柱島泊地の風便り   作:風間正章

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問い。その壱

風間艦隊の大和姉妹が、呉から靖国神社に参拝に向かったのはイベント海域が終了して暫くしてからの事だった。

 

提督の風間は、イベント海域未達の事後処理で秘書艦の五月雨と多忙を極めている。

工作艦の明石は、イベントの反省を踏まえた武器等の整備開発と同じく多忙を極めている。

練習巡洋艦の香取・鹿島もイベント海域で着任した新人教育で忙しく。

駆逐艦等の艦娘達は、イベントで激減した備蓄資材の回復に奔走している。

 

大和や武藏が、風間艦隊の多忙を横目に東京に向かえるのは、イベントでの功労や休暇の意味では無い。

資材の消費が半端で無い二人には、イベント終了時に仕事が回って来ないのだ。

 

忙しい仲間達には、申し訳なく思いつつ。

この期間を利用しての靖国神社参拝となった。

 

何時もの事と成るのだが、呉にて大量に購入した駅弁を新幹線の車内で、この姉妹はペロリと平らげ。

靖国神社までの道中を食べ歩きに費やした。

風間の提案による、艦娘の割引が有るといっても食費が半端な額では無いのだが。

国からの、給料も基本的には使う事がない二人なので。

こんな時に、爆使いとなる。

 

靖国神社の帰り道、九段下の坂道で武藏の脚に脇見をしながら走り回っていた男の子が肉薄してきた。

武藏「危ないぞ。」

と、ぶつかる寸前で男の子の頭を左手で押さえた。

男の子は、酷く怯えた顔で硬直した。

その表情を見た武藏は、膝を折り男の子の目線に合わせて話しをした。

何でも、前に他の武藏とぶつかった時に。

かなり怖い感じで威圧されたとの話しだった。

クスリと笑い、武藏はバックから風間艦隊のエンブレムを出して男の子に見せ。

武藏「私は、風間艦隊の武藏だ。」

武藏「そんなに、恐がらないでほしいな。」

男の子の頭を撫でながら、武藏は笑った。

男の子は、驚きながらも。

謝りの言葉と共に、走り去った。

 

大和「怖い武藏さんが居たのね~。」

武藏「私では、ないぞ。」

苦笑いの武藏に近付いて大和が、呟く。

 

大和「一瞬だけど、気が付いた?」

武藏「あの気配はアレだな。」

大和「男の子が、ぶつかる寸前のタイミングだったけどね。」

武藏「以前、提督が話していた件だな。」

 

そう、二人の後方。

40メートル秤の距離で二人は陸上に存在しないはずの気配を感じたのだ。

深海棲艦の気配をだ。

一瞬の事だったが、何とも言えない感じの気配。

その時、二人の頭に違和感の強い思考とも思われる言葉が入った。

「これで、良いのか?」

その様に、問いかけられたと感じた。

 

 

 

 

 

 

 

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