柱島泊地の風便り   作:風間正章

3 / 46
提督の役目その弐

せっせと、目の前の書類に決裁印を押す。

しかし、作業効率向上の為の。

決裁印の廃止の話しは、どうなっているのだろうか?

政府には、お役所仕事丸出しの作業をどうにかしてもらいたいものだ。

と、愚痴っても。

この泊地も、お役所その物なのだから。

「提督、御茶が入りました。」

と、五月雨の声に。

フッと、顔を上げると視界に湯飲みが迫って来ていた。

(あ~、俺の湯飲みか。五月雨が入れてくれたんだな。)

(しかし、何故に湯飲みが視界に迫って来ているのか?)

(良く見たら、何だかスローモーションの様な速度だなぁ。)

と、認識した瞬間。

ドカッと、いった感じで湯飲みが顔面に届けられた。

(( ̄▽ ̄;)暖かいな~)

と、感じたのと。

衝撃が、顔面を伝い脳髄に届けられた。

「キャー、提督‼️」

の、五月雨の叫びを聞き取り。

又、五月雨が湯飲みを机に置く時にドジこいたな。

と、思った。

ここまでが、時間にしたら1秒無い位かなと。

 

戦闘海域で、深海棲艦が鹵獲される事はない。

代わりに、何故か艦娘が救助される。

この事態は、何を物語るのだろうか?

救助された艦娘は、受け答えは出来る。

身体的な欠損も無く、艤装も装備している。

しかし、救助以前の記憶は無く。

聞き取り調査をしても何も出て来ない。

日本政府も、深海棲艦に対応する戦力が枯渇状態の為に。

この救助した、艦娘を戦力に取り入れる方針で現在に至る。

 

ガシッと、顔面にぶつかった瞬間に両手で湯飲みを押さえた。

「( ̄▽ ̄;)」

「あちー‼️」

と、一騒ぎして机に湯飲みを置いた。

「提督‼️大丈夫ですか?」

五月雨が、布巾を片手に駆け付けた。

「良かった。書類は濡れませんでしたね。」

机上の書類を布巾で触りながら五月雨が呟く。

「心配は、書類の方か?」

「やだな~。提督が一番ですよ。」

おい‼️と、心の中で突っ込みを入れた。

「今日も、やってくれたな。」

五月雨のドジは、毎度の事で最近は馴れて来たのだが。

色々と、やらかしてくれるのだ。

 

深海棲艦。

様々な、タイプが確認されている。

海域を占有すると、侵入する物に敵対行為を行う。

占有された、海域は徐々に過大するので日々の出撃でこれを押さえているのが現状。

この出撃行為を、ディリー任務と呼称している。

そして、任務にはディリー・ウィークリー・マンスリー等の任務が存在している。

年に複数回、大規模反撃作戦が展開されて。

これを、イベントと呼称している。

イベント作戦で、海域を奪回しても。

作戦海域以外が、侵略されたりとイタチごっこが9年近く続き。

終わりが見えない戦争となっている。

 

「五月雨さん、今回は一瞬ヤバイと思ったんだが。 」

鼻血をハンカチで押さえながら。

正面で、テヘッとなっている秘書艦殿を睨んだ。

「提督、駄目ですよ。そんな顔したら。」

「嫌われますよ。」

この秘書艦わ‼️

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。