58話を投稿させて頂きます。
原作6巻より、
「他人の企画じゃ才能開花するんですけどね……。」
「ヨヨコっぽいわよね……。」
原作でもヨヨコ先輩はこんな感じ。
こうして、私こと大槻ヨヨコ(ジャージ姿Ver)は玉さすり隊というふざけた名前の芸人トリオ以下になるのが嫌だったから、私はしんのすけと一緒にネネとマサオとかいうしんのすけの友達を笑わせるために、マサオとネネという子の居るところへ向かったんだけど、
「カアァァァァット!!」
「えぇ……(困惑)」
そこには、幼稚園の先生志望のユミが困惑していた姿が有った……。それで私はしんのすけ達が私を“生け贄”にするとか言っていたことを思い出して確信した。
「子供だましの分かり易い演技は要らないのっ!!!もっと、嫁をいびるのが唯一の生き甲斐なお姑をリアルにやってちょうだい。もう一回最初からやり直しぃっ!!!!」
……あっ、コレ、地獄だと。
「……え?コレ……何?お笑い要素どこ?」
「いやーそういえばリアルおままごとだったのどっかり忘れてましたな~。」
すると、しんのすけはネネがどっかり忘れたと言っていた。……なんで忘れるのよ?
「というより、"どっかり"じゃなくて"うっかり"だから。」
「そうともいう~。」
「そうしか言わないわよ。」
そして、しんのすけの言い間違いを指摘したら、「そうともいう~。」と言って誤魔化そうとしていた。
(……ノリツッコミ完璧じゃないですか。)
……そして、風間はノリツッコミ完璧とか思っていそうだった。
「アレ?しんちゃん?その人だれー?」
「おままごとに入れて欲しいって。」
「言ってないわよ。」
そんなこともあって、ネネというしんのすけの友達らしき子が私のことをしんのすけに尋ねていた。……んだけど、しんのすけは私がネネという子がやっているおままごとに参加したいという言ってもいないことを話していた。
「……つっきーちゃん、辞めといた方が良いよ。」
それだけでなく、幼稚園の先生志望のユミも私がおままごとに参加するものだと思っていたらしい。……いや、参加するとは言ってない、言ってないから。
「良かったぁ、嫁をいびるのが唯一の生き甲斐なお姑の役をしてくれる人を探していたんだぁ……。」
「……何その役?」
そして、ネネっていう子から"嫁をいびるのが唯一の生き甲斐なお姑の役"をしてくれる人を探していたと言われ……って、というか、何?最近のおままごとって嫁をいびるのが生き甲斐な姑の役とかあるの?昔の私も妹とかと一緒におままごととかやった記憶があるけど……そんな昼ドラに出て来るような姑が居た記憶が無い。
「それと、つっきーちゃんにも分かるように説明するね。……マサオくんは最近の不況に喘ぐ中小企業の社長で45歳のマザコン。」
「……またイヤな役。」
そんなことを思ったのも束の間、ネネという子はマサオという子の配役を説明していた。
……最近のおままごとって、最近の不況に喘ぐ中小企業の社長で45歳のマザコンっていうのが出てくるの?というか、いつの間にかネネという子からもユミと同じく"つっきーちゃん"って呼ばれてた。
「そして、ネネは薄幸の美人嫁。32歳の元スーパーモデルで現在ひそかに夫との離婚を考えてるところ。」
そして、ネネという子は自身の配役が"薄幸の美人嫁で32歳の元スーパーモデル"というめっちゃ良い役だった。……オイ、自分だけ良い役やろうとしてない?
「それと、ボーちゃんは私達の赤ちゃん役ね。」
「……ボー。」
そして、ボーという子が赤ちゃん役だった。……やっぱり、ネネという子だけ良い役やろうとしてない?
「いや、やらないから。」
「えぇ~?なぁーんだ出来ないんだー…。おままごとに入れて欲しいって言ってたから、出来ると思ってたんだけどなぁー…。」
そのため、私がやらないと言うと、ネネという子は"出来ないこと"に心底落胆していたため、それを聞いた私は、
「ハイハイ、私はバンドマンだからそういったことは出来ないの。それじゃあね。」
直ぐに踵を返して、さっきまで居た庭に帰ろうとした。……けど、
「パンツマン?……プ、変なお名前。」
「バンドマン!!パ……パン………とりあえず変な言い間違いしないっ!ギターとか弾く人のことよ。」
しんのすけがバンドマンのことをパン……ぱん……マン(※ヨヨコ先輩はいつもより恥ずかしがっております。)と言い間違えたから、私はバンドマンと訂正した。……ガールズメタルパン……パン……とか、言ってたから、直ぐ分かったわ。
……心の中でもしんのすけの言い間違いは言いづらいっ!!
「フーン…でも、オラが知ってる人はギターで【アクション仮面】や【カンタムロボ】、【ま・ほー少女もえP】の歌を弾いてくれたし、ネネちゃんのリアルおままごとも出来たんですけどなぁ。」
すると、しんのすけが知ってるギターを弾ける人……というより、バンドマンは【アクション仮面】や【カンタムロボ】、【ま・ほー少女もえP】の主題歌を弾けるだけでなく、ネネという子がやるリアルおままごとも出来たと言っていた。
………え?ギターで【アクション仮面】や【カンタムロボ】、【ま・ほー少女もえP】の主題歌を弾くって結構難しくない?それに、私の目の前で今やってる昼ドラみたいなおままごとも出来るって……何者よ?
「フーやれやれ、幕の内バーゲンセールも大したことありませんなぁ~…。」
私がその【アクション仮面】や【カンタムロボ】、【ま・ほー少女もえP】の主題歌を弾くバンドマンって何者よ?と固まっていると、しんのすけに幕の内バーゲンセール……もとい、幕張イベントホールも大したことないと言われたので、私は思わず、
「……上等じゃない!姑だろうが何だろうがやってやるわよっ!!」
売り言葉に買い言葉。一番のバンドマンになりたい私は、しんのすけの言うバンドマンに対抗して、リアルおままごとの昼ドラに出て来そうな姑役をやることになった。
……いくらなんでも断れ!アホ槻ボケ子っ!!
こうして、私こと大槻ヨヨコは、ネネという子が主催する昼ドラみたいなリアルおままごとに出演することになったんだけど、
「はい、アナタァー♡今日のお夜食はコロッケにステーキ。お夜食ですよ。……それに、ご飯とみそ汁ですよ。」
ネネっていう子はお夜食だと言うと、コロッケの代わりにたわしをステーキの代わりに牛革の財布を器の上に盛り付けていた。……どんな嫌がらせ?いや、ホントにコロッケとステーキなんだろう。ネネという子が書いた"だいほん"に書かれていたし。
「う……うわぁー…美味しそうだなぁー……。」
そのたわしと牛革の財布が配膳されているのを見て、ネネという子が書いた"だいほん"通りに引きつった笑いをするマサオという子。
「……ところでアナタ。ユミって誰?」
そうして、"だいほん"通りに話が進んで行った。……いつの間にか、幼稚園の先生志望のユミは、このおままごとではマサオの役である中小企業の45歳マザコン社長の不倫相手になっているようだった。
「い、いや、ユミっていうのはさ、昔の同級生でさ、少し会って意気投合しただけなんだよ。」
「嘘を吐かないで!いつも夫婦は他人同士で、他人であるからにはそれぞれ過去も歴史も有るから何もかも自分の思い通りに行かないって、またアナタは言いたいのっ!!?」
そして、ネネという子が書いた“だいほん”通りに昼ドラのような展開が私の目の前で進んでいった。 ……ドロッドロッとしたコレを5歳の園児が書いたんだ。(困惑)
……いや、困惑している場合じゃない。
「他人同士だからそれを前提にして譲り合うためには、浮気は許されて良いって言うのっ!!?……いつからよ?いつから、ユミという女とねんごろになってたのっ!!?」
中小企業の45歳マザコン社長の言い分を元にした反論を熱弁して"薄幸の美人嫁"に成り切っているネネという子と同じように、私も"嫁をいびるのが唯一の生き甲斐なお姑の役"に……成り切るんだ。私も負けてられない!!
「……相変わらず、濃い味付けねぇ。年寄りにこんなくどい物ばかりを食わせるなんて……ネネさん。そんなアナタの方にも問題が有るんじゃなくて?」
そう思った私は"嫁をいびるのが唯一の生き甲斐なお姑の役"が言いそうなことを言った。
不味いご飯ばかり作り、男の胃袋を掴めなかったばかりに浮気されたアナタが悪いのだと。
「それに、私のマサオを浮気者だの何だのと仰りますけど、アナタがマサオとの間に産んだと言ってるアレ。……マサオの顔に似ているかしら?」
「お、お母様?……それはどういう?」
それだけでなく、私は"だいほん"に書かれていないアドリブの演技だけど、中小企業の45歳マザコン社長との間に出来た子が中小企業の45歳マザコン社長の顔と似ていないと言った。それを聞いたネネは演技を止めずどういう意味かと問い質していた。
「はぁ~…私の言ってることが分からないなんて、酷い嫁ね。要はアナタが産んだボーという子、本当は他の男との間に出来た子じゃないの?どう見ても似ていないじゃない。いつも鼻水垂らしてるところとか、髪型とか目とか……何処に、一体何・処・に・マサオの要素が有るのかしら?ホントにマサオの子なの?」
「お……おぎゃー……。(何か……このお姉さん妙に上手い。(困惑))」
ネネにどういう意味かと問われた私は、ボーという子を指差しながら正直に答える。ネネもマサオに隠れて浮気をしているんじゃないかと。
「な、なんですって!!?」
「マサオに隠れて浮気するに飽き足らず、私が築き上げた会社を横から掠め取るために余所の男との間に出来た物をマサオの子と偽ろうだなんて………全く、なんて嫁なのかしら?」
それだけに飽き足らず、私はネネがマサオの会社を乗っ取るために余所の男との間に出来た子をマサオの子と偽っているというでっち上げを言った。
「ひ、ひどいわ!お母様っ!!私がそんなことをすると思っていたのっ!!?」
「ひどいのはアナタの方よ。私のマサオを悪者呼ばわりだけでなく、他所の種で私の会社まで乗っ取ろうだなんて……アンタ図々しい女ねぇっ!!?」
「何てこと言うのお母様っ!アレは私とマサオの間に出来た愛の結晶ですっ!!」
「フン、どうだか?ホントはどこかの男でも引っ掛けて出来た汚らわしい子なんでしょっ!!」
そうして始まる私とネネとの間に出来た愛憎劇。
(……ひ、ひとりお姉さん並みに……リアルおままごとに入り込んでるっ!!?!!?!!!)
(……何でこの人は嫁をいびるのが唯一の生き甲斐なお姑の役がこんなに上手いの?)
これを見た風間は狼狽し、ふたりは疑問に思い、
(ほ、保育園の先生って……こんなことしなきゃいけないの?っていうか、何でつっきーちゃんはそんな嫁イビリが得意な姑の役が上手いの?)
保育園の先生志望のユミはゲンナリしていた。
「……だから、お母様との同居はイヤだったのよ。……私、実家に帰らせてもらいます!!」
「あぁ~ん…ネネちゃん待って~……。」(´;ω;`)
こうして、ネネと私が行ったリアルおままごとは、ネネの役が実家に帰った後に32歳であるにも関わらずスーパーモデルに戻って大成功したという最後で終わった。……やっぱ、ネネという子だけ良い役やろうとしてない?
こうして、ネネちゃんが主催していたリアルおままごとを無事に終わらせた私こと大槻ヨヨコは、
「もう、何処に隠れたのよ!」
次は缶蹴りをやっていた。理由は、
『次、缶蹴りやろ。』
『いやよ。』
『『『『『『缶蹴りやろうよー!』』』』』』(※かすかべ防衛隊全員による何かを訴えるまなざし攻撃)
『うっ……くぅ……。』
子供の何かを訴えるまなざし攻撃に負けたから。そんで、じゃんけんにも負けて絶賛オニをやっているところです。……なんで私って、こう頼まれると弱いのかしら。
ちなみに缶蹴りというのは、じゃんけんとかで負けた鬼の人が隠れている人を見つけて缶を踏んで名前を呼べば名前を呼んだ人を捕まえ、逆に隠れている人が缶を蹴ったら鬼はそのままで捕まえた人は全員解放。鬼が隠れている人を全員捕まえたら鬼の勝ちという至ってシンプルなゲーム。
「マサオ見っけ!」
「……もう見つかっちゃった。」
「ネネちゃん見っけ!」
「……は、早い!」
そのシンプルなゲームをやって、とにかく早く終わらせようとしたんだけど、
「缶蹴った!入れ替わり大作戦です!」
「風間くんの服が……オラの身体に纏わりついて……♡」
「気持ち悪いこと言うなあああああああああ!!」
「いや、そんなのアリィッ!!?」
風間の服を着たしんのすけに虚を突かれ、風間に缶を蹴られ、
「ぶりぶり~!ぶりぶり~!!」
「ヒィィィィッ!!?」
しんのすけとボーちゃんとマサオにぶりぶり星人というもので迫られ、虚を突かれて缶を蹴られたり、
「ホイ」
「アンタは烈〇王か!?」
私の後ろにピッタリとくっ付いていたしんのすけに缶を蹴られたり、
「いや、何で?ドローンが?」
「それは、私がある目的(※主にしんのすけ用)のために廃材から作った物です。」
「へ、へぇ~すごいわね。」
「ちなみに熱源感知機能とかスマホから操縦する機能とかも付いています。……缶蹴った!」
「しまったぁ!!」
ふたりちゃんが廃材から作ったドローンに驚いていた隙を突かれ、ふたりちゃんに缶を蹴られたりして現在8連敗中。
「……負けられない!……流石に5歳児に缶蹴りで負けたまま終わりたくないっ!!」
そのため、私は必死にしんのすけ達を探していたら……ガサッ……ガサッっと、草むらが揺れる音が鳴ったので、思わず笑みを浮かべて近付いて、
「見ーつけた!」
と言って、草むらに手を伸ばすと、
「ヒ゛ェ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!゛!゛?゛」
「ほ゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!゛!゛?゛」
上尾先生が居た。……べ、別に怖くないんだからねっ!!?(´;ω;`)
「な、ななななな何してるんですかっ!!?」
「だ、ダンゴムシを探してて……。」
そのため、私は上尾先生に何で草むらに隠れていたのかを問い質すと、ダンゴムシを探していたからと答えてくれた。……いや、何で?
「い、いや、何で?」
「子供達が急にダンゴムシが見たいっていうもんでぇ……。」
「は、はぁ?」
すると、私の問いかけに上尾先生は答えてくれた。
急に園児達がダンゴムシを見たいと言われたから、探しているようだった。それを聞いた私は、今のリアルおままごとをさせられたり、缶蹴りとかをさせられたりしているだけでなく、バンドでも本番前に緊張で3日寝れなかったり、ライブのことで悩んだりしている現状を思い出し、あることを聞いてしまう。
「……正直、先生でも幼稚園は辛いと思う時があるんですか?」
この仕事が辛いかどうかを。……すると、
「……そうですね。正直に言いますと……こんな生活もうイヤッ!!……って思うことがあるんです。」
上尾先生はこんな生活は嫌だと思えるぐらい大変だと答えてくれた。……や、やっぱり、大変な仕事なんだ。……と、そう思っていたら、
「あっ、でもね!……この仕事『しんどいなぁ~』って思うことより、『たのしいなぁ~』って思うことの方が多いかなぁ~。」
上尾先生は、この仕事は『しんどいなぁ~っ』って思うことはあるけど、それよりも『たのしいなぁ~』って思うことの方が多いと私に教えてくれた。……へぇ、そうなんだ。
「……上尾先生は、今日は『たのしいなぁ~』って思えることがあったんですか?」
上尾先生の話に私は感動したのか、つい上尾先生に『たのしいなぁ~』って思えることがあったのかと聞いてしまう。
「え?ああ、まだこれからかなぁ~…アハハ。」
私の問いかけに、上尾先生は"まだこれから"だと答えてくれた。それを知ってか知らずか、園児達が上尾先生の名前を呼びながら「ダンゴムシさんはー?」と無邪気に尋ねていた。
それを聞いた上尾先生は「あ、ええと…ダンゴムシさんはもうちょっと暖かくならないと出てこないかな?」と言って、ニワトリの方を見に行こうと言ってニワトリが居る所へと園児達を連れて行っていた。……それを遠巻きに見ていた私は、これから『たのしいなぁ~』ってことが見つかると良いなと何故か思えてしまった。
「んもう!何やってるの~。ヨヨコ先生はやくぅ~。」
そんなことを考えていると、しんのすけから『ヨヨコ先生』と呼ばれながら、缶蹴りに戻って来て欲しいと催促された。……よ、ヨヨコ先生かぁ。ちょっと照れるわね。
「今日一日お疲れ様でした。みんな結構頑張ったわね。疲れたでしょ?」
こうして、私こと大槻ヨヨコの幼稚園の体験学習は終わった。
(……ホント疲れた。幼稚園の先生って大変……あきらめよ。)
そして、幼稚園の先生志望のユミでも疲れ切っているのかゲンナリしているようだった。
「じゃあ、みんなでお礼を言いましょう!ユミ先生、タク先生、ヨヨコ先生、せーのっ!」
「「「「ありがとうございましたー!!」」」」」
こうして、ユミだけでなく……丸坊主の男子学生ことタクは……っていうか、タクっていう名前だったんだ。と私に向けてよしなが先生の号令の下、園児達は『ありがとうございましたー!』と一斉に言ってくれた。
「また来ればー?コレ、プレゼント。ねんどゲージツ作品『明太子』。たらこと違う点はこの赤いつぶつぶが唐辛子だゾ。」
それだけでなく、しんのすけが粘土で作った『明太子』だけでなく、
「じゃ、私もー!」
「ぼ、ボクも……。」
「……コレ、珍しい石。……あげる。」
「僕のもどうぞ!」
「わたしもー。」
ネネちゃんもマサオもボーちゃんも風間もふたりちゃんも私にプレゼントしてくれた。
……なんか……なんか、幼稚園の先生って………良いな……と、ついそう思ってしまった。
こうして、園児達としんのすけ達から貰ったプレゼントを紙袋に入れて幼稚園を去った私達は、それぞれ帰路に着くのだけど、
(ヨシ!小学校の先生になろう!!)
私は幼稚園の先生志望のユミについ言ってしまう。
「ね、ねえ。……幼稚園の先生って良いわよね。」
幼稚園の先生って良いねと。
「えっ!!?(今、小学校の先生になろうと思ってたから、何も言えない……。)」
すると、ユミは私が言わないであろうことを言ったせいか、驚いて目を逸らしていた。
「い、いや、今日、幼稚園の先生から、この仕事は『しんどいなぁ~っ』って思うことはあるけど、それよりも『たのしいなぁ~』って思うことの方が多いって教えてもらったんだけど……実際、こんなに『たのしいなぁ~』って思える物を貰えた訳だし。」
だから私は、幼稚園の先生が良いと思えた理由を話す。
上尾先生が"『しんどいなぁ~っ』って思うことはあるけど、それよりも『たのしいなぁ~』って思うことの方が多い"ってことを園児達やしんのすけ達がくれたプレゼントが証明してくれてるっていうことを、幼稚園の先生志望のユミに話す。
「…………。」
私の話を聞いたユミは、園児達に贈ってもらった紙袋の中を感慨深げに見ていた。……でも、私は、
「で、でも、私はビルボードチャート一位とグラストンベリーフェスティバルの大トリをしなきゃいけないから、幼稚園の先生はユミに任せるわ。」
SIDEROSをビルボードチャート一位とグラストンベリーフェスティバルの大トリに行かさないといけないから、幼稚園の先生はユミに任せると。
「……うん!まっかせなさい!私が幼稚園の先生になるから、つっきーちゃんはビルボードチャート一位とグラストンベリーフェスティバルの大トリを目指してね!!」
「任せたわよ。後で泣き言を言わないでね。」
「つっきーちゃんもね。」
すると、ユミは幼稚園の先生は任せて欲しいと言って、私にはビルボードチャート一位とグラストンベリーフェスティバルの大トリの夢を叶えて欲しいと返してくれていた。
(……ありがとねつっきーちゃん!幼稚園の先生は『しんどいなぁ~っ』って思うことはあるけど、それよりも『たのしいなぁ~』って思うことの方が多いよね!!だから、私は幼稚園の先生になること諦めない!!)
そうして、私とユミは互いの夢のことを話した。……その話をしたせいか、ユミは幼稚園から去る時は元気無さそうだったのに、今ではすっかり嬉しそうな顔を私に向けていた。
ビルボードチャート一位とグラストンベリーフェスティバルの大トリという夢は大変かもしれない。……けど、今日学んだ“しんどいなぁ~っ』って思うことはあるけど、それよりも『たのしいなぁ~』って思うことの方が多い”ハズよね!!
こうして、新宿FOLTに帰って来たヨヨコ先輩を私こと長谷川あくびは廣井さんと遠巻きに一緒に見ていました。……理由は、
「大槻ちゃん、最近また嬉しそうだねぇ。なんかあったの?」
「何か、ふたば幼稚園?とかで体験学習してて子供達から貰ったんだとか。」
ヨヨコ先輩がニヤァ~としながら、粘土で出来た『たらこ』か『毛虫』か何かを眺めていたのがコワ……ちょっと近寄りがたい雰囲気だったので、近寄れなかったのが原因っス。
(……なんかファンでも何でもない人から物を贈ってもらったのって初めてだわ!!これはもう、しんのすけと風間とマサオとネネちゃんとボーちゃんとふたりちゃんは……いや、ふたば幼稚園の園児達は私の"友達"と言っても過言ではないわよねっ!!!!!!!)
現に、何か痛いこと……いや、変なこと考えてますし。
「はぇ~ふたば幼稚園かぁ~。」
「廣井さん、知ってるんですか?」
「まあまあ、見てて。」
すると、廣井さんはふたば幼稚園のことを知っているのか、ヨヨコ先輩に近づいて行きました。
「何ー?ヨヨコちゃん、ふたば幼稚園に行ったのー?」
「ね、姐さん!?……ま、まあ、体験学習でですけどね。」
ふたば幼稚園のことを話しかけられたヨヨコ先輩は、廣井さんが来たときには、粘土で出来た『たらこ』か『毛虫』か何かをバッグの中に隠していました。……照れ屋っスねぇ。
「ふんふん。なるほどぉ~、しんのすけ達と仲良く遊んだんだぁ~?」
「い、いや、違いますよ!……あの子達は……特にしんのすけとかいうジャガイモ小僧は私達SIDEROSのことをお笑い芸人扱いしてきたりする……失礼な奴です!」
それを見た廣井さんは、しんのすけ?というふたば幼稚園での知り合いの話をすると、ヨヨコ先輩の反応からして正解だったのか、いつもの調子で返していました。……ツンデレって奴っスね。
「ふ〜ん、そうなんだ!じゃあ、しんちゃんのモノマネしても大丈夫だね!!……ほ〜い、ヨヨコおねえさ〜〜ん♡この『たらこ』を作ったオイラをかわいがって~~~~♡」
すると、廣井さんはそのしんのすけという子のモノマネをしていた。……けど、ヨヨコ先輩は、
「ふざけるなぁっ!しんのすけは私のことをヨヨコおねえさんとか言わないっ!!」
「デジャブ!!?」
ヨヨコ先輩は似てなさ過ぎたのか、怒ってました。それと、
「……良いですか姐さん。しんのすけは大学生以上の大人のお姉さんが好みですから私のことをハートマーク付きでおねえさんと呼ばないですしかわいがってと自分から言いませんし私が見ていたのは『たらこ』じゃなくて『明太子』です。違いはつぶつぶの所が赤い唐辛子を表現してるものでそこが『たらこ』との最大の違いです才能が有ると思いませんか?あ、あと、風間やマサオ、ネネちゃんにふたりちゃんにボーちゃんからも貰った物を見てくれますよね?モノマネをしたということはそれなりに興味を持ってくれてる訳ですからちゃんとしたモノマネをす――――――」(※ヨヨコ先輩はいつもより早口のため、句読点が少ないです。)
「……アッハイ。」
ヨヨコ先輩と廣井さんとのやり取りを見た私はこう思いました。
……ヨヨコ先輩、逮捕されないでくださいね?と。
こうして、リアルおままごとやら缶蹴りやらをやったヨヨコ先輩は無事にかすかべ防衛隊ファン2号になりましたとさ。
結束バンドファン2号と同じく“力の”2号と。
私の中ではヨヨコ先輩は、
数秒前のヨヨコ「べっ、別にしんのすけ達が発表会をしていようが興味ないわよ。」
数秒後のヨヨコ「うおおおおおお!!かすかべ防衛隊ファイヤアアアアアアアア!!」(※ペンライト振りながら)
こんなふうに幼稚園でヲタ芸とかさせる予定。……出来るか分からんけど。
ヨヨコ先輩というアイドルが“推し活”することでバンドとかのストレス緩和をさせることが出来たらエエなあとか考えてたら、思いついた。……ひどい?
次回、地獄のセールスレディ…………の予定。