【カオ転三次】DRUG FATE   作:石は転がる

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11話

 空も明けぬ未明。

 ガタガタと舗装もされていない山道を進む一台のキャンピングカーがあった。伸び放題の枝を器用に避け、あるいは気にせずへし折りながら進むその車の向かう先は久しぶりの人家のある地域。

 月日は着々と過ぎていき、装備などの準備が整った私は山梨支部を離れ依頼の旅の途上であった。

 

 車を運転するのは先月加わったばかりの新しい式神だ。

 元々去年の内にキャンピングカーの改造とセットで発注していた運転をさせるためだけの式神だったのだが、ガイア連合製の下級式神ではなく神主手製の式神になったことで余ったスキルスロットに事務管理と戦闘能力を追加された新戦力だ。運転免許証は偽造だが車の運転からバイク、クルーザにヘリコプターと運転スキルの範囲であれば何でもござれであるし、秘書などのスキルも入れているので便利な後方要員である。

 試運転がてら一緒に連れて行った異界での戦闘も悪くはない出来であった。

 私の傍での魔法要員であり何かあれば肉盾になれる立ち位置は、今まで動かせなかった2Bを自由に動かせる一点だけを見ても価値のあるものだった。戦闘技能を今までの式神のように自然に覚えるに任せるか、それともスキルカードを入れて調整するかが悩ましいものだ。

 なまじ日常と戦闘のどちらもこなせるがゆえ、今までの式神とは違ってスキルメモリの容量を意識せずにはいられない。

 

 その意味では武蔵よりも先に受け取ったポッドの方がやることが決まっているだけ悩みは少ない。

 最初から支援を目的としているだけあって、攻撃スキルは支援のための銃撃スキル以外無し。他は道具の使用と補助魔法とすっきりしたものだ。新しい式神の指揮に専念しているので、原作再現ではないが2Bに指揮を委任しているが手数や隙を作るのに便利そうである。様子を見てA2にも作ってもいいかもしれないと考えているが、他の転生者には必要がない戦力あろうとも思う。

 転生者からすれば普通の式神の方が何倍も使い勝手が良い。比較試験に同系機を揃えるのでなければいろいろとデメリットが大きすぎるので最初から候補落ちだろう。

 

 助手席でナビをしているポッドをぼんやり眺めながら朝一のMAGバッテリーへのMP込めをしているとだんだんと目が覚めてくる。

 中古で買ったキャンピングカーを徹底的に改造したこの車はオール電化ならぬオールMAG化の実験品だ。もちろん電気変換して動かしている電化製品もあるが、MAG給湯器にMAG給水機と取り合えず何でもかんでもMAG仕様にしている。

 これは終末後に過ごすシェルターのための技術開発の一環である。突貫品で下水処理までこなしているが安全性がまだ担保されていない危険物である。何があっても生き残るであろうとの信頼(?)からいつの間にかにこのような仕様になっていた車だ。

 

 何気なく車内のテレビをつける。

 30インチ程度の大きさなのに100万円を超えていたが、同胞の会社が販売実績が欲しいとのことなので購入したものだ。

 大破壊とそれに伴う終末を確信した転生者の経営者たちは技術開発と製造の国産化になりふり構わず動き始めていた。今まではお互いに過度の技術競争をして体力をすり減らすことの無いように暗黙の了解があったそうなのだが、現代文明の終わりが10年以内に来るという神主の言葉に自重を投げ捨てたのだ。

 終わりまでに技術を伸ばせるだけ伸ばし、大破壊後も回収しやすいように国内に製造基盤を移す。

 国の方針も知ったことかとガイア連合が出来てから外国への工場移転を凍結し、国内の高い人件費にはオタ社長の会社の自動化を活用しての開発計画が進んでいた。こうした動きは表の世界の事なので、転生者と関わりのない人間への説得材料を得るのに四苦八苦していることを愚痴を聞かされ知っているので余裕がある限りは支援することにしていた。

 

 テレビの向こう側で同胞の会社の国内回帰を非難する光景を眺めていると、隣に座った2Bに就寝時の三つ編みを解かれて手入れをされる。

 何時もの連絡の取れない霊能組織の調査なら身だしなみに気を使わなくてもよいが、今日は久しぶりに生き残っている地方組織の依頼だ。最低限のマナーは気にしておくべきであろう事を私よりも式神たちの方が理解していた。

 丁寧に編み込まれる間は纏めやすいように大人しくしておく。A2ならポニーテールや三つ編みなどシンプルに纏めてくれるのだが、今日は2Bなのでヘアビーズや簪などは覚悟しておいた方がよいだろう。華やかに飾られるが、使っている装飾も緊急時の回復宝玉や耐性装備であったりするので文句が言いにくい。特に注文を付けたことがなかったのだが、意外なところで個性というものが育っていた。

 

 手持ち無沙汰な時間を今日の予定を思い出して耐える。

 今日の依頼は討伐や調査でなく節分を利用した結界の補強と異界の弱体化だ。

 正直異界に突っ込んで終わらせてしまいたくもあるのだが、地方の守護霊が元々居たところなので閉じてしまうわけにいかないのだ。現在は霊地活性化によって湧いて出てきた悪魔に乗っ取られているのだが、倒して後釜に座らせてもまた乗っ取られるのが落ちなので霊地としての整備をして守護霊がまともな強さを発揮できるようにするのが今回の依頼に対してガイア連合が出した解決策だ。

 

 すでに戦闘を行う連合員は到着しているので、今日一日行われる邪気払いを利用して異界を弱らせ明日討伐が予定である。

 私は神社で一日中市街から湧き上がるMAGを異界にぶつけつつ、合間を縫って地脈を整え結界を張り直し守護霊にとって心地よい環境を整え続けなくてはいけない地味な作業が目白押しだ。

 ガイア連合でも純粋な地脈操作や結界技能を持っている人員が少ないため白羽の矢が立ったが面倒な依頼である。異界も強くないため後進に譲っているので報酬もよくはない。

 それでも請け負ったのは、近頃仲介されてくる依頼は地方の組織からのものが増えているらしいのでガイア連合の評判を高めておきたかったからだ。

 

 運営に携わる百仁華からの分析情報だが、どうも根願寺の仲介の幅が広がっているようなのだ。

 これまでの解決実績からなのか他に理由があるのかは定かではないが、評判が上がればより高位の異界への立ち入りが叶う可能性がある。神主によればすでにそういった異界は出現しているようなので、強くなるにしても終末までの時間を稼ぐにしても立ち入れるようにはなっておきたい。

 このあたりのスタンスは運営でも分かれているそうなのだが、どちらにしろマッカを収集しなくてはいけないので連合員の討伐はガイア連合にとってはプラスになることは間違いない。

 

 意識を遊ばせていると2Bの整髪が終わる。今日の気分は結い上げる形らしく、うなじの上で一まとめに纏められている。何本か刺された簪の大輪の花が白い髪に暖色を与えていた。

 

「よく似合っているよ。お姫様の様だな。」

 

 奥から笑いながらA2がやってくる。スリーピースの暗めのグレースーツはガイア連合内のブランドのものだ。我が家ご用達のブランドなのだが、私だけが小さくて威厳がないからと今日はA2が手にもつ着物が私の正装だ。

 着物だろうがスーツだろうがこの歳では威厳は持ちようがないと思うのだが我が家の女性陣からすれば違うらしい。

 呉服屋の倅はさすがに転生者に居なかったようで、外注だが金持ち連中からの紹介で訪れた店の物なので粗悪なものではない。わざわざ家名に合わせて藤の紋付袴は神主の勧めで超特急で用意したものである。

 揺れる車内で寝間着を剥がれて着物を着せられると気分は七五三だ。年齢的には去年詣でるべきだったのかもしれないが、女神転生の世界と知ってから星霊神社以外に参拝する気が起きないものだ。

 肌に散らばる吸われた跡を着物が隠していく。座っていたら脇から持ち上げられて袴を履かされるのは猫にでもなった気分だ。

 

 着せ替え人形になっている間に車は舗装された道に入っていた。目的地はもう近い。

 姿見で自分の目でも確認をしておく。横を見れば2Bも普段の装いからスーツに着替えている。

 

「皆様。そろそろ目的地へと到着いたします。――以上。」

 

 運転席から侍女服の式神が声を上げる。

 運転席越しに見える景色は明るい。朝焼けを背に私たちの走る山は赤く照らされている。

 宗教施設らしく町を見下ろす山の中ほどの神社まであともう少しだった。

 

 

 地方の霊能組織に対してはったりというものは重要だ。

 彼らの多くは地元では王、あるいは法王のような影響力を持っていることが多く、救援を求めていても“救援に赴く程度の霊能者”については下に見ていることがある事を体験したからだ。歴史も碌にない組織の一般出の霊能者など彼らにとっては下人程度のものだ。この辺りは良くも悪くも霊能が血によって継承されるものであったため、歴史というものに重きを置き過ぎる文化が未だに蔓延っているといえよう。

 だからこそ霊能を持つものに分かる威圧と、持たぬ者にも分かる仰々しい送迎は必要とされるものである。

 

「おぉぉぉ、彼がそうなのか!」

「何と神々しい。」

 

 神社の参道に併設されている駐車場に、朝から集まった現地の人間の囁きが広がる。

 初めキャンピングカーなんかで来た故の侮りにも似た空気は私が下車する中で消えていく。一般人からすれば侍女を侍らせ前後を護衛に囲まれるような立場の人間に見えるし、霊能を持っておれば分かる様に威圧の意を私が発して理解できる様にしている。

 

「わざわざこのような朝早くから出迎えていただいたこと、感謝致します宮司。」

 

「いえいえ、わざわざ遠いところよくお越しになりました藤原殿。」

 

 あえて目を閉じたまま集団の頭目に真っすぐ向かい、朗らかにあいさつを交わす。

 目を閉じていてもMAGの感知で世界を感じるが故の演出だ。おおよその輪郭や感情ぐらいなら十分伝わってくるので行動に支障はない。

 降りる前の感じだと出迎えに来てはいたが疑いの感情が覗いていた。それが降りてからは驚愕と安堵にとってかわられている。つかみとしては十分だろう。

 

「どうしても空けれぬ予定が入っていたとはいえ、儀式の当日に到着などさぞお怒りの事でしょう。どうか寛恕願います。」

 

「そのようなお言葉無用でございます。本当によく参られた。ささ、このようなところで立ち話もなんです。どうか社へといらしてください。」

 

 相手を敬う様子を分かり易く大げさなくらいに行う。歓迎に動員された氏子に神社の宮司は外の人間からも敬われる人間であると示し、宮司も客人を丁重にもてなすことによって大事な客だとわからせる一種の儀式だ。

 気を利かせたのだろうか。宮司と一緒に来ていた神職――おそらく権禰宜だろうか――が掴まるように腕を差し出してくれる。MAGに揺らぎはないし普段からこのような行いをしていそうだ。

 

「目を喪いているわけではないのでご安心ください。今日は大仕事ですので心眼を研ぎ澄ませておるのですよ。」

 

「おお、それは頼もしい限りです。」

 

 神社の石段を目を閉じたまま上ると再びざわめきが起こる。こういった知覚は覚醒者でも誰でも行えることではないので、実力を示すのに分かり易い。

 出迎えの氏子は家に帰すのかと思っていたが私たちの後を神職がまとめてついてきている。聞いてみると彼らは今日の行事を手伝ってくれる人間だそうだ。そこそこ人数もいるしここの神社は氏子から慕われているようだ。

 

 石段を登りきると、よくある神社が見えてくる。特筆すべきはその霊的防衛装置の補修具合であろうか。

 普通の組織では時間の流れるままに劣化しているのだが、この神社は拙くともほつれを繕うように修繕がなされている。それでも根本の一度叩き壊された形跡が手つかずのままであるので知識の散逸が起きてしまっているのは間違いないであろう。

 

 ここで一度氏子と別れ、宮司に案内された客間で此度の契約の確認をする。

 流石に書面までは見えないので契約内容を式神に朗読させて確認する。普段の依頼なら連合の運営の方で契約をまとめてくれているのだが、今回の依頼は霊地を実際に見てみないと判断できないところがあったので受諾者本人がサインをする形になっている。

 

「恥ずかしながら周りにある物や人がいることは分かるのですが、書面の文字までは見えておりません。未熟を晒しております。」

 

「何の何の。そこまでの霊能をお持ちでありながら謙虚でございますな。」

 

「歴史ある神社の宮司にそう褒められては天狗になってしまいそうですね。昔から怪異から鎮守し、川を治め、能々平和を守っておられたと聞き及んでおります。何時とは存じませんが畏きところからお言葉を賜れたこともあったとか。」

 

 取り寄せておいた資料から確認できた歴史をふってみる。地方の有力者だけあってこういった逸話には事欠かない。事前に近くに住む連合員に頼んで郷土史を調べておいたのだ。

 そうしていくらか雑談に時を費やし本題へと入っていく。

 

「先に訪れた者たちを逗留を許していただいたようで感謝しております。未熟な者たちですが何か粗相をしておりませんか?」

 

「こちらこそ久方ぶりの客人でして、ちゃんと持て成せているかどうか。お出しした料理も美味だと言っていただけましたが、実は皆様に呆れられていないか恐々としておりますぞ。」

 

「私も、ですが彼らも一般出の霊能者でして礼儀に疎いところがありますので失礼を働いておりませんか心配しておりました。その様子では良くしていただいた分、尻を叩いて成果を出させないといけないですね。」

 

 事前に現地入りしていた連合員は神社に宿を借りていたので一応上司っぽく振舞うために謝意を伝える。

 本来は同格なのだが、対外的には特殊技能所持者の私の方が上役として振舞った方が収まりが良いらしく運営からの指示である。普段着の上から防具や武器を担いだ程度の人間より、しっかり正装している人間を上に立てた方が話の通りがよいのだ。

 だからと言って幼児に代表面させるのもどうかと思うのだが。

 

「少し彼らと明日の確認を致したいのですが彼らはどこにおりますか?」

 

「それでしたらこちらに呼びましょう。代表だけでよろしいので?」

 

「ええ、それで構いません。お手数おかけします。」

 

 廊下に声をかけると離れていく気配がある。それ以外にこの周辺には気配を感じられないので護衛に潜んでいる人間もいないのであろう。こちらとしても都合が良い。

 

「さて、内密な話なのですがここでよろしいですか?」

 

「人払いが必要な話と。……何か勘気に触れましたか?」

 

「そうではありません。到着がぎりぎりになった理由をお話ししようかと。こちらに伺う前の仕事ですが、隣の組織の多々良の里の調査の依頼でした。」

 

「多々良の里と言いますと、こちらも連絡が取れなくなっておりましたがどうしておりました?」

 

「……残念ながら滅んでおりました。霊地の活性化による怪異の発生が起きたのでしょう。生き残りはおりませんでした。」

 

「な、なんと。」

 

「此度の結界の敷設にも影響が出ると思いましたので先に向こうの解決を行ったのですが、異界はこちらで討滅、一帯に結界を張り直しましたのですぐにどうにかなるわけではありません。ですが、将来的にはこの地の負担の増加も考えられます。」

 

 驚愕の空気が伝わってくる。

 仲の良い悪いはあったとしても隣にある組織なので交流は相応にあったのだろう。それがすでに滅んで存在していないとは考えもしない出来事であったのだろう。

 こちらの言葉を理解できるように間を取ってから話を続ける。

 

「あちらからの地脈の流れも考慮してより強靭な守りを敷きたいと考えております。口出しや手間が増えますが何卒ご考慮いただきたく。」

 

「どうぞ良しなに。必要と思ったことはすべてやらせていただきます。」

 

 それは縋るようで腹を決めたような不思議な言葉であった。焦燥しているようで毅然としているような態度は私の言葉を信じ切っている。一体私の何が彼の琴線に触れたのか。信用されているのは悪いことではないが不思議だ。

 

 廊下から人の気配が近づいてくるのでこの話は打ち切る。組織として今の情報を共通するのかどうかは組織の長として決める事だ。

 

「それでは打ち合わせがあるのでしたら席を外しましょう。この後はどうされます?」

 

「打ち合わせが終われば御山で作業を始めたいと思います。」

 

「一人、人を付けましょう。何かあれば申し付けてください。」

 

「日付が変わるまで座ってるだけですのでお気遣いなく、とはいきませんね。でしたら数時間ごとに交代を送ってください。本当に傍から見たら座っているだけですので。」

 

「では、そのように手配しましょう。」

 

 お互い頭を下げて宮司は立ち去っていく。入れ替わりでやってきた連合員の一人を部屋に入れて念のために防音の結界を張っておく。大した術ではないので解除も簡単なものだがこの程度でよいだろう。

 

 今回異界を攻略するのは山梨支部から出てきた人間ではなく、地方で普段暮らしている連合員だ。凡その傾向としてそういった人間はLVが低い。普段から山梨で修行をこなしていないので当然と言えば当然だが、式神がいるので強さは誤差と言えば誤差だ。

 三十後半の年頃の男性は式神を連れ立っていない。感じる強さからすれば普段から起動したままに出来るほどMAGに余裕がないのだろう。どこにでもいるような服を着て居心地悪そうに緊張して座る姿は少しばかり面白い。

 

「初めまして。本日の儀式を担当します藤原と申します。」

 

「あ、どうも。岩戸と申します。よろしくお願いします、藤原さん。」

 

 普段の癖だろう。上着を漁って名刺を取り出そうとして、今日は持ち合わせてないことに気が付いた動きをしている。

 

「そんなに緊張しなくていいですよ、岩戸さん。私は藤原と呼び捨てにしていただければ。」

 

「ん、んん。じゃあ、藤原君と呼ばせてもらうよ。それにしてもずいぶん雰囲気があるね。」

 

 咳払いをしてから恥ずかしそうに頭をかいて緊張を解く岩戸さんに私も笑顔を浮かべる。

 

「結界なんて弄るのに頼りなさそうには見せれませんからね。いかにも修行をしている人間を装わないと素人と思われては仕事も出来ませんから。明日も現地の人々の前では偉いさん相手をするみたいに敬ったふりをしていただけると助かります。」

 

「いや、そのまま話しかけてもビビると思うよ、うちの連中。すっごいそれらしさがあるしね。」

 

「うちの連中、ということは普段から一緒に組まれてる方ですか?」

 

「そうそう、このあたりの依頼を受けるといつも一緒なんで話してみれば近くに住んでてね。毎度違う奴と組むよりは固定した方がやりやすいかなって一緒にやってるんだ。」

 

「それは羨ましいですね。私はあっちへふらふら、こっちへふらふらしていて一緒に組むことがあまりないですから。」

 

 雑談をしながらおおよその強さや彼らのチームでの動きを確認しておく。明日はゆっくり休んでいて良いとは言え、一応は彼らのバックアップだ。何かあったときに齟齬が起きないようにはしておかないといけない。

 

「明日は異界の前でくつろいでいるので危険を感じたら遠慮なく頼ってください。敵のLVによりますけど支援に入りますんで。」

 

「その時はよろしく頼むよ。」

 

「ええ、ではまた明日。」

 

 余りだらだらと話をするわけにもいかないので顔合わせと明日の流れの確認だけしたら私も仕事に向かう。

 今日一日中地脈相手にあーだーこーだとしなくてはいけない面倒な仕事に、私はひっそり肩を落としながら神社の裏手の山を登るべく付き人に声をかけるのであった。

 

 

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