単な話だクー・フーリン、それを避けられるだけの幸運が私にはある」

 

「しかしどうだ。君には避けられるか!!」

 

宝具を呼び起こす。

 

「錬鉄開始、『邪剣エミヤ』!!!」

先程目にした槍の魔力に似た赤黒い刀身の剣が現れ、濃厚な死の気配が漂う。

「行け、剣は飛ぶものだ!!!」

負けじ劣らん程の魔力を帯びたソレを投げ放つ。

 

「き、貴様あああああああ!!!」

無論幸運が低いランサーに避けられるはずもなく、一直線に心臓串刺し。

 

「ありがとうクー・フーリン、念には念を入れて、ブロークンファンタズム」

先程の学校よりも派手に爆発した。

 

「どうだ、凛。私の実力は」

「すごいのは分かったわ。でもちょっとやりすぎかもね」

 

学校全損。グラウンドも正門も消し飛んだのだった。

 

「あ、あと凛」

「何かしら」

「言いにくいのだが……

正門のちょっと先で伸びている彼を治療してはくれないか?」

「それはどういう、て!!あれもしかして衛宮君!!」

「い、いや、今になって思い出したがこの時間帯に私も学校に居たようなと」

「前言撤回、かなりやり過ぎだわ貴方」




やったね凛ちゃん、撃破だ!!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。