嵐を呼ぶぼっち・ざ・ろっく!   作:tatararako

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14話を投稿させて頂きます。

こうして、ふたりちゃんはぼっちちゃんを紹介し、かすかべ防衛隊に入りましたとさ……。そして、
    
   


ふたりの思い出 2

    

    

私はしんちゃんのお陰で、イジメられることは無くなった。

 

「ね、ねえ。ちょっと……良い?」

 

それが私に勇気を与え、私はいつもしんちゃんと仲良くしてる女の子……ネネちゃんにしんちゃんのことを聞いてみることができた。

 

「あの……しんのすけ…くんって知ってる?」

「うん、どうしたのー?……あっ!またしんちゃんが迷惑を掛けたのね!?」

 

すると、その女の子はしんのすけと言わずに愛称のしんちゃんと呼んだことから、親しい仲なのだろうということは直ぐに理解できたけど、しんちゃんは普段の行動のせいか、私がしんちゃんのことを聞いただけで、その女の子はしんちゃんが私に何か迷惑を掛けたと思ったらしい。

 

「ち、違うよ。……私……此処に来たばかりで……それで、一言…お礼が言いたくて……あの……その………。」

 

そのため、私は慌てながら……いや、顔を赤らめていたと思う。

それを見た女の子は、何かを察したのか、ニヤニヤとしながら私を見ていた。

 

「なるほどね~。」

 

それを見た私は、またからかわれるのではないか?またイジメられるのではないか?と警戒してしまう。……だけど、

 

「良いわよ。しんちゃんのところに行こ~。あたし、桜田ネネ。」

 

ネネちゃんは、2つ返事でそう返してくれるだけでなく、名前も教えてくれた。

 

「ねえねえ、貴女のお名前は?」

「わ、わたしは……後藤…ふたりです……。」

 

そのため、私達は互いに名前を教え合った。

 

「後藤ふたりちゃんね?……ならさぁ、私やしんちゃんが居るかすかべ防衛隊に入らない?」

「?……何それ?」

 

それだけでなく、ネネちゃんは私にかすかべ防衛隊に入らないかと言ってくれた。……だけど、その当時の私はかすかべ防衛隊というものがどんなものなのかを全く知らなかったため、聞き返してしまう。

……しんちゃんが入っているかすかべ防衛隊がどういうものなのかを。

 

「えーっとね、春日部の愛と平和を守る事を目的とした防衛隊!……貴女もかすかべ防衛隊に入りたいって言ったら、きっとみんな暖かく迎えてくれるし、みんなと一緒に居られると思うわよ?」

「べっ……別に…しんちゃんと一緒に居たい訳じゃないけど……。」

 

そうして、ネネちゃんは私にかすかべ防衛隊がどういう組織かを教えてくれた後に、一緒に入らないかと誘ってくれたけど、未だに警戒していた私はつい、漫画に出てくるツンデレみたいな態度でしんちゃんと一緒に居たい訳ではないと返してしまった。

 

「そうなんだ~?……でも、しんちゃんや私だけじゃなく、みんなと一緒の方が良いでしょ?」

「う……うん。」

 

ネネちゃんは私にそう言うけど、多分私がどう思っているのか気付いていたと思う。

 

何故なら、ネネちゃんは私がしんちゃんと一緒に居たいということを話していないのに、私自身がしんちゃんと一緒に居たいといった話をした時点で丸分かりだからである。

そして、後に知ったことだけど、私の感情に気付いていたネネちゃんは、私にしんちゃんもリアルおままごとに入れると言ってリアルおままごとに賛成するメンバーを増やそうとしていたという考えがあったそうである。

 

それを私が知ったときは、ネネちゃんはいつもこういった悪知恵が働くことができるネネちゃんの一面を理解した時だった。

……まあ、私はそれにいつも釣られてリアルおままごとに賛成していたけど。

 

「あっ、いたいた。……みんな〜!!」

 

そうして、ネネちゃんの呼びかけにしんちゃん……いや、みんな反応して、こちらを見ていた。

 

「ネ、ネネちゃん。……どうしたの?」

 

そうして、ネネちゃんの呼びかけに一番に声を出すマサオくん。………割と失礼だけど、初めて会ったときは"おにぎり頭"と心の中でそう呼んでいたのは今も隠していることだ。

そのマサオくんは、おどおどとした声と仕草でこちらを伺っているようだった。

 

何故、おどおどとしていたのかと言うと、後から聞いたことだけどもマサオくんはどうやらネネちゃんがリアルおままごとをしたくて呼んだのではないかと思い込み、警戒していたかららしい。……今にして思えば、マサオくんらしい。

 

「えーっとね~、今日はかすかべ防衛隊に入隊したい子を連れてきました~!」

 

だけど、ネネちゃんはそんなマサオくんの姿を気に掛けることもなく、私のことをみんなに紹介してくれた。

 

「……は……初めまして………ご、後藤ふたり……です!」

 

そのため、私はマサオくんみたいにおどおどして、小さな声でそう言った。

……多分、今ならおねーちゃんが友達出来なかった理由が今なら分かる。知らない人、知らない環境でひとりぼっちだと思えば、誰だって口が吃ってしまう。きっと、おねーちゃんもこんな気持ちだったのだろう。それに悩んでいたんだろうと思えるほどに。

 

「へー、ふたりちゃんって言うんだ。…何でかすかべ防衛隊に入りたいの?」

 

風間くんにそう言われた私は……顔を赤らめながら、しんちゃんの方を見た。しんちゃんを見ただけで、胸の鼓動がギターの様に掻き鳴らされ、動揺してばかりだった。

 

「……あっ……あっ、えっと………。」

 

それ故に、いつもの私なら、風間くんの質問に答えることができるけど、それが難しかった。

……そして、このときばかりは友達が居ないおねーちゃんのことをバカにしたりしていたことを後悔し、改めて新しく友達を作ることの難しさを実感していた。

 

「んもぉ〜風間くんったら、私を捨てて他の女の処に行こうってのぉ〜?」

「あぁ〜♡……って、やめろよ!!」

 

そうして、しんちゃんは風間くんの耳を軽くフッと吹いたことで、しんちゃんは風間くんに怒られていた。

 

「あっ……。」

 

私に話しかけていた風間くんの下へとしんちゃんが近付いたから、私の近くにしんちゃんが居る。……しんちゃんが居るから、私は不意にしんちゃんと手を繋いだことを思い出してしまったため、石の様に固まってしまい、私からしんちゃんに近付くことができなかった。

……そう考えるだけで、私はどう話せば良いか分からなかった。頭が真っ白になった。

 

「え~っとね~。……最近、春日部に来たばかりだから、私がかすかべ防衛隊に入れば春日部に直ぐ慣れるわよと言って私から誘ったの。」

 

そんな頭が真っ白になった私を見て、ネネちゃんが助け船を出してくれた。

ネネちゃんが私をかすかべ防衛隊に入らないかと誘った結果であると言って皆に説明してくれていた。

 

「……そ、そうなんだ。私、今まで横浜に居たから、あまり詳しくなくて……。」

「……という訳だから入れたいんだけど~、みんなどう思う?ネネは賛成なんだけど。」

 

だから、私もネネちゃんの話に乗っかることにした。

それを聞いたネネちゃんは私がかすかべ防衛隊に入ることに賛成してくれた。

 

「……ぼ、ボクも良いと思うよ。仲間は多い方が良いし。」

 

それだけでなく、マサオくんも賛成してくれた。

 

「……新しい人を入れるのも、防衛隊のためになる!」

「僕も賛成だけど、しんのすけは?」

 

マサオくんが賛成してくれたことが呼び水になったのかは分からないけど、ボーちゃんは賛成し、風間くんも賛成の様だった。そのため、風間くんは一応、しんちゃんにも私が防衛隊に入れることには賛成かを尋ねていた。だからこそ、私はしんちゃんに注目してしまった。

 

「ん~、オラは別に構わないけど。」

 

……そして、私をかすかべ防衛隊に入れることに異論は無いと言っているのも聞かずに、私はぼーっとしんちゃんを見つめているだけだった。

そんなときである。

 

「しん様〜♡」

 

そんなときにおトイレウーマンことあいちゃんがしんちゃんに愛らしい声で話しかけていた。

 

「よっ!」

「まあ、今日も短くて合理的な挨拶。素晴らしいですわ♡」

 

そして、しんちゃんに話しかけるあいちゃんを見ていた私は、あいちゃんがしんちゃんに好意を抱いているのだということが一目で分かった。

 

「ちょっと!今はこの子をかすかべ防衛隊に入るように紹介してるところなんだけど!!?」

「あら、ごめんあそばせ?……でも、私もかすかべ防衛隊の一員になりたいのですから良いでしょう?」

 

それだけでなく、あいちゃんとネネちゃんは仲が悪いことも知った。

 

『美少女戦士!おトイレウーマン参上!!』

 

……私としては、あいちゃんは私のことをおトイレウーマンになって助けてくれたし、

 

『後藤ふたりちゃんね?……ならさぁ、私やしんちゃんが居るかすかべ防衛隊に入らない?』

 

ネネちゃんはこんな見ず知らずの私にも優しくしてくれて、そしてかすかべ防衛隊に入らないかと誘ってくれた。

だから、私としては二人共仲良くして欲しいという思いの方が強かった。

 

「今はふたりちゃんのことで忙しいの!!」

「あら、私はしん様とのことで忙しいですことよ?」

 

そうして、ネネちゃんとあいちゃんが口ゲンカをしている隙に、私はしんちゃんに聞きたかったことがあったので、しんちゃんに近付くと、私はつい尋ねてしまった。

 

「……ね、ねえ、しんちゃんって……ネネちゃんとあいちゃんのどっちが好きなの?」

 

しんちゃんはネネちゃんかあいちゃんのことが好きなのかと、それを尋ねてしまった理由は、もし、しんちゃんがネネちゃんかあいちゃんのどちらかの子が好きだというなら、諦めようと思ったから聞いてしまったのだ。……すると、

 

「え~、どっちが好きと言われましても……オラ、子供には興味ないんだよね〜。」

 

私の予想外の答えが返って来たのだ。

 

だけど、このときに私はしんちゃんは大人の女性にしか興味が無いということを知ってしまった。

それだけでなく、私はしんちゃんが興味を持つ様な大人の女性ではなく、子供でしかないということに気付いてしまった。

 

「………あ、あははは。」

 

だから私は、小さく声で笑ってしまった。……いや、笑って誤魔化した。

……そっか、しんちゃんは“大人の女性”にしか興味無いのだ。なら、幼稚園児でしかない私になんか興味を持たないだろうということを理解してしまったのだ。

 

「それに!かすかべ防衛隊に入りたいなら恋愛禁止!!かすかべ防衛隊は恋愛に現を抜かす暇なんて無いのっ!!」

 

それだけでなく、あいちゃんとネネちゃんの言い争いの中でネネちゃんの恋愛禁止の声が私の耳に聴こえていた。

それを聴いた私は、私が入るかすかべ防衛隊の和を乱したくなかったから、

 

「……そ、そうなんだ。……変わってるね。」

 

今の自分の気持ちに蓋をすることにした。

 

「いや~、それほどでも~♡」

「……褒めてないんだけど。」

 

だから私は、自分の気持ちを素直に打ち明けることがどれだけ難しいことかを学んでしまった。……おねーちゃんもきっと同じ苦労をしていたんだと思いながら。

 

そう考え、それに気付いた瞬間、私は何をすれば良いのか分かった。

 

「……あ、あのさ、かすかべ防衛隊ってネネちゃんから聞いたんだけど、……かすかべ防衛隊って私の住んでる春日部で愛と平和を守ってるって本当?」

「そうだゾ〜。……でも最近マンネリ気味なんだよね〜。」

「じゃ……じゃあさ、もし、もしもだよ?……もしも、友達が出来ずに困ってるひとりぼっちの子が居たらさ……助けてくれる?」

 

だから、私はいつもひとりでギターを弾いているおねーちゃんのことを話した。

……それだけでなく、ひとりぼっちの子を助けてくれるかと私のことも含めて聞いてしまった。

 

「ほうほう。それは誰のことですかな?」

 

すると、しんちゃんは私にそう尋ねてくれた。……だから、私は、

 

「……私のおねーちゃん。……友達が誰も居なくて困ってるから、そのお友達になってくれると嬉しいなって。」

 

いつもひとりなおねーちゃんの友達になって欲しいとお願いした。……そうすれば、しんちゃんと私は少しでも多く傍に居れるという考えもあった。おねーちゃんを利用するという酷い行為だとも思った。

だから、私は内心、こんな提案をする私のことをとてもズルイ子だと思ったこともあったけど、しんちゃんは、

 

「おおっ!ふたりちゃんのおねーさんは美人?」

「うん!美人だよ!!」

 

私のおねーちゃんが美人かどうか尋ねて来たから、私は美人であると答えていた。……結束バンドで活躍している私のおねーちゃんのことを考えれば、嘘じゃない。

 

「……フッ、ならいっちょ、一肌脱いでやりますかー!!」

 

すると、しんちゃんは頬を染め、やる気になって、私の美人なおねーちゃんを助けることに頑張ろうとしていた。

 

「オーイ!みんなー!!」

 

そのため、しんちゃんが私の美人な(喜多さんとかの話だと、5秒間だけは美人になれるらしいから、間違っていない。)おねーちゃんを助けるために、かすかべ防衛隊のみんなでいつもひとりのおねーちゃんをお助けするべく、そのおねーちゃんの友達になろうと提案していた。それを聞いた風間くんは、

 

「よーし、それじゃあ、みんなでふたりちゃんのお姉さんを助けに行こう!かすかべ防衛隊!」

「「「「「ファイヤー!!!!」」」」」

 

みんなで友達を欲しがっている私のおねーちゃんの友達になってお助けしようということを私が提案し、しんちゃんが言うと、みんなが賛成したので、かすかべ防衛隊の皆はおねーちゃんの友達になるということが決まった。

 

……そして、しんちゃんは美人な私のおねーちゃんに会うことにドギマギしていたけど、実際はいつも猫背のせいで二重顎になっている様に見えることで美人に見えないだけでなく、変わった行動をする私のおねーちゃんを見て、幻滅したそうである。

 

………それでも、私のおねーちゃんは、

 

「おねえちゃんすっごーい!!」「次はもえPも引いてー!!」「ぼー!!」「よっ、マンホール!マンホール!」「それを言うならアンコールだろ。」

 

しんちゃんと私達のために頑張ってアクション仮面やカンタムロボだけでなく、ま・ほー少女もえPの主題歌をギターで完璧に再現したことに私だけでなく、みんなも感動していた。……そして、みんなもおねーちゃんのことが好きになってくれた。

 

……だから、そんな思い出がある私にとって、しんちゃんは救いのヒーローだったし、おねーちゃんも私とかすかべ防衛隊を繋ぎ止めてくれるギターヒーローだった――――。

 

 

 

――――――――――――

――――――――

――――

 

 

 

私は、しんちゃんとの初めての出逢いを今は幼稚園のバッグではなく、ランドセルを背負ったしんちゃんの後ろ姿を見ながら思い出していた。

美人のおねーさんに見惚れて何処かへとふらついたり、忘れ物があったとか言って来た道に戻ったりといった騒動があって、鳩ケ谷おねーさんがタイムロスしたことにショックを受けていたが、私は幸せだった。

 

何故なら、遅れれば遅れるほど、その時間の分だけ、しんちゃんと一緒に…傍に居られるからだ。

この先、私はしんちゃんと同じクラスに居られるとは限らないから、私は鳩ヶ谷おねーさんには悪いけど遅刻しても良いから、この時間が長く続けば良いのにと思っていた……。

 

だけど、そんな悪いこと考えていたせいか、しんちゃんの帽子はイタズラな横風に流されて、川に落ちてしまった。

 

「私が取ります。……副班長、みんなを連れて先に行って。」

 

……それを見た、鳩ヶ谷おねーさんは渋々といった感じだったけど、副班長にみんなを連れて先に行くように指示を出すと、鳩ヶ谷おねーさんは網代木を足場にして、頑張って渡ってしんちゃんの帽子を取ろうとしていたみたいだった。

だけど、そのイタズラな風のせいで、私は鳩ヶ谷おねーさんの支持に従った副班長に連れられて、しんちゃんと鳩ヶ谷おねーさんを残して先に行くのであった。

 

「あっ……。」

 

こうして、私はしんちゃんと離れ離れになるのでした。

 

(ああ、ごめんなさい。神様。)

 

だから、私は心の中で神様に謝った。

……だからなのか、その謝罪の心が神様に通じて、私はしんちゃんと同じクラスになれただけでなく、ボーちゃんとマサオくんも居た。

 

そうして、先生から「作者の気持ちを答えなさい」とか聞かれる授業時間も過ぎ、放課後となった私はマサオくんやボーちゃん、ネネちゃんとは違うクラスの女子と少し話したあとに私は、

 

「あっ、ゴメン。……そろそろ友達と約束してるんだ。」

 

と言って、しんちゃんと一緒に帰るべく探すけど、見当たらなかったから校門の所へと向かう。……すると、

 

「鳩ヶ谷。今日遅刻したんだってな?ざまみろ。」

「てめ、ブサイクのくせに生意気だから、良い気味だったぜ。」

 

鳩ヶ谷おねーさんが同級生のいじめっ子の二人に絡まれていた。

 

「遅刻のバツだ。帽子は没収。」

「や、やめてよ牛の尻くんと犬股くん。返しなさいよ!!」

「悔しかったら飛んでみろ。鳩なんだろ?ブサイクハト?」

 

……どうしよう、助けようにもどうすれば良いのか分からない。

 

「やーい、ブサイクバト~。」

「ブサイクブサイク~。」

 

だから私は、校門の陰に隠れながら、鳩ヶ谷おねーさんと牛の尻と犬股といういじめっ子達のやり取りを見ているしかなかった。

……すると、しんちゃんがいじめっ子達に盗られた鳩ヶ谷おねーさんの帽子を奪い返すと、いじめっ子達のズボンを下ろすのだった。

 

「「なにすんだてめーっ!!?」」

 

そのため、ズボンを下ろされたいじめっ子達は大事な所を隠すしかできなかったから、逃げる鳩ヶ谷おねーさんとしんちゃんの後を追うこともできなかった。

 

「おぼえてろよー。」

 

そんな捨て台詞をしんちゃんは吐きながら、鳩ヶ谷おねーさんの手を取って逃げていた。しんちゃんの捨て台詞を聞いたいじめっ子達は律儀に「こっちのセリフだーっ!!」と返していた。

……それを見た私は、幼稚園の時に私の手を取ってくれたことを思い出していた。

 

 

 

……そうして、いじめっ子達を撒いたしんちゃんは、奪い返した鳩ヶ谷おねーさんの帽子を鳩ヶ谷おねーさんに、

 

「朝、帽子取ってくれたからお返し。」

 

と言って渡していた。それを受け取った鳩ヶ谷おねーさんは、

 

「た、助けてくれてありがと…。」

 

としんちゃんにお礼を言っていた。

そう言われたからか、しんちゃんは、

 

「んとね。おねいさんはブサイクじゃないよ。」

「え!?……しんのすけくん。」

 

と言って鳩ヶ谷おねーさんを慰めていた。それを聞いた鳩ヶ谷おねーさんは「じゃ」と言うしんちゃんの後ろ姿を涙目で見ていた。……その一連の様相を見た私は、しんちゃんがおトイレマンを正義の味方とすることで私を救ってくれたことを思い出し、その後ろ姿に頬を染めながら見ていた。………けど、

 

「かといって、美人でもないけどね。」

 

しんちゃんは最後に鳩ヶ谷おねーさんに「美人でもない」と言うと、鳩ヶ谷おねーさんを盛大にズッコケさせるのだった。

……それを見た私は、

 

私が昔経験したおトイレマンのことを思い出して、小さく笑っていた。

 

ああ、しんちゃんは変わらないな。そんな変わらないしんちゃんと一緒で私がクレヨンを握っている時から心の中に秘めている感情も一つも変わっていないなと再確認してしまう。……だから、私は、

 

「しんちゃん!一緒に帰ろー!!」

 

いつも通りにしんちゃんの元に走り寄って、一緒に帰ろうと提案するのだった。……少しでも多く、隣に、傍に居たいから。

 

「おおっ!これはまた奇遇ですなー。」

「えっへへへ!また同じクラスで嬉しいなー。」

 

そんな話をしながら、私としんちゃんは、家に着くまで一緒に並んで帰った。

 

 

 

――――――――――――

――――――――

――――

 

 

 

こうして、私の持ち物はえんぴつからシャーペンへと変わったけど、舞い散る桜の花びらを手に掴んで、手の内に隠しながら学校への道を歩んでいた。

 

おねーちゃんは青い春は似合わないと歌詞に書いたことあったけど、結束バンドに居るおねーちゃんの様にしんちゃんも私も青い春が似合う子になったかな?……自分なりに私も青い春を過ごしていると思う。

 

だから、私は、

 

「しんちゃん!一緒に帰ろー!!」

 

クレヨンから変わらない口調で、私はクレヨンを握っている時から変わらない淡い気持ちを抱き続けている人の名前を呼んだ。

 

だって彼は、今も変わらず大人のおねーさんが好きだから、

 

……だから、私の持ち物がえんぴつからシャーペンとなった今も淡い気持ちを抱き続けていて、そして手の内に隠している桜の花びらと一緒に、この淡い気持ちは私がしんちゃんの好きなタイプの大人の女性になるまで隠し続けるけど、この気持ちは、

 

 

絶対に忘れてなんかやらないよ。

    

      




    
   
此処のふたりちゃんが、ぼっちちゃんのことをジミヘンより家族ヒエラルキーで高く固定されている理由。
自分とかすかべ防衛隊を繋ぎ止めてくれるから。

ふたりちゃんが野原家に詳しい理由。
少しでも傍に居たいからストー……ふたりちゃんの努力で知っている。


最後に、身体がコーラで出来ているさん、高評価ありがとうございます!
      
     
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