柱島泊地の風便り   作:風間正章

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提督の役目その参

「提督、最近の書類に民間企業の案件が多いのは?」

何故ですか?と、小首傾けて五月雨が聞いて来た。

「ここは、鎮守府ではなくて泊地だからね。」

「皆のレクレーション施設等が設置出来ない。」

「割安で民間の施設の使用許可等を取り付けてるんだ。」

柱島泊地は、広島県の呉に有る。

ジムやら飲食店やらの施設使用を自衛隊を通じて広島県に掛け合い許可を受け始めた。

何故に海上自衛隊の施設を使用しないのか。

風間や配下の艦娘も、自衛隊隊員の扱いに準じている。

当然、施設使用も可能で有るが。

自衛隊の配下組織で有っても、色々とギクシャクしている部分も有るのだ。

風間自身の一番の狙いは、艦娘自身の目で。

現在自分達の守っている物が何かを見て。

各々で、考えて貰えればと思案したからでもある。

提督自身は、戦場海域に出る事は無い。

執務室等で、作戦の指示を出し。

(出撃する艦娘の選出。装備する兵装の選択。)

戦闘の推移を見守り。

(モニターに、戦場海域の状況が処理されて投影される。)

(左側に艦娘。右側に深海棲艦。)

(このパターンで投影処理され、被害状態が数値化されて反映される。)

(提督は、此から自軍の損害状態を判断して作戦の成否を判断する。)

(海域からの進退決定も、此から判断するので、間違えると艦娘の戦死を招く事態に成りかねない。)

(モニター上に、簡易的に投影されているだけなので、実際の戦闘は乱戦状態の殴り合いと化している場合が多い。)

こんな感じで、戦場の指揮を取っているので。

一般人からの提督登用が、成り立っているのも理由の一つであり。

此では、ゲーム感覚となり。

戦場の状況を理解しようと(出来ない?)しない提督が乱立し、艦娘をゲームのコマ程度に考えない等の問題が発生している。

戦争で有るからコマとして、見て下さい。

と、言われた事も有るが。

風間自身に、その思考は無い。

自己の生命は大事に、してもらいたいものだ。

更に、現在自分達で守っている物と記したが。

艦娘は、大東亜戦争時代の記憶を持っている。

80年近く前の日本と現在の日本を間近で体感して、貰いたい為の措置でも有る。

そんな事は、五月雨に語りはしない。

あくまでも、福利厚生の一環であると説明した。

「はぁ」

目をパチクリしながら、五月雨は。

「ありがとうございます。」

と、礼の言葉を述べて。

「色々と、考えくれているんですね。」

と、続いた。

「こんな場所から、指揮してるからね。」

「裏方で、皆を支えるのも役目だよ。」

五月雨は、嬉しそうな表情をして。

決裁の終わった書類を纏めて執務室を出ていった。

 

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