柱島泊地の風便り   作:風間正章

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艦娘挽歌その壱

照月は、戦闘の終わったばかりの海に突入した。

海面は、戦闘終了直後の為。

大きくうねり捲っている。

照月は、上下左右に暴れ回る波頭を巧みに渡りポイントへ急ぐ。

 

ポイントとは、今し方終了した戦闘で深海棲艦の轟沈した地点の事なのだが。

このポイントは、戦闘の情報。

則ち、戦闘中の艦娘の情報や戦闘海域に展開している偵察機やドローンのデーターを付近に展開している護衛艦のコンピューターに集積して艦娘の艤装に情報を飛ばす。

艦娘は、この情報が艤装を通し装着しているバイザーに表示されという形に成る。

しかし、この情報としての地点はかなり粗い部分もあり。

誤差が大きく、この誤差を人間サイズの艦娘で調整しながら向かう事に成るので到達は困難極まるのだ。

そもそも、ポイントなる海面には目印なんかは無いのである。

 

ポイント箇所は、深海棲艦の撃沈地点。

そのポイント付近に急行した照月だが、当然の様に誤差が数百メートル単位で発生している。

照月(構わない、ミリ単位で探すだけだ。)

戦闘が終わった直後で、照月の身体は被弾の跡が有り出血もしている。

照月のゴーグルに表示が示された。

そのポイントに近づき、ゴーグルを額に跳ね上げる。

 

肉眼で、捉えた。

照月は、海面に漂う人影に手を伸ばす。

照月「秋月姉」

照月が海面から引き揚げた人影は、秋月であった。

照月「秋月姉、眼を開けて。」

秋月を抱きしめ照月は声を上げる。

照月「私が解る?」

秋月が、眼を開ける。

朦朧とした感じではあったが秋月は。

秋月「照月、大丈夫。」

秋月は、視線を照月の肩越しから上に向けた。

その視線の先には、額から流血している五月雨がいた。

大破状態だが、彼女も秋月の探索に全力を尽くしていた。

おそらく、実の姉妹艦である照月達よりも。

秋月「五月雨さん、提督の予想は有り得ると思います。」

その直後、秋月は気を失なった。

 

風間艦隊は、単婚・一艦での編成となっている。

そして、秋月は在籍している。

否、正確には在籍していた。

その秋月を何故、必死に探索していたのか?

 

話しは、数ヶ月前に遡る。

五月雨「提督、この報告書は何ですか?」

風間「( ̄▽ ̄;)あ~、それを探していたんだよ。」

 

五月雨が風間の目前に示した書類に手を伸ばそうとした瞬間に、五月雨は書類を自分の肩越しから後ろに隠した。

 

風間「あの~、五月雨さん?」

五月雨「私に秘密で、こんな報告書を纏めていたんですね。」

 

風間は、上目遣いで五月雨の表情を見て。

別段、怒った感じでもないか。

でも、まずいな。

その報告書の内容は、防衛省上層部からの命令で艦娘には極秘に調査との事なのだ。

 

バレたか、しかし風間以外にも四人にも調査命令は出ている。

ここは、何とか誤魔化して調査の続行は四人に押し付け様と瞬時に考えた。

 

五月雨「他の四人からも、話しは来ています。」

風間「あら、そうなの?」

 

風間は、瞬時に理解した。

他の四人とは、五月雨以外の初期艦。

即ち、電・漣・吹雪・叢雲の四人で。

その、四人が付いている提督達もバレたのだと。

 

尚、本来ならば初期艦は提督たる自分で五人から選択できるのだが、風間艦隊の五月雨は自分で初期艦として着任して来た。

そして、残りの四人も自分の意思で提督を選び着任した。

かなり、稀有な事例だとか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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