大英雄エミヤ   作:天井 静兼

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VSセイバー


Fate/Standby Night Simple Blade Works 2

〜前回のあらすじ〜

史上最強の冬木のアーチャーは青タイツのランサーを撃破した。

ついでにマスターの通う学校も破壊。

意図せぬところで自分殺し(瀕死)までしてしまうのであった。

 

「凛、彼を治療できたか?」

「ええ、できたのはいいけど、貴方も治療できる宝具を持っているのよね?

それ、使えばいいじゃない。

父の形見のペンダントはもうスッカラカンよ」

「いや、私の歴史では君のペンダントが重要な触媒でね。自分の聖杯戦争のとき召喚されたアーチャーはこれが触媒になったらしい」

 

「もう頭こんがらがってきた、まるで卵が先か鶏が先か、ね」

「だが私としてはこれ以上英雄エミヤにはなって欲しくはない。自分で言うのはなんだか、私以上のエミヤは多分現れないだろう、間違いなく。私が最強だ!!」

「ほんとアンタポジティブよね~」

 

治療を終えて凛は立ち去ろうとするが、

 

「待て凛」

「何よエミヤ君」

「私にいい考えがある」

「嫌な予感がするんだけど」

 

エミヤはこれまでの記憶、自身の体験した聖杯戦争、なんか夢で見たことある平行世界の自分、あと思い付きによる作戦を考えていた。

 

名付けて

 

「セイバー同盟補完計画ですってぇぇ!?」

 

「そうこの場にいる衛宮士郎、士郎少年は聖杯戦争の知識に疎く、なんならサーヴァントも召喚していない。

しかもセイバー、あのアーサー王が確定召喚できる逸材だ!!

平行世界の自分には悪いがセイバーゲットのための礎になってもらおう!!」

 

「アンタちょっとそれって自分を騙くらかすってことじゃない!?

仮にそんなことしても聖杯から知識を得るはずのセイバーのサーヴァントが黙っているわけない!!」

 

「チッチッチ、甘いな凛」

何この感じ、デジャブを感じる

 

「錬鉄開始、『神剣エミヤ』だ。この宝具を使って召喚してまもなくセイバーを捕獲すれば、晴れて念願のセイバーのサーヴァントをゲットできるという訳だ!!

良かったな、凛!!!」

 

「どうしてそうなるわけ!!??」

 

「簡単な手順なのでそこの士郎少年が起きる前に話そう」

 

「まず少年の家に行く、これは私の実家も同じなので迷わない。

 

次に彼に詠唱を教えて召喚してもらう。

この際私はこれをすると正義の味方になることができるとか何とか言う。

 

実際なっているので嘘ではないだろう。

 

最後に出てきたセイバーに神剣エミヤの神秘無効効果で契約を解除、

 

君の願いを私達と一緒に叶えよう!!

と説得して再契約を結んでもらう形だ。

 

どうだ簡単だろう」

 

「詐欺じゃないのそれ、

でも、もしセイバーが説得に応じなかったら?」

 

「その時は仕方がない」

 

まさかころころするのか!?

 

「無剣エミヤを使って、洗脳……じゃなかった、お話をするまでだ」

 

「……貴方もしかしてかなりグレーな存在?」

 

正義の味方じゃなくて大英雄ってそういうこと???

 

「いや、この方法は恐らくサーヴァントにしか通用しない。安心したまえ凛」

 

「ならランサーも仲間にすればよかったじゃない?」

 

「本当は仲間にするつもりだったんだか、

つい興が乗ってしまってやりすぎてしまった。

カッコつけすぎてすまない。

だが後悔はない。

おっとそろそろ目覚めそうだ」

 

〜〜〜〜

 

「う、ううん、確か俺はグラウンド何かを見ていたような、いや、アレ?」

 

目が覚めたが辺りに何も無いことに気がついた。

 

「!!!どうなってるんだ、学校は、いや俺は!?!?」

 

「目が覚めたようだな士郎少年」

 

「!?誰だ!」

 

「良かった衛宮くん、無事だったのね」

 

「遠坂!?」

混乱する衛宮の近くには学校の同級生である遠坂凛と謎の赤い外套の男がいた。

 

いや、あの男は

「さっきグラウンドで青い男と戦っていた!?」

 

「如何にも、私はこう見えても正義の味方でね、悪の青い男

「殺戮槍獣ゲイボルギーニ」がこの冬木の街でテロを起こそうとした。

それを阻止するための闘いがあったのだよ。」

 

「正義の味方??だけど学校はどうしたんだ!」

 

「ヤツが繰り出した危険かつ獰猛なワザが見せしめに学校を破壊し、こうなりたくなければ俺の邪魔をするなと言っていた、すまない」

 

「そいつは何処へ、そんな悪い奴を野放しにはできない!!」

 

「いや、倒した」

 

「は?」

 

「ヤツと死闘を演じた私はこれ以上の被害を増やさないために全力を出し切ってなんとか倒すことができたのだ」

 

「あんたは一体!?」

 

「ふっ、聞かれたのなら応えるとしよう」

あ、まーた始まった

 

「私の名は大英雄エミヤ、

 

またの名を冬木の守護者だ、

 

士郎少年」

 

「俺と同じ名前!?」

 

「そのことについては貴方の家に行ってから話すことがあるの、さあ行きましょう!」

 

そうしてエミヤ一行は衛宮宅へ向かうのだった。

 

そして、土蔵にて

 

「まず士郎少年、君にもやってもらいたいことがある」

 

「でもなんで俺が」

 

「フッ安心したまえ、私も正義の味方になるためにやったことがある。

 

実際になっているのでこれは必要なことだ」

 

「さあ衛宮君これを持ってこの言葉を唱えるの」

 

無剣エミヤと詠唱カンペを渡される。

 

「懐かしな私もキリツグに教えてもらったものだ」

 

「な、爺さんが!?」

 

「その証拠に足元をよく見てみろ」

 

いつも投影魔術の練習に使っている土蔵だが、そこには気づかないように隠された陣がうっすら書かれていた。

 

「本当に正義の味方へなれるのか」

 

「ああなれる、一緒に冬木の街を守ろう」

 

そして運命が来た

 

「問おう、貴方が私のマスターか」

 

思わず衛宮士郎は尻餅をつく。

 

薄暗い土蔵の入口からは月明かりが指し、

まるで完成された一枚絵のような神秘的な光景だ。

 

 

だが、

 

 

「錬鉄開始ッ『神剣エミヤ』!!!

今だァァァ、行くぞ凛ッ!!!!」

 

「ああああああ、もーーーう!!!

こうなったらヤケクソよ〜〜〜!!!」

 

「なっ!?」

 

召喚されてすぐにまさかの敵襲、

隠された刀身を振るおうとするが、

 

「この神剣はありとあらゆる神秘を無効化する、即ち聖剣もその範疇だ!!!」

 

一時的に聖剣を振るえなくなると同時に

神剣エミヤは蛇腹のように、鎖のように伸びセイバーを拘束する。

 

「は、放せ!!!」

 

僅かに繋がっていたマスターとのパスが途切れる。

 

「なら、私のマスターと再契約してもらおうか、セイバー」

 

「断る!!!」

 

「やっぱりエミヤ君この作戦強引すぎたのだわ〜!?!?」

 

「いやいける!!

喰らえ、無剣エミヤァァァ!!!」

 

鎖に拘束されたセイバーの無防備な頭にエミヤン棒が刺さる。

 

「行け凛、再契約だ!!!」

 

「―――告げる!

汝の身は我の下に、

我が命運は汝の剣に!

聖杯のよるべに従い、

この意、

この理に従うのなら―――」

 

「―――我に従え!

ならばこの命運、

汝が剣に預けよう……!」

 

「……ッ、せせせセイバーのnnnn名にに

か懸けけけけ、ッ誓いを、ぐぅぅぁ受ける……!?!?

あああああああ貴方を我が主として

認め

な、

 

なななああ、

ぐぐ、

 

うううう、う、う…………

……認めよ…う………………」

ガクッ

 

必死に抗いながらも対魔力を遥かに上回る魔力を流し込まされたセイバーは

逆らえず再契約を認めてしまったのだった。

 

「く、屈辱的だ、私は貴方を認めてはいない!!」

 

そんなセイバーの嘆きは彼らには聞こえてはいなかった。

 

「やったぞ凛!!!!

大成功だ、セイバーGETだぜ!!!!」

 

「本当に手に入れてしまったのね!!??

 

この聖杯戦争私達の勝ちは必然よ!!!」

 

そして、途中から完全に空気、あまりにも早い展開についていけなかった衛宮士郎は

 

「な、なんでさーーーーーーー!!!???」




戦わずして勝利とはまさにこのことだ!!!
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