嵐を呼ぶぼっち・ざ・ろっく!   作:tatararako

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4話を投稿させて頂きます。

しんちゃん現る。

……割としんちゃんって常に本気モードを出せば、ぼっちちゃんを養えそうではある。
   
   


スターリーに行くゾ

     

     

そうして、ふたりが呼んでくれたお母さんのお陰で氷風呂から脱することができた私は、懲りもせずスク水姿になり、身体中に冷えピタとか貼って、それだけに飽き足らず扇風機の前でギターを掻き鳴らしながら心の中で(うおーっ!風邪ひけ風邪ひけ風邪ひけ!風邪ひけ~!)と叫んでいた。

 

この華麗な指さばき、魂のギターソロ、私の命を燃やしている音がギターから聴こえてくる。もしかしたら、このスク水姿で好きなギターソロで弾いてみた動画を投稿すれば……て、アップできるかっ!!

 

……はぁ、何考えてるんだろ。……まあ、でもこれだけすれば明日は確実に風邪を引いてるハズと念じながら私は眠った。

 

 

 

 

 

 

――――次の日――――

 

初バイトの日、私は体温を計る。……結果は36.5℃……私の願望は届かず、無情にも体温計は私に対して「貴女は健康ですよ。」と告げてくるのであった。……丈夫な体が憎い。もうこうなったらいっそ仮病を……と思っていたら、ピコンと携帯が鳴ったため確認すると、虹夏ちゃんからメッセが届いていた。

 


おはよう(*´∀`)

今日はバイト初日だね!

不安だろうけどちゃんとフォローするからね

一緒にがんばろう!


 

 

バイトをバックレようとしてる私にこんな温かい言葉を……だから私は虹夏ちゃんに感謝のメッセを送った。

 


自分がいかに愚かな事をしていたか気づきました。

気づかせてくれて私を全うな人間にしてくれて

本当にありがとうございます


 

ヨシッ!バイト頑張るぞぉ!!

そんな気持ちを抱いたまま、先ずは学校へ向かった。

 

 

 

 

 

 

――――STARRY前――――

 

 

着いちゃった……ぼっちがんばれ!ぼっちがんばれ!ぼっちがんばれ!!ぼっち「ね〜、まだ中に入らないの?」

「いや、まだあと五分は……てっ、ええ!?しんちゃん!?」

「よっ。」

 

声のした方に顔を向けると、そこには野原しんのすけこと、しんちゃんが居た。いや、何で下北沢に居るの!?電車とかどうやって!!?

 

「えっ!?……いや、え?何で居るの?」

「秋田のじいちゃんと一緒に来たんだゾ。」

 

私がしんちゃんと目線を合わせるべく背を屈めてしんちゃんにどうやって此処まで来たのかと尋ねると、しんちゃんは秋田のじいちゃんという人と一緒に来たから来れたという。

恐らくしんちゃんの言う秋田のじいちゃんという人はしんちゃんの横に居るこの人のことだろうということは分かった。分かった理由は顔立ちが似てるから分かったんだけど……。

 

「ど~も~、いつもしんのすけがお世話になっておりますです。今日はしんのすけがひとりちゃんの様子がおかしいと言って連れてけとせがまれまして、今日はしんのすけの保護者として来ちゃいました~。」

 

……えっ?しんちゃんが?

それを聞いた私はまたも周りの風景が少女漫画のように桃色の雰囲気で囲まれていた。

 

……チョロすぎない?という声が聞こえたけど私は気にしない。……だって、こんなふうに家族以外の人に心配されたことあんまりないし。

 

「まいどおなじみ秋田の星、ぎんちゃんで~す。」

「あっ、はい。」

 

だけど、しんちゃんが言う秋田のじいちゃんことぎんちゃんが私に近付いて来たとき、私はいつもの陰キャを発動して、初めて虹夏ちゃんと会った時のように顔を逸らすのであった。……いや、だって初めて会うし、何よりもこのグイグイと来る圧に私は負けそうになる……。

 

「あっ、これは新しい名刺。スマホのメールアドレス、それとイソスタとトゥイッターもやっておりますです。」

「あっ、はい。」

 

私は顔を逸らしながら、名刺をもらうとさっさと懐に入れた。

 

「しかしながら、おめぇさんギターやるんだってな?好きな曲とかあるべか?オラはミスチルとかマンウィズとかSICKHACKとか聞くけどおめぇさんは?」

「あっ、はい。……アシッドとかですね。」

 

私が常に顔を逸らすことを訝しんだ秋田のじいちゃんことぎんちゃんは何度も私の目を合わせようとする。

その度に私は顔を逸らす。

 

「……いや、顔見てくれんと分からんから、こっち向いて?」

「あっ、いえ……はい。」

 

ぎんちゃんにそう注意されたが、私は尚も目を合わせぬように何度も顔を逸らし続ける。

 

「……おめさん。運動得意か?」

「あっ、いえ……。」

 

初対面の人と話すのは今はちょっと……。そのため私はしんちゃんを手招きして近くに呼ぶ。

 

「な~~に~~?」

「しんちゃん。今日は何で来たのかな~~?うへ、うへへへ。」

 

私はぎんちゃんから「しんのすけがひとりちゃんの様子がおかしいと言って連れてけとせがまれまして、」という部分はしっかり聞こえていたけど、できたら本人の声で聞きたかったので顔をフニャフニャさせながら聞いていた。

……いや、良いんですよ。正直に私のことが心配だったと言ってくれればいいだけだから。うへ、うへへへへへ。(※ギタ男「今のひとりちゃんは承認欲求モンスターを抱えてるから、誰かに必要とされていることが分かっただけで喜ぶよ。」)

 

「ん~と……お、そうだ。ひとりちゃんが氷風呂に入ったことがとても心配だったって、ふたりちゃんが言ってたゾ。」

「……えっ?」

(氷風呂?……氷風呂ってなんだべ?)

 

ふたりが……?……そうなんだ。それは……バイトが怖くてバイトを休むために氷風呂に入ったというすごくしょーもない理由だったから、そんなことでふたりに心配掛けたのは流石に悪い気がしたので、ふたりに「すいませんでした。」と今は心の中で謝罪していた。……でもそうなんだ。ふたりは心配してくれてたんだ。

 

……秋田のじいちゃんこと、ぎんちゃんに氷風呂のことを聞かれたことで、ぎんちゃんが困惑していることに私は気づかなかったけど。

 

「それに〜、キレイなおねえさんが居るかもしれませんし〜。」

 

アレ?氷風呂に入った私が心配だから来たんじゃあ。……うん、君はそういう奴だったよ。アレ?涙が出てきた。

 

「で、ひとりちゃんはまだ中に入れないの?」

「……いや……まだ心の準備ができてないというか……何というか……。」

 

今入ったら、確実に「何だこの芋娘は?」とか思われながら睨まれるに違いない。

 

「そうだよね〜。ひとりちゃん、オラたちだけしか友達居ないもんね。やれやれ、困った子ですな~~。」

 

しんちゃんに友達居ないと言われた私は少しカチンときた。

 

「!……いや、私はしんちゃん達に話してないだけで友達は学校にもたーくさんたーくさんいるんだよ。本当だよ。冗談でもそんなこと言っちゃダメダヨ。」

 

だから私は、そう言いながらしんちゃんに近付くと肩を掴んで圧を掛けていた。……大人げないという声が聞こえたけど、私は気にしない。これは私の問題なのだ。

それに、私の琴線に触れるしんちゃんも悪い。

 

「何よあなた!私が悪いって言うの!?」

「えっ?あなた?」

 

しんちゃんに急にあなたと言われた私は困惑する。……いや、急に何言い出すんだこの5歳児は!?

 

「んも~っ!!いつもあなたはギターで食ってくって言ってるけど、いつまで経っても成功しないじゃない!!いいわよ、私働きに出るわ。……浮気したって知らないから。キ~~っ!」

 

しんちゃんはそう言うと、STARRYの中に入って行こうとしていた。

それを見た私はこう思った。

 

(……え?エ?ヹ?……私しんちゃんに捨てられるのぉっ!!!?)

 

私を慕ってくれる人が居なくなる。

 

そう思った瞬間、私はこのままだとしんちゃんに浮気され、そしてしんちゃんが別の男の所に行くと思い、焦燥感に駆られてあらん限りの声を上げていた!!

 

「あ゛ぁ゛あ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛待゛っ゛て゛く゛れ゛え゛ぇ゛ぇ゛っ゛!゛私゛が゛悪゛か゛っ゛た゛あ゛ぁ゛あ゛あ゛ぁ゛!゛!゛ち゛ゃ゛ん゛と゛ハ゛ロ゛ワ゛行゛っ゛て゛就゛職゛す゛る゛か゛ら゛私゛の゛所゛に゛戻゛っ゛て゛き゛て゛く゛れ゛え゛ぇ゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛え゛ぇ゛っ゛!゛!゛!゛!゛」(汚い青山吉〇ボイス)

 

働くのが怖い!社会が怖い!とか言っている場合じゃないっ!!

ギターで食っていくとかいう売れないバンドマンの定番の言葉なんか言っていないで、先ず私はハロワへ行って就職して、それでしんちゃんとのよりを戻すんだあ「私の店の前で何やってんだお前?」…………はえ?

 

私は先程声がした方に顔を向けると、金髪ロングの怖そうな見た目をした人が眉をピクピクさせながら私を睨んでいた……。

……ま、マズい。早く誤解を解かないとぉっ!!このままだと5歳児にしか相手できない痛い奴だと思われるゥッ!!

 

「あっうぇ……い、いったんおちおち…おち……おっ落ち着いて「……いや、お前が落ち着け。」

 

こうして、私後藤ひとりと虹夏ちゃんのお姉ちゃんことSTARRY店長でもある伊地知星歌さんとの最初の出会いは、ドン引きから始まるという最悪な物だった……。

 

(……この娘さんにしんのすけのこと任せてもええんじゃろか?)

 

そして、しんちゃんのおじいちゃんこと銀の介さんにもドン引きさせていたことに気付かなかった……。

 

 

 

 

 

 

――――――――――――

――――――――

――――

 

 

「新しいバイトの子か。なら最初からそう言いなよ。」

「す…すすすみません……。」

 

その後、どうにか私が虹夏ちゃんの紹介で入ったバイトであるということをしんちゃんに耳打ちして、それをしんちゃんが星歌さんに説明してくれたお陰でどうにかSTARRYの中に入れた。

……回りくどいことしてるけど、そうしないと意思疎通できないし。

 

「あたし、ここの店長だから。よろしく。」

「よ…よろしくお願いします……。」

 

店長さんちょっと怖い…苦手なタイプ…虹夏ちゃん早く来て~。

 

「あれ?っていうか段ボールに入ってライブしたギターの子じゃん。確か…マンゴー仮面。」

 

……え?新しいあだ名?

 

「ま…ままマンゴー仮面です。ウエへへ。

 

店長さん!二つ目のあだ名!……店長さん好きっ!

私は嬉しさの余り、語彙力と思考力が無くなってマンゴー仮面と名乗る。

 

「えっ、本当にそんな名前なの?……じゃあ、マンゴー仮面。お前の隣に居る子供とおじいさんはお前の家族か何かか?」

「オラ、子供じゃないゾ。野原しんのすけ5歳!……で、こっちが秋田のじいちゃん。」

「……秋田のじいちゃん?」

 

しんちゃんにそう言われた星歌さんは、しんちゃんが指差す秋田のじいちゃんこと銀の介さんの方に顔を向けるのであった。

 

「いや~、突然失礼します。今日はしんのすけに頼まれて来ましたぎんちゃんで~す!すいませんが、しんのすけと一緒に此処に居ていいべか?」

「……あっ、ああ、これはどうも。此処はライブハウスですんで五月蠅いかも知れませんが其処はご了承できれば、私としては良いのですが?」

「いんや構わん、構わん。オラはミスチルとかマンウィズとかSICKHACKとか好きじゃから気にせんでええゾ。」

「SICKHACK……SICKHACKって泥酔した状態でライブするバンドグループのことですか?」

「じいちゃん。そのパンツグループは凄いの?」

「おう凄いゾ。観客に酒吹きかけたり泥酔しながらのライブ最高!!新宿ありがとー!カス共最高ー!マザーフ○○○○(ピー)!も最高じゃゾ。」

 

何それぇっ!!?ロックって流血沙汰とかハラキリショーとか、そんなことばかりするのおっ!!?

……と、私は驚愕していた。あと、しんちゃん。パンツグループじゃなくて、バンドグループだから。

 

「……ああ、うん。知ってます。」

 

星歌さんは、はにかみながら知っていると言っていた。

 

「おや?おめぇさんもファンか?」

「……いえ、腐れ縁と言いますか何と言いますか。あいつとは大学時代の時に後輩だっただけの関係と言いますか……。」

「おお、そういう関係だっべか。いや~知り合いが有名人だと鼻が高いじゃろ?」

「まあ、少しは……そうですね。……まあ、アイツは心を惹き付ける演奏しますから、有名になったのは嬉しいですね。」

 

そう言いながらも、星歌さんは嬉しそうにその人のことを語っていた。

 

「ああ、そういえばアイツは新宿FOLTで活動していて、近くライブするとか言ってたんで、できれば来てやってください。場所と日時はこのパンフレットに書いてあるんで。」

「おお、店長フトモモ♪」

「しんのすけ、太っ腹な。」

 

星歌さんは、朗らかな顔をしながら、しんちゃんに太っ腹だとツッコんでいた。

 

「おお、できればメアド……あっ、この名刺に書いておりますです。それと、イソスタとトゥイッターもやっておりますので、フォローもよろしくするべな。」

「……はぁ、イソスタとトゥイッターもやっているんですね。」

「変かの?」

「いや、ご高齢の方が現代の機器を使いこなしてるのは凄いと思いまして……。」

「実はこう見えて、秋田のじいちゃんは5G搭載のスマホと音楽プレーヤーも持っているゾ。」

「……しんのすけ。良いおじいちゃんが居て良かったな。バンドだけでなく、色んな話ができるおじいちゃんなんて居ないぞ。家族は大事にな?」

 

………あ?…あ?あるぇ~!?盛り上がってるぅ!!?

それに、いつの間にか陰キャにとって入りにくい空気になってるぅうぅ。

この暗さと圧迫感で私の家だと思えたぐらい親近感が湧いたこのライブハウスが今はとても居づらい。……おじいちゃんと5歳児以下の私のコミュ力が恨めしい。

 

……そういえば、私ギターがド下手だとか言われたなぁ……上手くなければ私に何が残るんだろう?

 

「お姉ちゃん、おは~。」

 

そうこうしている内に虹夏ちゃんが入って来た。

 

「……ここでは店長と呼べ。」

「えへへ、ごめーん。」

「全く、最近の若者はジョーシキがなってませんな。」

 

そして、虹夏ちゃんは星歌さんにお姉ちゃんと呼んでいた。……あっ、お二人はご姉妹で……何かそんなこと言ってたっけ?

それと、しんちゃん。……しんちゃんが一番常識がなってないと思う。

 

「?……店長、この子誰?隠し子?」

「違う。変なこと言うな。……あ~っと、マンゴー仮面?…の知り合いと言った方が良いかな?5歳児の野原しんのすけくんと保護者の銀の介さんだ。」

 

リョウさんがふざけて、しんちゃんのことを星歌さんの隠し子ですか?と尋ねていた。そのため、リョウさんにそう言われた星歌さんは即座に違うと否定するのであった。

 

「も~、違うゾ。マンゴー仮面じゃなくて、ひとりちゃんっていうんだゾ。店長さん遅れてるぅ〜。」

「ひとり……えっ?ぼっちちゃん来てるの!?どこ?」

 

しんちゃんがマンゴー仮面じゃなくて、ひとりだと言うと、虹夏ちゃんは辺りを見回しながら、私のことを捜していた。……いや、だって、置いてけぼりにされたあの空気に耐えられなかったから、私は暗くて狭い所に居ました。

 

そう、テーブルの下に。

 

「ぼっちちゃんって誰?」

「え?……ああ、うん。そうだねぇ~、ひとりちゃんのあだ名かなぁ〜?あっ、でもひとりちゃんはぼっちちゃんというあだ名が気に入ってるからそういうこととかじゃなくて〜。何ていうかその〜。」

「ほうほう。それは知りませんでしたな~。」

「……ところでしんのすけ君は何で此処に居るの?」

「オラ、ぼっちちゃんの妹でオラたちの友達のふたりちゃんが、ぼっちちゃんが此処で上手くやっているかどうか心配と言ってたから見に来てやったんだゾ。」

 

でもまあ、虹夏ちゃん達はしんちゃんとの会話に夢中だからしばらくは「それと、ぼっちちゃんはここだゾ。」ジャガイモ小僧お゛ぉ゛ぉ゛お゛ぉ゛ぉ゛お゛ぉ゛お゛お゛!!!!

 

「……ぼっちちゃん。何してるの?」

「あっ、うぇ……その……すみません…暗くて狭い所に居たかったので………。」

「え?……いや、何でそんなところに?」

「い、いや…その…私なんかがバイトしてお役に立てるかどうか怖くなって……。私、ギター下手なうえに人付き合いも苦手とかもうどうしたら良いのかよく分からなくなって……。」

「ぼっちちゃん………。」

 

虹夏ちゃんに私が何故テーブルの下に隠れているのかと問われたため、私は素直に理由を述べた。

私がおじいちゃんと5歳児以下のコミュ力に打ちひしがれ、現実逃避すべくテーブルの下に隠れていたからです……。それを見て、ギターが下手だとか言われたことを思い出して「そんなことないゾ!!」

 

何やってももうダメなんじゃないかという心境に陥りそうになったとき、しんちゃんが私にそう言ってくれた。

 

「ひとりちゃんはギターが誰よりも上手いんだゾ!!ふたりちゃんやオラたちかすかべ防衛隊のためによくアクション仮面とかカンタムロボをギターで聴かせてくれて、みんな上手だって言ってるんだゾっ!!!!」

 

……しんちゃん。

私のことをいつもそんなふうに思ってくれてたんだ。……涙が出てきそう。

 

「それに、ギターヒーローって呼ばれムグゥ!?」

 

しかし、私のことを登録者3万人越えのギターヒーローだと喋りそうだったので、私は体育の授業でも出ないんじゃないかと思えるほどの機敏な動きで素早くしんちゃんの口を塞いでいた。……しかし、

 

「ギターヒーロー……!?」

 

虹夏ちゃんの口からギターヒーローと口ずさんだことで私は、私がギターヒーローであることがバレたと思って観念しようとした。

 

「あ、あの……隠す気とかなかった「うんうん、分かってるよぼっちちゃん。」

 

だけど、虹夏ちゃんに手で遮られる。……そのハンドサインから自分から言いたいのだと分かり、私は虹夏ちゃんの次の言葉を待つことにした。そして、虹夏ちゃんの口が開くと、

 

「ギターヒーローって言われるぐらい、妹さんやしんちゃん達に慕われてるんだねっ!!」

 

 

 

 

 

…………ん?

 

「……虹夏、それはどういう意味だ?」

「えっとね、お姉ちゃん。実はぼっちちゃん…じゃなくて、ひとりちゃんには妹さんが居てね。その妹さん達にアクション仮面やもえPとかを何回か弾いてあげて、聞かせてあげたりしてるんだって!それで、その子達にギター持ってて、その子達が好きなアニメや特撮の主題歌を弾いてあげて慕われているから、ギターヒーローってしんちゃん達に呼ばれてるってことなの!」

「おめぇさん、……そうなのか?」

「そうだよね!ぼっちちゃん!」

 

星歌さん、虹夏ちゃん、銀の介さん、そ、それはち、違うぅぅぅ!!……と、言えないのがコミュ障の私である。

 

「は、はいそうです!!実はアクション仮面だけじゃなくてカンタムロボやもえPの主題歌も妹や妹の友人達のために弾いてみたりしてるんですよ!いやーそれで私はギターヒーローというあだ名を貰いましてー、ワーハハハ。」

 

そして、人にそう言われたときほど、早口になり、嘘が饒舌になるのがコミュ障の私である。……最後なんかアクションポーズ決めて誤魔化そうとしたし。

 

「おお、そうなんか。妹さん思いのええ子だべなぁ~。初めて会ったときは大丈夫かと思ったべが、今後ともしんのすけのことをよろしく頼みますだ。」

「……いい子だ。」

(……そうか、ぼっちちゃんは妹思いで……優しいな。)

「大丈夫だよぼっちちゃん!!その気持ちを大切にして演奏すれば、直ぐに上達するよ!!」

 

……そして、銀の介さんとリョウさん、それに星歌さんと虹夏ちゃんまでも私の嘘を信じてくれた。

そして、何故か分からないけど私に対する皆の好感度がものすごく上がった!!……ような気がする。

 

「み、みなさーん。ありがとうございまーす。」

 

 

……こうして、私後藤ひとりがギターヒーローであることがバレることは無かった。……心の何処かで虚しさを感じながら。

     

      

     




     
   
此処のひとりちゃんは、かすかべ防衛隊と自分の家族相手なら普通に喋れます。
ふたりちゃんもとある理由でひとりちゃんのことを家族ヒエラルキーの中では常にジミヘンよりは上であり、その地位は不動です。やったねひとりちゃん。

あと、ひとりちゃんはかすかべ防衛隊とは大切な友人としか思ってないので、しんちゃんとの間に恋愛感情はありませんし、今後発展することもないです。(決定事項)


最後に、グアテマラ派さん、小波椰子さん、あつatさん、味音ショユさん、メトロン2500代目さん、藤堂伯約さん、ドラソンビさん、L田深愚さん、ハッチャンさん、Ago3さん、そして様々な方が高評価や感想をくださりありがとうございます。
それに、誤字脱字報告もありがとうございます。
    
   
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