【カオ転三次】DRUG FATE 作:石は転がる
美少女式神は式神製造班の妄執の結晶である。
星霊神社の居室。
討伐も終わり、念のために受けた検査から返ってきた2Bを確認しているとそんな馬鹿げた思いが沸き上がる。
確かに豊かに盛り上がっているレザースーツはエロいが中身は紙の枠だけだし、顔とて紙の束でしかない。無表情に私が五体を確認しているのを見ているのだってマネキンがこちらを見ているのと変わらないはずだ。
誰も居ない部屋で2Bを眼前にして思わず生唾を飲み込んだのは気の迷いだと思いたい。
「マスター?」
ちょうどのタイミングで声を掛けられてびっくりする。これはこちらの動きが止まったからの疑問符だと思うが膝をついて顔を覗き込んでくるのは心臓に悪い。
頭の上で抑えられているがさらりと流れる銀髪からなんかいい香りがする気がしてドキッとする。伸ばされた手がこちらの頬を確かめるように触り、思わずそらした私の目線が首筋を辿って押し込まれたような双丘に向かい顔に血が上る。
「な、何でもない、2B。待機していて。」
「了解。」
命令すればこちらから手を放し壁際に移動して直立不動のまま動きを止めた。
連続稼働のデータ集めもかねて起動しっぱなしにしているが、この光景はシュールなのか不気味なのか判断に迷う。息をするわけでもないので本当に微動だにしないのだ。
ちなみにヴィーラは討伐の時以外は箱の中に畳まれて置かれている。相棒のLVがまだ低いので四六時中起動させておくことが出来ないからだ。そのうち起きている間は戦闘さえなければ起動できるようになるだろう。
ふと先ほど触られていた頬の感触を思い出す。
式神は顔以外は一反木綿のままのはずだが普通に指で触られていたようにしか思わなかった。
確認すべく2Bの前に立ち手を握ってみる。
握りしめた手は想像していたよりもずっと堅かった。これは武器を持つことを考えてなのだろうか。カチコチだ。
続けて腕を触ってみる。ぐっと押し込むとゆがむ柔らかさは人とは全然違う。グニグニ歪むのはロールしか入っていないからだろう。
気になって足を触れてみたがこちらも同じような感触だ。太ももを触ると独特の柔らかい反発が手を押し返してくる。触れるように撫ぜた感触は違和感がない。あえて言えば前後どちらからでも同じ感触になるのが人だとおかしいことだろうか。
確認を終えてふと目線を上げると見上げる形でお餅が二つ。
無言でこちらを見ている青い瞳。
口の中が乾いて生唾を再度飲み込む。
いくか? やるのか!?
踏ん切りの憑かない自分を蹴っ飛ばして恐る恐る腕を上げていく。
「朱莉ー! 一緒に風呂に入りに行こう!」
スパーンッと景気よく襖が開かれた音にびっくりして固まる。
首だけ動かせばいつも元気な相方の姿。そんな相方も今は笑顔で固まっている。
恐る恐る顔を戻せば万歳の格好でお餅を持ち上げようとしている自分の姿。あとちょっとで触れるか触れないかの姿は人から見ればどう見えるか。
「そ、そうだよな。朱莉も男の子だもんな。いや、よくわかるよ。私も昔はそうだった。」
「え、ちょ、まって、違うんです!」
早口に言葉を紡ぐ相方を慌てて止めるがグルグルお目目の相方は止まらない。
「人とどう違うか好奇心で……!」
「それでもな、紙切れにそういったことをするのはどうかと思うんだ。いや、気になるのは分かるよ。朱莉ももうお年頃だもんな。あ、でも式神だけ触って違いが分かるのか? 朱莉もそういうのは前もなかったって言ってただろ。あ、そうだ。違いを知るには生身も知らないと。そうだ、それが良い! 比較だ、比較の為だったら仕方がない! 今から行くぞ! 今なら生でOKだ!」
グルグル目で結論三段飛ばしの相棒は止まらない。
ばっと仕事道具を放り投げ二人分の用意を掻っ攫って私はドナドナされていく。
抵抗したがステの関係で私はめっぽう弱い。抵抗は無意味だ!されて人気の少ない女湯に剥がれて放り込まれるのであった。
ちなみに。
後日こっそり抑えきれない好奇心を満たしてみたが二つの丘はベコベコ凹んで何とも言えない顔になったとさ。