幼馴染が主人公っぽかったので俺はライバル枠に収まることにする   作:アウグスティン

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この小説のためにスカーレット二周目をレトと同じ手持ちでプレイしてるんですけど、難易度高いんですよねぇ。

レトならわざわざ道を外れてトレーナー探してバトルしたりしない! ってやってたら普通に負けましたし。


15話

 セルクルジムのジムテストはその名もオリーブころがし! 

 セルクルタウンでは昔から豊作を願って収穫祭を行っているらしい。そこから引っ張ってきたこのテストでは、オリーブを模した大玉を転がすのだという。

 受付さんによるとテストは街の北で行われているらしい。

 

 言われるがままに街の外にあるイベント会場へと向かう。

 先に来ていたらしい制服姿の老若男女が何人か説明を受けていた。早足にそこへ合流する。

 スタッフ曰く──

 

 オリーブころがしとは、巨大なオリーブ玉に体ごとぶつかってころがしていく体力勝負! 

 いくつもの障害物を乗りこえてゴールのカゴにオリーブ玉を入れることができたらクリアです! 

 

 ──とのことらしい。

 全員まとめて挑戦できるほどコースが広くはないので一人ずつ順番にオリーブを転がすことになった。

 当然登録が最後だった俺は後回しというわけで、コースの脇で見学することにする。

 

 またしてもクモの巣柄なコースロープで区切られた簡素な迷路には、説明通りのでっかいオリーブが置かれていた。

 楕円形のオリーブ玉は横幅だけなら俺と似たりよったりだが、高さは俺の倍くらいはある。

 それにしてもまたこのデザイン。よっぽどクモが好きなんだろう。

 

 参加者たちは思い思いの方法でこのテストに臨んでいた。

 コース内に配置された二人のジムトレーナーをしっかり倒してから進む人や、反対に遠回りしてでも戦いを避ける人。

 

 ともあれ参加者たちの多くはジムテストを無事に攻略し、どこか別のところへと向かっていっていた。

 

 しかしなんだろうか。ジムトレーナーが手を抜いてるからかな。妙な違和感がある。

 やってみれば分かるか。

 

「それでは次の方どうぞ〜」

「は〜い。よっしゃ行くぞ」

 

 俺の番が回ってきたのでスタート地点に立つ。

 オリーブ玉は触ってみた感じ、そんなに重くはない。子供もいっぱい来るからだろう。

 

「よーい、スタート!」

 

 掛け声に合わせて玉を押し始める。

 おててが大玉に届かないパモ、おててが存在しないミニーブ。

 二匹とも押すの大変そうだな。

 

「パモ……パモっ」

「ミニニっ?!」

 

 作り物じゃなかったら齧るのにっ。

 食べられぅ?! 

 的な会話をしている気がする。

 

 ゴロゴロとオリーブを道なりに転がしていくと、ミニーブの群れが道を塞いでいた。

 群れの真ん中にはジムトレーナー。

 

「ごめん、ちょっと通りたいから横に避けてくれる?」

 

 さぁーっと捌けていくミニーブたち。

 よし。

 

「待った待った! びっくりしちゃうわ、もう。ここを通りたければ私と勝負よ!」

「テレレレレポォ────ゥ!」

 

 お前はその鳴き声なのか、コロトック。相変わらず耳に残るな。

 といったところで初のジムトレーナー戦。

 弓のような前脚を振り上げて威嚇してくるコロトックたちを一蹴し、先へとオリーブを転がすのだが。

 

 なんだろう、こう、なんというか……弱い。

 バッジ0にしてはレベルを上げすぎたのかね。心当たりがあるだけになんとも言えない。

 脳裏に緑メッシュを浮かべながらヌルゲーと化したジムテストを攻略していく。

 

「シュートっ!」

 

 二人目のトレーナーも難なく倒し、ゴールめがけてオリーブ玉を蹴っ飛ばしてあらぬ方向へ飛んでいったので慌てて取りに行って手で押し込む。

 無事にテストはクリア。コースから出るとスタッフの人がやってきて、結果を受付まで報告に行くよう言われる。

 

「ジムリーダーとの勝負もファイトです!」

 

 激励の言葉を受けてジムの建物へと戻った。

 施設内には俺より先にテストを受けていたメンバーのうち何人かが休憩していた。

 彼らを尻目に受付さんに結果を伝えに行く。

 

「レトさんには当ジムリーダーと勝負する資格が与えられます」

 

 テストに合格したことを報告すると、そう言われた。受付さんが続ける。

 

「お菓子の虫……ジムリーダー、カエデに挑みますか?」

「もっちろん!」

 

 二つ名なのかな。ジムトレーナーもむしポケモン連れていたし、むしタイプのジムだったか。

 道理であちこちクモ柄なわけだ。

 

「それではバトルコートに案内します」

 

 そうして連れられた先は、一時間ほど前にケーキを食べたツリーハウスの天辺だった。こんなところにバトルコートがあったとは。

 コートにはエプロンをつけ、いかにもケーキ屋の店員といった女性がビビヨンと戯れながら待っていた。

 

「うふふ〜。自己紹介がまだだったかしら〜。ジムリーダーのカエデです〜。びっくりしたかしら〜」

「……? …………、あっ、ビビヨンのトレーナーさん。さっきはありがとうございました!」

「いえいえ〜。ビビヨンちゃんたちも喜んでたわ〜」

 

 手を合わせてほわほわと微笑むカエデ。穏やかな人だな。

 

「いけないいけない〜。今はジムの時間だったわ〜」

 

 そう言ってモンスターボールを取り出す。

 

「口に入れて幸せなお菓子も草木にひそむむしポケモンも小さいけど大きな力を持ってます〜。足をすくわれないようふんばってくださいね〜」

 

 ジムリーダーのカエデが勝負をしかけてきた! 

 繰り出されたのはマメバッタという大きな脚のバッタポケモンだ。

 あ、この子、ネモと動画で見た子じゃないか。ジムリーダーのポケモンだったのか。カッコいいな。

 

「よし頼んだ、パモ」

 

 指示を出し、パモを舞台に進ませる。

 

「むしポケモン、甘く見てたら痛い目見ちゃうかもですよ〜」

「当然! 思いっきりいきます。左に、それから『でんこうせっか』」

「マメバッタちゃん『むしのていこう』」

 

 飛びかかってきたマメバッタを躱してパモが高速で体からぶつかる。

 ポコンと跳ね飛ばされたマメバッタはくるくる回って着地し、こちらに向き直った。

 まだまだ元気そうだ。

 

「『じゅうでん』」

「パモちゃんの周りを飛び跳ねて〜あら?」

 

 こちらの狙いを撹乱するように高く跳ね回るマメバッタ。すごいジャンプ力だ。手のひらに乗せられるくらいの大きさなのに何メートルも跳んでいる。

 パモにはそんな機動力は無いので素直に迎え撃つことにし、準備を始めさせる。

 クシクシと頬に手のひらを擦りつけててかわいい。電気がバチバチいってるけど。

 

 ここからマメバッタはパモの気を逸らすためにわざと音を立てるように正面に着地してきて、後ろに回り込んでからにどげりをしてくるから。

 

「後ろ、斜め上に『でんきショック』」

「『にどげり』あらら〜?」

 

 バチンと弾けた閃光が再びマメバッタを吹き飛ばす。

 あ、ちょっとズレた。やっぱり戦闘中の短い言葉だけで指示を伝えるの難しいな。

 でもこれ以上早く指示を出すと、見て避けられるのはネモで学んだ。やっぱり某生ける伝説さんの言葉は不要戦法は正しかったんだな。

 俺も出来るようになりたい。

 

「『でんこうせっか』」

 

 もう一度小突いて戦闘不能にする。

 ようし。まずは一勝。

 

「よくやったパモ! 後でめーっちゃ撫でてやる!」

「パモパモ!」

 

 誇らしげにするパモ。

 カエデが倒れたマメバッタをボールに戻す。

 

「お疲れ様、マメバッタちゃん。タマンチュラちゃん、お願いね〜」

 

 二匹目はタマンチュラか。馴染み深いポケモンだけれど、背中の糸もなんだか太いように見えるし強そうだ。

 

「それじゃあいくわよ〜」

「あ、ちょ、ちょっと待って。えーとどっちだっけ? こっちか」

 

 ベルトからモンスターボールを外して構えた。

 開閉ボタンを押してパモをボールにしまう。

 

「戻れパモ! んで、行くぞミニーブ!」

 

 相性は悪いけどなんだか今ならいける気がするんだ。




コサジで見つけたパモだけでゲーム進めるのが厳しくて、ゲーム内でミニーブ捕まえたから小説の手持ちにも追加されたという裏話
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