柱島泊地の風便り   作:風間正章

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提督の役目その陸

手足が千切れ、内臓も露出した状態で担ぎ込まれ。

それでも、入渠施設を使用すれば艦娘はもと通り身体に治る。

驚異の再生力で有る。

身体も、血が巡っている。

体温も有る。

我々、人間と何ら変わる所は無い。

それでも、艦娘は人類と似て非なる部分も有る。

入渠施設は、通称バケツ呼称される高速修復剤を薄めた液体で満たされた浴槽状の施設となっている。

負傷した艦娘をこれに、横たえていれば欠損部位も時間を掛ければ修復再生するのである。

初めて入渠状態を見た時は、唖然とした。

「え?」

なんなの?

軽症程度の負傷なら、ス~ッと治って行く。

言葉も無く見ていたら。

顔面に、衝撃が炸裂した。

覚えている光景は、涙で歪んだ視野に顔を真っ赤にした怒りの五月雨さんでしたが。

とにもかくにも、提督の役目は誰にでも出来るのだ。

システムを整備して管理運営が出来る様にしたのは見事だと言える。

「こうなると、自衛隊員だけでは人数不足で民間からも公募となったのか?。」

後、俺のやれる事は艦娘の環境を整える事位かなと成る訳だ。

一人の提督が、指揮を取るのは四個艦隊で最大25名と成る。

一個艦隊は、6名編成だが。

第3艦隊だけは、7名編成の時が有る。

残りの艦娘は、入渠中でも無ければ非番と成る為。

待機状態であるから。

出来る限り、自由に過ごさせたい。

福利厚生を整える算段を書類に纏めて上層部に提出した。

呉総監部に書類を出したら、呼び出された。

貴官の感知する事では無いと言われた。

部下の健康面やメンタル管理は誰がやる?

上官たる、提督の仕事ですよね。

艦娘の生活環境や民間との対応等は、どの様にお考えか?と問いた。

「貴官の職責に、そこまで求めてはおらん。」

は~、そうですかとは思ったが予想した受け答え。

「だが、呉市市長から似た様な意見書が来ているのだが。」

「貴官、何かしたのか?」

さ~と、小首を傾げてみた。

これを起点に、環境整備が進み始めるのだが。

形に、なる迄は数年掛かる。

 

深海棲艦が現れてから、海上封鎖状態となり空路も海上を移動する場合も襲撃される。

国家間の流通は、保々止まった状態。

当然、輸入輸出・旅行等の動きは停滞している。

因み、中国大陸で謎のウィルスが発生しているらしいが。

日本国内での発生は確認されていない。

皮肉な事だが、深海棲艦に分断されているのが良い方向になってしまっている。

だが、対岸の火事と放置する訳にも行かない。

中国大陸に、深海棲艦の占有海域を突破し。

ウィルスのサンプルを日本国内に持ち帰り。

ワクチン研究のミッションが発動されていたと、後に知る事となったが。

それは、別の話しとなる。

 

 

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