「どぉこここぉ…?」
グラトニーの腹の中から本物の真理の扉で脱出したと思ったら見覚えの無い路地裏に放り出された件について。
「いやなんで?原作だとお父様の所だったじゃん。なんで路地裏?」
本来ならばグラトニーがお父様のいる地下に戻った時、グラトニーの腹が裂けてそこから呑み込まれたエド達が脱出する筈だったのだが今現在俺が居るのは全く見覚えの無い路地裏。
何かしらの理由でまだグラトニーが地下に着いて居ない時に脱出出来たのだろうか?と放り出された時に顔面から落ちたのでうつ伏せの状態で考えていた。
「よっこいしょ…まぁ取り敢えずこんな所で一人考えてないで皆と合流するか」
恐らく俺がこんな路地裏に居るって事は一緒にグラトニーの腹の中から脱出したエド達、ひいてはグラトニーに付いてお父様の元へと向かっていたアルが近くに居るはずなのでその場を移動する為にも立ち上がる。
「しっかし暑いな?全く夏でもあるまいし…冬用の軍服のせいで熱が篭って仕方ない…」
取り敢えず路地裏から出ようと歩き出しながら蒸し蒸しとした暑さに辟易しながらも額に流れた汗を拭った瞬間、違和感を感じ足を止めた。
暑い…?可笑しい。確か先程までのグラトニー&エンヴィーペアと戦っていた時は季節は肌寒くなり始めた冬だった筈だ。なのに今は何もしていなくても体から汗が流れるほどに暑くなっている。
まるで夏のように。
少し嫌な予感がした。もしや原作よりも早く脱出したのではなく、グラトニーの腹の中の時間と現実世界の時間の進み方に差があって本来脱出するべき時期を大幅に遅れて脱出したのではないかと…。
「いや…それは流石に無いか。さっきから人の気配がするし…」
もし仮に本当に時期が遅れていたとして、あのお父様が人柱が一人居なくなっただけで国土錬成陣と5人の人柱を利用した5000万人の人間を賢者の石にするあの計画を止める訳が無い。原作でも残っていた最後の人柱をロイ・マスタングに無理やり人体錬成させる事で集めきって居たのだから。
あのお父様ならもう一人人柱を作る事ぐらいするだろう。
その場合、先程からする大勢の人の気配が本来なら無いはずだ。
「はぁ、考え込んでも致し方無い…か。取り敢えずエド達を探そう」
どう頭を捻っても答えは解らないしエド達と合流してから考えれば良いと結論付け、止めていた足を再度動かし路地裏から抜け出す。
しかし路地裏から抜け出した瞬間、見覚えのある光景に俺は衝撃を受け体が固まってしまった。
「な…なん…で…?」
天まで届くと言わんばかりのビル群にアメストリスで走っていた20世紀初期の様な車では無く、最新であろうデザインの車が走り、街を歩く人々もアメストリスでは全く見ない平坦な顔と少し背が低く、アメストリス人と言うよりはシン国の人間に近い見た目をしている。
その光景は俺がハガレン世界に転生する前、いつも見慣れた現代の日本の光景だった。
今俺の頭の中は様々な疑問が幾つも浮かび、キャパオーバー寸前までいっていた。考えてみろ、グラトニーの腹の中から脱出する為に真理の扉を開いた→出て来たらそこはアメストリスではなく現代の日本です。おかしいだろ!?
「そもそもエドは言っていたじゃないか…グラトニーが偽りの真理の扉なら正しい扉を潜れば正しい空間に出られる筈だって…なのになんで…あ!」
そうか…!そういう事か…!俺に取っての正しい空間は日本なんだ!!俺の肉体は確かにハガレンの世界の物だ。だけど魂と精神は違う、この2つは元々前世である日本人つまり俺自身の物なんだ。そのせいで本来ならアメストリスに出られる筈が魂と精神に肉体が引っ張られて日本に出ちまったんだ…。
「まじかぁ…日本に戻って来ちまったのか…」
恐らくだがエド達は原作通りに地下でお父様と会えているだろう。彼等にとって正しい空間はあの世界であり、日本では無いのだから。
「取り敢えずどうにかしてあっちの世界に戻らないと」
だが既に俺にとっても正しい空間はあの世界なんだと俺自身は思っている。確かに魂と精神にとって正しい空間は日本なのだろうが、転生する前よりも長く生きたあの世界なんだ。
思い出やらなんやらが詰まった世界なんだ。どうにかして戻る方法を探さないといけない。
「……取り敢えず何処か涼める場所に移動するか」
ぶっちゃけこのままここで立ち尽くしても何も出来ないだろうし、なんなら今の日本は夏のせいで無茶苦茶暑い。着ている服が冬用の軍服なのも相まって灼熱地獄そのものだ。
恐らく大きめのデパート位近くにある筈だからそこに行こうと考え歩き出す。勿論移動中はハガレン世界に戻る方法を考えながら。
「多分だけどエドがやった自分自身を人体錬成するのは意味ないだろうな。どうせまた日本のどっかに放り出されるだけだろうし、それにリバウンドが怖過ぎる」
そうしてしばらくの間、涼める場所を探しながらうーん?うーん?と考えながら歩いて居ると周りの人達がざわざわとしているのに気が付いた。
何かあったのだろうかと聞き耳を立てて話を聞いてみると「すげー」やら「なにこれ?門?」など聞こえ色んな人が手に持った携帯を俺の後ろへ向けて掲げている。
何だろうかと後ろを振り向くとそこには交通道路を横断するかのように存在する巨大な門が現れていた。
「なぁにあれぇ…?」
今後の展開において、GATE世界の日本にハガレンの漫画がある世界線と無い世界線、両方を考えて居るのですがどちらを書くか決めかねているのでアンケート致します。
-
GATE世界にハガレン漫画がある展開
-
GATE世界にハガレン漫画が無い展開