嵐を呼ぶぼっち・ざ・ろっく!   作:tatararako

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5話を投稿させて頂きます。


ふと考えたこと、
ぼっちちゃんにオトナ帝国の「なつかしいニオイ」を嗅がせてみた。

(……あっ、何だろうこのニオイ……。昔を思い出す~。)

そう、あれは私が小学校の頃に先生が弁当を交換……違う違う。集合写真は家族以外と撮ったこと……違う違う!!中学の頃に当時ハマってたデスメタル流して……○!※□◇#△☆▽✕~~~~!!!!!!(※青山〇能の機械音声)

ぼっちちゃん、21世紀を手に入れなきゃいけない系のきらら主人公となる。
   
   


ドリンクスタッフをやるゾ

    

    

その後、私がギターヒーローと呼ばれている理由が子供達に慕われているからということになったが、念のために虹夏ちゃんとリョウさんには私のことをギターヒーローと呼ばないで欲しいと言っておいた。……いや、だって初めて付けて貰ったあだ名である"ぼっち"の方を大切にしたかったし、何よりも今の私がギターヒーローと名乗るのは少し……。

 

「ねえねえぼっちちゃん、ぼっちちゃん。どうして、ギターヒーローのこと隠すの?」

 

だけど、しんちゃんはそれに納得していないのか、何でギターヒーローのことを隠すのか?と尋ねられたため、私はしんちゃんを説得すべくアクション仮面を使うのであった。

 

「それは、……ギターヒーローはヒーローだからアクション仮面と一緒で正体を隠さないといけないんだよ?」

「ほうほう。……で、何で?」

 

……むう、納得しないか。ならば、ななこお姉さんを使うことにしよう。そう決心すると、しんちゃんに耳打ちするのであった。

 

「……しんちゃん。女の人の秘密を隠し続けてくれる男の人って女性から見てポイントがとっても高いらしいよ?ななこお姉さんがそれを知ったら『しんちゃんステキ。』って言ってくれるんじゃない?」

「……だいじょぶ!オラ、口が堅いし!!」

 

……ヨシ!これで大丈夫だろう。

 

「しんちゃん、しんちゃん。ぼっちちゃんと何話してたの?」

 

すると、虹夏ちゃんが私としんちゃんが何を話していたのか気になったのか、ニヤニヤとしながら何を話していたのか聞きに来た。

 

「……あんただれ?」

「ああ、自己紹介してなかったね~。私は伊地知虹夏っていうの、よろしくね。で、こっちはリョウ。私達、ぼっちちゃんとはバンドを一緒に組んでる仲間なの。」

 

しんちゃんに誰?と問われたため、虹夏ちゃんはしんちゃんに自己紹介していないことに気付き、虹夏ちゃんは自分の名前とリョウさんを紹介し、私とバンドを組んでいるとしんちゃんに説明していた。

 

……バンド仲間かぁ~。うへへへ。

 

「パンツ仲間?……あなたたち、ぼっちちゃんとはそんな関係なの?」

 

しかし、しんちゃんがバンド仲間をパンツ仲間と言ったことで皆ズッコケるのであった。……リョウさん以外は。

 

「……パンツ仲間。プフッ。……虹夏、結束バンド改め結束パン「しないよ。それに、しんちゃん。パン……バンド仲間だから。間違えないでね?」

「ほうほう。」

 

何故なら、パンツ仲間を聞いたリョウさんは気に入ったのか結束バンドを結束パンツに改名させようとしていた。

だが、それを聞いた虹夏ちゃんはパンツ仲間と言いかけたときに顔を赤らめつつ、即座に改名しないと言うのであった。……リョウさん、私も流石に結束パンツは遠慮したいと思います。

 

「……えっとね。バンド仲間っていうのは一緒にバンドをする仲間ってことだよ。え~っと、バンドは……幼稚園なら発表会みたいなところで演奏する人達のことと言えば分かるかな?」

 

立ち直った虹夏ちゃんは、バンド仲間とはどういうことなのかを幼稚園児であるしんちゃんにも分かり易いように説明していた。

 

「おお、ならオラもやる!オラもやるっ!!」

「え~?でもしんちゃん歌とか楽器とか弾けるの?」

「踊りならできますゾ。」

「……どんな踊りするの?」

 

しんちゃんは、発表会みたいな場所で演奏すると聞いて興味が湧いたのか自分もやりたいと虹夏ちゃんとリョウさんに言うのであった。

それを聞いた虹夏ちゃんは「何か弾けるの?」と聞き、しんちゃんは「踊れる。」と答えるのであった。それを聞いたリョウさんは優し気な声で「……どんな踊りをするの?」と聞いていた。すると、しんちゃんは、

 

「ケツだけ星人!ぶりぶり~!ぶりぶり~!!」

 

ケツだけ星人をした!!

それを見た虹夏ちゃんは顔を引き攣らせていた。しかし、リョウさんは、

 

「……。」

 

黙って見てるぅっ!!?

こ、これはロックに対して強い拘りを持っている人が「ロックを舐めるなー!!」と言って怒るアレなのでは?そうだとしたら、しんちゃんが危ない!これは私が身を挺して守らないとぉっ!!

 

「あっ……あの「おっ…おお~!!!」

 

……え?……目をキラキラさせてる?

 

「凄いバンドパフォーマンスだ。とても感動した。」

「キミ、目の付け所が良いね。ぼっちちゃんとはどういうお関係?」

「私とぼっちはバンドメンバーなんだ。」

「パンツメンバー?」

「プッ。……そうそう、パンツメン「はい、そこ嘘吐かないー。しんちゃん、私達とぼっちちゃんはバンドメンバーだからね?」

 

……あるぇ?リョウさん、しんちゃんのこと物凄く気に入ってる!!?

それを遠巻きに見ていた虹夏ちゃんはリョウさんにツッコミを入れつつ、パンツメンバーではなくバンドメンバーだとしんちゃんに教えていた。

 

「それに、しんちゃん?……パンツとか、変なことばっか言ってるとダメな大人になるよー?ちゃんとバンドだっていうことを覚えようねー?」

「いやー、それほどでもー。」

「どこが誉め言葉に聞こえた?……君、リョウみたいに変わった子だね。」

 

そして、虹夏ちゃんはしんちゃんにパンツとか変なことばかり言うのはダメだと注意するけど、しんちゃんは喜んでいた。

……最近そんなやりとりがあったような気がする。

 

「虹夏虹夏、しんちゃんを結束パンツの専属バックダンサーに「しないよ。あと、結束バンドだから。」……ぐすん。」

 

そしてリョウさんは、しんちゃんのケツだけ星人に甚く感動していたのか、虹夏ちゃんにしんちゃんを結束バンド専属のバックダンサーにし、ケツだけ星人をライブで出そうとしていた……。

……いや、私もケツだけ星人をバックにバンドはどうかと思います。

 

(……リョウが……リョウが二人居るみたいだぁ………。)

 

そして、虹夏ちゃんはこれから来るであろう二倍の苦労を心の中で予感していた。……無論、私も嵐が来ることを予感していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、ぼっちちゃんはこっちでドリンク覚えよっかー。」

 

こうして、私はバイトをすることになり、リョウさんが床掃除、私はドリンクスタッフの業務を覚えることとなった。

 

「トニックウォーターはここから。ビールはこのサーバーね。カクテルは後ろの棚に――――」

 

お…覚えられない!早い!ちょ…待っ…む……むむむむずむむずむ………こうなったら、歌にして体に覚え込ませるしかにゃいっ!!

 

「どこから出した!?」

 

私は虹夏ちゃんの「どこから出した!?」や「またひとりの世界に入ってるし!」だけでなく、「えっ?ぇえ?怖い怖い。お、覚えようとしてくれるのは嬉しいけど、一旦ギターを置こうか?」といった声を無視して、演奏していた。……しかし、バイトを無視して演奏ばかりしていたせいか、虹夏ちゃんが「お願いぼっちちゃん戻って来て!ひとりちゃん!?ひとりちゃーん!!?」と言っていた辺りから、星歌さんに、

 

「仕事しろ…。」

 

と怒られるのであった。

 

 

 

――――――――――――

――――――――

――――

 

 

 

「ドリンクスタッフは注文されたドリンク注いで渡すだけだから。チケット代金と別に500円払うともらえる……これがドリンクチケットね?」

「は…はい。」

 

ドリンク一杯500円って少し高いなぁ……、そもそも何でワンドリンク強制なんだろ?

 

「そんなあからさまにぼったくりしてるみたいな顔しないで……。実はライブハウスは一応飲食店扱いなんだよ。よくわかんないけど、ライブできる場所ってだけで営業許可取るのってすごく難しいんだって。だからドリンクを提供して、あくまで飲食店としてお店開くんだって~。」

 

前日の虹夏ちゃん達のノルマ代を稼ぐ話を聞いていたときから思ってたけど、お店を開くのも営業するのも大変なんだなぁ……。

………で、でも今回で私、いつの間にかこんなにハードルの高い飲食店バイトデビューまで果たしていた訳だから、……私、成長してる!?

 

「……って、聞いてる?あっ!いつの間にかお客さん入ってきたね~。ぼっちちゃん。今から忙しくなるよ?」

 

…………えっ?

えっ!?!いきなり接客開始ぃ!?なんて言えばいいの?本日はお日柄も良くご来店いただき、って違う!せ、せめて1回予行演習を…あ…いや…ちょ…待って…待ってぇ!……ううぅうあああぁぁあぁあ…………そうだ!!

 

「すみません、コーラください。」

「はーい。ぼっちちゃんコーラ。」

「あっ、はい!!」

 

虹夏ちゃんの声に応じるように、カウンターの下からコーラを出す。……お客さんと目を合わせないよう、カウンターの下に隠れながら。

 

「私ジンジャーエール。」

「あっ、はい!」

 

続けてお客さんがジンジャーエールを注文したので、虹夏ちゃんに言われる前にジンジャーエールをカウンターの下から出す。……カウンターの下に隠れながら。

 

「ぼっちちゃん、お客さんに失礼でしょ!」

 

そんなことばっかりやってたせいで、虹夏ちゃんに怒られてしまった。

………仕方が無い、奥の手を使おう。

 

そう思った私は、しんちゃんを手招きして私の近くに呼んでいた。

 

「な~に~?」

「しんちゃん。……ごにょごにょ。」

 

そう、私が考えた奥の手とは!!私がしんちゃんを肩車して、しんちゃんが接客することである。

僕が作って、俺が戦う。というダブル主人公活躍の精神に則り、私が隠れて商品を出して!しんちゃんが接客する!!という完璧な布陣!!

 

「オレ、ビール。」

「ほい!ぼっちちゃん、ビール!」

「あっ、はい!」

「ほい!ビールです!お兄さ~ん♡枝豆無いけど、楽しんでってね~~♡」

「ハハハハ、ありがとな。」

「まったね~~。」

 

結果、私は人と目を合わせることなく、陰に隠れて仕事をこなせる!!

 

「フフ…じゃあ、私はトニックウォーター。」

「ほい!ぼっちちゃん、トニックウォーター!」

「あっ、はい!」

「ほい!トニックウォーターです!おねえさ~~ん♡ピーマン好き?納豆にネギ入れるタイプ~?」

「フフフ…じゃあ、君が大きくなったらね~~。」

「ああん♡おねーさん待ってぇ~~♡」

 

あっ、マズイ。コレついていくパターンだ。そのため私は肩車しているしんちゃんの足を掴んでおねえさんの後に付いて行かないようにする。

 

「いや〜〜、此処に来て良かったですなぁ。キレイなお姉さんが一杯居ますゾ。」

 

……うん、君はそういう奴だよ。

だけど、余りお客さんに迷惑を掛けるようなことはさせたくないから、

 

「……しんちゃん。コレが終わったら後でチョコビ買ってあげるからもう少し此処に居てくれる?」

「おお!やるやる~~!!チョコビ、チョコビ~~!!」

 

私は物で釣るのであった。

 

「しんちゃん、お客さんに変なこと言わない!それに、ぼっちちゃん隠れない!!」

「こ、ここ心の準備がぁ~!」

 

だけど、私は虹夏ちゃんの腕力に負け、カウンターから立たされることになるのであった……。

 

 

 

――――――――――――

――――――――

――――

 

 

「う~ん。オラ眠いゾ~~。」

 

そうして、接客が一段落ついた後、しんちゃんが眠いと言っていた。……もう遅い時間だしね。

 

「それじゃあ、ぼっちちゃん。私が接客するから、しんちゃんのことお願い。」

「あっ、はい。」

 

こうして、私はしんちゃんの子守りをし、虹夏ちゃんが接客をすることになった。

そのため、私はしんちゃんを椅子の上に座らせる。……あっ、風邪をひいちゃいけないから、私のジャージだけでも羽織らせておこう。それに私のイチオシの服、牛を悪魔のように象った服を見せられるし。(※一話のバンド女子の格好をしたあの服です。)

 

……でも、こうして見ると、ふたりがしんちゃん達かすかべ防衛隊のみんなと遊んで、それで私の部屋でみんなと一緒に疲れて眠っていたときに毛布とか掛けて、安眠できるようにギターで心が落ち着く曲を弾いてた事を思い出すな〜。

 

「…………。」

 

だけど、何故か私のことをじっと見つめる虹夏ちゃんが居たことに気づいた私は、(……え?私、何かマズイことしただろうか?)と思いながら、ドキッとしていた。

 

(私もお姉ちゃんに風邪ひかないようにと毛布とかかけてくれたな……。)

「え?…え?」

「フフ、何でもないよ〜。」

 

でも、次の瞬間には虹夏ちゃんは嬉しそうに笑っていた。……何でだろう?

 

「おは~~。しんのすけーオラ来たぞ~~。」

「ええっと、今しんちゃん、寝ているんで……って、何でそんな大きなたんこぶが?」

 

それだけでなく、秋田のじいちゃんこと、銀の介さんが……何故かたんこぶが出来てるけど、こっちに来てくれた。

 

「いんや、キレイな娘にナンパしただけで店長さんに怒られたんだべ。」

 

うん、それは怒られると思う。

 

「あははは。……今しんちゃん、寝ているんで出来れば。」

「ん?おお、そうかそうか。んじゃ、オラはここで静かに聴いとるべ。……しんのすけ~、キレイなおねえさんが居るから来たのに、途中で寝てしもうて、残念じゃったのう。」

 

それだけでなく、銀の介さんはしんちゃんにキレイなおねえさん目当てで来たのに途中で寝ちゃって残念と言うけど、……これで、しんちゃんがSTARRYに来た理由が私が心配だったからとかではなく、キレイなおねえさん目当てであることが分かった。……いや、全然、悲しくなんかないですよ?私のことが心配じゃなくて、キレイなおねえさん目当てはしんちゃんらしくて良いと思うし。

……やっぱ、キレイなおねえさんをナンパしないしんちゃんはしんちゃんじゃないし!

 

「お疲れ。」

「お疲れー。あれ?受付は?」

「店長が代わってくれた。今日のバンドはどれも人気あるし、勉強になるから見とけって。……あれ?寝ちゃった?」

「うん、そうだねー。……パンツメンバーとかケツだけ星人とか騒いでいたけど、でも、こうして見ると可愛らしい子なんだよねー。」

 

そんなこと考えていたら、リョウさんもこちらに来てくれた。そうして、静かに寝てるしんちゃんを見て、虹夏ちゃんは可愛いと言っていた。

 

「そうかそうか。……ほんじゃ、ワシがしんのすけのこと見とるから、おめぇさん達はライブを見て勉強しとけ。」

「あ、……ありがとうございます。」

「いんやいんや、ぼっちちゃんもしんのすけが風邪ひかんようにジャージを敷いてくれてありがとな~。」

 

私はそれを聞いて、心が暖かくなった。少し、銀の介さんに対して話しやすくなったような気がする。

 

「それじゃ、ぎんちゃんの好意に甘えて、ぼっちちゃんも見よっか。」

 

そうして、虹夏ちゃんにそう言われた私は、ステージの方を見る。そこには、カラフルラジカルと名乗る女の子四人のバンドが自分の曲を披露していた。

 

「あのバンド結構いいんだよね~。」

 

私はキラキラと輝くステージに立つバンドに気圧され、肩に力が入り始めた。

 

「力抜いて大丈夫。ライブ始まったら暇になるから。」

「うん…。」

 

虹夏ちゃんはそう言うけど、またライブのステージに立ったとして、私は上手に出来るだろうかという思いを抱きながら俯く。だけど、虹夏ちゃんは私のジャージを羽織って眠るしんちゃんの方に少し目を向けて、私の方に目を向けると、

 

「うちのお姉ちゃんあれなの。ツンツン、ツンツンツンツンツンツンツンツン、デレェ~。みたいな?」

「ツン多い。」

「てへっ。」

「ほほ~、妹思いのおねえさん何じゃな~~。」

「も~、銀の介さん、そんなことないですよぉ。私にはめっっっちゃ厳しいんですから。」

「虹夏ちゃんや、ワシの呼び方はぎんちゃんでええゾ〜。」

 

虹夏ちゃんが星歌さんのことをツンツン、ツンツンツンツンツンツンツンツン、デレェ~と評すると、リョウさんはツンが多いとツッコミを入れる。

それを聞いた銀の介さんが星歌さんのことを妹思いの良いお姉ちゃんだと評すると、虹夏ちゃんは少しはにかみながら、厳しいと返していた。

 

「すすすみません…戦力にならないどころかお客さんと目も合わせられなくて……。」

「……これ使う?マンゴーじゃないけど。」

「使わない使わない。」

 

私が戦力になっていないことに対して謝罪すると、リョウさんが完熟マンゴーのダンボールじゃなく、ウーロン茶のペットボトルが入っていたダンボールを使って接客するかと尋ねられるけど、虹夏ちゃんが使わないと否定するのだった。

……はぁ、何か気落ちするなぁ。私、バイト初デビューはこんなんだし。

 

「まあまあ、気にせんでええ、おめぇさんは初めて接客したんだから最初から上手くできる奴なんておらんべな。…虹夏ちゃんもそう思うじゃろ?」

「そうそう、ぎんちゃんの言う通り!今日は初日なんだし、すぐ慣れるって。」

 

でも、こんなお客さんとまともに目を合わせられないミジンコ以下の私に、銀の介さんや虹夏ちゃんは優しい言葉を掛けてくれた。……なんで、

 

「わ、私みたいなミジンコ以下にどうしてそんな優しくしてくれるんですか?」

 

なんで、私に優しい言葉をこんなにも掛けてくれるんだろう?

 

「あたしね。このライブハウスが好きなの。……だから、ライブハウスのスタッフがお客さんと関わるのってここと受付ぐらいだし、良い箱だったって思ってもらいたい気持ちがいつも有って、」

 

すると、虹夏ちゃんは私に語ってくれた。……ライブハウスが好きなこと。

 

「す、すす、すみません。そんな場所でド下手な接客を…。」

「いや違う。そうじゃなくて、あたしぼっちちゃんにも良い箱だったって思って欲しいんだ。楽しくバイトして楽しくバンドしたいの。……一緒に。」

 

そして、私にも良い箱だったと思って欲しいと言ってくれた。

 

「……それに、ジャージを掛けてたぼっちちゃん。ミジンコ以下じゃなかったよ。」

「……え?」

「何でもないよ~。ま、いつかは笑顔で接客できるようになってほしいのもあるけど。……あっ、ぼっちちゃん始まるよ。」

 

虹夏ちゃんにそう言われた私は、会場の方を見る。その会場を見た私はこう思った。

 

……会場が一体になって、お客さんも演者も楽しそう……。

それに比べて、私のライブは……。お客さんは2000円も払って見に来てるんだよね。

そんな人達に今の私のままじゃ、次もぐだぐだなライブをするんだろうな……。

少しずつでも変わる努力をして、一緒に楽しくしたい……。

 

「すみません。オレンジジュース。」

「は、はい!」

 

オレンジジュースを注文したお客さんに、私は、カップに氷を入れてオレンジジュースを注ぎ、ストローが付いたフタで閉める。そして、笑顔でお客さんの目を見て……目を見て、接客……。

 

「ど、どうぞ~……。」

「ぼっちちゃん!目!目!」

「ありがとう。ふふっ。」

 

……何とか接客ができた。それで緊張が解けたのか、無意識に一呼吸、いや、何回か深呼吸してしまった。

 

「いや~ドキドキした~…でもすごい!カウンターからちゃんと顔を出して接客できたね!」

「あっ、が…頑張りました。」

「うん!ぼっちちゃんのおかげできっと今日のライブはもっと楽しい思い出になったよ。ぼっちちゃんも一歩前進だね!」

 

いっぽ……一歩………一歩~~!???

千歩ぐらい進んだつもりだったんだけど~~~~!??????????

 

そう思った私は、このバイトが辛く長い物になると実感していた……。

    

    




    
   
知らぬ間に()っちちゃん、虹夏ちゃんの好感度を爆上がりさせていた。やったね、ぼっちちゃん。
……だって、アンソロのぼっちちゃんはお姉ちゃん力凄いし、防虫剤の匂いなんかで子供は嫌いそうにないし、虫を素手で捕まえることができるし、ふたりちゃんのお友達にも子供向けアニメとか用意するしで子供に好かれそうな要素多いから、かすかべ防衛隊のみんなとも直ぐに打ち解けて、昼寝してるかすかべ防衛隊のみんなに布団を掛け直すとか普通に想像できるし……。


最後に、完全無欠のボトル野郎さん、八白02さん、デストラーデさん、七枝八重道灌さん、翠脈さん、color90さん、高評価ありがとうございます。そして、たくさんの感想ありがとうございました!!
    
   
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