【本編完結】慟哭の龍【挿絵有り】   作:ロウシ

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第四話:慟哭の鬼

 

1.

 

 

 勝つつもりなんて、なかったんだ。

 最初は。

 勇次郎。

 おまえを相手に、勝てる気なんてしなかった。

 ただ、おれは、おまえに、伝えなきゃいけないと思ってた。

 それは、例えば勇一郎さんが『父親として』伝え損ねたこと──

 例えばよ、範馬勇次郎ってスペシャルな存在が──

 スペシャルな存在のままだって、ヒトの世界に居ていいんだぞ、ってこととか。

 何も恐れることはないんだぞ、ってこととか。

 この世界には、強ェやつが、もっとたくさん、いるんだぞ……とか。

 他にも、色々。

 おまえが、勇次郎。

 強さのことを、『不純物』がないことだと思ってることとか──

 それが、間違ってるとか言いたいんじゃなくて、そういう考えもあっていいんだとか──

 おまえは、ひとりじゃなかったんだとか──

 勇一郎さんは、おまえをちゃんと愛してたんだとか──

 

 とにかく、色々言いたいこと、伝えたいことがあったんだ。

 だけど、おれ、バカだからさ。

 言いたいこと色々考えてたんだけど、おまえを前にしたら、もう()()()()()()()()()()()さ。

 他に、おまえを、範馬勇次郎を相手に、うまく伝える方法を思いつかなくってさ。

 だから──殴り合うことにしたんだ。

 伝えるだけなら、こんなこと、手紙でいいんだ。

 だけど、それじゃあとてもとても……

 手紙を完成させるだけで、もう一〇年はかかっちまう。 

 流石のおれも、もう一〇年、この強さを保てる自信はねェんだ。

 だから、おれがイチバン強いこの時にしようって。

 おれが、おまえに色々と伝えるためには、今、この瞬間じゃねェとって。

 おまえと、真っ向から殴り合うしかないって思ってたんだ。

 

 おまえ、勇次郎。

 やっぱめちゃくちゃ強ェよ。

 おれ、勇一郎さんに、毎日ボロクソにされてたけど、おまえ、たぶん勇一郎さんより強いと思う。

 それは認めるよ。

 おまえは間違いなく、勇一郎さんを超えてる。

 『地上最強の生物』だよ。

 その看板に嘘偽りはないって、おれは太鼓判を押すね。

 おれは全身全霊をかけてる。

 おれが、培ってきたおれの過去(これまで)の全て──

 だけじゃなく。

 おれが、辿ると思うおれの未来(これから)の全て──

 まで、使いはじめてるんだ。

 力剛山先生に習った力。

 勇一郎さんに習った力。

 おれを、ここまで強くしてくれたみんな。

 その総てを使い切っても、まだ届かない。

 だから、もう、おれはおれの明日を使用(ツカ)うしかないだろッ!?

 おれだって、ひとよりは幾分か頑丈なんだぜ?

 それなのに、おまえときたら、勇次郎や。

 完全に人間の域を超えてるなあ、これは。

 勇一郎さんだって、骨折はするし、青あざぐらい作ってたゼ?

 なんなら、おれだって、最後の方ではイイカンジに揉みあって、勇一郎さんと乱取りやってたんだぜ?

 なのに、おまえときたら、青あざひとつ作るのにも、おれが命懸けだもん。

 強いよ。

 本当に強い。

 感動的だ。

 

 だから、よ。

 おれ、欲張りだからよ。

 おれ、バカだからよ。

 願っちまったんだ。

 欲望ってヤツが、生まれちまったんだ。

 

 おれ、おまえをぶっ倒してェ……って。

 

 ワカるよ。

 ワカってるよ。

 力の差は歴然。

 優劣は明白。

 おれは、かろうじて手が出せてるだけで、もう拳に力が入ってるのかすら曖昧だ。

 瞼が腫れ上がりすぎて、目がチカチカしてて、勇次郎(おまえ)の姿もよく見えねェし。

 でも──勝ちてェ。

 そう思っちまったんだ。

 そう思っちまったらよォ、もう、ヤれるだけ、ヤるしかないだろォッ!?

 だって、おれはまだ死んでない。

 だって、おれはまだ立ち上がれる。

 まだ、おれには使用(ツカ)えるものがある。

 まだ、おれは拳を握れるし。

 まだ、おれの拳には、力剛山先生や、勇一郎さんが宿ってる。

 おまえは、勇次郎。

 そういうことを、絶対認めねェのは知ってる。

 強さに『純度』を求める男だもんな。

 耐え忍ぶことや、愛を、強さとは認めねェ男だ。

 ……いや、そうしなきゃ、生きていけなかった男だもんな。

 一生懸命、探したんだろ?

 自分が、ヒトと違う理由を。

 地上最強に生まれてしまった理由を。

 ヒトに生まれながら、ヒトの社会から、お前の力は逸脱しすぎてるもんな。

 だから、本当は、お前だって、寂しかったんだよな。

 たぶん。

 同じ悩みなんて、誰も共有しようがない。

 孤独──ただひたすらに、ひとりだ。

 勇一郎さんに、勝ちたかったワケじゃないんだろ?

 認められたかったんだろ? 本当は。

 “ここにいてもいいんだ“って。

 他でもない、同じ力(範馬の血)を持ってるのに、ヒトの世界で、家族を持って、ヒトとして暮らしていけてた、勇一郎さんが妬ましくて仕方なかったんだろ?

 理解できなかったんだろ?

 だから、怖かったんだろ?

 だから、家に帰らなかったんだろ?

 おまえは、勇次郎よ。

 おまえはアレだけの力を、家族のために捨てられる勇一郎さんが、理解できなくて怖かったんだ。

 ()()()()()()()()、認められたかったんだろ?

 

 勇一郎さんが、おれに任せたこと。

 おカミさんが、おれに任せたこと。

 範馬としてはお務めを果たしたが、父親としては務めを果たせなかったって、そう言うことだと思うんだ。

 それを、おまえに教えて、おまえに伝えることだと思うんだよ。

 

 父親が、子供に与えるもの。

 家族に与えられるものって、喜びだと思うんだ。

 力だと思うんだ、おれは。 

 『オヤジのゲンコツ』ってヤツだ。

 親子が──親父と息子が喧嘩したなら、親父は、親父の恐ろしさを存分に教えた上で、息子を慰めて、喜ばせる。

 そこまでやって、父親なんだ。

 生き様を見せて、子に、『道』を示す。

 その上で、『おまえはおまえの道を行くこと』を教えるのが、父親の仕事だと、おれは思うんだ。

 

 だけど、おまえは勇一郎さんを殺しちまった。

 そのせいで、おまえは『範馬の血』に、その宿命に、道を染められてしまったんだ。  

 血に縛られたんだ、勇次郎、おまえは。

 勇一郎さんは、それを後悔したんだと思う。

 勇一郎さんは、範馬の血の運命に抗って、ヒトの世界で生きていけた。

 だから、息子にも、自由に──ヒトに愛されて、生きてほしかったと思うんだよ。

 息子の幸せを願わない父親なんていないさ。

 おれの本当の父ちゃんだって、そうだったんだから。

 

 勇次郎、おまえ、ベトナムじゃ人気だったよ。

 大国に、武器もなく、たったひとりで立ち向かうおまえを、ベトナムのひとたちは愛してたよ。

 でも、それは、親が子に与えるような愛じゃなかった。

 救い主に対する愛情──宗教的な、信仰に近かった。

 どこにいても、おまえ、孤独だったんだよな。

 

 でも、安心していいぞ。

 少なくとも、今、この瞬間はッ!

 おれがいるからよ。

 勇一郎さんじゃないけど。

 おれは、獅子尾龍刃だけど。

 おれがいるからよ。

 勇一郎さんの代わりにはなれないけど。

 おまえの、遊び相手ぐらいは、やってやるからよ。

 なんなら──おまえに勝ちたいとすら、思ってるぞ、おれはッ!!

 

 ああ、ちくしょう。

 どんなに強がっても、ガタはくるなあ。

 気持ちに、身体が、そろそろついてこねェ。

 トシは、取りたくねェもんだ……

 

 

2.

 

 

 獅子尾龍刃──

 おまえがこれまで積み上げてきたもの。

 ここまで肉体を練り上げてきた歴史。

 ここに、範馬に比肩するに至るまでに乗り越えた苦難苦闘──

 愛情すら感じるよ。

 

 最初。

 親父の代わりだと──くだらんと切って捨てた。

 目にした時、おまえは、確かに餌だった。

 幾たびも夢想する、おれが、誰かに手も足も出ない夢。

 苦戦し、苦闘し、苦悶し、苦諦に塗れる。

 殴られ、蹴られ、叩きつけられ、苦杯を飲まされる。

 そんな妄想を、つい、やっちまう時がある。

 それを叶えられる相手ではねェと、タカを括った。

 

 おまえは、そこまでじゃねェ。  

 そう思ってたし、確信してたよ。

 ()()()()()()、おまえには──

 

 貌が変わった。

 どことなく、親父を思わせる貌から──

 今は、すっかり、獅子尾龍刃の貌だ。

 獅子尾龍刃が、全力で獅子尾龍刃を()りはじめた。

 遅ェよ。

 待ちくたびれたよ。

 そうさ。

 おれがヤりたかったのは、おまえだよ。

 範馬勇一郎の、模倣品(コピー)じゃねェ。

 おれがヤりたかったのは、獅子尾龍刃。

 おまえさんだ。

 おれに、勝つ気になった、おまえなんだよ。

 力剛山の元で鍛え抜かれ、

 範馬勇一郎の元で鍛え上げ、

 数々の格闘士とヤりあい、

 ついには戦場にまで踏み込んだ、おまえさん(獅子尾龍刃)

 おれと同じく、素手で戦地を駆け巡り、強者を斃しまくった、獅子尾龍刃なんだよ。

 

 いい風貌(かお)だ。

 笑ってるぜ。

 だが、チョット、傷が多すぎる。

 

 全身余すことなく骨折、及び亀裂、摩耗──

 軽度の捻挫──

 皮下出血──

 関節部の炎症──

 両鼓膜破裂──

 各部内臓損傷──

 

 重傷人だぜ。

 普通のヤツなら、激痛で動けないだろう。

 そもそも死んでいるか。

 だが、立ってくる。

 だが、打ち放たれる拳は、さらに鋭く、疾く、重くなっている。

 おれに、勝つために。

 おれに、本気で勝とうとしてやがる。

 

 だが、もういいだろ。

 佳き時間を過ごせた。

 獅子尾龍刃が積み上げた時間は、苦諦は、存分に味わえた。

 今、獅子尾龍刃が強くなり続けている理由──それは、未来(あした)を使いはじめているからだ。

 満腹を越えれば、どんな食い物でもマズい。

 食い過ぎれば、どんなに健康に気を遣ったモノでも、食は直ちに『毒』に裏返る。

 

 もう充分、堪能したぜ。

 

 終了(おわ)らせよう。

 

 おれは、パンチを掻い潜り、懐に入り──獅子尾龍刃を抱きしめた。

 

 

3.

 

 

 アレだ。

 

 と、ストライダムは確信した。

 攻勢を止めない獅子尾龍刃を、勇次郎は無抵抗に受け止めて出し、ついにはパンチを掻い潜り、抱きしめた。

 脳裏にハッキリと浮かぶ、あの光景。

 力及ばす勇次郎に殺されかけた刃牙を助けるために、勇次郎に立ち向かった朱沢江珠に放たれたアレ。

 ストライダムの眼に、今の光景と、あの時の光景がピッタリと重なる。

 

 終了(おわ)りか──

 

 ストライダムは顔中にじっとりと汗を滲ませ、つぶやいた。

 よくやった。

 獅子尾龍刃は、よくやった。

 あの範馬勇次郎を、ここまで手こずらせた。

 この地上で、誰もが出来なかったことを。

 あのビスケット・オリバや範馬刃牙でさえ出来なかったことを、獅子尾龍刃はやったのだ。

 ここで倒れること──

 範馬勇次郎に負けることを、誰が責められようか。

 

「グッドラック」

 

 あるいは祈るように、ストライダムは言った。

 

 そして──異変に気付いた。

 

 勇次郎が、抱きしめを行わないのである。

 獅子尾龍刃の背中に手を回している。

 あとは、このまま力を入れて締め上げるだけで、獅子尾龍刃の胴体部は壊滅的な被害を受け、勝敗は決するだろうに。

 

 動かない。

 勇次郎が。

 それは不思議で、あるいは不気味だった。

 ストライダムが、ほんのわずか、半歩ほど前に出る。

 無意識であった。様子を見たいと思ったからだ。

 その、微かな動きに反応するように──ッッ!

 

 獅子尾龍刃の右のショートフックが勇次郎のこめかみを打ち抜き、勇次郎の身体が大きく揺らいだ。

 

 ────ッッ!?

 

 なんだ!?

 なにが起こった!?

 

 なぜ、勇次郎は動きを止めていた??

 なぜ、トドメを刺さなかった!?

 なぜ、反撃を許したのだッッ!?

 

 勇次郎の腕が、獅子尾龍刃からほどかれる。

 勇次郎が後退り、獅子尾龍刃は着地する。

 ストライダムは目を凝らした。

 そして、獅子尾龍刃の手に、指先に、あるものが握られているのを見た。

 

 髪の毛──

 それは、本体から離れてなお、勇次郎の闘気に揺らぐ、勇次郎の髪の毛であった。

 

 そうか! 

 とストライダムは腑に落ちる。

 身体が密着した瞬間、獅子尾龍刃は勇次郎の髪の毛を抜いたのだ。

 それによって発生する、ほんのわずかな肉体の硬直。

 全くの静の状態から、突如襲いくる意識外の微かな痛み。

 予想外のそれに、さしものオーガといえど──いや、肉体の反射能力がズバ抜けている勇次郎だからこそ、コンマ何秒か止まってしまったのだ。

 

 だから、抱きしめる力を込められなかった。

 力を入れる際に、筋肉に溜めがいるのは、人間に限らず肉を持つ生物の必然である。

 範馬勇次郎とて、生物なのだ。

 その理から外れることは叶わない。

 

「獅子尾龍刃ッッ!!!」

 

 勇次郎が殴りかかる。

 鬼の形相で。

 そこに、獅子尾龍刃は一手早く、勇次郎の鼻っ柱に自らの頭を打ちつけた。

 勇次郎の鼻が潰れる。

 距離が空く。

 半端に宙に投げ出された勇次郎の手を、龍刃は優しく握り、軽く捻った。

 すると、勇次郎の身体は大袈裟なほど宙に飛び上がり、恐ろしい速度で大地に叩きつけられる。

 

 合気──

 

「ココデカッッ!!」

 

 ストライダムが叫んだ。

 勝ちに行っている。

 獅子尾龍刃は、範馬勇次郎に勝つつもりなのだッ!!

 

 勇次郎が立ち上がる。

 そこに、やらせまいと上から被さるように、獅子尾龍刃が飛びついた。

 

 揉み合うふたり。

 中腰になって立ち上がる。

 その姿勢は、獅子尾龍刃の太い腕が、勇次郎の頭に巻きつき、自らの脇に引き寄せている構図であった。

 

 ベッドロック。

 

「は、やっぱ……」

 

 龍刃が、言った。

 もう、どこを向いているかわからない顔で。

 それでも、確かに勇次郎に向けて、言った。

 

「最後は……締め技だろ……」

 

 グラップラーらしくね、と。

 

 ふ、と息を吐き。

 獅子尾龍刃は勇次郎の頭を締め付け始めた。

 

 

4.

 

 

 勇次郎が獅子尾龍刃のボディを叩いている。 

 遠目に見ても、ブっ太い血管が浮き上がるのがワカるほどに、力が入っている。

 あの、軽く打ち付けるような一撃で、ヒトが何回死ねるのだろうか?

 だが、獅子尾龍刃は揺らがない。

 力が入っていた。

 

 ぐ、と勇次郎の腰が浮き始める。

 獅子尾龍刃の腰は、逆に落ちてくる。

 

 負けるのか──ッ!?

 

 ストライダムは信じられなかった。

 目を見開いた。

 まばたきを忘れていた。

 

 範馬勇次郎が、負けるのか──ッッ!?

 

 獅子尾龍刃がさらに腰を落とした。

 勇次郎に体重を預けるように前傾になり、勇次郎の頭をより自分の胸に引き寄せている。

 勇次郎は──

 

 勇次郎の腕は、左腕は龍刃の絞める左腕を握っていた。

 右腕は────

 

 遥か彼方に、その力拳を作って待機していた。

 鬼の一撃。

 それを、範馬勇次郎は、締められた体勢のまま、獅子尾龍刃の心臓に向かって打ち抜いた。

 

 当たった。

 めり込んだ。

 獅子尾龍刃が、たまらず吐血する。

 だが、緩めない。

 より強く、締め付けようと──

 

 そして、獅子尾龍刃の身体は浮かび上がっていた。

 不自然な浮遊。

 勇次郎に握られた左腕を起点に、飛び上がり、ゆったりと、垂直の姿勢で着地した。

 

「あ……」

 

 合気──ッッ!?

 

 獅子尾龍刃は、呆然と目を見開いていた。

 眼前に迫る、胸に向かって飛ぶ勇次郎の拳を前に、へへ、と笑った。

 

「ちえッ……」

 

 困ったように、観念したように、笑っていた。

 どこか、爽やかな顔であった。

 

 獅子尾龍刃の胸に、鬼の一撃はするりと吸い込まれていった。

 

 獅子尾龍刃の足が、折り畳まれるように曲がって、龍刃はそのまま、うつ伏せに倒れた。

 

 

5.

 

 

 範馬勇次郎が見下ろしている。

 決着はついた。

 獅子尾龍刃には、もはや自身の負けを認識する力も残されてはいない。

 そして、範馬勇次郎の持論として、決着時に勝敗を決するのは、その時点での頭頂部の高さである。

 倒れ伏す龍刃、見下ろす勇次郎。

 その持論通りなら、勝敗は誰の目にも明らかだった。

 

「お、オーガッッ……」

 

 ストライダムが声をかける。

 しかし、勇次郎に反応はない。

 獅子尾龍刃を見下ろすその表情が、果たしてどんな感情を表しているのか、ストライダムにはわからなかった。

 

 範馬勇次郎は振り返った。

 そして、歩み出そうとした。

 

 その足首を、獅子尾龍刃の手が握った。

 勇次郎は振り向かない。

 動きを止めている。

 その視線は、どこを見ているのか──

 

 振り返った。

 手が離れた。

 半歩、詰めた。

 範馬勇次郎は両足を広げた。

 拳を作り、頭上に振り上げた──

 

「ゆっ、勇次郎ォォォッッッ!!!?」

 

 ストライダムが叫んだ。

 目が血走っていた。

 勇次郎は拳を止めない。

 

 

 

 範馬勇次郎の拳は振り下ろされた。

 びくりと、獅子尾龍刃の身体が波打つように、跳ねたのだった。

 




次回、最終話:最大トーナメント始まる に続く
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