嵐を呼ぶぼっち・ざ・ろっく!   作:tatararako

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20話を投稿させて頂きます。

すいません。いつもの時間から、少し遅れました……。

原作6巻を読んだ後……アレ?頼りになる大人って園長先生しか居ないのでは?と思ってしまった。
    
    


ぼっちちゃんは目を開けるゾ

     

     

「ねーねー。ぼっちちゃんから返事来た?」

 

私とリョウと喜多ちゃんがSTARRYで集まって、合わせの練習をしているときに、ぼっちちゃんから返事が来たかどうかリョウと喜多ちゃんに聞いてみた。すると、

 

「いまだスルー……」

「さっきのロインまずかったかなー?」

 

リョウが自分のスマホを片手で操作しながら、ぼっちちゃんから返事が来たかどうかを見ると、私と同じく既読スルーのままであるということを教えてくれた。

……うーん。やっぱり、さっきの"チケットノルマ"に関するロインは追い詰めてしまったんじゃなかろうか?と思ってしまう。いや、いつもしんちゃんとかと遊んでて、友達が居ないということを聞いているから、ぼっちちゃんがそういう子だということには気付いているのにそういったことに気遣ってやれない私も悪いと言えば悪いよね。うん。

 

「いやそんなことは……今日は自主練の日ですし、単純に忙しいだけかもですよ?」

 

喜多ちゃんは、そんな私を気遣ったのか、私に自主練の日だから単純に忙しいだけだと言ってくれた。

 

「かな~?」

 

でも、きっとぼっちちゃんのことだから、ノルマ分を捌けなかったらクビにすると言われるかもしれないと戦々恐々としているところかもしれない。……それで、きっと、ノルマ分を捌けない自分を追い詰めているかもしれないと思うと、気が気でない。

 

「でもどうしよう…ぼっちちゃん追い詰めちゃってたら。」

 

ぼっちちゃんは、私が無理言って入ってもらったところもあるから、それで気を悪くしてたら申し訳ない気持ちになるというか……。

 

「気持ちわかる。私も何度圧をかけられたことか……。」

「よく言うよ!」

 

そんなことを考えていたら、リョウが私から何度も圧をかけられたと言われたため、何かとふざけたりお金借りたりサボろうとしたりするリョウがよく言うよと私はツッコんでいた。……ホント、よく言うよ!

 

「まったく……ぼっちちゃん……大丈夫かなー?」

 

そんなこんなで、私はぼっちちゃんが変な大人とかに変な場所に連れて行かれてないか、怖い人に目を付けられて絡まれていないか心配であった。

 

 

 

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こうして、組長さんの仕事を手伝うことになった私こと後藤ひとりときくりお姉さんは、組長さんの後に付いて行ったんですけど……。

 

((……ふたば幼稚園?))

 

何故か組事務所とかじゃなくて、かといって江戸屋敷みたいな立派な門構えがあるヤクザ映画とかに出てきそうな家でもない。……普通の幼稚園。いや、ふたりが現在元気に通っている"ふたば幼稚園"の前まで来ていた。

 

「こ、こんなところで何をするんですかね……?」

「しっ!黙ってひとりちゃん!」

 

そんなゴニョゴニョと組長さんがふたば幼稚園に来た理由を私は推測しようとしたら、きくりお姉さんが組長さんに聞かれていたらマズイと返されたため、私は無言になるしかなかった。

 

「……ここなら、良いでしょう。」

 

組長さんはそう言うと、私達に透明なゴミ袋を渡してくれた……あっ、え?……はい?

 

「今、子供達が此処に集まってきますから、それまでに出来るだけ石とか危ない物を集めて下さい。」

 

……何故かヤクザの組長さんに幼稚園内の掃除を頼まれました。

 

 

 

 

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――――

 

 

 

 

「……極道の人って幼稚園の掃除とかするんですかね?」

「……ヤクザのサイドビジネス的な…………いや、ゴメンひとりちゃん。私も分からない。」

 

そんなこんなで組長さんの指示通りに私ときくりお姉さんは幼稚園内の掃除をしていた。……何でだろう?ホント、何でだろう?

 

「アレ?ひとりお姉さーん!何やってるのーー!?」

 

そんなことを考えていたら、ネネちゃんの声が聴こえたから、その声の方へ視線を向けるとネネちゃんだけでなくマサオくんや風間くん、それにボーちゃんが私に近付いて来ていた。あ~、みんなの顔を見ると癒される~……じゃなくて!!今、私はヤクザの組長さんの仕事を手伝っている訳だから今ネネちゃん達が私達に近付くと危ない!!そう思った私はかすかべ防衛隊のみんなに逃げるように言おうとしたら、

 

「園長先生も何やってんのーー!?」

「ああ、皆さん良い所に来ましたねぇ。……これから、あのお姉さん達が皆さんに演奏を聴かせてくれるそうですよ?」

 

ネネちゃんはヤクザの組長さんのことを園長先生と言っていた。………え?園長?……園長っ!!?

 

「それに、みんなが転んで怪我しないように、あのお姉さん達が園内を掃除してくれたんですよ?後でお礼を言いましょうね?」

「……園長先生。ピンク色のジャージを着た人は僕達の知り合いですから知って居ますけど、あのもう一人の方は誰なんです?」

「おや?風間くん。あのジャージを着ているお姉さんとは知り合いなのかい?」

「ええ。……あっ、え~っとその~、後藤ひとりさんっていう名前で、いつも僕達にアクション仮面といった演奏を聴かせて遊んでくれたりするふたりちゃんの優しいお姉さんですよ。」

「おや。それはそれは、とても良い方達なんですね。」

 

そうして、ヤクザの組長さんだと思っていた人はふたりの通っている幼稚園の園長さんで、その園長さんに風間くんは私のことを説明してくれていた。

 

「……でも、ひとりおねえさんじゃない方の人、何だか怖そう。」

 

でも、マサオくんはきくりお姉さんがキャミワンピースの上にスカジャンを羽織っているだけでなく、素足に下駄を履いて、右手の甲に曼荼羅のようなタトゥーを入れているという出で立ちから、きくりお姉さんのことを“怖いお姉さん”のように見えたらしい。

 

「マサオくん。人を見た目で判断してはいけませんよ?あのお姉さんもマサオくんが怪我しないように園内の掃除を手伝ってくれたんですよ?」

「……はい。園長先生。」

 

それを聞いたヤクザの組長さん、もとい園長先生はマサオくんにきくりお姉さんは園内の掃除をしてくれた人だから、人を見た目で判断してはいけないと教えると、マサオくんは素直にそれに従っていた。

……はい。その通りです。私ときくりお姉さんも園長先生のことをヤクザの人だと勘違いしたから何も言えない。

 

でも、マサオくんの反応ときくりお姉さんを怖いお姉さんではないと諭す姿を見ていると、園長先生というのは本当だと思える。

 

「……ひとりちゃん。園長先生って呼んでたあの子達、ふたりちゃんのことを知ってるってことは、ふたりちゃんもふたば幼稚園に通ってるとか?」

「あっ、はい。……そうです。」

「……園長先生のこと、知らなかったんだね〜。」

「は、はい。……あ、あまり、外には出ないんで。」

「まあ、私もその気持ち……分かるよ。……私も陰キャだったしね~。」

 

そして、園長先生とかすかべ防衛隊の会話の中から、私の妹のふたりがふたば幼稚園に通っていることに気付いたきくりお姉さんは、私が妹ふたりが通っている園長先生のことを知らなかった理由を聞き、それに同情してくれた。

 

……本当にすみません。

あまり、人と話すのが苦手なばかりに外に出ないせいで女子高生らしいことも知らないどころか、自分の妹が通っている幼稚園の園長先生まで知らないまでに落ちぶれてしまって……。

 

「くっそ〜!あのお笑いトリオのリーダーに騙された〜!!」

 

それを聞いたきくりお姉さんは、その場で座り込んで、埼玉紅さそり隊のリーダーのふかづめ竜子さんのことをお笑いトリオのリーダーと言って騙されたことを悔しがっていた。

 

「もうこうなったら、ヤケ酒「あの、すいません。」

 

それ故に、きくりお姉さんは園内にも関わらず酒を取り出すと、酒を呑もうとしていました。……いや、此処で呑まないでください。それに、園長先生が「すいません。」と語気を強めて言って来てますよ。

 

「此処は園児が居ますんで、お酒は控えてください。」

「は……はひ……す、すびばせん。」

 

そのため、きくりお姉さんは園長先生に飲酒は禁止と注意を受けると、園長先生の顔があまりにも怖かったのか、その後は酒を呑むことはしませんでした。

……きくりお姉さん、大丈夫だろうか?

 

 

 

 

――――――――――――

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――――

 

 

 

 

そうして、私ときくりお姉さんは園内の掃除をしていると、

 

「……え?」

 

何やらふたば幼稚園に人が……いや、子供が集まってきtう゛え゛え゛え゛え゛ぇ゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!゛!゛?゛ななななんで!?なんでこんなに人が来てるのっ!!?

 

「おーやってますな~。」

「おねーちゃーん。」

 

そんなことを考えていたら、しんちゃんとふたりが私にそう話しかけてくれた。……って、しんちゃんがやったの!?コレッ!!?

 

「……え?……し、しんちゃんとふたりが人を集めたの?」

「おう、それはアタイが説明してやるよ。」

 

しんちゃんとふたりが集めたのかと問うと、竜子さんはそれを説明すると話していた。

 

「あ~!あの時はよくも騙したな~!!」

「わ、ワリィワリィ。そうしないと、後藤ひとりも此処に来ねえし、体育館とか借りる必要があったからさ。」

 

すると、きくりお姉さんは竜子さんを見るやいなやそう言って園長先生のことをヤクザの組長だと言って騙したことを非難すると、竜子さんのことをポカポカと軽く小突いていました。

……え?私!?

 

「えぇ~?それどういうこと?」

「実はな、ジャガイモ小僧共に人を集めてもらったんだよ。それと、組長……じゃなくて、園長にアタイがお前らが曲を披露したいからって伝えると、園内の掃除をすれば良いと言ってくれたからな。」

 

え?何でそんなことを?

 

「何でそんなことを?って顔してんな。……オメェがギター売る前に、此処でガキ相手のライブをするってことだ。」

 

すると、竜子さんは私の表情から察したのか、此処で集まった子供相手にライブをすると言って………え?

 

「おおっ!いいね!それ!!……でも、子供はロックとか分かるかな?」

「そこは大丈夫だ。……曲はジャガイモ小僧から聞いたアクション仮面をするって言ったら園長も快く受け入れてくれた。」

「えっ?それ出来るの?」

「そら、ジャガイモ小僧が聴きたいと言うレベルなんだから、すげえとか言うものじゃねえだろ。……それは、アタイが保障する。」

「え?………そうなんだ。(じゃあ、ひとりちゃんって物凄く上手いんじゃあ?)」

「おおっ!それならみんな喜びますな~~!」

 

な、なんか……竜子さん、きくりお姉さん、しんちゃんが話し合って私が大勢の子供の前でギターで『アクション仮面の唄』を弾くことになっている!?……どうしよう…どんどん話が進んでいく!!?

 

「いや…え…でも……。」

「ガキ共がつまらさそうなら売る。喜んでいたらギターは続ける。……ギターを売るかどうか悩んでるなら、それをここで決めたら良いじゃねえか。」

 

私が吃りながらも断ろうとするけど、竜子さんはギターを売るかどうかは此処でライブをして、集まって来た子供達の反応を見て決めれば良いと、私に言ってくれました。って、いやちょっと、私がギターを売る嘘を今も信じてくれて、しかも、何か星歌さんのオーディションみたいなことをまたやることになってるぅ!?

 

ど、どどどどどどどうしよう!?今更、嘘ですと言えないし、それならアンプといった機材が無いからとか言ってそれで断ろう。……ヨシ!それで行こう!!

 

「あっ、みなさーん。アンプとか必要な物は体育館に用意しておきましたので、使ってもいいですよー。」

 

そう考えていたとき、組長……もとい園長先生が体育館でアンプとかを用意してくれました。……どうしよう………もう断れなくなっていっているような気がする。

そ、そうだ!!しんちゃんに助けてもらおう!!

 

「おおっ!ギターくんじゃありませんか!?」

「バラ組のチーターだ!!文字数も一つも合ってねえじゃねえかっ!!」

 

だけど、しんちゃんは友達と楽しそうに喋っていました……。ああっ!心の支えが!もうダメだぁーっ!!

 

「ヨーシ!私も一肌脱ごう!!」

「……えっ?オメェ酔ってんのに弾けんのかよ?」

「私はベース弾いてるんだよ~?お酒とベースは私の命より大事なものだから毎日肌身離さず持って……あっ、ベースは飲み屋、もとい『男たちの挽歌』っていうバーに置きっぱなしだ。」

「……命、安すぎねえか?」

 

……それだけでなく、きくりお姉さんも私を手伝うと言ってましたが、ベースを何処かに忘れていたらしく、竜子さんはそのことについてツッコんでいました。……そのため、準備ができるまで少し時間が掛かりました。

 

 

 

 

――――――――――――

――――――――

――――

 

 

 

 

「やあ、ごくろうごくろう。」

「……オメー、後で覚えてろよ。」

 

そうして、きくりお姉さんは竜子さんがダッシュで頑張って取ってきたのと、組長さんがアンプとかを用意してくれたお陰でライブの準備ができました。……うう、もう逃げられない。

 

「まあまあひとりちゃん。私も命の恩人のために頑張るからさ。(ホントはアクション仮面の唄とかさっきスマホで聞いた程度だから詳しくは無いけど。)」

 

あぁ……きくりお姉さんの暖かい言葉が身に染みる。……で、でも、これだけは言っておかないと。

 

「……あ、あの、じ、実は私……外でギターを弾いたことなくって……その……。」

「え?外でギター弾いたことがない?」

 

私が外でギターを弾いたことがないと言うと、きくりお姉さんは何かを察したのか、

 

「そんなに怖いなら目を瞑って弾くとか?人見知りなんだね~。わかるよ~。」

 

私に目を瞑って弾くことを提案してくれた。

……あっ、それならいけるかも。いつも手元の見えない暗闇で弾いてたし……うん、大丈夫。

 

「でも、一応言っとくけど。今目の前にいる人達は君の戦う相手じゃないからね。…敵を見誤るなよ。

 

え?敵?……敵ってどういうこと?

 

「それじゃ!今からおねえさん達が『アクション仮面の唄』を弾きますねー!!」

 

きくりお姉さんはそう言うと、きくりお姉さんは『アクション仮面の唄』を弾き始める。そのため、私はそれに合わせて目を閉じる。

…………あっ、この人即興なのに音にまったく迷いがない。すごく自信に満ちた演奏。

 

「……アクション仮面の唄が聴けるって言われたから来たけど、何か違わない?」

「だよなー。」

 

……でも、流石に初めてのアクション仮面の唄は難しかったのか、子供達が知っている物じゃなかったのか、その不満の声が出ていたけど……きくりお姉さんはそんなこと気にすることなく、私の演奏を確実に支えてくれている。音だけでわかる。楽しんでるんだって。

 

「み、みなさん。余りお姉さん方を……ああ。」

「あなた、どうしたの?」

「……僕は……園長に向いてないんだ。」

それだけでなく、園長先生が私達が上手くアクション仮面の唄を弾けなかったことに対する不満の声を抑えようとするけど、上手く行かなかった。

 

「組長!どうしやす!?」

「そうそう、しんちゃんの言う通り、なに言ってんのよそんな顔して、しっかりしてよ組長。……あっ。」

 

……きくりお姉さんも、園長先生も、紅さそり隊の人達も、こんな私を支えようとしてくれているのに、それに比べて、私は……笑われてないか……嫌な顔をされてないか……そればかり考えて、顔上げるのも怖い……。

 

すると、しんちゃんが園長先生のことを組長と言うと、それに釣られた副園長先生……もとい、あなたと言うところから園長先生の奥さんが組長と言うと、

 

「オイ、野郎共っ!!聴いているだけだからって気ィ抜いてんじゃねえぞっ!!」

 

園長先生が啖呵を切っていた。……それに釣られて、私はつい顔を上げてしまっただけでなく、驚いて目も開けてしまった。

 

「お前等が茶々を入れているところを他の組に見られてみろ、芸の花道を理解出来ないと言われて、かすかべ組の名にキズが付くってもんだ!……いいか!?華のある芸を見せている時は気合い入れて静かに耳を傾けろよ!!分かったな!!!

 

組長……もとい、園長先生がそう言うと、子供達は揃って片足を上げて地面に付けると「応!!」と元気よく、多分意味が分かっているのか分からないけど、そう言うのでした……。

 

「え、えーと、それじゃ!ゴメンだけど、おねえさん達がもう一度始めから『アクション仮面の唄』を弾きますねー!!」

 

そうして、きくりお姉さんの言う通り、仕切り直すためにもう一度始めから『アクション仮面の唄』を弾いていった。……すると、今度は不満の声も無くなっていった。だからなのか、園長先生のお陰で静かになったことを思い出した私は、不意にマサオくんと園長先生のやり取りを思い出してしまう。

 

『……でも、ひとりおねえさんじゃない方の人、何だか怖そう。』

『マサオくん。人を見た目で判断してはいけませんよ?あのお姉さんもマサオくんが怪我しないように園内の掃除を手伝ってくれたんですよ?』

『……はい。園長先生。』

 

そうか……初めから敵なんかいない。……私が勝手に怖がって……壁を作ってたんだ…………。

 

そう考えた私は、自然とギターの方へと視線を向けると、自然と聴いてくれる人達に向き合えたような気がする。……結果、しんちゃんとふたりのお陰で体育館に集まってくれた子供達の声から不満の声が無くなり、歓声になっていた。

 

「……すっげえ!アクション仮面の唄だ!!」

「アクション仮面の唄が弾けるなら、オレもギターやってみようかな!?」

 

それだけでなく、みんな、笑顔。………これからたくさんライブしたら、もっとこんな顔が見れるのかな?見れたら……良いな。

 

……私は、そんな光景を自然と思い浮かんでしまった。

 

 

 

 

――――――――――――

――――――――

――――

 

 

 

 

「それじゃあ、少ないですけど、これは今日のお手伝いの謝礼です。」

「良かったじゃねえか。」

「あっ……。」

 

こうして、私こと廣井きくりとひとりちゃんの幼稚園でのライブは大成功し、園内の掃除と子供達を喜ばせたことでひとりちゃんはお手伝いに対する謝礼を貰い。その謝礼を貰ったひとりちゃんを見たお笑いトリオのリーダーのふかづめ竜子は「良かったじゃねえか。」と言っていた。

 

「あっ、あっ……あの!」

 

だけど、ひとりちゃんは園長先生を真っ直ぐに見て、声を上げていた。……もう人の目が怖くないじゃん。

 

「……謝礼はいいので……良かったら、ライブのチケットを買ってもらえないですか!?」

 

謝礼の代わりにライブのチケットを買って欲しいと言いながら、ひとりちゃんがやるらしきライブのビラを園長に見せていた。

 

……なるほど、ひとりちゃんは結束バンドというバンドに居るのか。

 

「……オイ、ちょっと待て。お前、一日で挫折してギターを売るところじゃなかったのかよ?」

「……あっ。」

 

しかし、ふかづめ竜子はひとりちゃんは一日で挫折して、ギターを売るところじゃなかったのかと問い詰められると、ひとりちゃんは、

 

「……すいません。その話、全部嘘です。」

「すっげえすらすらと嘘吐くな!?」

 

その話は全部嘘だと白状するのでした。……え?アレ、全部嘘だったんだ。

そのため、私だけでなく、ふかづめ竜子の部下のお銀ちゃんもひとりちゃんが嘘をすらすらと言えたことに驚愕していた。

 

「テンメエェェェ!!騙しやがったなああぁぁぁ!!?」

「ヒィ……。」

「リーダーリーダー。」

「抑えて抑えて……。」

 

すると、ふかづめ竜子はひとりちゃんに対して激昂していた。……まあ、挫折したひとりちゃんがギターの売却をすること阻止するために色々やったのに、全部嘘でしたとか言われれば、そりゃ怒るよね。

 

「……まあいい。アタイもお前らを騙したからな。……そのチケット幾らだよ。」

「……え?」

「その一枚くれ。……今日の"ライブ"だっけか?良かったから買うって言ってるんだよ。」

「!……は、ハイ!!」

「アタイにもくれ~。」

「ライブに感動したからアタイも~。」

「オメェらなぁ、少しは硬派な不良らしくしろよ!」

 

ふかづめ竜子は、ひとりちゃんにチケット一枚買うってぶっきらぼう気味に言ってるけど、本当は感動してるんだよね。……2000円も出してるのに、分っかりやすいなぁ~マリーちゃんやお銀ちゃんみたいに素直に言えばいいのに。………でも、この光景見てると、私にもこんなキラキラした時代があったはずなのにぃ~。

 

「あっ……さ、三枚も売れた……え、えへへ……あ、ありがとうございます。」

「おう。今度のライブ……だっけか?それ、期待してんぜ。」

(ふ、不良って……カッコイイ!)

 

ふかづめ竜子はそう言うと、颯爽と去ろうと背中姿をひとりちゃんに見せていた。……粋なことするねぇ~。背中姿をじっと見つめてるよひとりちゃん。……そして、

 

「なら、私達も買いましょうか。」

「ええ、そうしましょう。あなた。」

「ヨーシ!それじゃあ、私も買おう。おにころ5本分以上のライブ期待してるよ。」

「あっ、ハイ!……三人で4500円です。」

 

園長先生と園長の奥さん。そして私もチケットを買うと言うと、ひとりちゃんはとても嬉しそうだった。……けど、

 

「ん?……三人で4500円?」

 

ふかづめ竜子はそれに反応すると、ひとりちゃんに近付き、

 

「……っていうことは、一人1500円ってことだよな?」

「え?……あっ、ハイ!」

「なら、釣り代の500円返せよ!」

 

2000円払ったんだから、釣り代として500円を返せと言うのであった。……それを聞いた私達……もとい、ふかづめ竜子以外の私達は、

 

((((((……な、何か、しらける。))))))

 

きっと、こう思ったことだろう。……けど、ひとりちゃんは、

 

「あっ、あの、4500円貰いましたから、この500円で良いですか?」

「んー?ああ、それで。」

 

健気に500円を返していた。

 

「……あ、そうだ。まだ二枚残っていたんだ。」

「ん?二枚?」

 

二枚残っているというひとりちゃんの言葉に反応した竜子ちゃんは、どういう意味なのかを聞いていた。

 

「え?あっ、その……ノ、ノルマでチケットを10枚売らなきゃいけなかったんで。後、残り二枚売らないと……。」

「は?何だそりゃ!?」

「高校生にノルマ課すとかひでぇな!!」

 

その意味を聞いたマリーちゃんとお銀ちゃんは、ひとりちゃんが酷い仕打ちを受けていると勘違いしていた。……それを聞いた私は、

 

「ヨーシ!!命の恩人のために私も一肌脱いであげよう。金沢八景で花火大会が有るらしいから、そこで路上ライブをやるんだよ!!」

「ヴェッ!?」

「おおっ!それ、採用!!」

「このまま、行っちゃう~?」

「もう遅いから行かねえよ。」

(ど、どどどどどどうしよう!!そんなキラキラしたとこで、私できない!!後藤ひとり、断れ!断るんだぁ~!!)

「じゃっ、明日下北沢に集合な!!」

「が……がんばりましゅ。(断れたら、陰キャなんてしてなかった……。)

 

ゴメンね~ひとりちゃん。人見知りなの分かってるのにそんなことさせちゃって……でも、この短時間でちゃんと気づいて欠点克服するひとりちゃんは絶対上がって来る!私の勘は当たるんだ!!

 

「また一緒にライブしようねー。ばいばーいひとりちゃーん!!」

 

だから、次のライブも成功させようね。

 

……こうして、園児達のお陰で欠点を少しだけだけど、克服したひとりちゃんは金沢八景でも聴く人を魅了させ、ファン一号と二号さんを得たことでノルマチケット10枚を完売できた!!……やっぱり、この子は絶対上がって来る!!!!

 

 

 

 

――――――――――――

――――――――

――――

 

 

 

 

その後、私こと後藤ひとりは、虹夏ちゃん達にノルマチケット10枚を完売させたことをロインで報告していた。

 

「あと、チケット全部売れました……だそうです。」

「ぼっちちゃん……絶対嘘ついてるよね。」

「やっぱり、このロインがプレッシャーになってたのかも?」

「明日の練習はみんな優しく迎えてあげよう。」

「ハイ」「ウン」

 

みんな、きっと喜んでいるだろうなぁ~~~~。

    

     




    
    
アクション仮面の唄とかカンタムロボのOP曲を弾きまくったせいで変に技量が上がったギターヒーローもとい、ぼっちちゃん。


最後に、逆真さん、高評価ありがとうございます!!
このまま高評価が増えて、クレしんとぼざろがコラボして……あっ、ダメですか?……そうですか。(´;ω;`)
    
    
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