柱島泊地の風便り   作:風間正章

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妖精さん

艦娘の周りに、小さな小人さんがチョロチョロしている光景を見る事が有る。

チョロチョロしているんだよ。

そうなんだよ。

すまん、本当に何の事なんだか?

 

風間艦隊の旗艦たる小舟の執務室に入室し、デスクの上にフィギュアが敬礼をしているのを見て。

可愛いものだ、五月雨が置いたんだなと思った。

椅子に座り、前を向くとフィギュアがチョロチョロと寄って来て書類を引っ張って来る。

良く出来たフィギュアだなぁ。

アレ?( ̄▽ ̄;)

なんだか、変じゃない?

周りを見渡すと、執務室のそこかしこに居る。

動くフィギュアが。

「ア⁉️」

身体が固まった。

ノックの音の後に、失礼しますと五月雨が入室してきた。

「提督、おはようございます。」

の後に、アワアワとなっている風間に。

「どうしたんですか?」

「五月雨、ごめん。俺、幻覚が見えてる。」

「フィギュアが、動き回っている様に見えるんだ。」

「この子達の事ですか?生きてますから。」

「生きているのか、そうか。」

もう、理解の水平線の向こう側の世界が展開しているのである。

この生きているフィギュア擬きの小人さん達が。

艤装を動かす為の乗員で、艦娘に必要不可欠な存在なのだ。

「そうなんだね。」

と、無理やり理解した。

理解するしか無いのだ。

この妖精さん達は、五月雨のフィギュア版みたいな子も居れば。

そうでない子も居て。

実に個性的で有る。

艤装員としての妖精さんやパイロットとしての妖精さん等一人一人見ていて楽しい。

と、風間は自分自身に強く落とし込む事で。

この妖精パニックを乗り切ったので有った。

風間艦隊は、現在艦娘の戦死が1名。

しかし、乗組員たる妖精さん達の戦死は、数え切れない。

艦載機が撃墜されて、パイロットたる妖精も脱出行動を行う。

艦娘の艤装に被弾したり、行動行為に寄って海上に落ちたりする事も有る。

海戦後には、艦娘総出で捜索を行う。

自分の妖精を発見する迄、海域を梃子でも動かない。

風間自身も、艦娘と同じく海面を這う様に探索を行う事も有る。

後方で、指揮するだけの免罪符もその行動には含まれているのも事実だが。

この探索は、自分自身の責務の一つと心得てもいるので当然の行動となる。

広大な海上で、妖精サイズの探索は困難を極める。

無事に、救助出来た時には安堵で身体の力がへなへなと抜けた事も有った。

しかし、どうしても探索を打ち切る時の指示出さなければ成らない時も有る。

その日の夜は、執務室のデスクで身体がガクガクと震えたものだ。

妖精達も、風間自身の指示で戦死となるのだから。

 

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