大英雄エミヤ   作:天井 静兼

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VSセイバー2


Fate/Standby Night Simple Blade Works 3

〜前回のエミライブ!!〜

自称正義の味方は自身のうっかりを

全てランサーに擦り付け、平行世界の自分を騙し、セイバーを捕獲するのであった。

 

「お、お前ら女の子になんて酷いことするんだ!!!」

 

「女の子って、衛宮くん。

そこにいるのは英霊、

しかもブリテンのアーサー王なのよ」

 

「違う、そうじゃない!!

そいつは本当に正義の味方なのか!?

答えろ!!」

 

「ふっ仕方あるまい、

私の真の正体を教えよう。

私は平行世界、しかも未来の君自身だ」

 

「嘘だ!

俺が成りたい正義の味方はこんなことしない、大体、どうしてこんなことを!!!」

 

「呆れた、エミヤ君ほんとに聖杯戦争の知識とか知らないみたいね」

 

「その言葉は私にも刺さる。

凛、未熟な彼に教えてやってはくれないか」

 

「仕方ないわね」

 

〜凛説明中〜

 

「その聖杯?ていう何でも叶えられるヤツを手に入れるためにこの街で魔術師達が争うっていうのか」

 

「そうね、中にはそのためなら一般人の犠牲も厭わない奴もいるわ」

 

「そんなこと認めない!

俺はこの聖杯戦争に参加して止めてみせる!!」

 

「盛り上がっているところ悪いが士郎少年、君は参加できない。

参加のためにはサーヴァントが必要だ。

大体、君は弱い、マスターとしても魔術師としても、正義の味方としても、だ」

 

「何を!!

やってみなきゃ分かんないじゃないか!!」

 

「だが、その気持ちは分かる。

私のときも無理やり参加したものだ。

結果自分は弱いと気づけた。

そんな君には必要なものがある。

その名も」

 

ごくり

 

「大英雄作成プランだ!!!」

 

そう叫んだエミヤは高く飛び上がり無剣エミヤを衛宮邸を囲むように投げ配置する。

「これで敵はここに侵入できまい」

 

そのまま無剣エミヤとシンプルな形をした両刃の剣、無飾剣エミヤを士郎に手渡す。

 

「これは??」

 

「士郎少年、私達は同一人物であり得意とする魔術は投影のみと偏っている。

まあ実際はちょっと違うがそこは誤差だ。

やって欲しい訓練としてはこの二つの剣を作れるようにしてほしい。

キリツグの教えてくれた訓練方法よりはより正義の味方に近づけるはずだ」

 

「あの訓練方法は間違いなのか!?」

 

「いやあれこそが私の原点であり、私のときに居たアーチャーとの相違でもある」

 

「アーチャーって?」

 

「そいつもエミヤシロウではあるが、正義の味方になったことを後悔していたぞ」 

 

「どうして正義の味方に成れたのに後悔なんて???」

 

「まあやり方が違ったんだな。

その点であれば君には3つ程伝えることがある。

一つ、投影魔術で他の英雄の宝具を投影するな、だ。

オリジナリティーはヒーローには欠かせない。

参考資料として作成できるようにするのもいいが、如何せん戦闘に特化しすぎてしまう。

正義の味方は何も戦うことだけが救う手段という訳では無い。

 

二つ、皆を頼れ。

無論私も先輩ヒーローとして君を育てることにした、存分に頼って欲しい。

独りよがりに、自分の正義だけに拘りすぎるとかえって大切なものを取りこぼしてしまう。

仮に世界へ出て大々的に活動するなら仲間を作りたまえ。

 

最後に三つ、絶対に世界と、アラヤと契約するな。本当の地獄を見るぞ。ある意味私の先輩にあたるアーチャーエミヤは死後も救済し続けると思い込んでいたが、実際は人類の存続のために、人々を殺しまくるだけを繰り返し摩耗し、結果私を殺しにくるくらい病んでいた。

正式な英霊のほうが縛りが少ない」

 

「な、なるほど」

よくわからないことだらけだが、平行世界のエミヤの真剣さ具合から大切なことだと感じられる。

 

「ではよろしく頼んだ、私達はこれから聖杯戦争を終わらせてくる」

 

「お、おい!!

俺は修行するだけでアンタらは戦いに行くのか!!」

 

「やはり士郎少年は英霊の強さを理解していないようだな。

凛、セイバーの調子はどうだ」

 

「それ、貴方が聞く?

無理やり契約したから怒ってるけど」

 

「アーチャーのサーヴァント、

何故このような真似事を!!!」

 

「説明もいいが、やはり実力で分からせるべきか。

凛、魔力の消費が激しいかもしれないが耐えてくれ。

セイバーと戦う」

 

「アンタ正気!?

セイバーはあのアーサー王なのよ!!

エミヤ君が幾らハチャメチャな英雄だとしても……」

 

「大丈夫だろう、私は生前聖杯の泥に浸かり反転したセイバー、黒ビーム連射砲を単体で撃破している。

正直、当時より強くなった私が負けるという通りはないに等しい。

では、いざ勝負だ、セイバー!!!」

 

「何を!?」

戦闘態勢を取るセイバーに対し、エミヤは生前編み出した戦法を執る。

目には目を歯には歯を、聖剣には聖剣を、だ。

 

「錬鉄開始、聖剣エミヤ」

 

黄金の刀身を持つ剣を取り出す。

 

「しかもこの聖剣エミヤはver.END。

即ち、この大英雄エミヤが製造した中で完成形に至ったもの。

果たして騎士王、隠したままの聖剣では受け切ることはまさに不可能!!!

喰らえ、エミヤ流究極剣技聖剣ビーム斬り!!!!!」

 

「こ、これはまさにエクスカリバーのような、ぐ、こちらも宝具を切りましょう!!

『約束された勝利の剣』!!!!」

 

ほぼ同時に極太光線、2つの光の束が剣から解き放たれ、拮抗する。

 

「やはりセイバー、こちらの出力はほぼ互角、だが、錬鉄開始!!!完成形よりは弱いが試作品はいくらでもある!!!

聖剣エミヤver.8536999.421!!!!」

 

もう1つ聖剣が出現し、セイバーの宝具を押し返す。

 

「ぐ、押され!!??」

「今だ!!!

真名開放、『聖剣エミヤ』オーバーレイ!!!」

 

セイバーは吹っ飛び、無剣エミヤで作られた結界に追突した。

 

「……ふぅ見たか少年、これが英霊の強さだ」

 

驚いたような、セイバーを気にするような表情を見せる士郎少年に対し、

 

凛は

「ちょっと待って、さっき聖杯の泥とか言わなかった!?!?」

 

「ああ、アレッ?

言わなかったか、

冬木の聖杯は汚染されてるぞ」 

 

「なんでそういう重要なことさらっと言えるのアンタはあああ!!!!???」

 

「おっと、立てるかセイバー。

自分でやっていて言うのはなんだが、これで私達の実力を認めてくれないか」

 

「仕方ありません。認めましょう。

しかし、私には聖杯へと願うことがある。

それは譲れませんが、

エミヤという名前、聖杯の泥といい

貴方は一体?」

 

「貴女はそういえばまだ正式な英霊ではなかった。

霊体化できないが、記憶もそのまま引き継いでいる。前回のマスターのエミヤキリツグは私、あとそこの赤毛の少年、士郎少年の養父にあたる」

 

「な、なんと!?」

 

「もし、私を呼ぶならアーチャー、彼なら士郎と呼ぶといい」

 

「シロウ、ええ、この呼び方が私には好ましい」

 

そうして我々セイバー・アーチャー陣営はうっかり召喚初日に申請し忘れた聖堂教会へ向かうのであった。

 

「まったく、凛は仕方ないな」

 

「煩いわね、貴方がとんでもないから監督役の綺礼に宣言し忘れちゃったじゃない」

 

「ふっ私のせいにしてもらっては困るよ。

大体、言峰綺礼、あのエセ神父は……

全ての黒幕とでも言える、いわば悪のしもべ、だ」

 

「え、綺礼が??黒幕!?悪のしもべ!!

はァァァ!!!???」

 

「おっと、また何か言ってしまったか」

「ほんと、アンタねええええええええ!!!??」




うっかりエミヤくんです。
神父死亡フラグたったんじゃないのぉ〜(某コック)

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