NTR要素有りのTS短編詰め合わせ 作:あへんちんき(毒入り)
「えぇ………やば………なんだその状況………」
おれ、
なんでも、周りの人間が自分の知らないうちに、とある男の虜になってしまっている現象が多発しているんだとか。
おれの聞いた話だと、母親に、妹の
もう十分だと思うかもしれないが、これだけでは終わらない。
クラスメイトで最近妙に構ってきたとかいうギャル、こがねちゃんに、委員で一緒に関わったことがある美里ちゃんなど、そこまで深く関わったわけではないが、ある程度関わりのあった女の子は大体例の男にゾッコン状態らしい。
「まさか庵までそうなってるんじゃないかって思ってきたんだが………その様子だと、特にそういう感じじゃなさそうだな。」
「まぁ、おれは男女だからなぁ。恋愛とか今はちょっとよくわかんないし。生まれたときから女だったならそいつに惚れてたのかもしれないけどな。」
そう、おれは実は男から女に性転換した元男だ。
3年前に日本国内でも症例が少なく珍しいと言われているTS病に感染し、強制的に女の子として生きていく事を強要されてしまった。
「まぁ、でも、いいんじゃないの?別に恋人ってわけじゃないんだし。」
「それは、そうなんだが。いや、俺は、明らかに恋愛的に、まあ、多分好かれてただろう?」
「……確かにな。」
認めるのは癪だが、こいつは確かに、周りの女の子達から好意を向けられていた。
勿論、異性として、だ。
周りの子達の急な豹変ぶりに、奈咲も違和感を感じたのだろうな。
「それに、母さんまであんな状態になるのも、おかしい。何か裏があるとしか思えない。」
「んー。単純にその男が魅力的だったんじゃねーの?そりゃ、母親がそんなふうになったらって思うとちょっときついけどさ、仕方ないじゃん?」
多分その男がイケてるだけなんだろう。
名前も
「そんなに気になるなら話しかければいいじゃん。その威景照ってやつに。」
「それは……………。」
「なんならおれが話聞いてきてやろうか?」
男同士で腹を割って、なんていうのは難しいだろうし、男同士だと意見が衝突した場合、喧嘩に発展する可能性がある。
その点おれは一応女の部類に入るため、喧嘩に発展したりだとか、そんな不穏な空気になることはないだろう。
そう思って、おれは奈咲にそう提案する。
「そ、それはダメだ!!絶対にやめろ!!」
しかし何故か奈咲はおれが威景照ってやつと話をする事を拒否した。
まあ、自分の話だし、わざわざ友達にそんなことしてもらうのも恥ずかしいって思ったんだろうな。
別にそうなら素直に恥ずかしいって言えばいいだけなのに。
「じゃあどうするんだよ。このままモヤモヤ抱えたまま過ごすのかよ。」
このまま威景照に不信感を抱いたまま学校生活を送るというのもあれだし、それに、奈咲は自分の周りの女の子達が威景照に対してメロメロになった事を、まだしっかりと飲み込めていない。
本人はなんともないかのように振る舞っているが、心の中ではかなりダメージを負っているはずだ。だからこそ、有耶無耶にせず、そこら辺はっきりさせといた方が、気持ちの整理だってつくしいいんじゃないかなと思うんだが。
「それは………。」
「別にお前が勝手に避けてるだけで、話してみたら案外気さくなやつかもしれないだろ?」
「そうかもしれないが…‥。」
「なぁ、
おれは
ん?なんでおれの隣にこいつがいるんだ?
あーいや、そうか、そうだった。
「ま、藤生君の好きなようにしたらいいんじゃない?とりあえず庵ちゃん
「貰う?あぁ。ホテルに行くんだっけか。分かった。じゃあ俺は今日は帰ることにするよ。」
そう言って奈咲はおれの部屋から出て行った。
「あの反応的に、多分庵ちゃんが本命だったんだろうなぁ。あーあ、惜しかったね。後もうちょっと早く来てれば、僕に庵ちゃんが寝取られることはなかっただろうに。」
威景照はそう言って、おれのふとももをさすってくる。
あれ?
なんでこんなこと………………。
「っ!!触るなっ!!!」
おれは咄嗟に威景照の手を払い除ける。
「ありゃ?催眠とけちゃった?抵抗力凄いね庵ちゃん。ま、完全には解けていないみたいだけど。」
「おれに…………何した?」
「うん?催眠をかけさせてもらっただけだよ。催眠をね。僕と恋人の関係になるっていうさ。」
「お前、今までもそうやって…………!」
「そうだね。隙をついて催眠して、僕の虜になるようにたっぷり『教育』してあげたよ。今じゃ皆催眠なしでも僕にメロメロさ。」
「なんで…………そんなこと……。」
「可愛い女の子を見て、そういう関係になりたいって思うことはそんなに変かな?僕は僕が可愛いと思った女の子に、片っ端から催眠をかけていっただけだよ。それがたまたま藤生君と関わりがある女の子だったってだけの話。」
「許せねぇ…………。」
「んーめちゃくちゃ睨みつけられてるけど、そんなことされても正直、そそられるだけなんだよね。まあいいや。じっくり『教育』して、僕のことしか考えられないようにしてあげるからね。」
おれはそのまま威景照に押し倒される。
逃げ場はない。
奈咲もさっき帰ってしまったし、今の家には誰もいない。
「本当はホテルでじっくりって思ってたんだけど、催眠がとけちゃったからね、仕方ない。ここでしよっか♪」
威景照はそう言っておれの唇に、自身の唇を重ね合わせてくる。
「んっ、ぁ、やめ……んあ……。」
初めてのキス。
慣れたようなそれに、おれは思わず圧倒されてしまう。
「どう?
無理矢理押し倒してきている癖に、威景照は優しい口調で話しかけてくる。
それ以上やられたら……………おれは…………。
「やられて、たまるかぁ!!!!!!!!」
おれは全力を振り絞り、全身全霊を持って
「な、何、馬鹿な!」
「お前の催眠、見破ったぞ!」
「なんだと!?」
「お前のスマホに入ってる、この催眠アプリ!こいつが全ての元凶だったんだ!!」
おれは
「そ、そんなぁ……。」
「悪は滅びた!」
なんかよくわからないけど、催眠アプリを破壊できたから、ヨシっ!