始解がモロ滅却師な席官さん   作:K+#ガソ林

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誤字報告ありがとうございました。現在は修正済みです。

誤: 変換された───神のみを切り裂く刃が。
正: 返還された───神のみを切り裂く刃が。




第20話

 

 

 千年の安寧。

 

 【封じられし王は900年を経て鼓動を取り戻し。】

 

 尸魂界に訪れた、安寧。

 

 【90年を経て理知を取り戻し】

 

 三界は安定し───。

 

 【9年を経て力を取り戻し】

 

 今日、停滞は破戒される。

 

 【9日間を以て世界を取り戻す】

 

 『A』、『The Almighty (全知全能)』。

 

 神の名を冠するもの、ユーハバッハ。

 

 

 霊王宮が───瀞霊廷に落ちてきた。

 まさに世界の終わりかの如き光景であった。

 隊士達は事前に全員瀞霊廷から逃げ出せたので、犠牲こそなかったが…。

 

 藍染惣右介の霊圧が、霊王宮を地に落としているのである。

 

「おはよう。死神の諸君。日も出て間もないが…これから世界の改革までの一時間を宣言する。」

 

「…世界の改革…だと…!?」

 

 包帯を全身に巻いた狛村左陣は、藍染の言葉に驚愕する。

 改革?馬鹿なことを。

 霊王宮を落として改革を宣うなど、笑止千万。

 

 力による世界の()()を、人は改革とは呼ばない。

 

「諸君には説明すべきことがある。まず、これが霊王だ。」

 

「…!霊王…様…!」

 

 朽木ルキアは呆然とする。

 霊王は───あらゆるところが削ぎ落とされていた。

 鎖結、魄睡、並びに内臓。

 右腕、左腕、爪…。

 

 無惨な死体と思えてもおかしくないのに、その姿は一種の神秘性すら秘めていた。

 

「彼は尸魂界の罪そのものだ。尸魂界、虚圏、現世…この三つの世界は、霊王を楔として作られた。その際に五大貴族の者達は、彼の四肢をバラバラにしたのだ!報復を恐れるがために!!」

 

「…!」

 

 朽木白哉は戦慄した。

 藍染惣右介は、本気でそう思っている。

 強大なるものから与えられる殺意とは───一言では言い表せないほど、恐ろしいものだ。

 

「ふざけるな!藍染惣右介!お前の言っていることは口から出まかせだ!何か証拠でも、あるとでも───。」

 

「本当のことじゃ。」

 

「───!?」

 

 朽木ルキアの糾弾に返すように、零番隊───兵主部一兵衛は答える。

 

「藍染惣右介の言っていることは全て本当のことじゃ。」

 

「なん…だと…!?」

 

 四楓院夜一は目を見開いて一兵衛を凝視する。

 自分達の祖先、五大貴族の一つである四楓院家が悪を成していたこと、また、零番隊の兵主部一兵衛が藍染の味方をするように、ルキアの糾弾に対して答えたことに。

 

「儂ら零番隊は、藍染惣右介に敗北した。最早勝つことは叶わん。山本元柳斎重国も儂らの目の前で死した。」

 

「───山、爺…。」

 

 京楽春水は悲しみに暮れる。

 薄々感じていたことではあった。

 だが、斬魄刀を見せられ───死んだと言われては、疑う言葉も出ない。

 

「そこで、儂らはここでお主達護廷十三隊に通告をしにきた。…いいかの?」

 

「許そう。」

 

「藍染惣右介は───新たなる霊王じゃ。そのため、今いる霊王は一時間後に殺害する。」

 

「!?」

 

「霊王を殺害した後は儂とて、どうなるかわからん。…じゃが、藍染惣右介の霊圧は莫大じゃ。三界の保持は難しくないじゃろう。───儂らが、お主らに選んで欲しいことは、藍染惣右介を王として認めるか、認めないかじゃ。」

 

 一兵衛は言う。

 

「もし認めない場合は、一時間後に決戦を行う。その時は儂らも戦力として藍染惣右介討伐に力を貸そう。王として認める場合は、流魂街へ行くのがよいじゃろう。巻き込まれてはいかんからのう。」

 

「…話は終わりか?兵主部一兵衛。」

 

 一兵衛が話終わるのと同時に、断界からユーハバッハが現れる。

 3つの赤き瞳孔が、眼下の死神達を見据える。

 藍染惣右介がユーハバッハを見上げ、気安そうに声をかけた。

 

「ユーハバッハ。ありがとう。君のおかげで私の理想が叶いそうだ。」

 

「私に勝てれば、だがな…。聞いての通りだ。藍染惣右介との決戦には、私も参加する。」

 

「な…!?」

 

 浮竹十四郎はあまりの事態を飲み込むことができない。

 先程まで敵対していた滅却師が、今度は味方───!?

 

「俺たちは何のために争っていたんだ!!」

 

「霊王の右腕を宿す者よ。貴様が怒る気持ちもわかる。私は貴様達死神を襲ったのにも関わらず、今になって藍染惣右介と敵対した。それは全て、そういう計画であるからだ。」

 

「───。」

 

 滅却師と破面の同時進行。

 護廷十三隊全員が薄々感じていた真実であった。

 

「勝負は一時間後だ。家族に別れを告げるなり、己を最後まで高めるなり、好きにすればいい…。それと、彼を。」

 

 藍染惣右介が鬼道で投げたのは───傷だらけの秀忠だった。

 

「───秀忠っ!」

 

 大前田希千代は秀忠を抱える。

 すぐさま救護班に運ばれ、浦原喜助の薬液によって治療されることとなった。

 

「単身乗り込んでくるとは、成長したな。秀忠二十席…。しかし、爪を研ぐ勇気と、飛び出す無謀は少々種類が異なるものだ。」

 

 

 一時間後。

 秀忠は昏睡から回復した。

 

「…ここ、は。」

 

「よかった、起きられたのですね。秀忠仮隊長。」

 

「あなたは…。」

 

「四番隊第三席、伊江村八十千和(いえむら やそちか)です。以後お見知り置きを。」

 

「そ、そうだ!こうしてる場合じゃない…!」

 

「やめてください。外傷こそ治っていますが、あなたの霊圧は回復しておりません。あの戦いに赴いても…。」

 

「戦い…!?みんなが藍染と戦っているのか!?ダメだ!!止めないと…!!」

 

「止め…?あなたは、何を見たんですか…?」

 

「藍染惣右介の力は想像以上だ…!あんなの、誰だって敵うわけがない。()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 戦いの余波で結界が消失したため、霊王宮に辿り着くことができた秀忠は…山本元柳斎の死体を発見した。

 彼の斬魄刀に縋りつき、秀忠は言う。

 

『そうか…総隊長は、身を挺して藍染惣右介を…。』

 

 何故そんなことを言ったか。

 それは、藍染惣右介の霊圧を感じ取ることができなかったからだ。

 膨大すぎる霊圧は───まさに大気そのもの。

 

 その後、秀忠は藍染と交戦するが───完現術を生かすこともできず、黒棺1発でのされてしまったのだ。

 慌てる秀忠は伊江村の静止も聞かず、瀞霊廷へ向けて駆け出した。

 

 

「おやおや、秀忠サン。お久しぶりです。」

 

「秀忠殿。お疲れ様でした。」

 

「…浦原さん、鉄裁さん!?…いや、ここにいてもおかしくないか。」

 

 秀忠に声をかけるのは、浦原喜助と握菱鉄裁。

 世界の危機というのに、なんとものほほんとしていた。

 

「藍染惣右介は強大です!護廷十三隊の皆は戦ってるんでしょう!?止めに行くのを手伝ってください!」

 

「やだなぁ、止めたって無駄ですよ。彼らの覚悟は決まってるんです。」

 

「死にに行く覚悟なんて…間違ってる!京楽隊長の卍解をしたって藍染惣右介は倒せませんよ!」

 

「───なら、なんでアタシがこんなところでのんびりしてるんですか?」

 

「…何か、策があると…?」

 

「ええ。今、石田サンと黒崎サンが断界で修行を受けています。断界の中は時間の流れが二千倍…ユーハバッハが壊してくれたのか、狗突もいませんし、修行にはもってこいの───。」

 

「三ヶ月でしょ…!もし、それで充分だったとしても!たかが高校一年生の…15歳の少年にやらせることじゃないだろ!!」

 

「───アナタは?」

 

「…っ。」

 

「戦いに行く者の覚悟を、侮辱するなよ。松井礼司秀忠…。彼は勝つために戦おうとしてるんです。守るために…。アナタは?アナタはどうなんですか?()()()()()()()()()()()()()?」

 

「あ…。」

 

『君は力と立場が手に入ればこのように掟を守り、正義を成す。では君が───()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。』

 

 藍染惣右介がかつて言っていたのは、こういうことか。

 

 俺は───勝手に物事を決めつけて、絶対に不可能だと思い込んで…願望を通す努力をしていなかった。

 成し遂げるために、何が必要かを探す努力を、していなかったのだ───。

 

「…秀忠サン。アナタには()()を渡しておきます。必要になったら使ってください。」

 

「これは、鏃(やじり)…?」

 

 銀色の…鏃だ。

 

「ユーハバッハに刺してください。然るべき時に。彼の動きを、止めるべき時に…。」

 

 

 

 完現術者、零番隊、ユーハバッハ、護廷十三隊、仮面の軍勢、捕虜の滅却師の連合軍対、市丸ギン、東仙要、藍染惣右介、十刃の連合軍。

 

 『F』、『The Fear(恐怖)』 、エス・ノトが勝負を見届ける。

 

「…陛下、私ハ戦ワナクテヨロシイノデスか。」

 

「ああ。この戦いを見届けろ。」

 

 ユーハバッハから、エス・ノトは戦いの余波を抑える結界を張って尸魂界の崩壊を抑える役目を負った。

 

「…後ろから刺してやる。」

 

「暇があれば許そう。だが───敵は藍染惣右介だぞ、死神。」

 

 日番谷冬獅郎は殺意をユーハバッハへ向けるが、さらりと流される。

 

「…時間だ。開戦と行こう。十刃諸君───暴れたまえ。」

 

 

 霊王宮の戦いよりも…見えざる帝国での戦いよりも…膨大な量の戦闘が起こった。

 

 戦況において重要なことは二つ。

 どうやって藍染惣右介を倒すか。

 どうやって藍染惣右介を封じるか、だ。

 

 幸いにも藍染惣右介は鏡花水月を使わず、黒棺を秒間に一度撃つ程度で済んでいる。

 

 浮竹十四郎が黒棺をその都度吸収し、藍染惣右介へと返して対処しているが…何の負傷もない藍染。

 涅マユリは冷静に状況を分析した。

 

「…これは、無理だろう。あの黒棺の攻撃力は砕蜂隊長の卍解を悠に凌ぐ。あんなものを容易に受け止めるなど…生命の域を超えているヨ…。」

 

「切っちまえばいいんじゃねぇのか?」

 

「…!こら、待て!更木!」

 

 藍染惣右介の前に向かおうとする更木剣八を妨害するのはノイトラとアーロニーロ。

 しかし───無駄だ。

 

 彼らより、グレミィ・トゥミューの方が強いからだ。

 

「どけ。」

 

「がっ…。」

 

「おめーらはバランスがどーたらで殺しちゃダメって言われてんだよ。そこで寝てろ。」

 

 帰刃している。

 アーロニーロも盾にしている。

 それなのに───一撃で上半身と下半身を両断された。

 

「藍染ーッ!!行くぜぇえ!!」

 

「…更木剣八か。」

 

 更木剣八は、グレミィ・トゥミューとの戦いで始解、野晒を会得した。

 その能力は凄まじく…黒崎一護の卍解を軽く凌ぐほどの力を得る。

 一撃が月牙天衝を超え、一つ叫べば天地がひっくり返る。

 それでもまだ余裕そうに、笑みを深める。

 彼のようなものを───人は剣八と呼ぶのだ。

 

「既に私は、君を超えた。」

 

 藍染惣右介は体を動かさない。

 驚くべきことに…野晒の刃は、藍染惣右介の体表で受け止められた。

 

「君の流儀だったか?確か。このように…弱い者には、先に切らせるのだろう?」

 

「───!」

 

 黒棺の力を纏った瞬閧を発動。

 黒き奔流を纏った拳が奏でるは、人体が砕ける魔の調べ。

 更木剣八は身体中の骨を折り、戦闘不可能となった。

 

「よく避けたな、更木剣八。本来ならば今ので致命打とするつもりだったのだが…。」

 

 藍染惣右介は霊圧を集中させる。

 

「情けないだろう。更木剣八。殺してあげよう。───破道の九十、黒棺。」

 

 黒棺が放たれた、その時だった。

 

 

「よォ、藍染…。」

 

「…その姿は…。」

 

「止めに来たぜ、アンタを。」

 

 最後の月牙天衝。

 無月───。

 

 鎖を腕に絡め、斬魄刀が右腕に融合している…。

 その有り様は───斬魄刀戦術の禁術、そのもの。

 黒崎一護は、黒棺を剣圧のみで消し去った。

 

「…ふふ。なるほど。」

 

「……。」

 

「私は、君からとんでもない量の霊圧を感じている。今までの君とは、比較にならないほどのね…。崩玉と融合する以前の私の6倍近くはあるだろう。」

 

「藍染。」

 

「ああ、どうかしたのか?」

 

「俺はな、アンタにひとつだけ、感謝をする。」

 

「…。」

 

「アンタのおかげで、銀城達と出会えた。アンタのおかげで、ネル達と出会えた。───アンタのおかげで、石田達と出会えた。」

 

「君に感謝される筋合いはないが…出会いのきっかけを与えたのは、確かに私だ。一心から話は聞いているのだろう?」

 

「ああ、だから、ひとつだけだ。俺は───俺の母さんに虚をけしかけて殺したアンタを、皆を危険に晒したアンタを…許さねぇ。」

 

「いいだろう、黒崎一護よ…。私の全身全霊を持って、君を打倒する。この場にいる誰よりも───君は、強い。」

 

 時が止まったような静寂。

 瀞霊廷の各所では、死神と滅却師、破面が鎬を削っているというのに。

 

 瞬歩にて、藍染の後ろに回り込む一護。

 藍染の背後から月牙天衝を放つ。

 藍染惣右介は月牙天衝を避けるが、避けた先に()()()()()()()()()()()

 

「これが、本来の戦い方なんだってよ。」

 

 あらかじめ月牙天衝を神速で放ってから、瞬歩で周りこんで月牙天衝、藍染が背後の月牙を避けることで、狙った場所へと動かし、予め…置いておいた月牙天衝を当てることに成功する…!

 

「…成長したな、黒崎一護…。」

 

「挟んでおいたよ。僕は君の弱点を知っている。」

 

「…ッ!?」

 

 突如正面に現れたのは、月島秀九郎。

 霊圧感知に引っかかってすらいないのに、どうして…!

 

「儂の真打…しら筆一文字で名を変えておったのじゃ。」

 

「貴様…兵主部一兵衛…!」

 

 兵主部一兵衛の真打(卍解)…しら筆一文字は、始解の一文字を使って黒く染めたものの名前を書き替え、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 月島秀九郎に『石』と名付ければ、石になる。

 今回は月島秀九郎に『月牙天衝』と名づけ、一護の月牙天衝に変身させたのだ。

 

「月島秀九郎…君がやったことは、ただの事象の前倒しに過ぎない!」

 

「下がれ、月島。」

 

 黒棺の弾丸が月島を襲うも、容易く弾く一護。

 藍染との実力はほぼ伯仲していると言っていいだろう。

 

「兵主部一兵衛さん。()()。」

 

「…ぬぅ?」

 

「今、このタイミングしかないって教えてもらったんだ。過去の彼の態度からね…。」

 

 因果が収束する。

 あらゆる…因果が。

 

「無月…。」

 

「…それが君の…最後の月牙天衝か。」

 

 一護は黒髪の長髪に変貌し…その霊圧がさらに数段噴き上がった。

 

 

「3。」

 

 

 このタイミングを見計らっていたように、2人は裏切る。

 1人は簒奪者から取り戻すために。

 1人は、王たる己を証明するために。

 

「卍解。」

 

「神殺槍(かみしにのやり)。」

 

 市丸ギンの致死の槍が───。

 

「帰刃…朽ちろ!」

 

「髑髏大帝(アロガンテ)!」

 

 老いという、死の概念が…。

 藍染惣右介へと放たれる。

 

「2。」

 

 事前の打ち合わせなどなかったが、絶好の機を見逃さない浦原喜助。

 

「九十六京火架封滅(きゅうじゅうろっけいかかふうめつ)…!」

 

 浦原喜助の秘蔵の鬼道…。

 霊力の放出孔を抑える封殺術が放たれた。

 

「わかったわい、月島の坊。…お主の見立ての通りにやる。」

 

 同時に、しら筆一文字の能力で…伊勢七緒が『石』から元の姿へと戻り、藍染惣右介へと駆け出す。

 

「八鏡剣…!」

 

 尸魂界の貴族、伊勢家にのみ継承される神剣。

 京楽春水より、八番隊副隊長、伊勢七緒に返還された───神のみを切り裂く刃が。

 

「1。」

 

 各々の攻撃が一斉に、藍染惣右介へと向かう。

 八鏡剣がまず初めに届き、藍染惣右介の身体を両断。

 この時点で一時的に、藍染惣右介の霊力は上半身の分しか行使できなくなる。

 

 藍染惣右介は不敵に笑う。たとえ全ての攻撃に被弾しようが、問題ない。今の進化した力であれば。

 

(…しかし、浦原喜助。奴の攻撃は見逃せん。)

 

 その時、伊勢七緒を掴んで背後にどかし、一護は無月を発動。

 巨大な霊圧の奔流が、藍染惣右介の霊力のコントロールを奪う。

 これでは鬼道を発動することができない。だが、それでも問題はなかった。

 

 神殺槍と九十六京火架封滅、髑髏大帝(アロガンテ)が着弾。

 藍染惣右介は膨大な霊圧を放出し、そのうちの二つを吹き飛ばす。

 ここで藍染の脳裏に疑問符が浮かぶ。全ての攻撃ははたき落としたはず───。

 届いたのは─── 九十六京火架封滅。

 藍染惣右介の霊力が抑えられ、水晶が彼の身体を覆い始める。

 

「逆撫の、能力や。」

 

 視界の端で、平子が笑う。藍染の視界には…気づかない程度にズレがあった。霊力の放出の、その一瞬だけ。

 体の自由が効かなくなり、再生こそできるが、霊圧は放てない。

 

「───平子…!いや、浦原、喜助ェ!!」

 

「叫びたい気持ち、よーくわかりますよ。何もかも上手くやった。何もかも上手くできる…そのつもりで、上手くいかなかった…。」

 

 浦原喜助が姿を見せる。

 藍染惣右介は平子にも物申したかったが、すぐに視線を移す。形相を鬼のようにして、浦原喜助を睨みつけた。

 

「貴様…貴様は!何故私の邪魔をする!私は三界の王となるべき死神だ!」

 

「アンタは間違いなく、一護さんの無月の威力を見誤ったんですよ。故に…()()()()()()()()()()()()()()()()、何の破道も発動しないという愚を行い、八鏡剣で斬られて抵抗する力を失った。」

 

「…油断したというのか…!」

 

「玉砕なんてやるわけないでしょう。藍染惣右介、それはあなたの傲慢だ。」

 

「浦原───喜助ぇぇェェッッ!!!」

 

 藍染惣右介───封印。

 皮肉にもその姿は───霊王の如くの、水晶に囲まれた有様だった。

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