【カオ転三次】DRUG FATE   作:石は転がる

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 作者の個人的な設定ですが、ターミナルって稼働に電力とMAGを使用する関係上、ある程度事態が落ち着いたら主力輸送手段にはならないと思っています。
 ガイア連合が商品配送にコストを気にせず使えるのは、輸送の間に一度『電脳異界』を経由することによってコストダウンが出来るからではないかな、と考えました。
 『電脳異界』と言う概念自体を秘匿している状態では一般シェルター間の輸送に使えず、直接シェルター同士を繋げて貨物を移動するため通常通りの使用コストがかかるとしています。

 なので、終末後でも一般流通は陸路か海路でする事になると今作の中では設定してのお話になります。


小ネタ  意外な輸出品

 終末を迎えた世界も多少は落ち着いた頃。

 各地で分断される形となったシェルターも少しずつ安全地帯から出て周辺へと足を延ばすようになっていた。

 それは『旧時代(終末前)の遺産を探す為』であったり、『魔界から資源を得る為』であったりしたのだが、その理由の一つには『所在が掴めている近隣シェルターとの交易』というものがあった。

 今回の話はそう言った交易に関係して、陸路・海路・ターミナル経由問わず、呉から輸出される『意外な輸出品』について話していきたいと思う。

 

 

①ケース1 近隣シェルターとの交易

 

 『藤原僭王国』はかつての広島市を中心に、その周囲経済圏を取り込んだ“シェルター”である。

 形としては広島湾を囲んだ都市圏に東広島市がくっついた少し歪な円形だろうか。人間の居住地を小さな結界で覆い、それを連結して一つのシェルターとして機能させている。

 しかし、地図を見れば分かれるように居住地は平地に広がっているわけではなく、所々開発されていない山地が途中に入り込んだ形となっている。

 

 こういった山地は人が住んでいない事もあって結界が甘かったりそもそも存在していない事もあるのだが、逆に言えば近隣住民が少ないという事で、多くの場合はこういった場所が『資源異界』と呼ばれている人口異界の設置場所となっていた。

 

「四号車への積み込み急げー! 護衛隊、もう来てんぞーー!!」

 

「積み荷の確認あるんであと五分待って!!!」

 

「おらぁ! きっちり詰めろ! 無駄に行き来させた分の金、お前らが払うのかよぉ!!」

 

「勘弁してくれぇ! 今月の小遣いは娘にたかられてもう無いんだからよぉっ!?」

 

「いやぁ、すまんねぇ。毎度の事なのに手際が悪くって。」

 

「……大変そうだね、あんたらも。」

 

 そんな『資源異界』の一つ。

 普段は山を崩す重機と運び出すためのトラックのエンジン音ぐらいしか聞こえない異界に、今日だけは人々の騒がしい声が広がる。

 山に開いた穴の底での声が風に乗って運ばれるのを聴き、採掘現場監督が少し拓けた広場に集まっていた集団の代表に欠片も悪びれずに謝るのを、集団の代表は呆れたように受け取っていた。

 

 “集団”はこの場所には異色の存在だ。

 編み込まれた化繊特有のごわついた被服に、大量のマガジンなどが吊り下がったプロテクター。頭を覆うヘルメットはバイクのフルフェイスに近く、前面を覆った広い偏向バイザーが光を返し直接顔を視認できない。

 仲間内でわいわい騒ぎだらけているその手にあるのはアサルトライフルではなく、それよりも重い軽機関銃を軽々と片手で持ち上げている。

 そんな集団が三台の高機動車と二台のカーゴトラックを引き連れ、すり鉢状になった山の縁に屯している。

 

「よしてくれやい、あいつが金欠なのはバカ親だってだけなんだから。毎日穴掘って運んでってだけだけど、そうお賃金は悪いもんじゃないんだぜ?

 どうだ? 転職するって言うなら口きくが? 自衛隊さんも、こんな状況だと大変だろ?」

 

「気持ちだけ有難く受け取っておくよ。これでもうちは“精鋭”でね。待遇はそんなに悪くないんだ。

 ――お前ら! 仕事の時間だ!! さっさと席に着け!!!!」

 

 わいわい騒いでいる隊員()()()近未来的なボディースーツに身を包んでいる部隊の隊長が肩をすくめ、下から登って来たダンプカーを見て後ろの隊員に向かって怒鳴り声を上げた。

 

「受取のサインだけよろしくっと……はい、大丈夫だね。

 それじゃ、長期出張、頑張ってください。」

 

「ええ、そちらも気を付けて。」

 

 お互いに会釈を交わし、またいつもの日常に戻っていく採掘場をしり目に、複数のダンプカーが加わった車列が一路結界の外、近郊のシェルターへと向かっていく――。

 

 

 ――さてはて。

   こうして態々他のシェルターに運ばれていく“物”とは一体何であろうか?

 鉄・銅・金などの金属鉱石?

 或いは燃料として石炭?

 はたまた意外なところで調味料の岩塩なんて事もあるかもしれない。

 

 ……正解はどれもでもない。

 黒く、柔らかい鉱物。

 ――『黒鉛』。

 それこそがダンプカーに山と積まれ、危険を冒して外部のシェルターへと運ばれていくものの正体であった。

 この黒鉛。

 何かオカルト的に特別な効能がある訳でもない、ごくごく普通の鉱物である。

 これが近郊のシェルターに運び込まれて何になっているかというと――これまた、極々普通の『鉛筆』等の材料として使われていた。

 

 終末後の世界は、ありとあらゆるものが不足した世界である。

 今日を生き延びるための『食糧』。日々解れ損耗していく『衣服』。そして、悪魔から身を守るための『武具』。

 そうした『生存』の為に必要な物は何処のシェルターでも最重視して準備している。しているのだが……一つ、こんな格言がある。

 『人はパンのみに生きるにあらず』。

 本来の意味としてはこの後に続く言葉を含め、『生きる事(パン)よりも神の教えの方が大事なんだよ~』的な解釈になるのだがそれは兎も角。

 人が生きる為には、ただ生存するだけではなく“生活の質”というものが重要になってくる。

 朝起きた時、或いは就寝時に歯を磨くための『歯ブラシ』。身支度の為の『櫛』や『剃刀』。身体を洗うための『石鹸』も必要なら衣服を洗うための『洗剤』も必要である。

 そして、記録・記載するための『筆記用具』も。

 

 そう言った生活雑貨の多くは、設備と原料さえあれば然程高度な技術を必要とする物ではない。

 その為、藤原僭王国では“近傍の治安悪化を防ぐため”や“高技能人材の浪費阻止”などの理由はあったものの、慈善活動として『周囲シェルターへの支援事業』として軽工業を促進していた。

 今回、終末以後に再度舗装された道を使って運ばれるのも、そうした支援の一環であった。

 

 こうして運ばれていった『黒鉛』が『鉛筆』となり、貴重な外貨を稼ぎだしシェルターの生活再建に役立っていく事となっていくのであった……。

 


Topic

 ちなみに作者の疑問なのだが、『黒鉛』鉱山があるシェルターって他にあるのだろうか?

 呉だとブレーキパッドや潤滑油みたいな所に使うので用意してあるのだが、他所だと金属鉱山はあっても黒鉛鉱山は無さそうな……。

 その場合、筆記用具どうするんだろう?

 墨? インク? それだと油の煤が大量に必要になるんだがそんな余裕あるのだろうか?


 

 

 

②ケース2 DDSショップでの人気商品

 

 終末により世界は滅び人界は魔界に落ちる事になったが、これについては悪い事しかなかった訳ではない。

 世界全域で発生し続けていた天使の無限沸きの終了。過激派と呼ばれていた天使たちの零落による消失。

 ――そして何より、ターミナル稼働による転送システムの解禁だ。

 

 ターミナルが稼働できるという事は時空間が曖昧になっているという事でもあるが、一般利用者にとっては関係がない。

 終末前に比べて増えた商品の数々に歓声を上げ、その値段に悲嘆を上げ。

 覚醒者たちは今日も今日とて目当ての商品と財布の中身を比べ、頭を悩ませながら自らの必要とする物を手に入れていた。

 

 そんなショップの品揃えだが、ずらっと並ぶ〔販売元:ガイアグループ〕の中にちょくちょく違う名前が混じる事がある。

 それはガイア連合が出荷元となる事を認めた所謂“お墨付き”の商品で、転生者たちの会社だったり又は金札と呼ばれる人間の会社だったりするのだが……*1

 

 ……そう言う日用品が並ぶ外部商店の商品の中に、他とは毛色の違う一風変わったものが存在する。

 それは『ハンターランク上位者』にのみに販売を許可される、特別な商品。

 開示された商品情報を見て多くのハンターは顔を顰め、しかして手を伸ばしてしまう。

 咎よりも苦く、罰よりも甘い、そんな禁断の果実。

 

 ――『コンバットドラック』。

 それは、『メシア教』の罪の証明。

 多くの“被検体”により掻き集められたデータを基に作られた、誰かの血と涙の成れの果てだ。

 

 

 …………。

 ……と、言うとやけに仰々しいが、ショップで販売しているだけあってそう危険な薬剤ではない。

 いや、製作に必要だった実験データがメシア教の物であったのは確かなのだが、販売されている薬剤は()()()メシア教の物と違って副作用が常識の範囲に抑えられている、と言うべきか。

 色々種類はあるが、基本的には使用時から半日程ステータスに補正が掛かる代わりに効果時間が過ぎるとしばらく不調になる程度の副作用で、緊急時に使用する想定で開発されたものだ。

 主にレベル10台から20台の『人間』をターゲットにした商品で、肉体賦活による霊能力の向上という薬剤の性質から霊体に主体が移るレベル30台以降や悪魔変身者などには効果が薄れる。

 

 製造会社は勿論メシア教所縁の会社で、メシア教の中でも『アメリカからの避難民』が主体となって起業した企業だ。

 こういうと『過激派』の巣窟ではないかと思ってしまうが実態としては真逆で、会社の発起人は過激派を襲ってその資材を“活用”していた『アンチ過激派』ばかりであったりする。

 自分たちが奪い使用していた『薬剤』。

 それの副作用を減らし安定して使用する為に、ドーピング常習者たちが資金を集め出来た会社だ。

 

 彼らが過激派の教会から奪い集めていた資料と現場に残っていた薬剤を解析し、そこにガイア連合からの技術支援も入った事により開発された薬剤が主要商品で、ハンターランク上位者且つ一月辺りの販売数も限定されているのに常に品薄の人気商品となっている。

 商品ページには堂々の“☆☆☆☆☆”評価と「飲んでみな 飛ぶぞ!」等の使用者の危ないコメントが延々と書き込まれているのがだ、それは兎も角。

 

 ()()()()()()()()に貴重な外貨(マッカ)収入をもたらす商材として、悪名高きメシア教は今日も今日とて世界中にヤクを売りさばくのであった!

 


Topic

 コンバットドラックについてはガイア連合以外が製造する“粗悪な霊薬”の価値を下げる目的もあってショップでの販売が許可されている。

 ガイア連合内でも『この薬がゲートドラッグになって逆効果になるのではないか?』との意見もあったが、既にガイア連合製以外が世間では流通している現状を鑑みて悪影響を及ぼす可能性は少ないと判断されている。

 

 もう一つ認められた理由があり、それは『悪魔交じり*2になると効果が少なくなる』という点だ。

 この薬品は“人体”に作用することで効果を発揮する為、人間から離れるほど増強効果が失われていく。

 この性質により、利用者が悪魔化に忌避感を抱くようになることを望んでいるのである。

 (悪魔化しても薬を使ったよりも弱いなら、悪魔化する人間が減るんじゃね?という発想)


 

 ……ちなみに、メシアンが作っているわけではないが、メシア教相手にはもう一つ主力商品があったりする。

 薔薇の香油や香水、大理石の祭壇、深紅の絨毯。

 そして、シャルトル大聖堂*3にすら引けを取らない美しいステンドグラスに純金や純銀製の十字架、絹や金糸をふんだんに使った祭服等々の祭具だ。

 

 そのどれもが横浜の日本メシア教本部*4が販売しないような美麗荘厳、豪華絢爛、絢爛華麗な“お高い”物であり、これらの装飾などは殆どが現地の教会に合わせたオーダーメイドの物だが、ぼったくり価格でも途切れず依頼が舞い込んでくる人気の商品だった。

 特に“生花の薔薇”は消耗品であるし輸送料*5の方が高くつくぐらいなのだが、単価自体は手に届かない事も無い値段設定もあって世界中に届けられることになる。

 

 ――後年、悪徳支配者に反乱した被支配民が見たのはガワの建物と中の人間だけがその地の物で、それ以外の全てが“made in 呉”で出来た成金趣味の教会だった、なんてジョーク(?)が流行る事になるのであった。

 

 

③ケース3 一部の人間にだけ人気の商品

 

 さてさて。

 今まで紹介して来た商品は、輸出額での割合は少ないながらも貿易関係者なら誰でも知っているような一般的な人気商品であった。

 今回紹介するのは貿易関係者でも「え? そんな物、輸出していたの?」となる少量小価格の貿易品。

 

 それはズバリ――『食料』である。

 この食料。

 別に他の支部で盛んな『オカルト的品種改良』や『生育中に加護を付加する事による旨味の増強』等の特別な栽培・飼育をした物ではない。

 生育場所こそ広さの問題で異界農場だが、それ以外は一見、終末前ならごく普通に世界中で見られた従来手法の農業生産品なのだ。

 農業機械で一気に出来る作業は一気にしているし、野菜などの人の手が必要なものは人間が世話をしている。牧畜関係だと、放牧している群れの管理に牧畜犬が走り回っているのが日本では少々珍しいか。

 従来の品種を、従来の生育方法で育てている。

 ただそれだけの物だ。

 

 そんな『普通』の食料なのだが、これが一部界隈にはカルト的な人気を誇っていた。

 ――それは混血・悪魔変身者などの“悪魔”の味覚を持ったもの。

   そして……“料理趣味系俺たち”に、だ。

 

 

 と言うのも、この食料。

 生産しているのは『呉支部所有』の異界農場なのだが、“支部直轄生産”の為、生産物へ支部から幾つか最低基準が設定されている。

 品種の多様化や収穫時期の話など色々あるのだが、そのうちの一つに『誰でも食べられること』と言う項目が存在する。

 これは農場設立の元々の目的が『支部シェルター内の住人を食わせる事』でありそのための基準なのだが、ここで問題になったのが『霊的味覚が悪魔に寄っていた者』の存在だ。

 

 ご存じかもしれないが、覚醒者――それも悪魔変身者や霊格が高まった者――の中には『霊的味覚』を獲得(もしくは既存の能力の向上?)する者がいる。

 それ自体は『飲食物の毒性』に鋭くなったり、他者のマグネタイト情報に敏感になったりするなど、決して悪い事ではない。

 ただ、問題となったのは、それが『悪魔』の味覚に寄っていた人間がいた事だ。

 彼らは一様に鋭い感性を持っていたのだが……同時に、それのせいで『寄った悪魔の“好み”』に強く影響を受ける事になる。肉食の悪魔は“血肉”を好み、草食の悪魔は“野菜”を好み、という風に嗜好が変化するのだ。

 それだけならまだ良い。

 問題となったのは――『“異界で作った食べ物”を体が受け付けない』、そんな摂食障害ともいえる症状に陥る人間が出たことだ。

 

 ある者は肉を、ある者は魚を、またある者は野菜を。

 酷い者になると“食べ物”自体を受け付けない。

 流石に拙い、という事で原因を探し――そして、一つの答えが示される。

 ――曰く、『“異界産の食べ物”自体ではなく、“食品中のマグネタイト”が原因である』と。

 

 例えば農作物。

 ガイア連合製・異界用農作物、別名()()()()()()()について説明しよう。

 この農作物、多くの場合従来品種よりも“美味しい”とされているが、その主な理由は『農作物に含有しているマグネタイトが豊富』だからである。正確に言うならマグネタイトの方向性など、色々あるがそれは今は置いておき。

 その“マグネタイト”がどうやってできるかと言えば、ある意味普通の農作物と変わらない。

 土の栄養と一緒に『大地の』、与えられた水から『水分中の』、呼吸を通して『大気の』。そして、陽の光を受け育っていく間に『農作物自身のマグネタイト』を。

 その全てが混然一体となって作物に蓄えられ、“美味しい”作物が出来る。

 異界で畜産されている家畜も、()()()()()()()()()()()草や虫を食い、或いはより早く・より大きく肥えさせる為に()()()()()()()()()()を与えられて生育させられる。

 そうして()()()()()()()()()()()食べ物が生み出されるのだ。

 

 原因になったのは、まさにその『風味(ふうみ)』であった。

 異界製作時に製作者に設定された異界自体の属性。

 異界には管理者として“守護者”が置かれる。その“守護者”が管理する間に付いた色。

 生育途中、肥料として撒かれる“オカルト肥料”又は“豊穣神の加護”。

 品種改良された作物自体が持つ“選りすぐられた旨味概念”と“終末後環境に負けないで育つための強固な作物概念”。

 ――そのどれか、或いは全てに反発する概念を持った悪魔を身に宿していると拒絶反応が発生するのだと。

 

 原因さえ分かれば後はこっちのものである。

 極限まで色を落とした異界と守護者。オカルト的な手法や存在に一切頼らない生育過程。手入れに多少手間がかかる事を許容した従来種の終末対応化。

 そして、出荷段階でそれでも残った“色”、その全てを“禊ぐ“出荷体制。

 そうした結果、含有マグネタイトが“無味無臭無属性”と化した『なんか普通に美味しい』だけの無駄に手間のかかった食べ物が生み出されたのだ。

 

 

 長々と説明が挟まったが、改めてこの食料が一部にカルト的人気を誇るか、その話に戻りたいと思う。

 まず、『悪魔の味覚を持った者』。この人達は分かり易いと思う。

 例えば魔獣系悪魔の前世に目覚めたせいで肉以外を食えなくなった人が、呉の食材ならば米やパン、野菜も食べれる様になるのだ。“好み”の変化で肉を美味しく感じていたとしても、それはそれとして昔から食べていた物を食べれる事に価値を見出す人間が居る事に納得してもらえると思う。

 

 では『料理趣味系俺たち』、彼らになぜ人気があるか?

 彼らに人気な理由。それは『マグネタイトがあるのに何の癖も無い』食材であるからである。

 

 疑問に思われるかもしれないが、まずは説明を聞いて欲しい。

 “料理趣味俺たち”、彼らは全員が全員ではないが魔獣などの悪魔の解体・調理技術持ちであったりする。

 そうした野生種、ジビエとも言える食材で料理をするのだが……ここで問題が一つ。こういった食材、同じ悪魔でも地域によって味から何からかなり差があるのである。

 それが旨味のポイントではあるのだが、“料理”とみるとかなり大きな問題となる。

 食材の“癖”が強いのである。

 

 それ単体で見るなら地味豊かで有用な食材も、料理として見るなら灰汁が強く出しゃばりになる。

 料理は一つの食材で成るのではない。

 一緒に調理する材料が悪魔食材に負けていれば料理が味気なくなるし、同じぐらいの物で揃えようとすると今度は“癖”と“癖”が喧嘩をする。そんな食材でも知識と技能さえあれば美味しく調理できない事も無いのだが……。

 料理の度に毎回毎回同じ食材を使えず、産地から何まで全く違う物を複数用意するのは流石に転生者であっても手間である。

 

 ――そこで登場するのが、呉産食材!

 含有マグネタイト自体は豊富なのに何処までいっても味は『普通』、“癖”となるマグネタイトが無味無臭。

 ぶっちゃけメイン食材としては失格かもしれないが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、料理の下支えにピッタリなのだ。

 例えるならおでんの大根だろうか。

 それ単体ではなく、料理として『味の調和』を整えるのにピッタリな名脇役なのだ!

 

 

 そんな訳で、今日も今日とて世界のどこかに『普通』の食材は届けられるのであった――。

 

 


Topic

 個人的には『豊穣神の加護ドバッ!収穫倍増!超エキサイティング!』とかやっていてその作物に『豊穣神の色』が付かないはずは無いと思うんですよね。

 その場合、その豊穣神に敵対的であったり、そもそもその食材を食べない食性の悪魔だと拒絶反応出そうだなぁ、と思ってます。

 原作だとこの辺りどうなんでしょうね?

 ガイア連合の超技術で出荷している食料全て無問題ってなってるかもしれませんが、配給食糧全部を調整するとか仕事量やばそう……。

 

 あと、呉でこの問題が出たのは『最初期の亡命者を多く受け入れていたから』。

 最初期亡命者には個人とか家族とかで逃げてきた人間が多いのですが、そう言った人間の中には『悪魔付き』として迫害されていた人間が多くいると設定しています。

 つまり、悪魔変身能力者とかですね。

 そう言う『古参亡命者』を見て同じ様な迫害を受けていた人間が集まっているので、呉はそっち系統の覚醒者が多い設定です。

 彼らは転生者ほど我が強くないので、悪魔側の影響も多く受けてます。

 そのため、転生者だと問題にならない事が、才能の違いで呉では起きていたりします。

 今回の『アレルギーフリー食材』もそんな問題の解決のために生み出されました。

 

 ちなみに『電脳異界産穀物(ヒノエ米・テラ麦)』や『瀬戸内海航路の安定によるヒノエ島のヒノエ米の安定供給』などによって穀物単価や生鮮食品の価格が下がると、元々オカルト農法よりも効率の悪い*6呉農場は価格競争力が弱いので休耕地を増やして減産を始めます。

 つまり、呉支部在住以外の一部が阿鼻叫喚ですねw


*1
本作での設定。konozamaを終末前に支援していたらしいけど、原作だとショップの商品ってガイア連合の物だけ?

*2
悪魔合体・悪魔の摂取による変異・契約による悪魔の力の獲得・前世覚醒による悪魔変身etc.

*3
フランスの世界遺産。

*4
本作での設定。東京と駐留米軍が近い土地に本部を置いていると考察しました。

*5
ターミナルの使用料金

*6
オカルト農法なら豊穣の加護で生育期間半減・収穫倍とかできる。




 食材の部分で書けなかったのですが、宗像三女神の『厳島異界』は太平洋半分ぐらいの広さがあるので魚介類は豊富にあります。
 あるのですが……宗像三女神、信者には施しをやっても良いと思っていても、()()()()()()()()()()()()()()()()変わり種の神様だったりします。
 この辺り地味に『主人公が召喚した』のも理由ですが、『戦時中に信者が滅んだ』のも原因で信仰にがっついていません。
 そのため『小ネタ 終末後の海の幸』で上司が張り切っていてもどこ吹く風で、『厳島異界』の魚介類は“神事”として氏子漁師に漁獲され、ほぼすべてが藤原僭王国内(つまり信者に与えられている)で消費されます。(広島湾内の生簀なんかは管轄外なので、そちらは外部に流通しています。)


 黒札・金札大歓迎! 
 美味しく新鮮な海の幸を味わいたければ、王国観光がお勧め!
 『厳島異界』という今の世界では珍しくなった安全なビーチが貴方を待っています!
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